しなやかな幹と大きなハート型の葉がおしゃれなフィカス・ウンベラータ。ウンベラータの魅力といえば、なんといっても大判の葉ですね。
ウンベラータの語源はアンブレラ(=日傘)で、葉の大きさが伝わってくる素敵なネーミングです。
そんなウンベラータですが、小さい葉ばかりになってお悩みではありませんか?
そこで今回は、ウンベラータの葉が小さい時の主な原因と対処方法をご紹介します。
ウンベラータの葉が小さい!主な原因と対処方法とは?
「購入当初は大きな葉がたくさんだったはずなのに、新しい葉が小さいものばかり…」
「なかなか大きな葉が出てこない…」
このような場合に考えられる原因は主に4つです。
ウンベラータの葉が小さい理由①根詰まり
ウンベラータを2年以上植え替えていない場合、鉢の中が根っこでぎゅうぎゅう詰めになる「根詰まり」を起こしている可能性があります。
根詰まりを起こすと根がスムーズに水分や養分を吸い上げられず、新しい葉が小さくなったり、綺麗に開かなかったりという症状が出始めます。
▲新しい葉が綺麗に開かないのも、根詰まりが原因であることが多い
また、購入直後の鉢植えであっても根詰まりしていることがあります。
まずは鉢底を覗いてみよう!
ウンベラータを植えている鉢の底を覗いてみましょう。鉢底穴から根がはみ出ていないでしょうか?
また、鉢底から根が出ていなくとも、
「以前より水が土に浸透するのに時間を要するようになった」「土がカチコチに固まっている」
などの症状がみられる場合は根詰まりの可能性があります。一番早いのは、一旦、鉢から株を取り出してみることです。
「鉢から株がなかなか抜けない…」ということであれば、根詰まりの可能性が高いでしょう。植え替えの適期は春から秋の暖かい時期です。
冬(15度以下)の植え替えは避けてくださいね。そのまま株を弱らせてしまうリスクが高いからです。冬場は生長が緩慢になるため放っておいてもそこまで根が張りません。
暖かくなるまで待つのが無難です。
▲植え替えは暖かい時期に、ひとまわり大きな鉢へ
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ウンベラータの葉が小さい理由②寒さ(15度以下)
ウンベラータは熱帯アフリカが主な原産地です。そのため、暖かく湿った風通しの良い場所でよく育ちます。生育適温は20度~25度くらいです。
逆に、気温が15度以下になるととたんに生育が緩慢になり休眠に入ります。
そのため、日本の一般家庭内でウンベラータを育てる場合、秋から冬にかけては基本的にあまり育ちません。
たとえば下写真のウンベラータをご覧ください。
▲冬に展開した葉のみ小さいまま…
春から秋の暖かい時期であれば、新芽が膨らみ新しい葉がスムーズに開ききることが多いのです。
しかし、15度以下になる冬はなかなかそうはいきません。葉が開ききらず小さいままだったり、葉の表面がボコボコとしたりします。
▲冬場に展開した葉は小さくボコボコしている…
とはいえ、プロが管理する温室のような環境を用意するのは困難ですね。冬場は大きくするのではなく、「冬越しさせる」ことに焦点を当てお手入れを続けます。
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冬場の肥料は基本的に不要
「元気がないなら肥料を与えればいいのでは?」
このようにお考えになる方も多いでしょう。しかし、冬場のウンベラータは活動が鈍っています。
それと同時に、根が水分を吸う力も低下しているのですね。この状態で肥料を与えた場合、逆に根を傷めてしまう恐れがあります。
▲不要な施肥は「肥料焼け」を招くこともある
また、冬場は「蒸れ」「冷え」「風通しの悪さ」等によって、根腐れを起こしやすい時期でもあります。
15度を下回るようになったら、水やりは控え目にシフトしましょう。
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ウンベラータの葉が小さい理由③光線不足
ウンベラータは耐陰性があるため、室内でも育てられる観葉植物として人気ですね。
耐陰性とは、植物が日照不足に耐えて生長する能力のことをいいます。とはいえ、本来のウンベラータは日光を好む植物です。
ただ、「日光=屋外の直射日光」と認識していると葉焼けを招くことも。ウンベラータが好むのは「半日陰」「木漏れ日」「明るい日陰」「窓越しの光」など、柔らかな光です。
たとえば、ひとことに「室内に置いて育てている」と言っても、室内のどこに置いているのかで生育に大きな差が出てきます。
室内であっても、「窓から離れた壁際や窓のない部屋」と「窓際の明るい場所」とでは日当たり、風通しの面で大きく異なるからです。
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ウンベラータを置くのに適した場所は?
ウンベラータは半日陰を好みます。屋外であれば日向のすぐとなりの日陰や木漏れ日、室内なら明るい窓際です。
ただ、気温によっても適した置き場所は変わります。30度を超える高温期は半日陰であっても葉焼けを起こすことも。
また、冬の窓際は朝晩に冷え込むため「夜になったら窓から1~2m離す、朝になって気温が上がってきたら元に戻す」のような気遣いが必要です。
▲鉢が重い場合はキャスター付きのスタンドがあると便利
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ウンベラータの葉が小さい理由④風通しが悪い
ウンベラータに限らず、植物の生育に欠かせないのが「日光」「水」「風」の3つです。
植物は風を受けることで気孔の開閉が活発になり、光合成もさかんになるといわれます。
そのため、一年じゅう室内に置きっぱなしだとどうしてもひょろひょろとした弱々しい姿になりがちです。大きな葉が育ちにくいのも徒長の症状のひとつですね。
▲涼し気なウンベラータは室内をおしゃれな雰囲気にしてくれる
特に、ウンベラータは観葉植物として人気のため、「観葉植物=室内に置くもの」と認識している方も多いのではないでしょうか。
室内と屋外では、風通しの面で決定的な差が出るでしょう。
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20度~25度程度なら屋外管理に切り替えてみるのがおすすめ
「ウンベラータを丈夫に育てていきたい(大きな葉を出させたい)」という場合、生育適温である20度~25度程度の時期は屋外に置いてみるのがおすすめです。
屋外に出す際には少しずつ日光に慣れさせ葉焼けを防ぎます。室内からいきなり日向に出すと葉焼けしやすいです。
▲葉が茶色く焦げるだけでなく、緑が薄くなるのも葉焼けの症状
例:室内の窓際(7日程度)⇒屋外の日陰(7日程度)⇒半日陰、木漏れ日へ
特に、ウンベラータは半日陰のような柔らかな光を好む植物です。軒下や木漏れ日、日向のすぐとなりの日陰などが置き場所として適しています。
西日が心配な場合は遮光ネットを使うのもよいでしょう。
▲ダイソーの遮光ネットを使用
また、直射日光が心配な場合は夜から朝にかけてのみ外に出すのもおすすめですよ。
日が暮れたら外に出し、朝になったら室内に取り込むといったスタイルですね。これなら葉焼けの心配がほぼいりません。
ウンベラータの葉がボコボコする原因と対処法
葉が小さいだけでなく、葉がボコボコとしている場合の原因と対処法を見ていきましょう。
空気が乾燥する時期に生じやすい
経験上、ウンベラータの葉がボコボコするのは空気が極端に乾燥する時期が多いです。
たとえば冬の室内。湿度不足によって葉が十分に広がり切れず、表面がボコボコしてしまうことがよくあります。
空気が乾燥すると、葉の縁がガタガタ傷むことも多いです。
ボコボコを改善するのは難しい
一旦、ボコボコとした葉を広げるのは経験上難しいです。
春になったら新しい葉がどんどん出てくるので、その際に冬の間に傷んだ葉を切り戻してしまうのが良いでしょう。
ウンベラータの葉が小さい、ボコボコする原因と対処方法【まとめ】
▲購入当日のウンベラータ
今回は、ウンベラータの葉が小さい時の主な原因と対処方法をご紹介しました。
すでに小さい葉はまわりの環境を変えたところでなかなか生長しにくいです。その場合、管理方法を見直した上で切り戻してやると樹形を整えることができます。
▲ウンベラータをカット【6月上旬】
生育がさかんな時期であれば脇芽が出てくるはずですよ。(下写真)
▲脇芽が2つでてきました【7月中頃】
ウンベラータは暖かい春から秋にかけてよく育ちます。1シーズンで20~30cmほど伸びることも少なくありません。
▲購入から約1年後のウンベラータ
今回の記事をご参考に、ぜひ、ウンベラータを大きく丈夫に育ててみてください。
ちなみに、大きく育ったら幹を曲げてみるのも面白いです。楽しみながら気長に育てていきましょう。
▲ウンベラータを曲げる
ウンベラータの葉が小さい時の主な原因と対処法は?
- 根詰まり⇒鉢底から根がはみ出ている場合は暖かい時期にひとまわり大きな鉢へ植え替える
- 寒さ⇒冬は窓際の冷え込みに注意。最低でも10度~15度は確保したい。
- 光線不足⇒半日陰を好む。室内なら明るい窓際。
- 風通し不足⇒20度~25度程度なら屋外管理に切り替えてみるのも良い。窓を閉め切る真夏や真冬は扇風機やサーキュレーターを活用。