ウンベラータの魅力といえば、何といっても大きなハート型の葉ですが、穂先に膨らむ赤色の新芽がなかなか開かない様子にお悩みではありませんか?
今回は、ウンベラータの新芽が開かない時に考えられる原因と対処法までをご紹介します。
ウンベラータの新芽が開かないのはなぜ?原因と対処法
ウンベラータの新芽が開かない場合、まずは今現在がウンベラータにとって「生育期」か「休眠期」のどちらかを確認しましょう。
ウンベラータの新芽が開かないなら、まずは天気予報を確認してみよう
基準となるのは天気予報です。
最低気温が15度以上であれば生育がさかんな「生長期」で、最低気温が15度以下なら生育がほぼ止まる「休眠期」となります。
- 生長期のウンベラータ…暖かい時期は生育がさかん。適切な管理環境を用意すればどんどん新芽が開いて新しい葉を展開させる時期
- 休眠期のウンベラータ…寒い時期は生育がほぼ止まる。新芽は開きにくくなる。この時期は無理に新芽を開かせようと試行錯誤するのではなく、現状維持できればok。
休眠期のウンベラータは寒さによって新芽が開きにくい
天気予報をチェックして、最低気温が15度以下ならウンベラータの新芽は開きにくいでしょう。これは仕方のないことです。
プロが管理する温室でもない限り、一般家庭内で熱帯原産の植物を完璧に育てるのはほぼ不可能です。
日中は暖かい室内も、暖房を消した後の朝晩は私たちが思っている以上に冷え込みます。
熱帯地方が原産のウンベラータにとって、20度を下回ったら生育が鈍る休眠期の入口なのです。
休眠期は無理に生長させようとするのではなく、現状維持ができればok。春になれば気温が上がり、新芽は膨らみ始めるでしょう。
秋~冬は空気の乾燥によって葉が傷みやすい。こまめな葉水で湿度を保とう
問題は、生長がさかんな暖かい時期に新芽がなかなか開かないという場合です。
生長期なのにウンベラータの新芽が開かない原因とは?
天気予報をチェックして、最低気温が15度以上なのに、新芽が待てど暮らせど開かない…という場合、
考えられるのが「根詰まり」「光線不足」「根腐れ」「病害虫」などです。
ウンベラータの新芽が開かない原因①根詰まり
まずは鉢底をチェックしてみましょう。根っこが苦しそうにはみ出ているなら、鉢内が根っこでいっぱいになる「根詰まり」が疑われます。
根詰まりした状態を放置していると、鉢の中が根っこでぎゅうぎゅう詰めになり、水分が養分がスムーズに吸収できなくなってきます。
さらに根詰まりを放置し続けると、水はけの悪さによって鉢の中が蒸れやすくなり、根腐れを引き起こすこともあります。
鉢底から根が出ていない時は?
また、鉢底から根が出ていなくても、前回の植え替えから2年以上経過している場合は土が劣化している可能性が高いです。
土は経年によって徐々に粒が崩れ、団子状に固まります。すると、水はけが悪くなることで根が傷みやすくなることも。
春から秋にかけての暖かい時期に、新しい土に植え替えてやります。根詰まりしている場合はひとまわり大きめの鉢がよいでしょう。
ウンベラータの新芽が開かない原因②光線不足
ウンベラータは耐陰性(室内の少ない光でも育つ力)があるため、観葉植物として知られていますね。
しかし、本来は明るく風通しのよい場所を好む植物です。
あまりにも日光が足りないと光合成が十分におこなえず、生長に影響を及ぼすこともあるでしょう。
日光不足が長く続くことで新芽が開きにくいだけでなく、葉と葉の間隔が伸びてひょろひょろとした姿に育ちます。これが「徒長(とちょう)」です。
ウンベラータに適した置き場所とは?
室内であれば、南~東向きの窓際がベストです。暖かい時期は窓を開け、できるだけ風通しよくしてやると生育も良くなるでしょう。
20度以上の暖かい時期なら屋外の日陰~半日陰に置くのもおすすめです。
十分な日光と風通しを確保することで、光合成がさかんになりどんどん新しい葉を展開してくれるはずですよ。
ただし、屋外で注意したいのが直射日光。ウンベラータは直射日光により葉焼けを起こしやすいです。
特に夏場は日陰に移動し、直射日光が当たらないように気を付けます。鉢が大きくて移動が大変な場合、キャスター付きの鉢スタンドがあると便利です。
ウンベラータの新芽が開かない原因③根腐れ
- 土が乾ききらないうちに次から次へと水を与えていた
- 水やり後の鉢を直射日光に当てていたor熱くなった床面に直接鉢を置いていた
- 根詰まりしたまま放置している
- 2年以上植え替えていない
上記のような症状がみられる場合、鉢内の蒸れによって根が呼吸できずに傷み、根腐れを起こしている恐れもあります。
ただ、根腐れの場合、新芽が開かないどころか株全体が明らかに弱ってくるはずです。
水やりの失敗を防いでくれる便利アイテムも
ウンベラータの水やりの基本は「土が乾いてからたっぷりと」が基本です。
水のやり過ぎややり忘れが心配な場合、水やりチェッカーを使うと管理がグッと楽になりますよ。
スティック状のチェッカーを土に差しておくだけで、土の乾き具合を測定。最適な水やりのタイミングを色でお知らせしてくれます。
- 春~秋(最低気温が15度以上)…チェッカーが白になったタイミングで鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりする
- 秋~冬(最低気温が15度以下)…チェッカーが白になって、さらに3~4日してから常温の水を暖かい時間帯に与える
ウンベラータの新芽が開かない原因④病害虫
- 葉の色が何となく悪い、まばら
- 葉がベタベタする
- 葉の表面や付け根などに蜘蛛の巣状のものが付着している
- 葉や茎などに白い粉のようなものが付いている
上記のような症状がみられる場合、カイガラムシやハダニなどの害虫による被害を受けている可能性があります。
害虫は見つけ次第取り除く!
暖かく乾燥した場所で発生しやすい傾向…
ハダニやカイガラムシがウンベラータに付くと、吸汁によって葉の色が悪くなります。
そして、吸汁被害を受けた部分は光合成ができなくなるため、被害面積が拡大することで、株全体を弱らせられる恐れもあるのです。
害虫が疑われる場合は葉に付着したものをこまめに取り除くことが大切です。
その際、触りたくないからと言って、スプレーで水を吹きかけたくらいではなかなか取れません。綿棒や使い古しの歯ブラシ等を使い、確実にこそげ落してください。
特に、カイガラムシは植物に張り付くようにして寄生するため、水を吹きかけたくらいではなかなか取れないです。
多すぎて取り切れない…という場合は殺虫剤の使用も検討してみましょう。早目に駆除することで被害を最小限に抑えることができます。
まとめ
ということで、今回はウンベラータの新芽が開かない時に考えられる原因とその対処法をご紹介しました。
ウンベラータの新芽が開かないと感じる場合、一番に疑いたいのが寒さです。ウンベラータは熱帯原産のため、気温が20度を下回ってきたら徐々に生育が緩慢になります。
注意すべきが暖かいにもかかわらず新芽が開かない場合です。
春~秋にかけての暖かい時期なのにウンベラータの新芽が開かない場合は、根詰まりや日当たり、水やり方法や害虫の有無など、考えられる原因をひとつずつ探ってみてください。
ちなみに、根詰まりを起こしている状態で肥料を与えるのは×です。鉢内の水はけが悪い状態で肥料を与えると、逆に根を傷めてしまうこともあります。
ウンベラータの新芽が開かない原因と対処法
- まずは現在の気温を確認。最低気温が15度以下なら寒さによって生育が緩慢になっていることが考えられる
- 春から秋の暖かい時期にもかかわらず新芽がなかなか開かない場合は「根詰まり・土の劣化」「日光不足」「根腐れ」「病害虫」などが疑われる