光沢のある肉厚の葉がトルネード状に広がる個性的なザミオクルカス。
地中から顔を出した新芽が葉を広げるまでの姿がユニークで力強いのが特徴です。中国では「金銭樹」とも呼ばれ、金運をもたらす植物としても知られています。
そんなザミオクルカスの元気がない様子にお悩みの場合、まずはよく観察してみましょう。
今回は、ザミオクルカスの元気がない時に考えられる主な原因、その対処法までをくわしくご紹介します。
ザミオクルカスの元気がない時に考えられる原因、対処法まで
ひとことに「元気がない」といってもその症状はさまざま。今回は、ザミオクルカスの元気がない時によく見られる主な症状別で解説していきます。
ザミオクルカスの元気がない 症状①葉がしおれる
ザミオクルカスの出身地はアフリカ東部の乾燥地帯。そのため、暑さには強いものの、寒さには非常に弱いという特徴を持ちます。
生育適温は20度以上で、15度以下になると生育が鈍る「休眠期」に突入します。
暑さと乾燥に強いザミオクルカス!でも、寒さと蒸れは苦手…
生長が緩慢になると同時に弱まるのが「根が水分を吸い上げる力」です。
つまり、気温が下がっているのにも関わらず、暖かい時期と同じように水を与えていると、根が冷えて傷んだり、腐ったりして株が弱ります。
ザミオクルカスの元気がない 症状②葉が落ちる
ザミオクルカスの葉が落ちる場合、まずは寒さに当たっていなかったか確認してみましょう。
室内であっても気を付けなければならないのが「朝晩の窓際」です。特に、夜間に水やりすると鉢の中に残った水分が冷えて根を傷ませてしまう恐れがあります。
また、暖かい時期は直射日光に注意します。ザミオクルカスはポトスやモンステラなどと同じ「サトイモ科」です。
サトイモ科の植物に共通するのが「強光で葉が焼けやすい」ということ。
葉焼けすると葉の一部が焼け焦げたように変色する(写真はポトス)
ザミオクルカスは木漏れ日のような場所を好むため、あまりにも日光が強いと葉が変色したり、そのまま落ちてしまったりすることがあります。
特に気を付けたいのが「急激な環境の変化」です。
室内に置いていたザミオクルカスをいきなり屋外の日向に出すと、葉が日光に対応しきれず葉焼けを起こすことが多いです。
移動する場合は数日かけて少しずつ日光に慣らしましょう。
暑さに強いザミオクルカスだけど、真夏の直射日光は避けたほうがいい。なぜなら、高温時は葉焼けリスクが高まるから。実は、自生地のひとつ「タンザニア・ザンジバル諸島」では、34度を超えることは滅多に無いんだ。
水やりチェッカーで水のやり過ぎ、やり忘れを防ごう
春~秋(最低気温が15度以上)は土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと水を与えます。
最低気温が15度以下になる秋~冬は、土が乾いてさらに2~3日ほどしてから常温の水を土全体が湿る程度に与えましょう。
ただ、寒い時期の水やりはなかなか難しいものです。そんな時は「水やりチェッカー」を使うと管理が楽になりますよ。
スティック状のチェッカーを土に差すだけ。これだけで、土の乾き具合を色で知ることができます。
見た目もシンプルでグリーンの邪魔をしない
水やりのタイミング | |
春~秋(最低気温が15度以上) | チェッカーが「白」になったタイミングでたっぷりと与える |
秋~冬(最低気温が15度以下) | チェッカーが「白」になってさらに2~3日してから常温の水を与える |
キャビノチェ|Cabinotier サスティー Mサイズ ホワイト
特に、冬場は水やりのタイミングが難しい。このようなアイテムを活用することで、管理が楽になるだけでなく「根腐れ」を防ぐこともできるね。
ザミオクルカスの元気がない 症状③葉の色が悪い
ザミオクルカスの葉の色が悪いという場合、まずは「寒さ(15度以下)」「直射日光(夏)」に当たっていなかったか確認しましょう。
また、鉢底から根がはみ出ていたり、芋の圧力で鉢の側面が膨らんでいたりする場合、鉢内が根や芋でいっぱいになり、水分や養分がスムーズに吸収できていないと考えられます。
この場合、春から秋の暖かい時期にひとまわり大きめの鉢に植え替えましょう。
ただし、ザミオクルカスは寒さが苦手。最低気温が15度以下になったら植え替えは避けた方が無難です。
葉がベトついたり、蜘蛛の巣のようなものが付着していたりする場合は害虫の可能性
寒さ、水やり(やり過ぎ、やり忘れ)、直射日光(主に夏)、根詰まりなどの可能性が考えられないという場合、害虫が付いていないかも確認します。
カイガラムシであれば、葉がベタベタとしてくるはずです。また、ハダニであれば、葉の表面や付け根、茎まわりなどに蜘蛛の巣のようなものがみられます。
一見、ただの汚れのように見える茶色の粒。実はカイガラムシ。べとつきの原因はカイガラムシの糖分を含む排泄物。
ちなみに、白い粉のようなものが湧くのは「コナカイガラムシ」です。(下画像)
これらの害虫が見つかった場合はできるだけ早めに取り除いてください。
放っておくと吸汁によって株を弱らされるだけでなく、他の植物にまで被害が拡がる恐れがあります。
耐陰性のあるザミオクルカスだけど、本来は明るい場所を好むよ。あまりにも日光不足が続くと株自体が弱ってしまう。室内なら南向きの窓際がベスト!薄暗く風通しの悪い場所では害虫も湧きやすいよ。
ザミオクルカスの元気がない 症状④根元がぶよぶよ
ザミオクルカスの根元がぶよぶよしていたり、柔らかくなって折れ曲がっている場合、根腐れを起こしている可能性が高いです。
ザミオクルカスは地中の芋に沢山の水分、養分を蓄えています。そのため、土が乾ききらないうちに水を与えていると、根が蒸れて腐ります。
結果、根元まで腐敗が拡がりぶよぶよしてしまうのです。
この場合、鉢から取り出して根がぶよぶよになっている部分を取り除きます。残念ながら、すべてぶよぶよになっている場合は復活が難しいです。
その場合は「葉挿し」という選択肢も残っています。硬くハリのある葉が残っている場合、付け根からもぎ取り水に差しておくと、うまくいけば2週間ほどで発根します。
ザミオクルカスは地中の芋にたくさんの水分を蓄えている=乾燥に強い!
下写真がザミオクルカスの芋です。
まるでジャガイモ…(もちろん、食べれません!)
これは茎の一部で生長とともにどんどん肥大します。その勢いは鉢を割るほどです。
そのため、ザミオクルカスは最低でも2年に1回は植え替えが必要になります。
ザミオクルカスは寒さが苦手だよ。植え替えは植物にとって手術のようなもの。できるだけ負担の少ない暖かい時期に済ませよう!ザミオクルカスの場合、最低気温が15度以下になったら植え替えは春まで待った方がいいよ。
まとめ
タケノコみたいな見た目のザミオクルカスの新芽
ということで、今回はザミオクルカスの元気がない時の主な原因、その対処法までをくわしくご紹介しました。
想像以上の芋っぷりに驚かれた方も多いのではないでしょうか?
このザミオクルカスの芋ですが、あえて地中近くに出して育てることもできますよ。「芋仕立て」として売られているケースもあります。
土から芋が見えています!
色々な楽しみ方ができる元気で生命力にあふれるザミオクルカスですが、「寒さ」「水のやり過ぎ」「夏場の直射日光」には十分に気を付けて育ててみてください。
ザミオクルカスを葉挿しで増やしてみよう!
そして、葉が増えたらぜひ「葉挿し」にも挑戦してみてはいかがでしょうか?ザミオクルカスの葉挿しに適しているのは気温が上がり始める春です。
葉を付け根からもぎ取り、そのまま土に差します。または、葉の付け根を水に浸け、2週間ほどすると小さな芋が出現します。
もちろん、大きな株に生長するまでは最低でも1年はかかりますが、生長の過程を楽しむことができますよ。