ふわふわもふもふの葉がまるでうさぎの耳のように可愛らしい多肉植物「福兎耳(ふくとじ)」。
見た目はもちろん感触も癒し系の福兎耳は人気の多肉植物です。今回はそんな福兎耳の簡単な増やし方をご紹介します。
福兎耳(ふくとじ)の増やし方を分かりやすく解説します!
福兎耳は挿し芽で簡単に増やすことが可能です。基本はカットして土に挿すだけですが、いくつかのポイントを押さえておくことで失敗を防ぐことができます。
福兎耳の増やし方 手順①適期は春か秋
福兎耳は春と秋に生育が盛んになります。そのため、増やす作業は春か秋におこなうと失敗しにくいです。
作業におすすめの時期は春先
特におすすめなのは3月下旬~5月上旬頃。気温が上がり始める時期に作業することで、冬までの間により長く生育期間をもうけられます。
逆に、生育が緩慢になるのが真夏と真冬です。また、梅雨時期は土が蒸れやすく弱ってしまうことが多いので避けた方が無難です。
福兎耳の増やし方 手順②7cmほど茎をカット
切れ味のよいハサミで茎を約7cmカットしてください。
伸びすぎている茎を中心にカットします。このとき、少なくとも葉が2枚以上つくようにしてカットします。
カットした元株は数か月後、脇芽が出て葉が茂ります
カット後の元株は引き続き管理することで数か月後、新しい葉が茂ります。ただ、大胆にカットして葉数が減った場合、これまでよりも土が乾きにくくなるでしょう。
これは葉数が減ることで光合成量が減り、蒸散により放出される水分の量も少なくなるためです。再び葉が増えるまでは水のやり過ぎに気を付けて育ててください。
福兎耳の増やし方 手順③葉数の調整
カットした福兎耳の茎は葉数を調整しておきます。
土に挿す部分の葉はあらかじめ取っておきましょう。このようにすることで、土の中で葉が腐敗するのを防ぎます。
葉数が多すぎると蒸散により茎が枯れてしまうことも
葉数を調整する理由は他にもあります。それが「蒸散を抑える」ためです。
葉がある限り、植物は光合成して水分を放出します。ただ、カットした茎は根を失っている状態。
葉が多いと水分供給が追い付かず、発根前に枯れてしまうこともあるのですね。それを防ぐためにも、多すぎる葉はあらかじめ減らしておく必要があるのです。
取り除いた葉は「葉挿し」に使うこともできます。
福兎耳の増やし方 手順④土を準備
小さめの鉢に水はけのよい土を入れておきましょう。ここにさきほどの茎を挿し込み発根を待ちます。
どんな土が適している?
この時に用意する土は3つの条件を満たしている必要があります。それが、
- 清潔である(使い古しではない)
- 水はけがよい
- 養分を含まない
です。市販の「挿し木・種まき用土」で構いませんが、なければ赤玉土(小粒)やバーミキュライト、川砂等でも構いません。
福兎耳の増やし方 手順⑤茎を挿す
ピンセットや使い古しの箸を使って茎を土に挿し込みます。このとき、土がカラカラに乾いているようにしてください。
茎が折れ曲がらないようにして差し込もう
下写真のように、ピンセットで茎を挟み込み、そのままピンセットごと土に茎を挿し込むと作業がスムーズです。
箸で穴を開け、そこに茎を挿し込むのもよいでしょう。茎が折れ曲がらないようにします。
福兎耳の増やし方 手順⑥水やりは10日程経ってから
さて、すぐに水やりをしたくなるところですが、水やりは10日ほど経ってからおこないます。しばらくは直射日光を避けた半日陰に置きます。
なぜ、すぐ水やりしてはいけないの?
すぐに水やりしない理由は腐敗を防ぐためです。
傷口が塞がっていない状態の切り口を水に水に晒すと、断面から腐敗が進む恐れがあります。切り口が乾燥するまではそのまま様子を見ましょう。
また、福兎耳はその多肉質な葉に沢山の水分を蓄えています。最低でも7日は水やりを我慢してください。
10日後に水やりしたら、そこからは土がしっかりと乾くまで水やりは控えましょう。土がしっかりと乾いていたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水をやります。
できるだけ日当たりよく、風通しのよい場所に置いて育てましょう。
福兎耳の管理を楽にしてくれるアイテムも
水やりのタイミングがイマイチ分からない…という場合、水やりチェッカーがあると便利です。
福兎耳のような多肉植物の場合、水のやり過ぎによる根腐れを起こしやすいです。とはいえ、慣れるまでは水やりのタイミングが分からないことが多いのも事実。
そんな時は水やりチェッカーを土に挿しておくと、最適な水やりのタイミングを色でお知らせしてくれますよ。
- 春・秋…チェッカーが「白」になったタイミングで鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与える
- 夏・冬・梅雨時期…チェッカーが「白」になってさらに3~4日ほどしてから土の約1/3が湿る程度に水を与える。特に梅雨時期は蒸れやすいため風通しのよい場所におくことも重要。
福兎耳は葉挿しでも増やせる?
できなくはないけど、挿し木の方が簡単で早い
福兎耳は葉挿しでも増やせますが、挿し木に比べると失敗しやすく、かつ時間もかなりかかります。
鑑賞できるくらいまでは、少なくとも2年はかかることが多いです。
葉挿しするなら適期は春
福兎耳を葉挿しで増やすなら、生育が盛んになり始める春におこないます。
- 茎から葉を丁寧に取る(葉の付け根が千切れないように)
- 乾いた土の上に置く(埋めない)
- 葉の付け根から発根したら水やりを開始
福兎耳(ふくとじ)の増やし方を分かりやすく解説【まとめ】
増やす楽しみも味わえるのが多肉植物!
ということで、今回はふわふわもふもふの葉が可愛い福兎耳の増やし方をくわしくご紹介してみました。
基本はカットして土に挿すだけです。とっても簡単ですよね。
ただ、失敗を防ぐために押さえておきたいのが「適期におこなうこと」です。
真夏や真冬は極端な暑さと寒さによって生育が鈍り、どうしても失敗しやすくなります。
このような時期は「休眠期」といい、発根するまえに茎が枯れてしまうことが多いのです。
福兎耳の増やし方【手順】
- 適期は春か秋(おすすめは春先、3月末~5月上旬頃)
- 7cmほど茎をカットする
- 葉数の調整
- 土を準備(乾かしておく)
- 茎を土に挿す(水やりしない)
- 10日ほど経ってから水やり
- その後は土が乾いてからたっぷりと水やり