購入当初はこんもりしていたポトス。いつの間にかスカスカになってしまった。再びこんもりした姿を取り戻すにはどうしたらいいの…?
ポトスを育てている方の中にはこのように「スカスカの見た目」にお悩みの方も多いのではないでしょうか?
つるは伸びても鉢まわりがスカスカでは、どうしても寂しい見た目になりがちです…。
そこで今回は、株元がスカスカになったポトスを再びこんもりさせる方法をご紹介します。
◎●株元がスカスカになっている原因によって対処の仕方は変わってきます。まずは、「なぜ株元がスカスカになったのか」を把握するところからはじめましょう。
株が弱っている場合、闇雲に切り戻したり植え替えたりすると、さらに株を弱らせてしまうこともあるよ。
ポトスの根元に葉がない!スカスカをこんもりボリュームを出す方法
まずは、切り戻しでポトスをこんもりボリューミーに仕立て直す方法をご紹介します。
購入当初のポトスは色つやのよい葉がこんもり茂っている(2019/10/1)
植え替え後、順調に育つポトス(2020/8/7)
ポトスをこんもりさせる方法 手順①観察、対処法を導き出す
購入から約2年経過し、姿の乱れたポトスです(下画像)。
購入から約2年経過したポトス。全体的に姿が乱れ、葉の色つやもイマイチ…(2021/8/17)
全体定期に葉の色が悪くイマイチな印象です。まずは、姿が乱れてしまった原因を探っていきましょう。
姿が乱れた原因を探ります
- 鉢底から根は出ていない⇒根詰まりではなさそう
- 水やり後、土に水分が浸み込むまで時間がかかるようになった(前回の植え替えは約1年前)⇒土の劣化が疑わしい
- 葉の色が全体的によくない、茶色くなっている部分もある⇒直射日光には当てていない、害虫もついていない、水やりも土が乾いてから⇒土の劣化により鉢内の水はけが悪くなって根が傷んでいる可能性あり➡まずは鉢内の環境の改善が必要そう
- 株元付近の葉が古くなって傷んでいる➡新しい葉を株元まわりに出したい
ということで、今回は鉢内の土が劣化したことで根が傷んでいる恐れがあるため、まずは植え替えをして様子を見ることにしました。
植え替え後、根が活着して葉にハリが戻ってきたら、伸びすぎているつるをカットすることとします。
※ポトスの植え替え適期は、春から秋にかけての暖かい時期
全体的に葉の色つやもよく、土の水はけも良好であれば、伸びすぎているつるをカットするだけでもok。伸びすぎているつるがないなら、まずは環境の見直しを。
ポトスをこんもりさせる方法 手順②古い土、傷んだ根を落す
ポトスの植え替え適期は春から秋の暖かい時期です。寒い時期の植え替えは株を弱らせやすいため避けます。
鉢から取り出し、古い土や傷んだ根っこを取り除きましょう。(下画像)
傷んだ根はわざわざかっとせずともポロっと取れます。無理に引っ張ると元気な根まで傷めてしまうため、取り除く場合は切れ味のよいハサミでカットします。
古い土は、割りばしや使い古しの箸などを使うと落としやすいです。固まった土は軽くつつきながらほぐしていきます。
ポトスが好む水はけの良い土とは?
ポトスは多くの観葉植物の中でも水を好みます。暖かい時期なら土の表面が乾いたタイミングで鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水をやりましょう。
ただ、水を好む反面、根が蒸れることは嫌います。
つまり、水はけの悪い土に植えていると、根が常に湿った状態となり傷みやすくなるのですね。
室内でポトスを育てる場合は虫が寄り付きにくい「室内向けの土」を使うことをおすすめします。
室内向けの土は、コバエやキノコの原因のひとつとされる堆肥を含んでいないことが多いです。
虫が苦手な人でも安心してポトスを栽培することができます。
ポトスをこんもりさせる方法 手順③植え付け
古い土と傷んだ根を落したポトスを、水はけのよい清潔な土に植え付けます。
根詰まりを起こしていないなら同じサイズの鉢に植え付けても構いません。
根が増えて狭そうなら株分けするか、ひとまわり大きめの鉢に植え替えましょう。
※ちなみに「ひとまわり」とは、今までの鉢よりも直径プラス3cmほどのものをさします。何度も植え替えるのが面倒だからといきなり大きすぎる鉢に植え替えるのは危険です。理由は、大きすぎる鉢に植えると、根が吸いきれないほどの水分が鉢内に長く停滞することになるため。これは根腐れを招く原因になりえます。
鉢が深いと感じる場合は鉢底石を多めに入れるのがおすすめ
「鉢の直径はちょうどよさそうだけど、高さがちょっと株に対して深すぎるかも…」
このように感じる場合は鉢底石を少し多めに入れましょう。
鉢底石を入れることで鉢内の排水性を確保できます。
土とは違い、鉢底石は崩れにくいのが特徴。鉢内の排水性と通気性を保つためにも鉢底石は不可欠です。
ポトスをこんもりさせる方法 手順④風通しのよい半日陰へ
植え替え後はたっぷりと水を与え、しっかりめに水気を切ります。受け皿に溜まった水はこまめに捨ててください。
その後、風通しのよい半日陰(はんひかげ)に置きます。
ポトスは直射日光が苦手なため、室内なら明るい窓際、屋外なら日陰~半日陰に置くと良いでしょう。
ポトスが好む「半日陰」ってなに?どんな場所のこと?
半日陰が具体的にどんな場所なのかって、イマイチ分からない…という方も多いのではないでしょうか?
半日陰は、遮光率約50%の状態のことをさすそうです。たとえば、日向のすぐ隣の日陰や、日光が当たったり当たっていなかったりする木漏れ日などが半日陰に当たります。
「どうしても直射日光が差し込んでしまう…」という場合、遮光ネットを使ってみるのも〇(屋外の場合)。
室内であれば南向きの窓際がよいでしょう。
日光は窓を通すことで約30%遮光されるといわれているため、葉焼けしないようならレースカーテンも不要です。
日差しがきつくて葉が焼けるようならレースカーテンで調節しよう。特に、夏場の西日には要注意!
ポトスをこんもりさせる方法 手順⑤伸びすぎたつるをカット(切り戻し剪定)
植え替え後、ポトスの根元あたりを触って抵抗を感じるようになれば根が張ったサインです。
土が乾いてきたタイミングで伸びすぎているつるをカットします。しばらくすると、カットした茎の脇から新しい芽が出てくるはずですよ。(下画像)
植え替えから約一年後、葉にハリが戻り株元もこんもりしてきました
植え替えから約一年経ったポトスがこちらです。(下画像)
こんもりした姿を取り戻し、以前よりもボリューミーになったポトス(2022/12/7)
以前に比べて鉢まわりがこんもり茂りました。
また、伸びすぎたつるをカットしたことで、根元付近から新しい葉が展開しています。
こんもりしていたポトスがスカスカ…根元に葉がない原因は?
まずはじめに、こんもりしていたはずのポトスがスカスカになってしまう原因からみていきましょう。
原因によっては対処方法も変わります。まずは、目の前のポトスをよく観察し、これまでの管理方法を思い返してみてください。
見当外れな対処法では、逆にポトスを弱らせることもあるからです。
こんもりしていたポトスがスカスカになる原因①根詰まり
- 1~2年以上植え替えていない
- 鉢底から根っこがはみ出ている
- 水やり後、土に水分がなかなか浸み込んでいかない(以前よりも時間を要するようになった)
- 新芽が枯れる、全体的に葉の色が悪い
ポトスが上記のような状態の場合、鉢の中が根っこでいっぱいになる「根詰まり」を起こしている可能性があります。
根詰まりを放置していると鉢内が蒸れて株が弱りやすくなる
ポトスには根詰まりを解消するためはもちろん、古くなった土を交換するためにも、最低2年に1回程度の植え替えが必要です。
鉢内が根っこでぎゅうぎゅう詰めになったり、土の粒が崩れて団子状に固まると、鉢内の水はけが悪くなって生育に悪影響を及ぼします。
根詰まりしている場合、いくら切り戻してもスムーズな生育は期待できません。根詰まりが疑われる場合、まずはひとまわり大きな鉢に植え替える必要があります。
ポトスは寒さに弱い。植え替えは春から秋の暖かい時期に済ませよう。目安は、最低気温15度以上の時期。寒い時期の植え替えは、株を弱らせる原因になりやすい。冬の植え替えは基本×!
こんもりしていたポトスがスカスカになる原因②根腐れ
こんもりしていたはずのポトスがスカスカになったり、葉の色つやが悪い…などという場合、根が傷んでいる可能性があります。
特に、前回の水やりから土が7日以上湿っている場合は要注意です。
根腐れの原因は「水のやり過ぎ」「土の劣化」「根詰まりによる排水性の低下」などが考えられます。
ポトスの水やり方法は?
ポトスの水やりの基本は、以下のとおり。
- 春~秋(最低気温が15度以上)…土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと水やり
- 秋~冬(最低気温が15度以下)…土の表面が乾いてさらに2~3日ほどしてから常温の水を土全体が湿る程度に与える
このように、時期によっても水やりのタイミングが異なります。ただ、土の乾き具合をいちいちチェックするのはなかなか大変。
そんな時にあると便利なのが水やりチェッカーです。
土に差しておくだけで、最適な水やりのタイミングを色で教えてくれますよ。
土が乾いたら「白」、土が濡れているうちは「青」と分かりやすいです。
- 春~秋(最低気温が15度以上)…チェッカーが白になったタイミングでたっぷりと水やり
- 秋~冬(最低気温が15度以下)…チェッカーが白になってさらに2~3日ほどしてから水やり(夜間の水やりは根を冷やすため避ける)
天気予報をチェックして、最低気温が15度近くなってきたら「そろそろ水やりの間隔を空けるか…」という感じ。
こんもりしていたポトスがスカスカになる原因③寒さ
ポトスは寒さに強く、観葉植物の中でも丈夫で育てやすい植物です。とはいえ、本来は暖かい場所を好みます。寒さは苦手で、耐えられるのは5度程度まで。
とはいえ、それは枯れないための最低温度ともいえます。理想は最低でも10度、できれば15度以上は欲しいところです。
気温が15度以下になると徐々に生育が鈍くなるため、水やりは控え目にシフトする必要があります。
夜間の水やりは根を冷やしてしまうため避けた方が無難。根が冷えると株自体が弱ってしまうよ。
夜になったら窓から1~2m離して冷え込みを防ごう
明るく暖かい場所を好むポトス。室内に置いていればほとんどの場合は問題ないでしょう。
とはいえ、朝晩の窓際は想像以上に冷え込むことも多いです。特に気を付けたいのが水やり後。
冬のポトスは生育が緩慢。暖かい時期に比べて、水やり後の土が乾くのにも時間がかかるんだ。
土が濡れた状態で鉢が冷えると鉢内の水温が低下し、根を冷やしてしまいます。
窓際に置いている場合は、夜になったら窓から最低でも1~2m離すことで冷え込みを防ぐことが出来ます。
できればお部屋の中心近くまで移動できると安心です。朝になって気温が上がってきたら元の明るい場所へ戻しましょう。
移動って面倒…。でも、このちょっとしたひと手間がポトスを寒さから守るんだね。
こんもりしていたポトスがスカスカになる原因④直射日光
ポトスは直射日光が苦手です。室内に置いていたポトスを急に屋外の日向に移動させると高確率で葉焼けします。(下写真)
特に、白やライムグリーンなど明るい葉色の品種は葉焼けしやすい傾向にあります。葉焼けによって変色した部分は元に戻りません。
葉焼けした部分は光合成ができなくなる。葉焼けした面積が広がると株自体をも弱らせかねないよ。
サトイモ科の観葉植物は直射日光が苦手
ポトスはサトイモ科の植物です。サトイモ科の観葉植物は他にも沢山あります。
アンスリウム、スパティフィラム、モンステラ、シンゴニウム、クワズイモ…。どれもサトイモ科の植物です。
サトイモ科の観葉植物には主に2つ共通点があります。それは、「比較的に水を好む」と「直射日光が苦手」ということです。
特に夏場は、高温により葉焼けを起こしやすい。室内なら明るい窓際、屋外なら日陰~半日陰がベスト。
こんもりしていたポトスがスカスカになる原因⑤新陳代謝
ポトスは生長とともに下葉(株元近くの古い葉っぱ)が少しずつ落ちていきます。
これは新陳代謝によるものなのでどうしようもありません。
ツル先端の新芽が枯れたり変色する場合は注意が必要ですが、株元近くの葉のみが落ちるようであれば新陳代謝である可能性が高いです。
ただ、そのまま育てていると鉢まわりがスカスカでつるばかりがビローンと伸びた、なんともだらしのない姿になってしまいます。
このような場合は、切り戻しや挿し木で株元にボリュームを出すのがおすすめ。くわしい方法は次の項で紹介するよ。
カットしたつるは水差しで発根させ育てられる
切り戻したつるをそのまま捨てるのはもったいありません。
水差しにすれば簡単に発根させ、育てることもできますよ。
ポトスのつるを使った水差しの詳しい手順はこちらの記事を読んでみてね。
ポトスをこんもりさせたい!挿し木でボリュームを取り戻す方法
スカスカになったポトスの株元をこんもりさせるなら、伸びすぎたつるを使って挿し木して株自体を増やす方法もあります。
切って挿すだけで同じ株を増やせるのが挿し木(さしき)。元祖クローン技術とも言われるよ。
ポトスをこんもりさせる 手順①適期は春~秋
ポトスの挿し木に適しているのは春~秋の暖かい時期です。
とはいえ、より成功しやすいのは春~初夏。この時期はポトスの生育が盛んになり始める時期のため失敗しにくいです。
ポトスをこんもりさせる 手順②伸びすぎたつるをカット
伸びすぎたつるをカットしたら15cmほどにカットします。1本のつるに葉が1枚残るようにしてください。
葉が無くても節さえあれば発根する可能性がありますが、葉が付いている方が失敗しにくいです。
ポトスをこんもりさせる 手順③水差しで発根させる
水差しにして発根させます。
そのまま土に挿しても良いですが、こちらの方がより確実に発根させることができるので初心者におすすめです。
根が1cmほど伸びたら水はけの良い土に植えつけましょう。
ポトスをこんもりさせる 手順④土に植えつける
発根したつるは水はけの良い清潔な土でさらにしっかりと発根させます。
しっかり根が張るまでは土が乾き過ぎないよう気を付けましょう。
ポトスをこんもりさせる 手順⑤元株と一緒に植える
無事に根が張って新しい葉が開き始めたら、元株と同じ鉢に植え付けます。
株が増えることで株元が一気にこんもりボリュームアップします。
つるを切らずにポトスをこんもりさせる方法は?
今あるつるを切らずに株元をこんもりさせたい場合、土に気根を伏せて発根させる方法もあります。
つるを切り離さずに気根から発根させて株を増やし、株元にこんもりボリュームを出す方法だよ。
伸びたつるを空いているスペースに伏せ、気根を定着させる
適期はポトスの生長がさかんな春~秋。
伸びたつるの気根が出ている部分を土に伏せて発根させます。
気根が土に触れるよう、U字ピンやワイヤー等を使ってつるを土に固定します。
気根が土に活着したらハサミでカットする
つるに触れて抵抗を感じるようになれば発根したサインです。
それぞれのカットして分けます。
うまくいけばそれぞれが生長し新芽が増え、株元がこんもり茂る
うまくいけばそれぞれの茎から新芽が出て、株元の葉数が増えていきます。
すると、以前よりも株元の葉が茂ってこんもりボリューミーな姿に仕上がります。
ポトスの根元に葉がない!スカスカをこんもりボリュームを出す方法【まとめ】
ということで、今回はポトスをこんもりさせる方法をくわしくご紹介しました。
ポトスをこんもりさせたい場合、まずは現状をよく観察することが大切です。
根詰まりを起こしていることに気付かず、ただ切り戻すだけでは根本的な解決にはいたりません。
今回の記事を参考に、見栄えの悪くなったポトスをこんもり仕立て直してみてね。
ポトスをこんもりさせる方法【切り戻す場合】
- 観察、対処法を導き出す
- 古い土、傷んだ根を落す
- 植え付け
- 風通しのよい半日陰に置く
- 伸びすぎているつるをカット(切り戻し剪定)
カットしたつるは挿し木で発根させてみて。挿し木で増やしたポトスを元株と一緒に植え付ければ株元がこんもりボリューミーに仕上がるよ。
ポトスをこんもりさせる方法【挿し木で株を増やす場合】
- 適期は春~秋(おすすめは春~初夏)
- 伸びすぎたつるをカット
- 水差しで発根させる
- 土に植えつける
- 元株と一緒に植える
伸びすぎたつるがあるならこの方法がおすすめ。
ポトスをこんもりさせる方法【気根を発根させて株を増やす場合】
- 適期は春~秋(おすすめは春~初夏)
- 伸びたつるから出る気根を土に固定させ発根を促す
- 気根が土に活着したら切り離す
- 上手くいけばそれぞれが生長し葉を茂らせる
この方法が一番手間がかからなくて楽かも。