色や形がさまざまで品種も豊富なピレア。丈夫で育てやすいピレアは園芸初心者でも管理しやすい人気の観葉植物のひとつです。
そんなピレアですが、長く育てているうちに「なんとなく色が薄くなってきた…」という症状にお困りの方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ピレアの緑色が薄いときの主な原因と対処法をくわしくご紹介します。
ピレアの色が薄いのはなぜ?原因と対処法を解説します!
「購入当初は色鮮やかだったはずのピレアの葉が、なんとなく薄くなってきたような気がする…」
このような場合、主に4つの原因が考えられます。
ピレアの色が薄い原因①光線不足
耐陰性が強く室内でも育てられる観葉植物として知られるピレアですが、あまりにも日光が不足すると、光合成によって生成される養分の量が減り、結果、葉の色が薄くなる症状が現れます。
このような場合、葉の色が薄くなると同時に、葉と葉の間隔が伸びてひょろひょろになっているはずです。
本来は日光を好むピレア
耐陰性があるとはいえ、本来のピレアは日光を好みます。室内であれば、レースカーテン越しの窓際に置き、できるだけたくさんの日光を浴びさせるのが美しい葉や株姿を保つコツです。
とはいえ、日当たりの悪い場所からいきなり屋外の日向に出すのは控えます。理由は、急激な環境の変化によって葉が焼け焦げる「葉焼け」を起こす恐れがあるからです。
鉢を移動する場合、数日かけながら少しずつ日光に慣らすのが葉焼けを防ぐコツです。
ピレアの色が薄い原因②寒さ(10~15度以下)
ピレアは寒さにも比較的強いため、観葉植物として人気のグリーンですね。しかし、本来は高温多湿を好む熱帯性の植物です。
15度以下になると徐々に生長が止まり光合成で生成される養分の量も少なくなってきます。また、寒さの厳しい秋から冬場は、暖かい時期に比べてどうしても日照時間が短くなりますね。
その結果、葉の色が薄くなると考えられます。
冬場は水やりを控え目にシフトして耐寒性を高めよう
冬場のピレアは生育が緩慢になります。そのため、暖かい時期と比べて根が水分を吸う力も弱くなっています。
冬場は水やりを控え目にシフトすることで、根腐れを防いで耐寒性を確保することができます。具体的には、
- 土が乾いて2~3日してから常温の水を与え、しっかりと水気を切る(暖かい時間帯がベスト)
が目安です。水やりのタイミングが分からない場合は、家庭用水分計を使うと管理が一気に楽になり、根腐れも防ぐことができますよ。(下写真)
あわせて読みたい「ピレアを冬越しさせる3つのポイントを徹底解説します!」はこちら
ピレアの色が薄い原因③根詰まり
「購入してから一度も植え替えたことがない」「2年以上植え替えをしていない」「鉢底から根がはみ出ている」「水やり後、土に水分が浸み込むまで時間がかかるようになった」
上記のような場合、根詰まりを起こしている可能性が高いです。根詰まりは鉢の中が根っこでいっぱいになる状態をいいますね。
鉢内が根でぎゅうぎゅう詰めになると、根がスムーズに水分を吸い上げることができます。
その結果、しっかりと光合成をおこなうことができず、養分の生成量が少なくなって葉の色が薄くなると考えられます。
ピレアの植え替えは気温が安定して15度以上になってから
ピレアの植え替えに適しているのは、春から秋にかけての暖かい時期です。気温が15度以下になったら植え替えを控えます。
理由は、寒さによって植え替え後に株が弱ってしまう恐れがあるからです。植え替えは植物にとって大きなストレスになります。
暖かい生育期であれば、植え替え後の回復も早く経過が順調に進みやすいですが、寒い時期は生長が緩慢なため、そのまま回復できずに弱ってしまうことが多いのですね。
ピレアの色が薄い原因④肥料不足
ピレアは春から秋の暖かい時期によく育ちます。そのため、肥料が不足すると葉の色に影響を及ぼすこともあるでしょう。
肥料を与えるのはピレアの生育が旺盛な暖かい時期です。冬場の施肥は、逆に根を傷める原因になる恐れがあるため基本的に必要ありません。
また、肥料を与える場合、必ず根詰まりしていないかを事前に確認してください。根詰まりしたまま肥料を与えた場合、根を傷めてしまう原因になりえます。
10日~14日に1回、液体肥料を水に薄めて与えてみよう
ピレアの生育が旺盛になるのが気温20度以上の暖かい時期です。この時期は、風通しのよい屋外の半日陰に置くとより株が充実します。
いきなり直射日光に当てると葉焼けを起こすので気を付けてください。
そして、この時期におこなうのが施肥です。おすすめはやはり、効果を実感しやすい「ハイポネックス(液体肥料)」ですね。
土が乾いたら、ハイポネックスを水に約500倍に薄め、そのまま水やりとして与えましょう。受け皿に溜まった水はこまめに捨てます。根腐れや病害虫を防ぐためですね。
たとえば、1リットルのジョウロなら、ハイポネックスをキャップ約1/10を入れ水1リットルで薄めて与えます。
あわせて読みたい「肥料と活力剤の違いとは?観葉植物に適した使い方を徹底解説!」はこちら
まとめ
今回は、ピレアの色が薄い時の主な原因と対処法をご紹介しました。
本来は日光を好むピレア。耐陰性があるとはいえ、年中室内に置きっぱなしにしているとどうしても色が薄くなったり、間延びして観賞価値が下がってしまいがちです。
植物が盛んに光合成をおこなうために欠かせないのが、「水」「日光」「風」ですね。室内に置きっぱなしの場合、どうしても風通しの面で屋外に劣ります。
気温が許す限り(20度~30度未満が目安)は屋外に置いて管理すると、丈夫な株に育てることができます。暖かい時期は屋外、寒くなったら室内、と決めて管理するのもひとつの選択肢でしょう。
ピレアの色が薄い主な原因と対処法
- 光線不足⇒できるだけ明るい場所に移動(ただし急に強い光に当てない)
- 寒さ⇒暖かくなるまでは室内のできるだけ明るい場所に置き乾燥気味に管理
- 根詰まり⇒ひとまわり大きめの鉢へ
- 肥料不足⇒根詰まりしていないことを確認した上で春から秋の暖かい時期に与える