ツヤのある濃いグリーンの葉が人気の「コーヒーの木」。
最近では100円ショップでも手軽に購入できるようになりましたね。
コーヒーの木を育てる上で高い壁となる季節があります。
それが、冬です。
冬になるとコーヒーの木が弱ってしまう…。コーヒーの木を冬越しさせるコツってあるの?
今回は、冬場のコーヒーの木の管理のコツについてくわしく解説します。
コーヒーの木の最低気温は約10度。寒さには超弱い!
コーヒーの木はとにかく寒さに弱いです。
特に幼木(高さ約30cm以下)は、寒さに耐えるだけの力がまだ弱いので気を付けなければなりません。
コーヒーの木の耐寒温度は10度程度。これは枯れないための最低温度。美しい姿をキープしつつ冬越しさせるなら最低でも10度は確保して。
コーヒーの木を窓際に置いている場合、夜になったら窓から1~2m離して冷気に当てない
冷気は下に溜まる性質を持ちます。コーヒーの木を棚の上や机の上など、少し高さのある場所において冷気を防ぐのもよいでしょう。
「明るいうちは暖かい窓辺➡日が暮れて気温が下がったら部屋中央の暖房の風が当たらない少し高い場所」
鉢が多くて動かしにくい場合はキャスター付きの棚を利用すると便利!
葉がしおれる!?コーヒーの木の冬越しでやってはいけないこと
コーヒーの木の生育適温は約20度~25度。暖かく風通しのよい場所を好みます。そのため、15度以下になると生育がほぼ止まってしまうのです。
寒さの厳しい冬を乗り越えるためには「やってはいけないこと」も存在します。
コーヒーの木の冬越しでやってはいけないこと①10度以下の寒さに晒す
▲寒さで弱ったコーヒーの木…
多くの観葉植物の中でも、コーヒーの木は特に寒さに弱いです。
15度以下になると生長がほぼ止まり、同時に根が水分を吸い上げる力も弱くなります。
最低でも10度は保ち、できれば15度は確保してやるのが理想的です。
デジタルの温・湿度計なら一目で確認しやすい
人にとって「快適、暖かい」と感じる環境であっても、観葉植物にとっては「寒すぎる、乾燥しすぎ」という状態のことも多いです。
特にコーヒーの木は寒さに弱いため、「温度計を設置する」というのが寒さ対策の第一歩になります。湿度も把握できるものがベストです。
デジタルのものだとひと目で確認しやすいくおすすめですよ。
人が快適と感じる温度・湿度の目安 | 約18度~27度、湿度40%~60% |
コーヒーの木の好む温度・湿度の目安 | 約20度~30度未満、湿度70%くらい |
※乾燥しがちな冬場は、コーヒーの木にときどき「葉水」をしてやるのがおすすめです。霧吹きで株全体に水分を吹きかけることで空中湿度を保ちます。葉水をすることで、乾燥により葉が傷むのを防ぎます。
コーヒーの木の冬越しでやってはいけないこと②土が乾いてすぐに水遣り
寒さが厳しい冬場、コーヒーの木は水を吸う力も弱くなっています。
そのため、暖かい時期と同じように水やりを続けていると、根が吸いきれずに残った水分が鉢内に長く停滞することになります。
土が湿った状態が長引くと起こしやすいのが「根腐れ」や「水温低下による根へのダメージ」です。
水遣りを控えめにすることで寒さに備える
耐寒性をつけるためには水やりを控え目にシフトし、樹液濃度を高める必要があります。
水やりは土が乾いてさらに2~3日ほどしてから。土全体が湿る程度に与え、且つ、できるだけ天気の良い日、暖かい時間帯に済ませよう。
コーヒーの木の冬越しでやってはいけないこと③慌てて強めの日光に当てたり不要な肥料を与える
寒さが深まる秋から冬にかけて、コーヒーの木は暖かい時期に比べると、どうしても元気がなくなり、全体の色つやも悪くなりがちです。
そんな時に焦って肥料を与えたりいきなり屋外の日光に当てると、逆に株がダメージを負ってしまうことも少なくありません。
「コーヒーの木は冬に弱る(どうしても色つやが悪くなる)もの」と認識しておくことも大事
「コーヒーの木は寒さが苦手なため冬場はどうしても鑑賞価値が下がる」と認識し、「余計なことはせずグッと堪えて春を待つ」というのも寒さを乗り越えるためには必要でしょう。
プロが管理する温室でもない限り、一般的な家庭内でコーヒーの木を完璧な状態で冬越しさせるのはかなり困難です。
一般家庭でできることは、
- 10度~15度以下にならないよう温度管理を徹底する
- 水やりの間隔を空けて寒さに備える
- 葉水で空中湿度を保つ
- できるだけ風通しのよい明るい場所に置く
などです。
コーヒーの木を冬越しさせるコツは?
それでは、コーヒーの木の冬の管理のコツをご紹介します。
日当たりの良い場所に置く
コーヒーの木の幼木は耐陰性があるため室内の観葉植物としても人気です。しかし、本来のコーヒーの木は日光を好みます。
コーヒーの木の美しい姿を保つなら、冬もできるだけ明るい場所に置きましょう。
日当たりの良い場所で育てると株が引き締まり、葉のツヤも良くなってくるよ。
コーヒーの木は直射日光で葉焼けを起こしやすい
ただし、屋外の直射日光や強い西日に当てると葉焼けしやすいのがコーヒーの木です。(下写真)
ただ、冬場であれば葉焼けの心配はほとんどありません。
葉が焼けて茶色く焦げるようであればレースカーテンで光量を調節してみて。ただし、室内からいきなり屋外の日向に移動するのは×。高確率で葉が焼けるよ。
水やりは土が乾いてさらに3~4日してから
コーヒーの木にとって冬は生長が緩慢になる「休眠期」です。そのため、冬場の水やりは控え目にし乾燥気味に管理します。
水遣りのタイミングは、土が完全に乾いたのをしっかりと確認してからです。
また、水の量も春~秋にかけてよりも少なめを意識します。
冬場に水を遣りすぎると根が腐って枯れる「根腐れ」を引き起こしやすいので気を付けましょう。
土が乾いた?湿っている?の確認方法
- 鉢を持ち上げて軽い
- 鉢底から見える土が乾いている
- 指を土に3cm程差して湿気を感じない、etc
水やりチェッカーで冬場の水やりの失敗を防ぐ!
いちいち土の湿り気を確認するのは面倒…でも冬の水やりって難しいんだよな…。
こういった方におすすめのアイテムが「水やりチェッカー」。土に差しておくだけで、色で水やりのタイミングを教えてくれる便利アイテムです。
水やりチェッカーを使用すれば冬場の管理がかなり楽になりますよ。
とにかく難しいのが冬の水やり。こういったアイテムをうまく活用すればストレスフリーでコーヒーの木を冬越しさせられるね。
コーヒーの木が冬に弱った時によくある原因は?【症状別】
次に、コーヒーの木が冬に弱ってしまった時によくある原因を症状別で解説します。
コーヒーの木が冬に弱ったケース①葉が落ちる
コーヒーの木の葉が冬に落ちる場合、主な原因としてあげられるのが「寒さ」「水の遣り過ぎ」などです。
ただ、株の状態や管理方法などによっても原因・対処方法は異なります。
詳しくは以下記事を参考にしてみてください。
さらにくわしく「コーヒーの木 葉が落ちる原因と対処法を徹底解説」
コーヒーの木が冬に弱ったケース②土がなかなか乾かない、カビが生える
コーヒーの木が冬になかなか土が乾かない、ジメジメしている、土の表面にカビらしきものが生えてしまったという場合、
「光線不足」「風通し不足」「温度不足」「水の遣り過ぎ」などが考えられます。
植物は風がないと呼吸できません。窓を閉め切った室内にコーヒーの木を置きっぱなしの場合はどうしても土が乾きにくくなります。
「光」「水」「風」。この3つが揃わないと植物は光合成できないのです。
土が濡れているなら乾くまでは水やりを控えて。明るく風通しの良い場所に置いて様子をみよう。室内ならサーキュレーターをフル活用するのがおすすめ。ちなみに筆者は365日サーキュレーターを回しっぱなし。
コーヒーの木が冬に弱ったケース③葉先が変色
コーヒーの木の葉先が茶色く枯れるようになったら、まず最初に「根詰まり」を疑ってください。
コーヒーの木は地上部の割には地中の根が張りやすく、根詰まりをおこしやすい植物です。
株の状態によっては他の原因も考えられる。くわしくは以下記事を参考にしてみて。
さらにくわしく「コーヒーの木 葉先が枯れる原因と対処法を徹底解説します」
コーヒーの木が冬に弱ったケース④葉の色つやが悪い
コーヒーの木の葉の色が悪い場合、日光不足や葉焼け、寒さ、害虫などが考えられます。
葉がまばらに変色していたり、ベタベタしたり、白い綿のようなものが湧いている場合はカイガラムシが寄生していることが多いです。
暖かく風通しがイマイチな場所で管理していると害虫が湧きやすい。害虫が付いている場合は早めに駆除して。
さらにくわしく「コーヒーの木の葉が茶色い理由は?原因と対処法!」
コーヒーの木が冬に弱ったケース⑤葉がしおれる
コーヒーの木が冬にしおれる場合、主な原因は「寒さ」「光線不足」「根腐れ」などです。
ただし、株の状態によっては他の原因も考えられます。くわしくは以下記事を参考にしてみてください。
さらにくわしく「コーヒーの木の葉がしおれるのはなぜ?原因と対処法」
コーヒーの木が冬に弱ったケース⑥葉が垂れる
コーヒーの木の葉が垂れる場合、まずは「土の乾き具合」「葉の状態」などをよく観察しましょう。
元気がないからといってい闇雲に肥料を与えるのはおすすめしません。
コーヒーの木の葉が垂れる場合、まずは土を確認してみて。指を土に2~3cmほど差して水気を感じないようなら土が乾いている証拠。
さらにくわしく「コーヒーの木の葉が垂れるのはなぜ?葉が垂れる時に確認すべきこと」
コーヒーの木が冬の寒さで弱った場合、肥料や活力剤を与えてもOK?
冬の肥料は基本的に必要ない
寒さで弱りがちな冬場のコーヒーの木。
しかし、生長が緩慢にな時期に肥料を与えた場合、逆に根を傷めてしまう恐れも(肥料焼け)。
▲肥料焼けによって傷んだ葉
活力剤なら一年を通して使用可能。ただし株の状態をよくみて
ただし、活力剤であれば一年を通して使用することができます。株の状態をよく見て見極めてください。
ちなみに、肥料と活力剤は異なります。くわしくは以下の記事もご覧くださいね。
肥料(ハイポネックス原液、プロミック等) | 植物にとっての主食。生長がさかんな時期に与えるのが基本。 |
活力剤(アンプル剤やメネデール、リキダス等) | 植物にとってのサプリメント的存在。 |
あわせて読みたい「肥料と活力剤の違いとは?観葉植物に適した使い方を徹底解説!」
コーヒーの木は冬の寒さが大の苦手。冬は体調を崩しやすい!
正直、コーヒーの木を冬越しさせるのはなかなか大変です。なぜなら、コーヒーの木はとにかく寒さが苦手だから。
しかし、今回ご紹介した寒さ対策の基本を抑えていれば、厳しい冬を乗り越えることができるはずですよ。
まずは温度計を設置。15度以下にならないよう管理
「温・湿度計が無い」という方は、まず温度計を購入することがコーヒーの木を冬越しさせる第一歩です。
ちなみに、冬に寒さで葉が傷んで見た目が悪くなってしまったという場合、もちろん傷んだ葉を元通りにすることはできません。
冬で葉が傷んでも、春になれば新しい葉が開き始める
しかし、春になって気温が上がってくるとコーヒーの木は新しい葉を次々と展開してくれるはずです。
そうすれば、光沢のある美しい葉が傷んだ葉を隠すようにしてくれるので、あまり気にならなくなります。
▲春になって新しい葉が展開したコーヒーの木
根本的な解決策ではありませんが、とにかく「寒さを乗り越える」ことがコーヒーの木を長く育てるコツでしょう。
あわせて読みたい 「コーヒーの木が元気ない…原因は?元気がないときの対処法も」
【100均】コーヒーの木【経過レポート】
さて、ここからは筆者が育てているコーヒーの木の経過をレポいします。ダイソーで100円で購入したコーヒーの木の生長記録です。
ダイソーで購入したコーヒーの木【2019/5】
青々としたグリーンが鮮やかなコーヒーの木は、観葉植物としても大人気ですね。100円ショップでも入手できます。
よく見ると、コーヒーの木は2本植えられています。このタイミングで引き離して植え替えればよかったのですが、うっかりこのままにしてしまいました。
100均コーヒーの木【2020/5】
ダイソーで購入したコーヒーの木、1年経ちました。
葉数が増えて、背丈も5cm程伸びています。しかし、よく見ると下の方の葉が茶色く変色し、葉焼けを起こしていました。
やはり、強い日差しには注意です。そして、鉢内かなりギューギューです。
このタイミングで2本あるコーヒーの木のうち、小さめの株をカットすることに。(引き離そうとしましたが、ガチガチにくっついていたので諦めました)
小さめの方の株を切りました。(上写真)
下の方の葉は根詰まりと葉焼けによって変色していたため、部分的に葉をカットしています。
見栄えがちょっとよくないですが。
ちなみに、カットした方のコーヒーの木は水差しで発根させました。
あわせて読みたい 「コーヒーの木 下の葉が落ちる3つの理由」はこちら
100均コーヒーの木【2021/5】
購入してから2年が経過したコーヒーの木です。鉢も2回植え替え、背丈も10cmくらい伸びています。
冬場も去年より生長が緩慢にならず、葉数も増えました。
いつか、コーヒーの実を収穫できる日がくるかな?
ちなみに、コーヒーの実は「チェリービーンズ」と呼ばれるそうです。
100均コーヒーの木【2021/8】
ここ数か月で一気に大きく生長したコーヒーの木です。
ただ、酷暑で夏バテ気味…。なるべく日陰に置いていますが、葉が下を向いています。
かなり大きく生長したので、真夏以外はなるべく日当たりの良い場所に置く必要がありそうです。
冬場のコーヒーの木【2021/10】
コーヒーの木はとにかく冬場の寒さが苦手です。
春から秋までは屋外で管理し、11月中旬くらいからは室内へ移動して寒さをしのぎます。
そして、葉先が茶色く枯れ始めたため植え替えを敢行。ひとまわり大きめの鉢植えに植え替えました。
少し斜めになってしまいましたが植え替え完了です。これで、またしばらくは問題なく育ってくれるはず。
屋外の最高気温が20度を切るようになったら室内へ移動させます。
あわせて読みたい「ダイソーのコーヒーノキの4年後…!春になったので植え替えます」
コーヒーの木の最低気温は約10度!冬にしおれる原因と寒さ対策【まとめ】
今回はコーヒーの木の冬の管理方法のコツをご紹介しました。
なんといってもコーヒーの木は冬の寒さが苦手です。
色つやのよい姿を保つためにも、冬の寒さには十分に注意して管理する必要がありそうです。
あわせて読みたい「コーヒーの木 葉先が枯れる原因と対処法を徹底解説します」
コーヒーの木の冬の管理のコツ3つ
- 15度~25度の適温を保つ
- 日当たりの良い場所に置く
- 水やりは控え目にする
コーヒーの木を冬越させる時にやってはいけないこと
- 10度以下に寒さに晒す
- 土が乾いてすぐの水遣り
- 強めの日光に当てる
- 慌てて肥料を与える
冬場の管理のコツさえつかめば、100均で購入したコーヒーの木も長く楽しめるでしょう。
ぜひ、コーヒーの木の冬越しに挑戦してみてくださいね。
コーヒーの木のその他topics
「コーヒーの木が葉焼けする原因とは?葉が焼けたときの対処法」
「コーヒーの木を室内で楽しむために押さえておきたいコツ3つとは?」
「コーヒーの木の葉がカラカラになる原因は?寒さと直射日光に注意!」
「コーヒーの木の葉が垂れるのはなぜ?葉が垂れた時に確認すべきこと」