光沢のある色鮮やかな葉が魅力的なステレオスペルマム。小さな葉が光で煌めく姿が美しいグリーンです。
今回は、そんなステレオスペルマムを冬越しさせる3つのポイントをくわしく解説します。
ステレオスペルマムを冬越しさせる3つのポイントとは?
ステレオスペルマムは主に幼苗がインテリアグリーンとして出回っています。生長とともに茎が段々と木質化してくるのが特徴です。自生地では10mもの高さまで生長するそうですよ。
そんなステレオスペルマムは寒さが大の苦手です。
ステレオスペルマムを冬越しさせるpoint①最低でも10度は保つ
▲原産地でのステレオスペルマムは高さ10mにもなるそう
ステレオスペルマムの主な原産地は台湾や中国南部です。そのため、沖縄のような暖かい気候を好みます。
暖かい気候を好むステレオスペルマムにとって、日本の冬は大きなストレスとなります。15度以下になると生育がほぼ止まって休眠に入り、葉がパラパラと落ちてくることも増えるでしょう。
ステレオスペルマムは半落葉樹のため、気温の下がる秋から冬にかけては落葉することも多いです。暖かくなったら寂しくなった枝をカットしてやると新芽を出します。
ステレオスペルマムを冬越しさせるためには、最低でも10~15度は保つのが理想的です。
また、暖かい空気は上へ上へと上がるという特徴をもちます。そのため、鉢を床に直接置くよりも、テーブルやちょっとした棚など少し高さのある場所に置く方が寒さを防ぐことができますよ。
温度計を置いてときどきチェックしよう
室内であっても、冬場に冷え込みがちなのが暖房を切った後の夜から朝にかけてになります。特に朝晩の冷え込みが顕著なのが窓際です。
夜間から朝にかけての窓際は、室内といえども想像以上に冷え込んでいることも多いです。温度計を設置しときどきチェックする習慣をつけましょう。
また、夜になったら窓から1~2m離すだけでも寒さ対策になります。できればお部屋の中心近くまで移動すると安心ですね。
朝になって気温が少しずつ上がってきたら、また元の明るい場所に戻します。温度計を用意する場合はデジタルのものがおすすめです。
湿度も測定できるシンプルで見やすいものがよいでしょう。
ステレオスペルマムを冬越しさせるpoint②水やりは間隔を空けて
一年をとおして暖かい気候が続く原産地の台湾や中国南部などに比べ、日本の冬は多くの地域で急激に温度が低下します。
そのため、ステレオスペルマムは18度を下回るようになると徐々に生長が止まり、休眠に入ります。すると、暖かい時期と比べて根が水分を吸い上げる力自体が弱まるのですね。
この状態で暖かい時期と同じ間隔で水やりを続けていると起こりやすいのが「根腐れ」です。一週間以上、土が湿っている状態が続いていたら要注意。
できるだけ暖かく風通しのよい場所に置き、水やりは控え目にシフトします。ただし、エアコンや暖房の風は葉を傷める原因となるため避けます。
また、もともとは高温多湿を好むステレオスペルマムです。本来は湿度70%程度を好みますが、一般家庭でこれだけの高湿状態を保つのは現実的ではありません。
その場合は、ときどき霧吹きで株全体に水分を吹きかけて空中湿度を保ってやります。美しい葉を保つためにも過度の乾燥は避けたいところです。
特に、ステレオスペルマムの葉は空気が乾燥すると傷みやすいので、気づいたときに葉水ができるよう、水を入れた霧吹きを近くに置いておくと便利ですよ。
※冬場の水やりの目安は以下の通りです。
水やりのタイミングと方法【目安】 | |
20度を下回るようになったら | 土が乾いてさらに1~2日ほどしてから与える。水やりの間隔を徐々に空けて冬越しに備える。 |
15度以下 | 土が乾いてさらに3~4日ほどしてから常温の水を与える。水やりは日中の暖かい時間帯におこない、水やり後はしっかりと水気を切る。 |
水やりチェッカーを使うと管理が楽ちん!
「土の乾き具合がイマイチ分からない」「いちいち水やりのタイミングを確認するのが面倒」「とはいえ、できるだけ枯らせたくない…!」
このような方におすすめなのが水やりチェッカーです。スティック状のチェッカーを土に挿すだけで、土の乾き具合を測定。水やりのタイミングを色でお知らせしてくれる便利アイテムです。
- 土が濡れている⇒青
- 土が乾いている⇒白
冬の場合、土が乾いてから数日後の水やりが理想的です。根腐れを防ぐことはもちろん、樹液濃度を高めることで耐寒性をつけることもできます。
そのため、冬はチェッカーが「白」になってから、さらに3日程してからの水やりがおすすめですよ。
ステレオスペルマムを冬越しさせるpoint③風通しを確保
温度と水やりに気を遣うあまり、風通しが疎かになってしまうと「根腐れ」「病害虫」「カビ」などのトラブルを引き起こすことがあります。
特に、暖房を効かせる冬場は窓を閉め切りがちですね。1日に1回は新鮮な空気をいれてあげるのが理想的です。
とはいえ、冬場の室内で頻繁に窓を開け閉めするのは現実的ではありません。そんなときに大活躍するのが扇風機やサーキュレーターです。
室内でたくさんの観葉植物を育てているならサーキュレーターは必須!
植物が生きていく上で欠かせないのが「日光」「水」「風」です。植物は風を感じることで気孔の開閉がさかんになり、光合成が活発になるのですね。
しかし、窓を閉め切った室内では湿気が一か所に停滞することで、根腐れや病害虫を引き起こす原因にもなります。
室内でたくさんの鉢植えを管理している場合、サーキュレーターや扇風機をうまく活用することで、観葉植物はもちろん人にとっても快適な空間を作り出すことができます。
まとめ
今回は、ステレオスペルマムを冬越しさせる3つのポイントをご紹介しました。
冬場は寒さに気を取られるあまり、風通しが悪くなりがちです。特に水やり後はできるだけ風通しのよい環境を用意してやりましょう。
風通しの悪い室内で管理を続けていると湧きやすいのがハダニ、カイガラムシなどの害虫です。
これらの害虫がステレオスペルマムに付くと、吸汁によって樹液を吸われ、しまいには枯らされてしまいます。
「なんとなく葉の色つやが悪い…」という場合は、葉の裏や付け根、茎などに小さな虫が付いていないか確認してみましょう。
特に、カイガラムシはほとんど動かないので「ただの汚れ」と思いそのまま放置してしまうことも少なくありません。
▲よく見ると楕円形の茶色の虫が付いている(カイガラムシ)
見つけたら早目に取り除いて被害を最小限に抑えます。
ステレオスペルマムを冬越しさせるコツ3つとは?
- 最低でも10度は保つ
- 水やりは間隔を空けて
- 風通しを確保