クリスマスが近づくとホームセンターや園芸店に並ぶ真っ赤なポインセチア。色鮮やかなお花がお部屋をクリスマスムードにしてくれる人気の鉢花ですね。
そのため、「ポインセチア=冬の花=寒さに強い」と思われている方も多いのではないでしょうか。
ポインセチアを寒さに強いと認識していると、葉がしおれる原因になることも。
そこで今回は、ポインセチアがしおれる主な原因としおれた時の対処方法までくわしくご紹介します。
ポインセチアがしおれるときの原因と対処法
「ポインセチアがしおれてしまった…もう処分するしかないのかな。」
このように思われる方も多いかもしれませんが、早目に対処することで復活の可能性が十分にあります。諦めずに、ここからご紹介する対処方法を試してみてください。
ポインセチアがしおれる原因と対処法【冬の場合】
ポインセチアはクリスマスに出回ることが多いため、「ポインセチア=寒さに強い植物」と思い込んでいる方も多いでしょう。
ポインセチアの主な原産地はメキシコや中南米です。実は、ポインセチアは一年を通して暖かく風通しのよい場所を好みます。
そのため、日本の冬はかなり過酷な状況なのです。15度以下になると生育が緩慢になり、それと同時に水を吸う力も弱まります。
15度以下となる秋から冬に葉がしおれる主な原因が、「寒さ」と「水のやり過ぎ」でしょう。
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エアコンの温風が直接ポインセチアに当たってませんか?
エアコンの温風が直接ポインセチアに当たっている場合、葉を傷めてしまっている可能性もあります。その場合は置き場所を見直しましょう。
そして、水やりをあまりにも長い間忘れていると、過度の乾燥によって葉がしおれることも。
葉がしおれているのに気づいいて、さらに土が乾燥していることが確認できたら、常温の水をたっぷりと与えて様子をみましょう。
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15度以下になったら水やりは控え目にして根腐れを防ぐ
15度以下になると水を吸う力も弱くなるとお伝えしましたね。
そのため、ポインセチアは寒い時期に暖かい時期と同じ間隔で水を与え続けていると、根が常に湿り気を帯びた状態が続き、「根腐れ」を起こしやすいです。
また、夜間に水を与えた場合、根が吸いきれずに残った水分が朝晩のうちに冷やされ、根を弱らせてしまうこともあります。
特にポインセチアの根が細く繊細!冬の水やりは土が乾いて2~3日ほどしてから。できるだけ暖かい時間帯に30度程度の常温の水を与えてみて。
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難しい冬場の水やりは家庭用水分計があると失敗を防げる
家庭用水分計を使うのもおすすめです。
水遣りチェッカーは土に挿しておくだけで土の乾き具合を測定。色で水やりのタイミングを教えてくれる優れものですよ。(下写真)
ポインセチアの場合、冬場は生長が鈍っているため水やりは間隔を空ける必要があります。
上記の水やりチェッカーを使用する場合、「白」になってから2~3日後が水やりの目安ですね。
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生長がほぼ止まっている冬場の肥料は基本不要。ちなみに「肥料」と「活力剤」は似てるけど全くの別物だよ!
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ポインセチアがしおれる原因と対処法【春から秋の場合】
寒さと水のやり過ぎ、風通し等に気を付けていると、長ければ4月頃まで赤い花を楽しめます。
そして、4月頃になると赤い苞葉は徐々にしおれて落ちてくるはずです。(下写真)
▲4月頃のポインセチア
暖かくなってくるとポインセチアの生長も盛んになります。5月頃になると枝に緑色の新芽が出てきます。(上写真)
このように、ポインセチアの赤い苞葉が春先になってしおれるのは新陳代謝であることが多いです。
さらに新芽が生長して6月頃になると下写真のように青々とした姿になります。
▲6月頃のポインセチア
最低気温が15度以上になってきたら、徐々に屋外へ移動しましょう。ポインセチアの生育適温は20度~30度くらいです。
この時期に屋外に出すことで十分な日光を風を確保できます。結果、株が充実して丈夫に育てることができますよ。
その後の管理方法については以下記事もあわせてご覧くださいね。
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暑さの厳しい夏場は直射日光と蒸れに注意
ポインセチアは蒸れで根を弱らせやすいです。水やりの基本は土が乾いてから。20度以上になったら土が乾くスピードも速くなってくるはずです。
生育が盛んな時期は、2週間に1回ほどのペースで液体肥料を薄めて水やりとして与えると、生育がよりさかんになります。
▲ハイポネックスを薄めて与えるだけ(月に1~2回ほど)
ポインセチアのお手入れ方法【目安】
水やり方法 | 置き場所 | |
春から秋(15度以上) | 土が乾いたタイミングでたっぷりと与える。真夏は日が暮れた後の涼しい時間帯に与えることで蒸れを防ぐ。2週間に1回、液体肥料を薄めて水やりと同時に与えるのもよい。 | 風通し良く日当たりのよい場所に置くことで生育がさかんになり丈夫な株に育つ。20度以上なら屋外に置くのがおすすめ。30度以上になったら半日陰~日陰へ移動し葉焼け、蒸れを防ぐ。 |
冬(15度以下) | 土が乾いて2~3日ほどしてから常温の水を与える。できるだけ暖かい時間帯に水やりを済ませ、しっかりと水気を切る。受け皿の水はこまめに捨てることで根腐れや病害虫の発生を防ぐ。肥料は基本不要。 | 最低気温が15度を下回るようになったら室内へ移動し寒さを防ぐ。室内のできるだけ明るい窓際に置き、夜になったら窓から1~2m離して冷えを防ぐ。葉が乾燥で傷みやすいため葉水をするのもよい。暖房器具の温風が直接当たらないよう注意。 |
ポインセチアがしおれるときの原因と対処法【まとめ】
今回は、ポインセチアがしおれる主な原因と対処法を時期別でご紹介しました。
ポインセチアはクリスマスのイメージが強く、「寒さに強い」と思われている方も多いでしょう。しかし、本来は暖かい場所を好む植物なのですね。
冬場に元気がない場合は、まず寒さを疑います。室内といえども朝晩の窓際や玄関はかなり冷え込むはずです。
暖かい地域が原産の植物を長く楽しむためには温度計が必須でしょう。おすすめはひと目で確認できるデジタル式の温度・湿度計です。
また、エアコンの風が直接ポインセチアに当たっていると、葉が乾燥により傷みしおれることもあります。
特に秋から冬にかけての室内は乾燥しがちです。ときどき葉水を与えて空中湿度を確保するのも必要なお手入れです。
ちなみに、ポインセチアの主な原産地であるメキシコは、一年を通して気温6度~30度程度に変化します。意外にも、30度以上になることはほとんどないそうですよ。
日本の一般家庭でポインセチアが弱りやすいのは、やはり冬と真夏といえそうです。この時期は特に注意して管理してみてくださいね。
補足:根詰まりと害虫にも注意
ちなみに、今回ご紹介した原因がどれも当てはまらないという場合、ポインセチアの鉢底を覗いてみてください。根詰まりしているようなら暖かい時期に植え替えましょう。
また、あわせてポインセチアに小さな虫が付いていないかもくまなく確認してください。
カイガラムシが付いている場合、吸汁によって株を枯らされてしまうことも。(下写真)
▲ポインセチアに付きやすい害虫のひとつ「カイガラムシ」
害虫は見つけたら早目に取り除きます。特にカイガラムシはほとんど動きません。
そして種類が非常に多く形状もさまざま。特にポインセチアに付きやすいのが白くてふわふわしたものや茶色い粒々のもの。
そのままにしておくと葉がベタベタとしてくるはずです。ベタベタの原因はカイガラムシの排泄物で糖分を含むためべとつきます。
▲少ないならピンセットで取り除く。取り切れないなら殺虫剤の使用も検討。下写真のカイガラムシエアゾールは使用後、約1か月効果が持続する。
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ポインセチアがしおれる主な原因と対処法
- 秋から冬の場合(15度以下)…寒さ(10度~15度以下)、水のやり過ぎ、空気の乾燥など
- 春から秋の場合(20度以上)…水のやり忘れ、高温(30度以上)による蒸れや葉焼けなど
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