暖かい環境が保たれていれば、冬でも花を咲かせてくれる鉢花「ハナキリン」。
ハナキリンには株姿を保つために剪定が欠かせませんが、その際に出た葉茎を利用して挿し木で増やすこともできます。
今回は、ハナキリンの挿し木の方法をくわしくご紹介します。
この記事を読めば、
- ハナキリンを挿し木で増やす方法【手順】
- ハナキリンの挿し木を成功させる3つのコツとは?
- ハナキリンを挿し木で増やすときによくある質問【Q&A】
- 実際にハナキリンを挿し木で増やしてみた【経過レポート】
が分かるよ!
☆★室内でも清潔に植物を楽しみたい…虫が苦手で土に触れるのも抵抗がある…そんな方におすすめの記事はこちら↓↓
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ハナキリンを挿し木で増やす方法を画像付きで分かりやすく解説!
それでは、ハナキリンの挿し木方法をご紹介します。
ハナキリンの挿し木 手順①「適期は5月~6月頃」
ハナキリンの挿し木に適した時期は、5月~6月頃です。この時期に挿し木することで、失敗しにくくなります。
梅雨挿しがおすすめ
「梅雨挿し」という言葉を知っていますか?
植物を挿し木で増やす場合、暖かく湿気が一定に保たれた環境が成功のコツです。
つまり、梅雨時期は挿し木にピッタリな時期といえます。そのため、「梅雨挿し」とよばれているのです。
ハナキリンの挿し木 手順②「茎を5~8cm程カット」
清潔なハサミでハナキリンから茎を5~8cm程切り取ります。その際に、切り口からハナキリンの白い樹液が滲み出てきます。
この樹液に触れると皮膚がかぶれることがあるので、触らないように注意します。
ハナキリンの挿し木 手順③「切り口の樹液を水で流す」
ハナキリンの樹液には切り口を塞ぐはたらきがあります。
切り口が塞がると発根しにくいので樹液は水で軽く流しておきましょう。
ハナキリンの挿し木 手順④「切り口を乾燥させる」
カットした茎は切り口を乾燥させることで、発根を促します。
また、乾かすことで切り口からの腐敗も防ぎます。
ハナキリンの挿し木 手順⑤「挿し床を用意」
乾燥させたハナキリンの茎を挿すための鉢と土を用意します。
大きすぎる鉢だと水の管理が難しいため、小さめの鉢(2号程度)が望ましいです。(水がなかなか乾かず挿し穂が腐りやすい)
土は多肉植物用のものや、赤玉土(小粒)・鹿沼土(細粒)・川砂・バーミキュライトなどがよいでしょう。
清潔で水はけのよい土が望ましいです。鉢底石を入れたら用土を鉢の7割程入れます。
挿し木に適した土の条件3つ
1.清潔である
2.肥料分を含まない
3.水はけがよい
ハナキリンの挿し木 手順⑥「茎を土に挿す」
乾いた土に切り口を乾燥させたハナキリンの茎を挿します。
茎を傷めないよう、あらかじめ割りばしで穴を空けてから茎を挿すのがおすすめです。
ピンセットを使ってもok。
ハナキリンの挿し木 手順⑦「半日陰で管理」
直射日光を避けた半日陰に置きます。
10日程経ったら土が湿る程度に控え目に水を与えます。
うまくいけば、1~2か月程度で発根するでしょう。
さらにくわしく「ハナキリンの育て方を解説します【水やりのタイミングなど】」
ハナキリンを挿し木で増やす!失敗を防ぐために押さえておくべきポイント3つ
ハナキリンを挿し木で増やしたいとき、失敗を防ぐために押さえておくべきポイントは以下3つです。
ハナキリンを挿し木で増やすときのポイント①適期は春~初夏
ハナキリンを挿し木で増やすなら時期は最重要です。
どんなに状態の良い株でも気温が足りていなければなかなか発根してくれません。
地域にもよりますが、ハナキリンを挿し木で増やすのにおすすめなのは5月~6月頃です。
筆者の経験上、天気予報で最低気温が15度を超え始めるタイミングがもっとも失敗が少なく済むよ。
ハナキリンを挿し木で増やすときのポイント②土に挿してすぐ水遣りしない
ハナキリンは多肉植物の一種です。
茎に沢山の水分を蓄えているため、切った茎を乾いた土に挿したら10日程度水を与えずに発根を待ちましょう。
すぐに水遣りすると切り口から雑菌が侵入し腐敗しやすいです。
ついすぐ水を遣りたくなるけど、そこはグッと我慢。挿し木を成功させるため。
ハナキリンを挿し木で増やすときのポイント③明るい場所に置く
挿し木で増やしたハナキリンは明るい場所に置いて発根を待ちます。
室内なら南~東向きの窓際、屋外なら半日陰が良いでしょう。
発根するまでは直射日光や強い風に晒されないようにしてください。
挿し木に触れて抵抗を感じるようになれば発根のサイン。
あわせて読みたい「ハナキリンの花が咲かない理由とは?原因と対処法」
ハナキリンを挿し木で増やすときによくある質問【Q&A】
ハナキリンを挿し木で増やすときによくある質問をまとめてみました。
ハナキリンを挿し木で増やすときによくある質問①どこを切ればいいの?
ハナキリンを挿し木で増やすときに切る場所は特に決まっていません。
伸びすぎている茎を中心にカットするのが良いでしょう。
ただし、あまりにも株元近くから切ってしまうと元株が回復するまで時間を要してしまいます。
元株も回復させたいなら最低でも5センチ程度は樹高を残しておくと良いでしょう。
ハナキリンを挿し木で増やすときによくある質問②茎を切った後の元株はどうなるの?
適期であれば切った部分から枝分かれするように育ちます。
上写真は春先に切り戻したハナキリンです。半年後には切り戻し前よりも株にボリュームが出ているのが分かります。
さらにボリュームを出したいなら、挿し木で増やした株を元株と同じ鉢に植え替えるのもおすすめです。
ハナキリンを挿し木で増やすときによくある質問③どれくらいで発根する?
生育が盛んな5月~6月頃なら14日程度で発根することが多いです。
「発根したかな?」と頻繁に挿し木に触れるとうまく発根できないこともあります。
1か月程度は触れずにそのまま様子を見守りましょう。
ハナキリンを挿し木で増やすときによくある質問④挿し木に使う土は何でもいい?
挿し木に使う土は「清潔である(使いまわしじゃない)」「養分を含まない」「水はけ、通気性に優れる」の3点が揃ったものがベストです。
市販の「挿し木・種まき用土」があればそれを使いましょう。
なければ「赤玉土(小粒)」「バーミキュライト」などでも構いません。
あわせて読みたい「観葉植物がすぐ枯れる人がやりがちな間違ったお手入れ3つ」
実際にハナキリンを挿し木で増やしてみた【経過レポート】
最後に、筆者が育てているハナキリンの生育記録です。
挿し木にしたハナキリン【2021/5/10】
多肉植物用の土に挿したハナキリンの挿し穂です。ベランダの風通しのよい半日陰で管理します。
10日後に水を与える予定です。
挿し木にしたハナキリン【2021/6/9】
ハナキリンを挿し木にして約1か月経ちました。
大きな変化はありませんが、触れると少し抵抗を感じるようになってきました。土が乾いたタイミングでたっぷりと水やりします。
挿し木にしたハナキリン【2021/9/12】
いつの間にか少し葉数が増えたハナキリンの挿し木です。暑さも落ち着き、ここからもうひと生長してくれるでしょうか。引き続き、土が乾いたら水やりします。
10度を下回ると枯れてしまう可能性が出てくるので、最高気温が15度以下になってきたタイミングで室内に移動させる予定です。
寒さに耐えるハナキリンの挿し木【2022/1/20】
9月に比べてまた2~3枚ほど葉が増えましたね。
そしてなんと、うっかりベランダに出しっぱなしにしていたのに気づいて慌てて室内へ移動させました…。
外の気温は最低5度程度。幸い、簡易ビニール温室に入れていたためなんとか枯れずに済みました。危ない。
このまま冬を越してくれるでしょうか。小さいので心配ですね。
さらにくわしく「ハナキリン 冬の管理方法のポイント3つとは?」はこちら
いつの間にか開花していたハナキリンの挿し木【2022/3/8】
急に暖かくなってきた3月。ふと、ハナキリンの挿し木を見ると開花している!!
まだまだ小さいので開花はずっと先だと思っていたので油断していました。
小さいながらも頑張って花を咲かせてくれたのですね。本当に健気な植物です。
今後もできるだけ暖かく日当たりのよい場所に置いて管理を続けます。暖かくなってきたらまた屋外に置く予定です。
今年は冬に室内に移動するのを忘れないようにします。そして、挿し木でもうまくいけば一年目で花を咲かせてくれるようです。
2個目の花が開花したハナキリンの挿し木【2022/4/23】
4月に入ってかなり暖かくなりました。花も2個目が開花!
最低気温が15度以下にならない日も増えてきたので、屋外に移動しました。まだ少し早いかもですが、最低でも10度以下にならなければ大丈夫でしょう。
できるだけ日光と風に当てる方が株の生長もよくなるはずです。葉数も先月より増え、緑色も鮮やかになってきましたね。
すっかり独り立ちしたハナキリン【2022/10/23】
さて、挿し木してから1年半ほど経過しました。すっかり一人前ですね。
ここらで元株と挿し木を再び同じ鉢に植え替えることにしました。
鉢から取り出してみたハナキリンの根鉢はこんな感じ。↓↓
しっかり根を張っていますね。古い土を落して傷んだ根は切っておきます。
新しい土に植え替えれば作業完了!
うん。いい感じ!かなり株にボリュームが出ましたね。
今後は寒くなるので室内管理に移行します。それを見越して室内でも清潔に管理できる「室内向けの土」を使用しました。
虫が湧きにくいので室内でも安心してハナキリンを楽しめますよ。
筆者は室内に置く植物にはすべて「室内向けの土」を使っています。
あわせて読みたい「虫がわかない土のおすすめは?清潔に観葉植物を楽しむなら土選びが超重要」
さらに花数が増えました。寒くなってきたので室内に移動します【2023/11】
植え替えから約1か月経過。
以前よりもさらに花数が増え、こんもりボリュームのある樹形に育ちました。
気温が下がってきたので再び室内管理に移行します。
こんな感じで、基本は切って挿すだけで簡単に増やせるのがハナキリンだよ。気軽に挑戦してみてね。
あわせて読みたい「ハナキリンの花が咲かない理由とは?原因と対処法」
まとめ
今回は、ハナキリンの挿し木方法をくわしくご紹介しました。
ハナキリンは剪定で出た茎を利用して簡単に増やすことが可能です。ぜひ、適期である5月~6月頃に挑戦してみてくださいね。
ハナキリンの挿し木方法
①適期は5月~6月頃
②茎を5~8cm程カット
③切り口の樹液を水で流す
④切り口を乾燥させる(数日)
⑤挿し床を用意
⑥茎を土に挿す
⑦半日陰で管理
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