クリスマスシーズンになると出回る真っ赤な花が華やかなポインセチア。クリスマスが終わっても、そのまま大切に育てているという方も多いのではないでしょうか?
クリスマスに見かけることの多いポインセチアは、「冬の花=寒さに強い」というイメージが強いですね。しかし、本来は暖かな場所を好みます。
そんなポインセチアは意外に丈夫で、放っておくとどんどん茎が伸びて樹形が崩れていきます。
ポインセチアを放ったらかしていると、どんどん伸びてひょろひょろの見た目になりがち…。実は、ポインセチアは常緑低木。花ではなく木なんだ。原産地では3~5mもの高さまで育つほど生育旺盛だよ。
購入当初の可愛らしい姿を楽しみたいなら、花の終わる1~3月頃に「切り戻し剪定」で樹形を整える必要があるんだね。
株が大きく育つにつれ根元が木質化し樹木感が増していく
そこで今回は、花が終わりかけて茎がひょろひょろと伸びすぎたポインセチアを「切り戻し」で整える方法を写真付きで分かりやすく解説します。
※切り戻しとは、伸びすぎた枝や茎をカットして樹形を整えることをいいます。切り戻しは剪定方法のひとつです。
伸びすぎたポインセチアの剪定方法
まずはじめに、ポインセチアの切り戻しに適している時期は1月~3月。地域にもよりますが、花がしおれてきたくらいのタイミングになります。
遅くとも5月頃までには済ませておくとよいでしょう。
手順①土を乾かし気味にしておく
ポインセチアを切り戻す前は、数日ほど水やりを控えて土を乾かし気味にしておくのがおすすめです。
切り戻し前に土を乾かし気味にしておく理由は以下のとおり。
寒い時期は生育が緩慢な上、葉をカットすることで蒸散が減る=土が乾きにくくなる=根腐れのリスクが高まる
冬に出回ることの多いポインセチアですが、本来は寒さが苦手で暖かな場所を好むメキシコ原産の植物です。
そのため、切り戻し前にあたる1月~3月頃はまだまだ気温が足りず、生育が鈍っています。
生育が鈍っているということは、根が水分を吸い上げる力も弱いということ。さらに、切り戻すことで葉数が減るため、葉からの蒸散も少なくなります。
つまり、切り戻し前に土を湿らせすぎていると、切り戻し後、土の濡れた状態が長く続くことになります。結果、根腐れを引き起こしやすくなると考えられます。
乾燥には比較的強く、蒸れを嫌うポインセチア。根腐れを防ぐためにも、切り戻し前は土をやや乾かし気味にしておくことをおすすめします。
あわせて読みたい「ポインセチアの花が終わったらどうする?長く楽しむための方法」
手順②カット
根元の節を2~3つほど残し、枝分かれさせたい部分のやや下あたりをカットします。
断面から白い樹液が滲み出てくるので、素手で触れないように注意してください。
根元の節を2~3個ほど残し、枝分かれさせたい箇所のやや下あたりを切る
どこから切り戻していいか分からない場合、根元の節(葉のついていた部分のぼこっとした部分)を2~3個ほど残してカットします。
カットした部分の少し下あたりから新芽が出てくることが多いです。生長した姿を想像しながら好みの部位でカットします。
あわせて読みたい「ポインセチアがしおれる原因とは?しおれた時はどうすべき?」
手順③暖かく日当たりの良い場所に置く
切り戻し後のポインセチアは、暖かく日当たりの良い場所で管理を続けます。しばらくは水やりを控え目に管理し、風通しのよい場所に置きましょう。
水やりは土が乾いて3日程してから、土の半分程度が湿るくらいの量でokです。
切り戻しから約2か月後。新芽が芽吹き始めました。
風通しのよい場所に置くことで生育を良くし、根腐れや害虫の発生を防ぐ
- 室内なら南~東向きの窓際
- 20度以上なら屋外の半日陰
暖かく日当たりの良い場所に置くことも大事ですが、同じくらい重要となるのが風通しです。
特に、室内でポインセチアを育てている場合、寒さの厳しい時期は窓を閉め切ることが多いですね。すると、どうしても風通しが悪くなります。
風通しが悪いと土が乾きにくくなることで根腐れを起こしやすくなるだけでなく、害虫やカビの発生リスクも高まりがちです。
サーキュレーターや扇風機を活用し、空気の流れを作りだします。
あわせて読みたい「サーキュレーターと扇風機の違い【植物に適しているのは?】」
手順④水やりは時期に合わせてタイミングを変える
天気予報をチェックし、最低気温が15度以上になってきたら土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと水やりをします。
鉢底から根っこがはみ出ていたり、1年以上植え替えていない場合は、春から秋の暖かい時期に植え替えておきます。
植え替えることで根詰まりが解消され、生育がスムーズになります。また、経年により土の粒は崩れて団子状に固まります。
古くなった土を更新するためにも、ポインセチアには1~2年に1回の植え替えがおすすめです。
あわせて読みたい「ポインセチアを植え替える方法を画像付きで解説します!」
水やりチェッカーを使うと水やり管理が楽になる
根っこが細く水をやり過ぎると根が傷みやすいポインセチア。水やりの基本は土が乾いてからたっぷりとです。
水やり前は土が乾いているかをしっかり確認しよう
土が乾かないうちに次から次へと水やりを繰り返してしまうと、根が呼吸できずに腐敗する「根腐れ」を起こすため注意してください。
とはいえ、生育が緩慢になる冬場は乾かし気味に管理しなければなりません。冬は土が乾いてさらに3~4日してから水やりするのがよいでしょう。
土が乾いたかどうかの判断がイマイチ分からないという場合は、水やりチェッカーを使うのもおすすめです。
スティック状のチェッカーを土に差すことで土の乾き具合を測定し、最適な水やりのタイミングを色で知ることが出来ます。
春~秋(最低気温15度以上) | チェッカーが白になったタイミングで鉢底から水が出るくらいにたっぷりと水やりする。 |
冬(最低気温15度以下) | チェッカーが白になってさらに3日~4日ほどしてから、夜間を避けた暖かい時間帯に、土の1/3~1/2が湿るくらいの量で常温の水を与える。 |
ポインセチアが木質化する原因と対処法
ポインセチアが木質化するのは自然現象
ポインセチアは多年生植物であり、時間が経つにつれて茎が木質化していくのが自然です。
木質化することで、より寒さや乾燥に強く強固な構造を持つことができます。
木質化したら春~初夏に切り戻して樹形を整える
木質化したポインセチアは剪定で形を整え、新しい葉の成長を促すことができます。
- 時期: 剪定は成長期の始まりである春~初夏に行うのが理想的
- 手順: 木質化した古い枝や不要な枝を根元から切り落とす。また、全体の形を整えるために、枝先を切り揃える。
- 道具: 清潔で鋭い剪定ばさみを使用。剪定前後にアルコールで消毒することで、病気の拡散を防ぐ。白い樹液が滲み出るので手袋を着用。
伸びすぎたポインセチアの剪定方法!木質化した時の対処法も【まとめ】
ということで、今回は伸びすぎてひょろひょろになったポインセチアを、切り戻し剪定で整える方法をご紹介しました。
少し手を加えるだけでこんもりした樹形を取り戻すことができます。失敗を防ぐ最大のコツは適期である1月~3月頃までに済ませること。
切り戻し後は早く新芽を出したいからと言って、気温が足りていないのにも関わらず水をやり過ぎないようにしてくださいね。
ちなみに、切り戻しの際にカットした茎は挿し木で増やすこともできますよ。
先端の花芽はカットし、葉が多すぎる場合は減らしておく
水差しにして発根したら、水はけのよい清潔な土に植え付けて育てます。
ポインセチアの切り戻し【手順】
- 土を乾かし気味にしておく
- カット
- 暖かく日当たりの良い場所に置く
- 水やりは時期によってタイミング、量を変える