生育旺盛なステレオスペルマムを地植えで育ててみたい!という方も多いのではないでしょうか?
この記事では、ステレオスペルマムを地植えする際のポイントや、基本の育て方について詳しく解説します。
ステレオスペルマムは地植えできる?
結論として、ステレオスペルマムは地植えが可能です。ただし、いくつかの重要な条件を満たす必要があります。
沖縄や九州南部なら地植えでもok
ステレオスペルマムは寒さに弱いため、冬の気温が5度以下になる地域では地植えは避けるべきです。
日本国内では沖縄や九州南部など、冬でも比較的温暖な地域であれば地植えに適しています。
地植えが難しいなら鉢で育てよう
寒さの厳しい地域では無理に地植えせず鉢植えで育てましょう。
鉢植えにすることで移動が容易になり、冬は室内に取り込むことで寒さから守ることができます。
また、鉢植えでも十分に成長するため、地植えが難しい環境でもステレオスペルマムの美しさを楽しむことができます。
ステレオスペルマムの育て方
ステレオスペルマムは生長とともに株元が「木質化(=組織が硬くなること、木っぽくなる)」してきます。(下画像)
自生地である台湾や中国南部では、高さ10mにもなる大木なのです。そんなステレオスペルマムを、観葉植物として長く楽しむ方法をご紹介します。
ステレオスペルマムの育て方【水やり方法】
ステレオスペルマムの水やり方法は時期によって異なります。
元々が暖かい地域の植物なので、暖かい時期は土の表面が乾燥してきたタイミングでたっぷりと水を与えるのが基本です。
ただし、気温が下がる秋から冬にかけては生長が緩慢になります。生長が鈍ると同時に弱まるのが根が水分を吸い上げる力です。
春~秋(最低気温が15度以上の生長旺盛な時期)の水やり
- 土の表面が乾いてきたタイミングで鉢の底から水が流れ出てくるくらいたっぷりと与える
秋~冬(最低気温が15度以下の生長が鈍る時期)の水やり
- 天気予報で最低気温をチェック。15度以下になってきたら水やりの間隔を徐々に空け、土を乾かし気味にする
- 土の表面が乾いてさらに2~3日ほどしてから30度程度の水を土の半分程度が湿るくらいに与える
生長が緩慢になっているのにも関わらず、暖かい時期と同じタイミングで水を与え続けた場合はどうなるか知ってる?
根が常に湿った状態となって、根腐れを引き起こしやすくなるよ。季節の変わり目は天気予報を要チェック!
ステレオスペルマムの育て方【置き場所】
耐陰性(=室内のすくない光でも育つ力のこと)のあるステレオスペルマムですが、本来は日当たりのよい場所を好みます。
あまりにも日当たりの悪い場所に置き続けていると、枝ばかりが日光を求めて縦方向に伸びます。すると、葉と葉の間隔が伸びてひょろひょろした姿になります。
見た目の美しさを保つことはもちろん、株を丈夫に保つためにも、できるだけ明るく風通しのよい場所に置くのがよいでしょう。
春~秋(最低気温が15度以上の生長旺盛な時期)におすすめの置き場所
- 室内なら南~東向きの窓際、明るく風通しのよい場所
- 屋外なら半日陰に置くと生育がよくなる
- 真夏は高温により葉焼けを起こしやすいため、屋外の場合は日陰~半日陰へ移動
- 葉が焼けるようならレースカーテンや遮光ネットなどで日当たりを調節
秋~冬(最低気温が15度以下の生長が鈍る時期)におすすめの置き場所
- 室内の南~東向きの窓際
- 夜になったら窓から1~2m離して冷え込みを防ぐ
特に水やり後、土がまだ湿っている場合は「水温上昇による蒸れ」や「水温低下による冷え込み」に注意しよう。
ステレオスペルマムの育て方【植え替え】
ステレオスペルマムは春から秋にかけて生長がさかんになり、根をよく張ります。
そのため、1~2年以上植え替えないままだと鉢の中が根でいっぱいになる「根詰まり」を起こしてしまうでしょう。
根詰まりを放置していると、根がスムーズに水分や養分を吸い上げることが難しくなります。結果、葉が変色したり、根腐れを起こしたりといったトラブルを引き起こすことも。
そのため、ステレオスペルマムは1~2年に一度、根詰まりの解消と土の更新のために新しい土で植え替える必要があります。
鉢底から根がはみ出ていたら根詰まりのサイン
春~秋(最低気温が15度以上の生長旺盛な時期)の植え替え
- ひとまわり大きめの鉢を用意し水はけの良い土で植え替える
秋~冬(最低気温が15度以下の生長が鈍る時期)の植え替え
- 寒い時期の植え替えはできるだけ避けるのが無難
寒さが苦手なステレオスペルマム。植え替えは暖かい時期に済ませるのが鉄則だよ。
ステレオスペルマムの育て方【肥料の与え方】
ステレオスペルマムは15度以上になると生育がさかんになります。逆に、15度以下になると生長が緩慢に。
そのため肥料を与える場合は春から秋の暖かい時期です。適切に肥料を与えることで、葉の色つやをよくしたり、生育をよくする効果が期待できます。
春~秋(最低気温が15度以上の生長旺盛な時期)の肥料
- 液体肥料(ハイポネックス原液等)であれば10日1回程度、水やりとともに規定量に薄めて与える。液体肥料はもっとも効果を実感しやすい傾向。
- 混ぜ込むタイプの肥料(マグァンプK 中粒等)であれば、植え替えの際に土に規定量を混ぜ込んでおく。マグアンプkの場合、効果は約一年持続。
- 固形肥料(プロミック 観葉植物用等)であれば、2か月に1回、土の表面に置くだけで手軽。(下画像)
まずは、使いやすいものから取り入れるのがおすすめ。色々使って効果や使いやすさを比較してみよう。
※ちなみに筆者の場合、天気予報をチェックして最低気温が15度以上になってきたら肥料を与えます。
植え替え時にマグァンプK 中粒を土に混ぜ込み、さらに、土が乾いたタイミングでハイポネックス原液を約500倍に薄め、月に1回程度与えています。ご参考までに。(下画像)
秋~冬(最低気温が15度以下の生長が鈍る時期)の肥料
- 寒い時期は生長が緩慢になるため、肥料は与えないのが基本である
適期ではない施肥や肥料の与えすぎは「肥料焼け」を起こす原因になる。肥料焼けを起こすと葉が変色したり、変形したりするよ。(下画像)
ちなみに、土に差し込むアンプルタイプの商品は肥料ではなく「活力剤」である可能性も。購入の際に「肥料」なのか「活力剤」なのかをきちんと確認しよう。
- 肥料…窒素やリン酸、カリなどの栄養素が、法律で定められた数値以上含まれているもの(植物が大きく育つための栄養素がしっかり入っている)
- 活力剤…少量の窒素やリン酸、カリと微量要素(ビタミンやアミノ酸など)を含むものや、微量要素のみを含むもの
肥料は肥料取締法と言う法律により、製品に含まれる肥料成分の含有量が定められていて、その基準に満たない製品は「肥料」という名称では販売できません。そのため、低濃度の製品は「活力剤」として販売されます。
イメージとしては、「肥料が主食」「活力剤はサプリメント」のような感じだね。気を付けたいのが、肥料は生長がさかんな時期に使うということ。活力剤は一年じゅう使うことができるとされている。
※とはいえ、個人的には真冬のみ活力剤の使用は控えている。この辺は、植物の状態を見ながら好みで調整しよう。
ステレオスペルマムの育て方【害虫】
ステレオスペルマムを室内で育てている場合、空気が乾燥していたり風通しが悪い状態が続くと、ハダニやカイガラムシなどがつくことがあります。
これらの害虫がステレオスペルマムにつくと、吸汁によって葉を変色させ、さらに増殖した場合、徐々に株自体を弱らせることにもなります。
見つけたら早目に取り除いてください。
ステレオスペルマムに白い綿のようなものが付いてませんか?
下写真のステレオスペルマムをご覧ください。
新芽が開きかけている穂先に、なにやら白い綿のようなものが見えますね。実はこれ、「コナカイガラムシ」という害虫です。
コナカイガラムシは身体の表面に白い粉のようなものをまとっています。放っていると、吸汁によって株を枯らされる原因になることも。
見つけたら早目に取りましょう。残念ながら、水を吹きかけたくらいでは取れないことが多いです。
綿棒やピンセットなどを使い、確実に取ってください。
増えすぎた場合や、取っても取っても再発する、触るのが気持ち悪い…などという場合は、害虫専用の殺虫剤を使うのもよいでしょう。
カイガラムシ エアゾールなら、噴射後も約1か月効果が持続しますよ。
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- 成分が枝に浸透して殺虫効果が約1カ月持続(ルビーロウムシ 夏期孵化幼虫)するので、散布後に発生した害虫も退治します。
- 夏期だけでなく冬期の越冬成虫にも効果があります。
- ジェット噴射で高いところまで薬剤が届きます。
ステレオスペルマムは地植えできる?【まとめ】
ステレオスペルマムは寒さに弱いため、沖縄や九州南部以外では地植えは避けるべきです。
生育旺盛なステレオスペルマムなので、定期的に植え替えればどんどん大きく育ってくれます。
「今よりも大きく育てたい」「色つやのよい葉を沢山展開させたい」「ボリュームのある美しい姿を保ちたい」
このような場合は、20度以上になったら屋外の日陰に移動してみるのもよいでしょう。
十分な日光と風通しを確保することで、株がどんどん大きく生長するはずです。