爽やかな葉色と垂れ下がる子株が涼し気な雰囲気を醸し出してくれる植物「オリヅルラン」。
丈夫で初心者でも育てやすく、園芸店やホームセンターなどでも見かけることの多い人気の観葉植物です。
そんなオリヅルランは、
- 葉先が枯れる
- 葉先が茶色く変色
などのトラブルが起きやすいです。
今回は、オリヅルランの葉先が枯れる原因と対処法をくわしくご紹介します。
オリヅルランの葉先が茶色く枯れる原因は?
まずは、オリヅルランの葉先が枯れる主な原因を見ていきましょう。
ちなみに葉先が枯れたからといって闇雲に肥料を与えるのは避けて。根詰まりの場合、さらに根を傷めてしまうこともあるよ。
オリヅルランの葉先が枯れる原因①根詰まり
オリヅルランは1年以上植え替えなだけでも、鉢内が根でいっぱいになる「根詰まり」を起こしやすい植物です。
根詰まりしたオリヅルランは根が水分や養分をスムーズに吸収できません。
結果、根が傷むことで葉先から徐々に茶色く枯れ込むこともあります。
オリヅルランの根詰まりサインは?
- 1年以上植え替えていない
- 鉢底から根がはみ出ている
- 葉先が枯れる
- 土がカチコチになる
- 水やり後の水分が土に浸透するまで時間がかかる
上記の症状がみられるなら、春~秋の暖かい時期に新しい土に植え替えてあげるのがおすすめ。
オリヅルランの葉先が枯れる原因②寒さ
オリヅルランは熱帯アフリカやインドなどが原産地の植物です。そのため、暑さには強いものの寒さにはあまり強くありません。
寒さに当たることで葉先が黒くなったり、葉がしおれたりすることもあるでしょう。
美しい姿を保つなら冬は最低でも10度、できれば15度は欲しい
オリヅルランの美しい葉を傷めることなくできるだけ丈夫な株姿を保ちたいのであれば、10度以下の寒さを避ける必要があります。
オリヅルランが枯れないための最低温度は5度程度。でも、綺麗な姿を保つなら10度は欲しい。
オリヅルランの葉先が枯れる原因③水不足
オリヅルランの水やりを長い間忘れていると葉先から茶色く枯れてきます。
土が乾いていたらたっぷりと水を与えましょう。
ただし土が濡れているのに水を与えるのは×。オリヅルランの太い根には沢山の水分が蓄えられているよ。乾燥にはかなり強い。
土が乾いてから水やりしてるのになかなか水分が土に浸み込まない場合
オリヅルランの表土が乾いてから水やりしているのに「なかなか水分が土に浸み込んでいかない」「浸みこむまで時間がかかる」という場合、根詰まりを起こしている可能性が高いです。
オリヅルランはとにかく生長が早いです。春に植え替えても秋には根詰まりを起こすのは珍しくありません。
葉先が枯れる原因が他に見当たらない場合、とりあえず鉢から株を取り出してみましょう。根が詰まっていたらひとまわり大きな鉢に植え替えます。
ただし、冬場の植え替えは避けましょう。オリヅルランの植え替えに適しているのは、4月~9月頃までです。
オリヅルランの葉先が枯れる原因④空気の乾燥
オリヅルランの葉は角の乾燥に弱いです。
空気が乾燥し過ぎると葉先や葉の縁から茶色く傷んでくることがあります。
エアコンの風が直接当たらない場所に置こう
オリヅルランをハンギングで飾っている場合、うっかりエアコンの風が直接当たってしまっていることも多いです。
エアコンの風は非常に乾燥しています。
直接オリヅルランをに当たると葉先だけでなく株自体を弱らせる原因にもなります。
フラワースタンドや棚を使って植物を一か所にまとめるのもおすすめ。管理がグッと楽になるよ。
オリヅルランの葉先が枯れる原因⑤摩擦
オリヅルランのように葉がふわっと広がる植物は葉先が傷みやすいです。
その理由が「摩擦」です。
風で葉同士が擦れることで葉先が茶色く枯れたように傷むことがあります。
人や物に当たらない場所に置くことも大事
また、オリヅルランを人や物が良く通る場所に置いている場合もまた葉先が茶色くいたみがちです。
特に、オリヅルランを吊るして飾っている場合は知らないうちに人に当たっていることも多いです。
気になるなら葉先だけカットしてもok。ただ、切り口からまた茶色くなるからあまり気にし過ぎないことも大事。
オリヅルランの葉先が枯れる原因⑥直射日光
オリヅルランは半日陰程度の日当たりで丈夫に育ちますが、真夏の直射日光は「葉焼け」の原因になります。
葉焼けとは強すぎる日光によって葉が焦げるトラブルです。
オリヅルランが葉焼けしている場合、葉先だけではなく葉のいたるところに茶色っぽいシミが現れます。
特に葉の白い部分は葉焼けしやすいです。夏場は葉焼けリスクが高まるため直射日光を避けます。
消去法でオリヅルランの葉先が枯れる原因を探ろう
- 鉢底から根っこがはみ出ている⇒根詰まりのサイン
- 鉢底から根がはみ出ていなくても根詰まりの可能性あり(鉢底の穴が小さい場合)⇒実際に取り出してみる
- 何年も植え替えていない⇒オリヅルランは少なくとも2年に1回、できれば毎年植え替るのが理想的
- 冬でも屋外に置いている⇒寒さで葉が傷んでいる可能性あり
- 葉先だけではなく葉のいたるところに茶色のシミがある⇒直射日光により葉焼けを起こしている可能性が高い
- 土が乾ききらないうちに水やりしている⇒根腐れによって葉が傷んでいる可能性もあり
オリヅルランの葉先が枯れたときの対処法は?
次に、オリヅルランの葉先が枯れた際の対処法をご紹介します。
ちなみに、すでに枯れてしまった部分は元通りにはなりません。
枯れた葉先のみカットしても構わないけど、原因によっては管理方法や置き場所を見直す必要があるよ。
オリヅルランの葉先が枯れた時の対処法①植え替え
「オリヅルランを1年以上植え替えてない」
「鉢底から根っこが出ている」
オリヅルランにこのような症状がみられる場合、根詰まりが原因で葉先が枯れている可能性が高いです。
場合によっては春先に植え替えたにも関わらず、秋には根詰まりを起こすこともある程にオリヅルランは春~秋にかけてよく育ちます。
オリヅルランの植え替えは暖かい時期に済ませよう
オリヅルランの植え替えをする場合、生長期である春から秋が適期です。冬場は植え替えによって株にダメージを与えることになるため、できるだけ避けます。
植え替えの際には、現在よりもひとまわり大きめの鉢を選択しましょう。現在の鉢よりも直径が3cm程大き目のものが相応しいです。
いきなり大きすぎる鉢に植え替えると、吸いきれずに残った水分が根を腐らせる「根腐れ」を引き起こすことがあります。
オリヅルラン植え替え【手順】
- 適期は春~秋まで(暖かい時期に済ませる)
- ひとまり大き目の鉢、鉢底石、水はけの良い土、割りばしを準備
- 新しい鉢に鉢底石を入れ、用土を鉢の1/3程度入れる
- オリヅルランを鉢から取り出す(鉢の側面をこぶしでトントン叩くと振動で抜けやすい)
- 根鉢を1/3程崩して古い土を割りばしでつついてある程度落す(下写真)
- 高さを調節しながら株を新しい鉢の中央に配置
- 根と鉢の隙間に用土を入れる(隙間ができないよう割りばしで軽くつつきながら作業するとうまくいく)
- 最後にたっぷり水やりする
- 風通しの良い半日陰で休ませる(株に触れて抵抗を感じるくらいまで)
オリヅルランの葉先が枯れた時の対処法②直射日光を避ける
オリヅルランは日当たりの良い場所を好みますが、直射日光を当てると葉焼けを起こしやすいです。特に真夏は要注意。
西日も避けます。オリヅルランは半日陰でもよく育ちます。
オリヅルランに適した半日陰とは
- 日光の当たっている場所のすぐ隣の陰
- こもれびのような場所(日光がまだらに当たる)
- レースカーテン越しの光
- (ルクス値は、約10000~15000)
オリヅルランの葉先が枯れた時の対処法③10度は確保する
オリヅルランの生育適温は15度~25度くらいです。
前述したように、オリヅルランは暑さには強いですが寒さにはあまり強くありません。
冬場はできるだけ室内に避難させましょう。最低でも10度くらいは確保することで、株姿を綺麗に保つことができます。
冬場、窓際は朝晩の冷え込みに注意
冬場は日光不足になりがちです。できるだけ日当たりの良い場所に置いて管理します。
ただ、窓際は朝晩の冷え込みがきついため注意が必要です。
夜になったら部屋の中央あたりに移動させるなどして冷気を避けます。
風通しの悪くなる冬場は害虫にも注意しよう
冬場は暖房を付けることが増え、窓を閉め切ることが増えます。そ
のため、どうしても風通しが悪くなりがちです。
冬は害虫、カビのトラブルが起こりやすい
風通しが悪くなることで起こりやすいのが、カビや害虫による被害です。
定期的に空気の入れ替えをするのが理想的ですが冬場はなかなか難しいですね。
窓を閉め切りがちな時期はサーキュレーターを使って空気に流れを作りだそう
そんなときは、扇風機やサーキュレーターを活用しましょう。
室内の空気を動かすことで、植物にとっても人間にとっても快適な環境になります。
空気が乾燥すると葉先が傷みやすくなるよ。ときどき葉水して葉の乾燥を防ぐとともに害虫も予防もしよう。
鉢底から根がはみ出ていなければ大丈夫?
たとえば底穴の少ない(小さい)鉢植えの場合、鉢底から根っこが見えていなくても根詰まりしていることがあります。
鉢底から根が出ていなくても根詰まりを起こしていることも…
オリヅルランの根っこは太いためなかなか鉢底から出てこないことも。
例えばこちら。下写真のオリヅルランは葉先が茶色く枯れています。
根詰まりが原因の場合、「鉢底から根っこが出ている」ということがひとつの目安になります。
見てみましょう。
いかがですか?
根っこがはみ出ている様子はありません。しかし、よーく穴の中をご覧ください。なんとなく白い物体が見えます。
分からなければ、実際に鉢から取り出してみて確認
このような場合、実際に鉢から株を取り出して見るのが早いです。
鉢の側面をこぶしでトントンと叩き、すぐに株が取り出せたら根詰まりの可能性は低いでしょう。
しかし、「なかなか鉢から株が抜けない…」という場合、根がびっしり詰まって根詰まりしている可能性が高いです。
実際に、こちらのオリヅルランを鉢から取り出して見た様子がこちら。↓↓
鉢底からは根がはみ出ていなかったのにも関わらず、こんなに根が詰まっていました。
これだけ根が張っていると鉢から取り出すのも一苦労です。
オリヅルランは想像以上に生長が早く根詰まりを起こしやすい…
ちなみにこちらのオリヅルラン、4月に一度植え替えています(現在9月上旬)。
これだけ生長が早く、根が詰まりやすいのがオリヅルランの特徴です。
筆者の経験上では、オリヅルランは1年に1回は植え替えないとあっという間に根詰まりを起こして葉先が枯れてくる…。
寒い時期にオリヅルランの根詰まりに気付いた場合の対処法
冬にオリヅルランの根腐れに気づいた場合、できるだけ暖かくなるまで待つのが無難です。
基本は春まで待つ。弱っているなら根鉢に触れずひとまわり大きな鉢へ
「根詰まりによって葉先が枯れるだけではなく株全体が弱ってきた」という場合のみ、できるだけ暖かい場所で植え替えを済ませます。
この場合、根鉢(根っこと土の塊)には触らずできるだけ植え替え作業を早目に終わらせます。
やむを得ず冬に植え替えした場合は寒さに当てないこと。水遣りは土が乾いて3日ほどしてから
冬のオリヅルランは寒さによって弱りやすいです。
また、根腐れを起こしやすい時期でもあるため水やりは最低限に済ませましょう。
冬の水遣りは夜間を避けて。土に残った水分が朝晩のうちに冷え、根を傷ませることもあるよ。
知ってる?人気急上昇中のオリヅルラン「ボニー」
最後に、今話題のオリヅルランをご紹介します。「ボニー」という品種で、くるくるとカールした葉が可愛らしい新しいオリヅルランです。
葉が内側にツイストしたオリヅルラン「ボニー」
ボニーは葉が内側に向かってくるんとカールしたような姿が特徴のオリヅルランです。オランダで誕生した新しい品種だそうですよ。
まだなかなか出回っていないため、見つけたら必ず購入したいオリヅルランです。子株もくるくるしていますね。
くるんとカールした葉先がとってもキュート!見つけたらラッキーかも。
オリヅルランの葉先が茶色く枯れる原因と対処法【まとめ】
今回は、オリヅルランの葉先が枯れる主な原因と対処法をくわしくご紹介しました。
オリヅルランはさわやかな見た目が人気の理由ですが、実は、空気清浄効果も非常に高いといわれています。
特に、シックハウス症候群の原因といわれる「ホルムアルデヒド(有害性のある揮発性化学物質)」の除去能力に長けているのがオリヅルランだそう。
エコプラントとしてもすぐれるオリヅルランは、室内に一鉢は置いて育てたい植物のひとつですね。今回の記事を参考に、ぜひ、魅力てんこ盛りのオリヅルランを育ててみてください。
オリヅルランの葉先が枯れる主な原因
- 根詰まり⇒オリヅルランは非常に根詰まりしやすいためまずは根詰まりしていないか確認しよう
- 寒さ
- 水不足⇒根詰まりによって水分や養分がうまく吸収できていない場合もある
- 直射日光による葉焼け
- 空気の乾燥
- 摩擦
オリヅルランの葉先が枯れたときの対処法
- 2年以上植え替えていない、鉢底から根が出ている⇒植え替える
- 直射日光に当てている⇒半日陰へ移動し様子を見る
- 寒さに当てている⇒できるだけ寒さは避ける(最低でも10度は欲しい)
- 土が乾かないうちに水やりしている⇒土が乾いてからが基本
- エアコンの風に直接当たっている⇒場所の移動
- 人や物に頻繁に当たる場所に飾っている⇒場所の見直し