色鮮やかな葉が美しく、耐陰性が強いため室内でも育てやすいシンゴニウム。
熱帯アメリカが主な原産地のシンゴニウムは、暖かく湿った場所を好む植物です。
そのため、日本の冬はシンゴニウムにとって大きな試練となります。
今回は、シンゴニウムの美しい姿を保ちつつ、厳しい冬を乗り越える方法をご紹介しましょう。
シンゴニウムの冬のお手入れ方法を分かりやすく解説します!
シンゴニウムを暖かい時期と同じように管理していると寒さによって株が大きなダメージを受けてしまう恐れがあります。
冬場のお手入れ方法を把握してシンゴニウムを冬越しさせましょう。
シンゴニウム 冬のお手入れポイント①最低でも15度はキープ
多くの観葉植物の中でも、シンゴニウムは特に寒さに注意する必要があります。生育適温は20度~30度未満ほどです。
高温多湿で風通しのよい場所を好みます。そのため、日本の冬はシンゴニウムにとって過酷な環境になります。
18度を下回ると徐々に生長が止まり、15度以下になると休眠に突入、10度~8度以下になると株自体が弱ってそのまま枯れてしまうことも。
シンゴニウムの魅力はなんといっても色鮮やかな美しい葉ですね。綺麗な姿をキープするためには、最低でも15度はキープしてやるのが理想的です。
温度計を用意しときどきチェックする習慣を
シンゴニウムを冬越しさせるための必須アイテムのひとつが温・湿度計です。
室内といえども、冬場の屋内は想像以上に冷え込んでいるものです。暖房を切った後の室内は15度以下になることも。
特に気を付けたいのが朝晩の窓際です。夜になったら窓から数メートル離し、できるだけお部屋の中心近くに置くことで冷えによるダメージを防ぎます。
日が昇ったらまた窓際の明るい場所へ戻してくださいね。そのため、温度計は窓際近く(植物を置く場所)に設置するのがおすすめです。
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シンゴニウム 冬のお手入れポイント②水やりは間隔を空けて
シンゴニウムは18度以下になると徐々に生長が緩慢になるとお伝えしましたね。そして、15度以下になるとほぼ休眠に入ります。
そのため、15度以下になると根が水分を吸う力自体が弱くなるのです。この時期に、暖かい時期と同じように水を与え続けていると起こしがちなのが「根腐れ」です。
冬場は水やりの間隔を空けることで樹液濃度を高め、耐寒性を確保しなければなりません。プロが管理する温室であればその必要もないでしょう。
しかし、一般的な家庭内で冬場も25度前後を保つのは難しい場合がほとんどです。
管理環境にもよっても異なりますが、シンゴニウムへの冬場の水やり目安は以下をご参考にされてください。
20度~30度未満 | 15度以下 | |
水やりのタイミング【目安】 | 土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと与える | 土の表面が乾いてから2~3日ほど待ってから常温の水を与える |
※水やり後はしっかりと水気を切り、受け皿に溜まった汚れた水はこまめに捨てます。そのままにしておくと根腐れや病害虫のリスクが高まるためです。また、コバエを防ぐためにも受け皿は清潔に保ちます。
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水やりチェッカーで根腐れを防ぐ
「土の乾き具合がイマイチわからない」
「いちいち土の乾き具合を確認するのは面倒」
「できるだけ枯らしたくない…」
そんなときに重宝するのが水やりチェッカーです。
スティック状のチェッカーを土に挿しておくだけで、土の乾き具合を測定し、最適な水やりのタイミングを色で把握することができます。
- 土が乾いている⇒白
- 土が濡れている⇒青
冬場の場合はチェッカーが「白」になってからさらに2~3日ほどしてからが水やりのタイミングですね。
できるだけ暖かい時間帯に30度程度の水をたっぷりと与え、しっかりと水気を切りましょう。
※生長がほぼ止まっている状態の冬場は肥料は不要です。必要以上の施肥は根を傷ませる原因になることもあります。
あわせて読みたい「肥料と活力剤の違いとは?観葉植物に適した使い方を徹底解説!」
シンゴニウム 冬のお手入れポイント③葉水で空中湿度を保つ
シンゴニウムは高温多湿を好む熱帯性の植物です。理想的な湿度は約70%以上。
とはいえ、これだけの湿度を保つのは現実的ではない上、人が快適に過ごすことができませんね。
そこで必要となるのが「葉水(はみず)」です。霧吹きで水分を株全体に吹きかけるのが葉水で、空中湿度を高めることができます。
特に冬場の室内は乾燥しがちです。湿度計もこまめにチェックし、1日数回は葉水をおこないます。
葉水のコツは、葉の表だけでなく裏面まで吹きかけることです。
風通しを良くすることで根腐れ、病害虫のリスクを減らす
高温多湿を好むとはいえ、風通しが悪い状態が続くと根腐れを起こします。植物を育てる上で欠かせないのが、「水」「光」そして「風」です。
植物は風を受けることで気孔の開閉が活発になり、光合成もさかんになるといわれます。
特に窓を閉め切りがちな冬場の室内はどうしても風通しが悪くなりがちですね。とはいえ、暖房を効かせているのに頻繁に窓を開け閉めするのは現実的ではありません。
そこで活躍するのが扇風機やサーキュレーターです。室内の停止しがちな空気や一か所に停滞した湿気をかき混ぜることで、室内で空気の流れを作り出します。
これにより、根腐れや病害虫の被害からシンゴニウムを守ることができます。特に、室内で多くの観葉植物を管理している方は、小型で場所をとらず、空気を効率的に循環させてくれるサーキュレーターは持っておきたいアイテムです。
※ちなみに、「なんでもいいからとりあえずサーキュレーターが欲しい」という方は、メルカリやラクマなどのフリマアプリで購入するのもおすすめです。中古品でも「未使用」のものであれば、新品を購入するより費用を抑えることができますよ。
サーキュレーターを持っておくことのメリット
- 室内の空気を効率的に動かすことで植物はもちろん、人にとっても快適な空間を作り上げることができる
- 湿気を散らすことで根腐れやカビなどのトラブルを防ぐことができる
- 電気代が安い(1か月稼働し続けても約360円)
- 小さいので場所をとらない、一年中活躍する
- エアコンと併用することで暖気を効率的に行き渡らせることができる(電気代の節約につながる)
- 梅雨時期、室内での部屋干しで大活躍する
- 夜間も回しっぱなしにして使うことが多いため静音のものだとなお良い
あわせて読みたい「サーキュレーターと扇風機の違い【植物に適しているのは?】」
冬は夜間のお手入れに要注意!良かれと思ってやったことが致命傷となる可能性も…
シンゴニウムを育てる上で大きな壁となって立ちはだかるのが「冬の寒さ」です。
できるだけ冬の寒さからシンゴニウムを守ってあげたい…!
とはいえ良かれと思ってやったことが、逆にシンゴニウムを苦しめていることもあるのです。
冬のシンゴニウムにしてはいけないこと①夜間の葉水、灌水
冬は夜間の葉水、灌水(水遣りのこと)を避けてください。
理由は葉や土に残った水分が朝晩のうちに冷え、株を冷やしてしまうからです。
冬の葉水、灌水はできるだけ暖かい午前中までに済ませるのが理想的です。
冬のシンゴニウムにしてはいけないこと②床暖房の上に鉢を置く
冷やしちゃいけないと強く思うあまり、シンゴニウムの鉢植えを床暖房の上に置いていませんか?
もちろん適温であれば問題ないのですが、床暖房の場合は鉢内が煮えるほど熱くなることも少なくありません。
鉢内が高温になると根がダメージを受けて弱ってしまうこともあります。
冬のシンゴニウムにしてはいけないこと③エアコンの温風を直接当てる
エアコンの風は非常に乾燥しています。
直接植物に当たると周囲の空気が乾燥し、葉が枯れたり、茶色くなったりする原因となります。
特にシンゴニウムは湿度を好む熱帯原産の植物なのです。
まとめ
今回は、シンゴニウムの冬のお手入れ方法を3つのポイントにまとめてご紹介しました。
暖かく湿った場所を好むとはいえ、根腐れや冷えによるダメージを防ぐためには風通しも重要となります。
シンゴニウムが特に弱りがちなのが、秋から冬への移行期です。この時期は徐々に水やりの間隔を空け、冬越しに備えましょう。
▲秋口の寒さと多湿で根腐れしたシンゴニウム
シンゴニウムを冬越しさせる3つのポイント
- 最低でも15度はキープ
- 水やりは間隔を空けて
- 葉水で空中湿度を保つ