小ぶりな葉がふんわりと茂る癒し系グリーン・ワイヤープランツ。
その名の通り、針金のように伸びるつるが特徴の植物で、観葉植物としてはもちろん、グランドカバーとしても高い人気を誇ります。
そんなワイヤープランツ。実は、カットして水に差すだけで簡単に増やすことが出来るのをご存じですか?
今回は、ワイヤープランツを水差しで増やす方法を写真付きで分かりやすくご紹介します。
ワイヤープランツを水差しで増やす方法を分かりやすく解説!
ワイヤープランツは伸びすぎたつるをカットして、水や土に差すだけで簡単に増やせます。とはいえ、失敗を防ぐためにはちょっとしたコツも必要なのです。
手順とコツをくわしくみていきましょう。
ワイヤープランツの水差し 手順①適期は4月~6月頃
ワイヤープランツを水差しで増やすのに適しているのは、春から秋にかけての暖かい時期です。
中でも、気温が上がり始める春は生育がさかんになるため、水差しで発根させるのに適しています。
春に発根させることで、冬までにより多くの生育期間をもうけられる
ワイヤープランツを水差しで発根させ増やすなら、できるだけ太く丈夫なつるを選びましょう。
春に水差しすることで、冬までにより多くの根を張り、冬の寒さに備えることができます。
ワイヤープランツの水差し 手順②つるを約15cmカット
太くて丈夫そうなつるを約15cmカットします。カットする際は切れ味のよい清潔なハサミを使いましょう。
切れ味の悪いハサミだとつるの断面が潰れてしまい、水分が吸い上げにくくなってしまうからです。
つるの下半分に付いている葉は取っておく
水に差す方の葉はあらかじめ取っておきましょう。葉を取る理由は、水に差しやすくなるからだけではありません。
葉が多いとそれだけ蒸散により水分が放出されます。
植物は葉がある限り光合成をおこなうため、葉が多いと発根する前に乾燥によってつるが枯死してしまう恐れがあります。
乾燥による枯死を防ぐためにも、水に差す部分の葉(つるの下半分くらい)はあらかじめ取っておくのがよいでしょう。
ワイヤープランツの水差し 手順③水道水に差す
水道水を入れた透明の容器にカットしたつるを差します。つるの1/4~1/3程度が水に浸かるようにしてください。
水替えは5日~7日に1回程度でok!
水道水の場合、微生物や不純物の繁殖を抑える残留塩素が含まれています。そのため、水は毎日替えなくとも傷みにくいです。
基本は5~7日に1回程度の水替えで十分でしょう。暖かい時期は念のため、3日に1回程度にすると安心です。水を清潔に保つことで腐敗を防ぎます。
- 一年を通して…7日~10日に1回程度の水替え
- 夏場…水が傷みやすいため、3~5日に1回の水替え
ワイヤープランツの水差し 手順④10日~14日ほどで発根
水差しにしてから10日~14日ほどで白い根っこが伸びてくるでしょう。
不安な場合はメネデールを使ってみるのもよい
「できるだけ失敗したくない」という場合は、発根促進剤を使ってみるのもおすすめです。発根促進剤にもいくつか種類がありますが、おすすめは「メネデール」。
メネデールは活力剤ですが、水差しの際に使うことで発根を促す効果もあります。使い方は簡単で、1リットルの水に対してキャップ1杯のメネデールを薄めるだけ。
残った水溶液は、他の観葉植物の水やりに使用することもできます。肥料ではないので、一年を通して使用可能です。
ワイヤープランツの水差し 手順⑤大きく育てたいなら土に植え付ける
水差しで発根させたワイヤープランツ。そのまま水差しで楽しむこともできますが、より大きくボリュームのある姿に育てていきたいなら、土に植え替えましょう。
根が5cmほど伸びたら土に植え替えます。使用するのは小さめの鉢と水はけのよい清潔な土です。
土は、養分を含まない・清潔な・水はけの良い土を使おう
この時に使う土は養分を含まないものがよいでしょう。また、使い古しの土ではなく、清潔な土がベストです。
市販の「挿し芽・種まき用土」で構いません。なければ赤玉土(小粒)やバーミキュライト等でもokです。
ワイヤープランツの水差し 手順⑥水やり後、根が活着するまでは乾燥し過ぎに注意
発根しているとはいえ、それは水差しで発根させた根っこです。新しい環境である土に馴染むまではまだまだ油断できません。
土に根がしっかりと張るまでは、土が乾きすぎないように気を付けてください。土の表面が乾いてきたら土全体が湿る程度に水を与えましょう。
直射日光を避けた風通しのよい場所に置き、急激な温度変化の少ない環境で見守ります。
室内で水差しのまま育てることは可能?
もちろん、水差しで発根させたワイヤープランツをそのまま水差しとして楽しむこともできます。
ただ、水差しの場合はどうしてもつるがひょろひょろとなり、弱々しい姿に育ちやすいです。
水差しの場合、水温の急激な上昇や低下を避けなくてはなりません。そのため、窓際には置きにくいのです。
その結果、もやしのように細いつると、葉と葉の間隔が伸びてスカスカの見た目に育ちます。ボリュームのある丈夫な株に育ててたいなら土に植え替えるのがよいでしょう。
とはいえ、水差しは土を使わないので室内でも清潔に植物を楽しめます。メリットとデメリットを理解した上で、どちらで育てていくかを検討してみてくださいね。
- ボリュームのある丈夫な姿に育てていきたい➡土に植え替えるのがおすすめ
- とにかく室内で清潔にグリーンを楽しみたい➡水差しのままで育てるのもよい
ワイヤープランツの水差しが発根しない理由と対処法
時期が悪かった
ワイヤープランツは温暖な環境を好むため、水差しで発根させるなら適切な温度を保つことが重要です。
ワイヤープランツを水差しで発根させるには、20~25度の温度が適しています。
寒すぎると発根が遅くなり、逆に高温すぎると乾燥してしまうことがあります。
直射日光に当てた
直射日光に当たることで、水差しの水温が急激に上昇します。
高温になると根の成長が阻害されることがあるため、適度な温度を保つことが発根を促するためには重要です。
また、強い光に当たることで葉からの蒸散が促され、根が出る前に乾燥で枯れてしまう恐れもあります。
葉が多すぎた
ワイヤープランツを水差しで発根させたいなら、水に浸かる部分の葉はあらかじめ取っておきます。
葉が多すぎると根が出る前に、葉からの蒸散によって乾燥して茎が傷む恐れがあるからです。
また、葉が水に浸かり続けることで腐敗のリスクもあります。
ワイヤープランツを水差しで増やす方法!発根しない理由も解説【まとめ】
ということで、今回はワイヤープランツを水差しで増やす方法をくわしくご紹介しました。
ずばり、ワイヤープランツを水差しで発根させる最大のコツは「適期におこなうこと」。これに尽きます。
たとえば、気温が下がり始める秋に、ワイヤープランツを水差しで発根させたとしましょう。
発根後、根が十分に育つためには期間が必要になります。発根したはいいものの、根が十分に育つ前に寒い冬が来ると、しっかりと根が張る前に弱ってしまうことも多いです。
特に、「水差しでボリュームのある株を増やしたい」という場合、暖かくなり始める春頃に水差しに挑戦することで、その後の失敗を防ぐことができるでしょう。