「ヒモサボテン」と呼ばれるユニークな多肉植物「リプサリス」。その美しい姿を保つためには正しい水やりが欠かせません。
今回は、リプサリスの水やり頻度、量、時間帯などを時期別で解説します。
リプサリスを初めて育てる方や水やりに不安のある方は、ぜひこの記事を参考にされてくださいね。
リプサリスの水やり頻度、量、時間帯を時期別で解説
リプサリスは多肉植物のため、葉に沢山の水分を蓄えています。
そのため、毎日水やりする必要はありません。土が乾いてから与えるのが鉄則です。
リプサリスの水やり頻度、量、時間帯【春~秋】
- 土が乾いたタイミングで鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やり
- 水遣りの時間帯は夕方以降~夜におこなうのが基本
リプサリスを含む多くの多肉植物はCAM植物。CAM植物は、夜間にCO2を取り込み、それを日中に光合成に利用する性質を持つよ。夜間に水分を吸収する力が高まるから、水やりするなら夕方~夜が適しているんだ。
リプサリスの水やり頻度、量、時間帯【冬】
- 土が乾いてさらに3日ほどしてから水やり
- 土の約1/3が湿るくらいの量で与える
- 時間帯は日中に済ませておくのが安心(夜の水やりだと根が冷える恐れがあるため)
冬は寒さによって生長が緩慢になるよ。暖かい時期と同じ頻度で水やりしていると、根腐れを起こしやすいんだ。冬の水やりは控え目にすることで耐寒性を高めることもできるよ。
リプサリスとは?
リプサリスはサボテンの仲間
リプサリスはサボテン科リプサリス属に属する植物であり、棒のような葉茎が特徴的なサボテンです。
「森林サボテン」とも呼ばれ、アメリカ大陸の熱帯雨林で見られます。
リプサリスの花言葉は「偉大」「燃える心」
また、リプサリスの花言葉は偉大や燃える心といった意味を持ち、お祝いのプレゼントや風水効果のある場面でも活躍します。
リプサリスの特徴的な姿や美しい花は、ユニークなインテリアグリーンとして部屋のアクセントになります。
垂れ下がる棒状の葉はハンギングにもぴったり
リプサリスの葉茎は細長く、棒状の形状をしています。この形状のおかげで、ハンギングプランターや壁掛けなどで楽しむこともできます。
葉が伸びてくると葉先が分岐し、ボリューム感が増します。その姿はカッコよさを感じさせます。
乾燥に強く耐陰性もあるので室内でも育てやすい
リプサリスは乾燥した環境でも育つことができるサボテン科の植物です。また、耐陰性も高く、日陰でも育てることができます。
乾燥に強いので水やりの手間も少なく済みます。忙しい方にもぴったりです。
株が充実してくると、春先に花を咲かせてくれることもあるよ。育てるほどに愛着がわいてくる不思議な多肉植物なんだ。
リプサリスの育て方のポイント
リプサリスを長く楽しむためには、いくつかの育て方のポイントがあります。以下にそれぞれのポイントを詳しく解説します。
室内なら南~東向きの窓際に置く
リプサリスを室内で育てるなら南~東向きの窓際に置きましょう。屋外(15度以上)であれば半日陰が最適です。
熱帯雨林に生息しているため、高温多湿の環境を好みます。ただし、真夏の直射日光で葉を傷めやすいです。
リプサリスを屋外で育てるなら、真夏と10月以降~冬(15度以下)は、室内に移動させておこう。
水はけの良い土を使う
リプサリスには市販の多肉植物・さぼてん用の土が適しています。
赤玉土や鹿沼土を配合した水はけの良い土を使うことで、根の傷みを防ぎつつ適切な水やり管理ができます。
特に室内管理の場合、風通しや日照時間の制限によってどうしても土が蒸れやすくなるよ。鉢は鉢穴が沢山開いた通気性の良いものを選ぼう。
春・秋には肥料を与えてもok
リプサリスには特に肥料は必要ありませんが、花を咲かせたい場合や増やしたい場合は置き肥や液肥の利用が効果的です。
特に花の栄養素であるリン酸の肥料を4月から6月に与えると開花が促されますが、肥料の過剰投与は根の傷みに繋がるので注意が必要です。
生育が鈍る真夏と秋~冬は肥料は基本不要。吸収できないほどの肥料分は根を傷める原因になることもあるよ。
リプサリスによくあるトラブルと対処法
リプサリスを育てる上でよく起きるトラブルとその対処法をまとめました。
病気
リプサリスは特にかかりやすい病気はありませんが、適切な管理がされない場合に弱ってしまうことがあります。以下の管理ポイントをしっかり守りましょう。
- できるだけ明るく風通しの良い場所で管理する
- 水やりは土が乾いてからおこなう
害虫
リプサリスには主に以下2種類の害虫が付くことがあります。
ハダニの対処法
- 傷んだ葉をカットし、水や殺虫剤で防除する
- ハダニは小さくて1匹ずつ取り除くのは難しい。傷んだ葉をしっかりカットし、予防に定期的な葉水や殺虫剤の塗布しておく
葉にクモの巣のような糸がついている・葉のに小さな虫がついている・葉に斑点や傷がある・葉の色が薄くなり枯れている。このような場合はハダニの可能性があるよ。
カイガラムシの対処法
- 幼虫は薬剤で、成虫はブラシなどで引きはがして駆除する
- カイガラムシは風通しの悪い場所に発生しやすい。明るく風通しの良い場所で管理する
根腐れ
根腐れは土中の酸素濃度が低下し、有機物の腐敗が進むことで起きます。以下の症状が見られる場合、根腐れの可能性があります。
- 水をあげても元気にならない
- 土が7日以上湿ったまま
- 葉が落ちる
- 葉が茶色や黄色に変色している
- 幹や幹の根元が柔らかい
- 土から腐敗臭がする
- 土の表面にカビが生えている
- 根が黒く変色している
根腐れの対処法
- 鉢や地面から植物を取り出し、悪い土を取り除いて水はけのよい土に植え替え
- 傷んでいる根や腐っている部分をカット
- 少量の水を与え、風通しの良い明るい日陰で管理
根詰まり
根詰まりは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きます。以下の症状が見られる場合は根詰まりの可能性があります。
- 水が浸透しづらくなる
- 根が鉢の底から出てくる
- 葉が黄色くなる
- 鉢にヒビが入る
根詰まりの対処法は、リプサリスをひとまわり大きな鉢に植え替えること。植え替えによって根詰まりの症状は解消されるよ。植え替えは春~秋の暖かい時期に済ませておこう。
葉焼け
葉焼けは、強い日差しを浴びすぎることによって起きる症状です。以下の症状が見られる場合は葉焼けの可能性があります。
- 葉の色が抜けて白くなる
- 葉の一部が茶色く枯れる
葉焼けの対処法
- 明るい日陰に移動させて直射日光から守る
- 葉焼けした部分はカットする
葉焼けが起きた場合は、直射日光を遮る対策をして葉を元気に保とう。カットした部分から新しい健康な葉が生えてくることもあるよ。
リプサリスの増やし方
リプサリスを増やす方法は、挿し芽、種まき、株分けの3つがあります。
挿し芽の方法
挿し芽はリプサリスの茎を使って新しい株を増やす方法です。挿し芽を行う手順は次のとおりです。
- 健康な茎を選ぶ:まず、健康で太くしっかりした茎を選びます。茎には病気やダメージのないものを選びましょう。
- 乾燥させる:切り取った茎を数日間、乾燥させます。この期間に根が生えることがあります。
- 挿し芽を植える:2週間から1か月程度乾燥させた茎を土に植えます。明るい場所に置き、湿度を保ちます。水やりは軽く行い、土が乾燥しないように気をつけましょう。
- 成長後の管理:根が十分に成長したら、挿し芽を新しい鉢に植え替えます。
種まきの方法
種まきはリプサリスの種をまいて発芽させて増やす方法です。種まきの手順は次のとおりです。
- 適切な種まき容器を用意する:まず、栽培しやすい小さなプラスチックの種まきトレイやポットを用意します。容器には排水孔があるものを選びましょう。
- 適切な土を準備する:リプサリスの種まきには軽くて排水性の良いサボテン用の土が適しています。
- 種まき:準備した土に種をまきます。種は軽く土の上に散布し、覆いすぎないように注意しましょう。
- 水やりと管理:種まき後は、軽く水やりを行います。土が湿った状態を保ちつつ、過剰な水やりは避けます。
- 発芽と成長後の管理:発芽後は、明るい窓辺などの場所で十分な日光と適切な水やりを行い、成長を促進します。
株分けの方法
株分けはリプサリスの株を分けて増やす方法です。株分けの手順は次のとおりです:
- 成長した健康な株を選ぶ:株分けするために、健康な成長した株を選びます。
- 株を取り外す:リプサリスの株を慎重に取り外します。
- 株を分割する:取り外した株を根や茎に沿って分割します。この際、清潔なはさみを使用し、根を傷つけないように注意します。
- ほかの鉢に植え替える:切り取ったリプサリスは適切な鉢に植え替えます。
- 成長後の管理:根が十分に成長したら、通常のリプサリスと同じように管理します。水やりや日当たりなど、株が健康に成長するための環境を整えましょう。
意外に種類豊富!さまざまなリプサリス
リプサリスは多くの品種が存在し、それぞれ異なる形や色を持っています。ここではいくつかの代表的な品種をご紹介します。
1. カスッサ
- リプサリスの代表的な品種で、人気があります。
- 多方向に伸びる茎が特徴で、下に垂れ下がる形状をしています。
2. ケレウスクラ(青柳)
- 白い花を咲かせる美しい品種です。
- 主茎の先に細かい枝が分かれて生えています。
3. ホリダ
- 白く柔らかい毛で覆われており、存在感があります。
- 太い茎を持っています。
4. パラドクサ
- 連なった鎖のような形状が特徴です。
- 最大で100センチまで成長することができます。
5. エワルディアナ
- 茎の継ぎ目がはっきりしており、扁平な葉を持っています。
- 鉢植えとしても素敵な存在感を発揮します。
6. ラムローサ
- 肉厚な平べったい葉を持つ珍しい品種です。
- 緑と赤のコントラストがおしゃれで、存在感のある樹形をしています。
7. エリプティカ
- 葉のような柔らかい茎を持ちます。
- 日光に当たると新芽が赤茶色に変わります。
8. ピロカルパ(フロストシュガー)
- 株全体に細かな白綿のようなトゲがあります。
- 鋭さはないため、安心して触れることができます。
9. クルシフォルメ
- 細い枝を四方に伸ばす個性的な品種です。
- 白い綿毛が生えており、インテリアグリーンとして人気です。
10. ピンクサリー
- 新芽が淡いピンク色になります。
- 落ち着くと色が緑色に変化します。
11. プリスマティカ
- 先端が線香花火のように分岐した葉を持つボリューム感のある品種です。
- 黄白色の花を咲かせます。
12. ヘテロクラダ
- 細かく分岐した茎がふんわりと茂ります。
- 好みの大きさに整えることができます。
13. カピリフォルミス
- 円錐状の茎が放射状に広がります。
- 下に垂れ下がる形状をしているのでハンギンググリーンとしても楽しめます。
14. キルベルギー
- 細長い茎が少し角ばった形をしています。
- 存在感があり、個性的な印象を与えます。
15. クリスパータ
- 黄緑色の波打つ葉が特徴です。
- 春には白い小さな花を咲かせます。
16. コナカルパ
- 柱状の茎が珊瑚のように群生しています。
- 上に伸びる品種なので鉢植えでも楽しむことができます。
リプサリスの品種は、それぞれ個性的で魅力的な特徴を持っているよ。お好みやインテリアのテイストに合わせて、ぜひお気に入りの品種を選んでみてね。
リプサリスに関するよくある質問
1. リプサリスは室内で育てることができますか?
はい、リプサリスは室内で育てることができます。明るい場所や半日陰が最適な環境です。
2. リプサリスの水やりはどのくらい頻繁に行うべきですか?
リプサリスの水やりは土の乾燥具合を確認しながら行います。通常は土が乾いたらたっぷりと水を与えると良いでしょう。
3. リプサリスの種まきは難しいですか?
種まきは少し時間がかかる方法ですが、リプサリスの特徴が生まれるため興味深い方法です。適切な管理や明るい場所で行えば成功する可能性が高いです。
4. リプサリスは直射日光を浴びても大丈夫ですか?
リプサリスは直射日光には弱いため、直射日光を避けることが推奨されます。半日陰が最適な環境です。
まとめ
リプサリスは、水やりの頻度が少なくても育てることができるサボテン科の植物です。
乾燥に強く、鉢の中の水分を保つ能力があるため、適度な水やりで管理することが大切です。
特に夏の暑い時期や乾燥した環境では、水やりの頻度を増やす必要があります。
また、冬の休眠期には水やりを控えることが大切です。
水やりの際は、葉に水がかからないよう注意。特にリプサリスは葉の間に水が溜まると腐ってしまう恐れがあるよ。根元から水を与えて葉を濡らさないようにしてね!