明るい色味の幹とハート型の大きな葉がおしゃれなフィカス・ウンベラータ。
耐陰性があるため室内でも育てやすい人気のインテリアグリーンです。そんなウンベラータは春から秋にかけて生育がさかんになります。
地上部が大きくなるということは、もちろん地中の根も広がっていきますね。
そのため、ウンベラータは1~2年に一度、ひとまわり大きな鉢へ植え替える必要が出てきます。
今回は、ウンベラータの植え替え方法を画像付きで分かりやすくご紹介します。
ウンベラータの土の配合は?
ウンベラータに適した土は、水はけのよい土です。市販の観葉植物用の土で構いません。
赤玉土をベースに腐葉土などを混ぜ込む
自分で配合する場合は赤玉土をベースにします。例えば、「赤玉土7:腐葉土3」などです。
ただ、ウンベラータを室内で管理する場合は虫が湧きにくい「室内向けの土」もおすすめです。
この土はたい肥が含まれていないため、コバエやキノコが寄り付きにくいという特徴を持ちます。
ベースが鹿沼土なので、見た目も綺麗で土の乾き具合も分かりやすいですよ。
ちなみに、腐葉土の割合を多くし過ぎると梅雨時期にコバエが湧きやすいので気を付けます。
ウンベラータの植え替え方法を画像付きで分かりやすく解説!
ウンベラータの植え替え適期は春から秋にかけての暖かい時期です。中でも気温が上がり始める春先の植え替えをおすすめします。
理由は、春先に植え替えることで秋までにしっかりと根を張らせることできるため、冬越しに備えることができるからです。
では、くわしい植え替えの手順を見ていきましょう。
ウンベラータの植え替え 手順①水やりを控え、土を乾かしておく
植え替え前は水やりを控え、土を乾燥させておきます。
植え替え前の水やりを控えることで、植え替え作業がしやすいだけでなく、根への負担も抑えることができます。
植え替え前に水やりを控える理由
- 作業をスムーズに進めるため
- 根へのダメージを最小限に抑えるため、等
ウンベラータの植え替え 手順②ひとまわり大きな鉢を用意
新しい鉢は今の鉢よりもひとまわり大きめのものを用意します。具体的には今の鉢よりも直径プラス3cm程度のものが最適です。
何度も植え替えるのは面倒だし、大き目の鉢に植え替えるのはアリ?
大きすぎる鉢に植え替えた場合、株に対して鉢が多きすぎるため、根が吸いきれずに残った水分が長く鉢内を湿らせ続けることになりますね。
そのため、水やりの管理が非常に難しくなるだけでなく、多湿により根腐れを招きやすいというデメリットがあります。
ウンベラータの植え替え 手順③鉢底石、用土を入れておく
受け皿の上に新しい鉢を置きます。鉢底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れておきましょう。
鉢底穴が大きい場合は鉢底ネットを敷いておきます。鉢底ネットを敷くことで、土が穴からこぼれ出るのを防ぐことができます。
また、虫の侵入も防いでくれるのが鉢底ネットです。
鉢底石を入れたら、その上から新しい用土を鉢の深さ1/4程度まで入れておきます。
ウンベラータの植え替え 手順④鉢から株を取り出す
新しい鉢植えの準備が出来たら、いよいよ現在の鉢からウンベラータを取り出しましょう。
まずは、鉢を少し横に倒して表面の土を出します。
そして、鉢の側面をこぶしで何度が叩き、振動で株を取り出しましょう。
鉢からウンベラータがなかなか抜けない時はどうしたらいい?
ただ、根詰まりを起こしている場合はそう簡単に抜けません。
その場合は、片方の手でウンベラータの幹を持ち、もう片方の手で鉢の縁を上から下に向かって拳で叩き落します。
このようにすると、意外にスポっと抜けてくれることが多いです。それでも抜けない場合は鉢底に絡んだ根をカットし、鉢底穴から棒を差し込んでみるのも手です。
ウンベラータの植え替え 手順⑤季節と株の状態を考慮し根鉢をどれくらいいじるか判断
植え替えの際に悩みがちなのが「根鉢(根と土のかたまり)をどれくらい崩すべきなのか」ということですね。
基本は「古い土を落し、黒っぽく傷んだ根はカットする」ということでしょう。
根鉢を崩すか崩さないか、どれくらい崩すべきか…迷ったら?
筆者の場合は以下のように判断しています。ご参考までにご覧ください。
15度~29度の春から夏、株が元気な場合 | 古い土は可能な限り落とし、傷んだ根があればカットしておく。 |
15度以上の秋(冬前)の場合 | 古い土は落とせる分だけ。無理に根をいじらない。明らかに黒く傷んだ根があれば取っておく。 |
15度以下の冬 | 基本、植え替えは控える。根詰まりを起こして弱っている場合、根鉢をいじらず鉢のみひとまわり大きめのもへ替える。土表面に落ちた枯れ葉や汚れのみ取っておく。 |
補足:30度以上になる真夏は、植物によっては弱りやすい時期でもあるため、根鉢をいじり過ぎないよう注意する。植え替えはできるだけ過ごしやすい春のうちに済ませる。
春に植え替えることで、冬までの間にしっかりと根を張らせることができ、冬越しに備えることができる。
ウンベラータの植え替え 手順⑥根鉢を崩し古い土を落す
今回、植え替えをしているのが6月末。気温が30度いかないくらいで株も元気であったため、根鉢をしっかり崩していきます。
まずは、肩土をほぐしていきます。根鉢上部の肩部分ですね。
次に、根鉢全体を崩していきます。古い土を落せる分だけ落とします。
根鉢がカチコチでほぐせない場合はどうしたらいいの?
下写真のように根が鉢底石や鉢底ネットに絡みついて離れない…という場合、無理に根を引きちぎると根を傷めてしまうため避けます。
切れ味のよい清潔なハサミでカットし、切り離してもよいでしょう。
さらにカチコチで、「ほぐすどころか固形物のように固まっている…」という場合、鉢底に剪定はさみで十字に切り込み、そこから徐々に棒でつついてほぐします。
切れ込みの深さは1cm程度。切れ目が出来たらそこをめくるようにして、優しくほぐしていきます。
根鉢を両手で包み込むように持ち、やさしく揉むようにすると徐々に根鉢が崩れ、古い土がボロボロと落ちてきやすいです。
ウンベラータの植え替え 手順⑦傷んだ根をカット
古い土は完全に落としきらなくても構いません。筆者の場合は、古い土をあえて少し残すようにしています。この辺はお好みで調整してみてくださいね。
その後、剪定はさみで黒く傷んだ根を中心にカットします。
こんな感じに根鉢がほぐれました。白っぽい新しい根は残しておくのがおすすめです。
上写真はカットした根です。
植え替えの際に生じた古い土はどうしたらいいの?
古い土はふるいにかけて汚れや根を取り除いた後、ビニール袋に入れて密封し、直射日光に1か月ほど当てれば再利用することも出来ます。
また、冬であれば汚れを取り除いた土を容器に入れ、熱湯をかけて寒さと霜に晒します。
とはいえ、土の再利用には手間がかかりますね。処分する場合はお住まいの自治体に従って手放します。
補足:ちなみに筆者の住んでいる地域では、「できるだけ再利用し、自宅の庭に撒いて」との記載がありました。
また、自宅が賃貸の場合など、どうしても処分が難しい場合はこちらへ連絡ください(電話番号の掲載あり)とのこと。
ネットで検索する場合は、「○○市(お住まいの自治体) 土 処分」で探してみてくださいね。
ウンベラータの植え替え 手順⑧高さと位置を決めたら、植え付け
土の量を調整し、植え付ける高さと位置を決めます。その後、残りの用土を鉢を株の隙間に入れ込みましょう。
内部に不要な隙間があると根がうまく育ちません。下写真のように使わなくなったお箸や割りばしなどで鉢の側面をつつきながら作業するとスムーズです。
また、ときどき鉢を持ち上げて床に軽く叩きつけるようにすると、振動で内部の隙間が埋まります。
ウォータースペースを確保しておきます
また、土は鉢スレスレまで入れず、鉢の縁から2~3cmはウォータースペースを確保しておきましょう。
あわせて読みたい「ウンベラータの幹を太くする方法を徹底解説します」はこちら
ウンベラータの植え替え 手順⑨たっぷりと水やり
植え替えが完了しました。最後に水をたっぷりと与えましょう。
鉢底から流れ出てくる水が透明近くなるまで与えるのがおすすめですよ。理由は、あらかじめ土の汚れを流しておくことで、水やりの度に受け皿が汚れるのを防ぐためです。
水やりの管理を楽にする場合には水やりチェッカーを差しておきます。
スティック状のチェッカーを土に挿しておくだけで、土の乾き具合を色で知らせてくれる便利アイテムです。
▲サスティーがあればプロ並みの水やり管理が可能に!
水やりチェッカーを差しておくことで、水やりの管理が楽になることはもちろん、同時に根腐れを防ぐこともできます。
ウンベラータの植え替え 手順⑩直射日光を避け休ませる
植え替え後のウンベラータは少なからずダメージを負っている状態です。人間でいうとオペ後ですね。
そのため、一週間程度は強光を避け、できるだけ暖かく風通しのよい場所に置いて休ませます。
根をたくさんカットした場合は葉を減らしておくのがおすすめ
根をたくさんカットした場合は葉数を減らしておきます。理由は、根が少ないうちはその分、吸い上げられる水分の量が少なくなるからです。
根が少なくなっているのに葉数が以前と変わらなければ、入ってくる水分量より蒸散によって出ていく水分量の方が多くなり、株が弱ってしまうことも考えられます。
今回は、2枚ほど葉をカットしておきました。
あとは極端な寒さや暑さに当てず、できるだけ風通しのよい場所に置き、土が乾いたタイミングでの水やりを続けます。
約20度~25度く程度がウンベラータの生育適温です。また、葉の乾燥を防ぐためにもときどき葉水をしてやると、ウンベラータの魅力である美しい葉が保てます。
ウンベラータの土の配合は?植え替え方法を画像付きで解説【まとめ】
▲鉢と株のバランスが悪くなったり、鉢ごと倒れやすくなったら植え替えを検討
今回は、ウンベラータの植え替え方法を画像付きでくわしくご紹介しました。
「植え替え後にウンベラータが弱ってしまった…」
植え替えをする上でもっとも心配なのが上記のような植え替えの失敗ですね。
植え替えの失敗を避けるための最大、且つ、簡単なコツは、ずばり「適期に植え替えること」です。これに尽きます。
▲約一年半後のウンベラータ、植え替えを繰り返し大きく育った
ウンベラータの植え替え適期は気温が15度以上になる春から秋です。また、できれば春から夏前の5,6月ころに植え替えるのがおすすめですよ。
ウンベラータは冬場の寒さが苦手な熱帯地方が原産の植物です。
できるだけ早目に植え替えることで、秋までにしっかりと根を張らせ厳しい冬に備えることができるのですね。
あわせて読みたい「冬に根詰まりしたウンベラータを植え替えます【大丈夫?】」はこちら
▲鉢底から根がはみ出ていたら根詰まりのサイン
植え替えはその後の生長を決めるための超重要な作業です。
「使用する土、鉢植え」「根鉢をどれくらい崩すか」「植え替え後の置き場所」など、細かなポイントにこだわりつつ、楽しみながら挑戦してみてくださいね。
補足:ちなみに、上写真のようにウンベラータの幹から赤い気根が出てくる場合、水分不足や根詰まりの可能性があるそうですよ。
気根が出ているのに気づいたら根詰まりしていないか確認してみてくださいね。
ウンベラータは春から秋に非常によく育つため、1年に1回、最低でも2年に1回の植え替えが必要になります。
あわせて読みたい「ウンベラータを大きくしたいときの育て方のコツ3つ」はこちら
ウンベラータの植え替え【手順】
- 水やりを控え土を乾燥させておく
- ひとまわり大きめの鉢を用意
- 鉢底石、用土を入れる
- 鉢から株を取り出す
- (根鉢をどうするか判断)
- 根鉢を崩す、古い土を落す
- 傷んだ根をカット
- 植え付け
- 水やり
- 直射日光を避けた半日陰で休ませる(一週間ほど)
ウンベラータのその他topics
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