切れ込みの入った大きな葉が存在感溢れるモンステラ。ひと鉢置くだけでエキゾチックな雰囲気にしてくれる魅力的なインドアグリーンです。
今回は、そんなモンステラを室内で鉢植えで育てる場合の育て方をどこよりも分かりやすく解説します。
モンステラを育てている人はこの記事をブックマークしておくと、困った時に便利だよ!
モンステラの育て方を分かりやすく解説します!
存在感溢れるモンステラは観葉植物の中でも高い人気を誇る!
耐陰性が強く室内の少ない光でも育つことのできるモンステラ。とはいえ、本来は明るく風通しのよい場所を好みます。
モンステラの主な原産地は熱帯アメリカで、一年を通して暖かく湿った空気を好む性質です。
そのため、四季がはっきりとしている日本の一般家庭内でモンステラを育てる場合、春から秋の暖かい時期と冬の寒い時期とでは、水やり方法や置き場所を変える必要があります。
モンステラの育て方【水やり】
モンステラの水やりは、土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと与えるのが基本です。ただし、生育が鈍る冬は土をやや乾かし気味に管理することで根腐れを防ぎます。
春~秋(最低気温が15度以上)の場合
- 土の表面が乾いたタイミングで鉢底から水が流れ出てくるくらいたっぷりと与える
冬(最低気温が15度以下)の場合
- 土が乾いてさらに2~3日ほど経ってから、土全体の約1/2が湿る程度に常温の水を与える。時間は夜間を避けた午前中の暖かい時がベスト。
冬は夜間に水を与えることで土の中にたくさんの水分が停滞することになる。室内といえども冬の朝晩はかなり冷え込む。夜間に水やりをすることで鉢内の水温が急激に低下し、根を傷ませてしまう恐れがあるよ。葉水(はみず)※も同じ。冬はできるだけ暖かい時間帯に水を与えよう!
※葉水(はみず)…霧吹きで葉や茎などに水分を吹きかけるお手入れのこと。
水やりチェッカーで水のやり過ぎ、やり忘れによる失敗を防ぐ
「土の乾き具合をいちいち確認するのは面倒…」「冬の水やりのタイミングがイマイチ分からない…」
このような場合にあると便利なのが「水やりチェッカー」です。(下画像)
使い方は簡単で、スティック状のチェッカーを土に差しておくだけ。これだけで、土の乾き具合を測定し、最適な水やりのタイミングを色で知ることができます。
このような便利グッズを活用することで、水やりによる失敗を簡単に防ぐことができますよ。
モンステラの育て方【置き場所】
沖縄の民家・軒先で見かけたモンステラ
モンステラを室内に置くなら、南~東向きの窓際がベストです。耐陰性※が強く、少ない日光でも育つことができるモンステラ。
とはいえ、あまりにも日当たりの悪い場所に置き続けていると、葉柄(ようへい・葉と茎を繋ぐ部分)ばかりが日光を求めてひょろひょろと間延びします。
日照不足が続いた結果、株自体は枯れないものの、葉柄が間延びし葉がだらんと垂れ、弱々しい姿になりがちです。
20度以上であれば屋外の日陰~半日陰に置くと生育が良くなります。耐えられる寒さは5度程度まで。
ただ、モンステラの美しい姿を保つなら、最低でも15度程度は保つのが理想です。ただし、直射日光に当てると葉が傷むため、夏場は日向は避けてください。
※耐陰性(たいいんせい)…少ない日光でも育つ力のこと。日照不足に耐えて育つ能力。
春~秋(最低気温が15度以上)の場合
- 室内なら南~東向きの窓際(窓を通すことで日光は約30%遮光されるといわれる。ただ、日当たりによっては夏場の西日で葉が傷むことも。その場合はレースカーテンで調節する。)
- 20度以上なら屋外の半日陰~日陰
- 夏は強光に注意。屋外の場合は日陰へ移動。
冬(最低気温が15度以下)の場合
- 屋外に置いている場合、最低気温が15度以下になったら室内の明るい場所へ移動
- 窓際に置いている場合、夜になったら窓から1~2m離して寒さを防ぐ
鉢が重くて移動が大変…という場合は、キャスター付きの受け皿があると便利!
あわせて読みたい「モンステラ 冬の管理のコツ3つ!【冬のお手入れ方法】」
モンステラの育て方【植え替え】
モンステラは春から秋の暖かい時期によく根が広がります。そのため、1~2年以上植え替えないままだと鉢内が根っこでいっぱいになる「根詰まり」を起こしやすいです。
根詰まりを放置していると根がスムーズに水分や養分を吸い上げることが難しくなり、葉が変色したり新しい葉が出てきにくくなったりといった症状が現われます。
また、根詰まりを起こしていなくとも、鉢植えの土は経年によって粒が崩れ団子状に固まります。すると、水はけが悪くなることで根腐れを起こしやすくもなるのです。
そのため、モンステラを鉢植えで育てる場合には定期的な植え替えが必要となります。植え替えの目安は1~2年に1回。暖かい時期に済ませましょう。
モンステラに以下の症状が見られたら「根詰まりのサイン」だよ。
- 鉢底から根っこがはみ出ている
- 1~2年以上植え替えていない
- 土の表面から根っこがはみ出している
- 水やり後、水分がなかなか土に浸み込んでいかない、等
モンステラの根っこは太いのが特徴です
あわせて読みたい「根詰まりしたモンステラを植え替えしないとどうなる?」
春~秋(最低気温が15度以上)の場合
- 根詰まりしているようならひとまわり大きめの鉢(直径プラス3cmほど)を用意し水はけの良い土で植え替える
冬(最低気温が15度以下)の場合
- 冬の植え替えは基本しない
あわせて読みたい「モンステラを植え替える方法を画像付きで分かりやすく解説!」
モンステラの育て方【肥料の与え方】
モンステラは土に含まれる養分のみでも十分に生育してくれますが、大きく育てていきたい方や、葉の色つやをよくしたいなどという方は、春~秋の間に肥料を与えると効果的です。
肥料を与えるかどうかの判断基準となるのが天気予報。最低気温が15度以上の時期なら肥料を与えてみましょう。
逆に、最低気温が15度以下になる時期は生育自体が緩慢になるため、肥料を与えると根を傷める恐れもあります。
肥料の与え過ぎや適期ではない寒い時期の施肥は、逆に根を傷めて「肥料焼け」を引き起こすこともあるため注意してください。(下画像)
肥料を与える時は「根詰まりしていないか」も必ず確認してみて。根詰まりした状態で肥料を与えると、鉢内の水はけが悪いことで逆に根を傷めてしまうこともあるんだ。根詰まりしている場合、植え替え後はすぐに肥料を与えず(根がダメージを受けているため)、1か月ほどしてから施肥するのが安心だよ。
春~秋(最低気温が15度以上)の場合
- 液体肥料(ハイポネックス原液等)であれば、規定量に薄めたものを10日に1回程度与える。
液体肥料(ハイポネックス)は即効性のため効果が実感しやすい。
冬(最低気温が15度以下)の場合
- 寒い時期の肥料は基本不要である
あわせて読みたい「モンステラにおすすめの肥料を厳選して3つご紹介します!」
モンステラの育て方【つきやすい害虫】
モンステラに付きやすい害虫としてあげられるのが、「ハダニ」「カイガラムシ」などお馴染の害虫です。
特にカイガラムシがモンステラにつくと、葉をまばらに変色させるだけでなく、糖分を含んだ排泄物によって葉をベトベトに汚します。
そして、このカイガラムシの排泄物を放置していると「すす病」という病気を引き起こすこともあるのです。(下画像)
すす病は放置しているとどんどん拡がる。光合成が阻害されることで最終的には枯れてしまう。
これらの害虫は百害あって一利なし。見つけ次第、早目にかつ確実に取り除きましょう。
あわせて読みたい「モンステラが枯れる原因は?モンステラを丈夫に育てるコツ3つを解説!」
モンステラに害虫が付いた時の症状とその対処法
- 葉がベタベタする、まばらに変色している…カイガラムシの可能性あり。葉の表を中心にべたつく部分を濡らしたティッシュ等で丁寧に拭き取る。茶色い粒々が張り付いていたら確実に取り除く。その際、霧吹きで水を吹きかけたくらいでは取れないことが多いので注意。綿棒等で確実に取り除く。(下画像)
※取っても取っても再発する、多すぎて取りきれない…。このような場合、カイガラムシ専用の殺虫剤を使うのも手です。おすすめは噴射後も効果が持続するタイプのもの。
カイガラムシ エアゾールなら、噴射後、約1か月にわたって効果が持続します。
- 葉や茎に白い綿のようなものが付着している…コナカイガラムシの可能性あり。ピンセットや綿棒などで取り除く。汚れた部分は湿らせたティッシュ等で丁寧に拭き取る。できるだけ風通しのよい場所へ置くことで予防にもなる。空気が乾燥する時期はこまめな葉水も効果的。(下画像)
よく見ると楕円形をしているのが分かる。
コナカイガラムシは増殖のスピードが比較的に遅め。早目に取り除けば被害をかなり抑えられることが多い。
- 葉や茎などに蜘蛛の巣状のものが付着、葉がまばらに黄色っぽく変色、部分的に色が抜ける…ハダニの可能性あり。湿らせたティッシュや綿棒などで丁寧に拭き取る。シャワーの水圧で吹き飛ばすのもよい。ただし、シャワー後に取りきれたか必ず確認する。
空気が乾燥している・暖かい・風通しが悪い。この3点が揃うと害虫が発生しやすい。
※取りきれないほど数が多い場合、ハダニ専用の殺虫剤を使ってみましょう。おすすめはモストップジンR スプレーです。ハダニはもちろん、アブラムシにも効果を発揮します。
あわせて読みたい「モンステラの元気がないときの原因と対処法を徹底解説!」
まとめ
ということで、今回はモンステラの育て方をご紹介しました。
育てる上で気を付けるポイントはいくつかありますが、多くの観葉植物の中でも寒さ・暑さ・乾燥に強く、非常に育てやすいのがモンステラです。
その上、大きくなり過ぎたらカットして増やすのも簡単なモンステラ。ぜひ、楽しみながらのんびり育ててみてください。
あわせて読みたい「モンステラ 挿し木で増やす方法を徹底解説します!」
モンステラの育成に慣れてきたら、レアな「斑入り品種(白い模様の入った種類)」に挑戦してみるのもおすすめだよ。(下画像)
クリーム色の模様が特徴的な「モンステラ・バリエガータ(斑入り)」
●◎ちなみに、斑入り品種は管理がちょっぴり難しい上、高価なため、フェイクグリーンで楽しむのもおすすめです。↓↓
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