肉厚のある小ぶりな葉が可愛いペペロミア。種類が豊富なペペロミアはその数なんと1000種類以上。
ペペロミアとひとことで言っても姿かたちはさまざまです。ペペロミアの特徴といえばぷっくりとした厚みのある葉ですね。
しかし、そんなペペロミアの葉がしおれる症状にお困りではありませんか?
そこで今回は、ペペロミアの葉がしおれる理由とその対処法までをくわしくご紹介します。
ペペロミアがぐったりしおれるのはなぜ?原因と対処法
それでは、ペペロミアがしおれたり、ぐったりとうなだれたりする時に考えられる原因と対処法をみていきましょう。
まずはペペロミアがしおれている現在の季節を改めて確認しましょう。ペペロミアの生長が盛んになるのが気温20度~30度程度の暖かく過ごしやすい時期です。
ペペロミアは熱帯地方が原産の植物のため、15度以下になると生長が緩慢になり、水を吸い上げる力も弱まります。
そして忘れてはならないのが、「ペペロミアの葉は肉厚である」ということです。
ペペロミアがしおれる原因①根腐れ、蒸れ
ペペロミアは、そのぷっくりとした肉厚な葉や茎に多くの水分を蓄えています。
そのため、土が乾かないうちに次から次へと水を与えていると「根腐れ」や「蒸れ」を起こしやすくなります。
根腐れが疑われる場合、水やりはしばらく控えて風通しのよい場所に置きましょう。直射日光を避けた半日陰で様子をみます。
ただし、すでに株元が黒く変色しぶよぶよと腐っている場合は復活が難しいでしょう。
その場合は、まだ硬い部分の茎(葉付き)をカットし「挿し木で育て直す」という選択肢もあります。
▲ペペロミアは茎をカットし土に挿すだけで簡単に増やせる(挿し木)
さらにくわしく「ペペロミアを挿し木で増やす方法を分かりやすく解説します!」はこちら
ペペロミアは土がしっかり乾いたのを確認してから水を与える
ペペロミアは水を与え忘れるより、与え過ぎる方がリスクが高いといえます。
水をやり過ぎたり、風通しの悪い場所に置いていると、株が蒸れて葉や茎が黒っぽく傷みやすいのです。
土が乾いたかどうかの確認方法は、
- 鉢を持ち上げて軽い(普段から水やり後の鉢の重さを把握しておくとよい)
- 土に指を3cmほど差して水気を感じない
- 鉢底から見える土がカラカラに乾いている
などです。
そして、「土に水が浸透するまで時間を要するようになった」「鉢底から根が出ている」「2年以上植え替えていない」などという場合は根詰まりも疑われます。
根詰まりすると鉢内の水はけが悪くなり、根がスムーズに水分や養分を吸い上げられません。それどころか、根腐れを引き起こす可能性も高まります。
根詰まりが疑われる場合、春から秋の暖かい時期にひとまわり大きめの鉢へ植え替えましょう。
▲葉が茂り過ぎて混みあっている場合は剪定し風通しを確保してやるのがよい
冬の水やりは土が乾いてさらに3~4日してから
15度以下になる秋~冬は土が乾いてさらに3~4日してから水を与えます。理由は気温が下がることでペペロミアの生長が緩慢になるためです。
生長が緩慢になると同時に根が水分を吸い上げる力も低下します。暖かい時期と同じ間隔で水を与え続けていると、根が呼吸できずに傷んで腐りやすいです。
天気予報をチェックし、最低気温が15度以下になり始めたら徐々に水やりの間隔を空けます。
さらにくわしく「ペペロミア 葉が落ちる原因とは?対処法も解説」はこちら
ペペロミアがしおれる原因②寒さ
ペペロミアの原産地は熱帯アメリカが原産の植物で、生育適温は約20度~30度です。
そして、ペペロミアが耐えられるのは8度程度までといわれます。しかし、これは枯れないための最低限の温度です。
ペペロミアの魅力である可愛い葉を保つなら、最低でも10度、できれば15度は確保する必要があります。
冬になったら乾かし気味に管理する理由は?
観葉植物を育てる上で基本となるのが「冬は水やりを控えて乾かし気味にする」ということです。
乾かし気味にする理由は、根腐れを防ぐことはもちろんですが、寒さに備えるためでもあります。
水やりを控え目にすることで植物自体の樹液濃度が高くなりますね。これにより、耐凍性(凍結に耐える力)を確保します。
例えば、水道水と砂糖水。両者を冷凍庫に入れて凍らせた場合、水道水は0度で凍るのに対し、砂糖水が凍るのは0度より低くなります。
細胞内が凍ってしまうと植物は大きなダメージを受けてしまいますね。
厳しい寒さ乗り切るためにも、気温が下がってきたら水やりを徐々に控え、樹液濃度を高めて寒さに備えるのが有効です。
さらにくわしく「ペペロミア 冬に気を付けるべきお手入れポイント3つ」はこちら
ペペロミアがしおれる原因③水切れ(主に、春から秋)
下写真は葉が茎からぐったりとしおれたペペロミアです。土はカラカラに乾いています。
さらにこの時の季節は7月。最高気温が約30度、最低気温が約23度です。ペペロミアの生長がさかんな時期といえますね。
この場合に考えられる一番の原因が「水切れ」です。つまり、過度の乾燥ですね。
▲インパクトのある見た目。まずは落ち着いて土の状態をチェック!
土がしっかりと乾いているのを確認できたら、日陰に置いてたっぷりと水を与えます。
その後は直射日光を避けて様子を待つと…。
▲水やり後はできるだけ風通しのよい場所に置いて蒸れを防ぐ
数日後にはこのように、ぐったりとしおれていた葉が復活します。
過度の乾燥を放置し過ぎると葉が落ちることもありますが、葉がしおれていて且つ土が乾燥していれば水やり後には復活することがほとんどです。
ただし、土が濡れている場合は根腐れの可能性があるため注意が必要です。水やりは控えてできるだけ涼しく風通しのよい場所に置きましょう。
もちろん肥料も不要です。葉がしおれて元気がないと、思わず肥料を与えたくなるかもしれません。
しかし、弱っている状態のペペロミアに肥料を与えると、逆に根を傷ませてしまう恐れもあります。
さらにくわしく「肥料と活力剤の違いとは?観葉植物に適した使い方を徹底解説!」はこちら
水やりチェッカーを使って水やりの失敗を防ぐ
ペペロミアで気を付けたいのが「水のやり過ぎ」による根腐れです。
ただ、育てている植物が多いと土の状態をひとつひとつ確認するのはかなり大変ですね。
そんな時に便利なのが家庭用水分計です。
スティック状のチェッカーを土に挿しておくだけで、土の乾き具合を測定し最適な水やりのタイミングを色で知ることができますよ。
▲春から秋は「白」になったら水を与える。15度以下になったら「白」になってさらに3日ほどしてから。
ペペロミアがしおれる原因④害虫
他に原因が見当たらないのになんとなく元気がない…葉の色もなんとなく悪い…
そのような場合、ペペロミアに害虫が付いていることも考えられます。
葉の表や裏、付け根や茎回りをくまなくチェックし、小さな虫が付着していないか確認してください。
葉がベタベタする場合はカイガラムシの可能性
ペペロミアの葉がベタベタとする場合、カイガラムシという害虫が寄生していることがあります。
ベタベタの原因はカイガラムシが出す糖分を含んだ排泄物です。放置しているとどんどんと樹液を吸われ、しまいには枯らされてしまいます。
それどころか他の植物にまで被害が及ぶことも考えれるため、見つけたらすぐに取ってください。
数が多すぎて取り切れない場合は殺虫剤の使用も検討します。スプレータイプが使いやすくおすすめです。
噴射後、1か月は効果が持続します。使用する場合はペペロミアを屋外に出し、30cmほど離れた場所からスプレーを噴射します。
ちなみに、カイガラムシはほとんど動かないことが多いです。口にある針を植物に差し込み樹液を吸い続けます。
そのため、足は退化していることが多いです。一見、ただの汚れに見えるかもしれません。
▲カイガラムシは種類豊富で姿形がさまざま。観葉植物の場合、茶色の粒々や白い粉のような種類が湧きやすい傾向
また、葉の付け根や茎に蜘蛛の巣のようなものが付着している場合は「ハダニ」という害虫が寄生していることが多いです。こちらも見つけたらすぐに取り除きます。
害虫が発生しやすい条件【目安】
- 風通しが悪い場所に置き続けている(窓を閉め切った室内、窓から離れた壁際など)
- 空気が乾燥している(特にハダニ)
- 薄暗い
- 暖かい、等
さらにくわしく「ペペロミアが枯れる原因とは?元気がない理由を解説します」はこちら
ペペロミアがぐったりしおれるのはなぜ?原因と対処法【まとめ】
今回は、ペペロミアがしおれる原因と対処法をご紹介しました。
ペペロミアの場合、他の観葉植物と同じように水やりしていると根腐れを起こしやすい印象です。
どちらかというと多肉植物寄りの水やりが必要かもしれませんね。
とはいえ寒さには弱く、直射日光にあたると葉焼けを起こしやすいです。暖かい時期は直射日光と蒸れに気を付けてください。
寒い時期は水のやり過ぎに要注意です。
コツさえつかめば水やりの手間があまりかからず、非常に管理が楽なグリーンですよ。
ペペロミアがしおれる原因と対処法
水のやり過ぎ、蒸れ | 土がしっかりと乾いてから水を与えるのが基本。また、根詰まりを起こしていると鉢内の水はけが悪くなり根腐れを起こしやすい。鉢底から根が出ている場合は暖かい時期に植え替えを済ませる。冬は土が乾いてさらに3~4日してから水を与える。 |
水切れ(主に春~秋) | |
病害虫 |
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