ひと鉢置くだけで室内をエキゾチックな雰囲気にしてくれるインテリアグリーン・モンステラ。
モンステラは暑さにも寒さにも比較的強く、園芸初心者でも育てやすい人気の観葉植物です。
しかし、モンステラは丈夫で育てやすく生育が旺盛だからこそ、
「モンステラが大きくなりすぎて、どうしていいか分からない…」
「巨大化したモンステラが鉢ごと倒れそうになっている…」
というお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、大きくなったモンステラの簡単な剪定方法を画像付きで分かりやすく解説します。
モンステラの剪定が失敗する原因は?
不適切なタイミングでの剪定
モンステラの剪定に最適な時期は春から初夏にかけて。この時期は成長が活発で、剪定後の回復も早いです。
逆に、秋から冬にかけての剪定は傷の回復が遅れ、病気や枯れの原因となります。
過剰な剪定
全ての葉を剪定してしまうと、モンステラに大きなストレスがかかります。
特に、根元から葉を取り除くと、光合成に必要な葉の面積が減り、植物全体の健康に悪影響を与える可能性があります。
心配な場合は葉を数枚残しておくのが安心です。
モンステラの剪定、失敗を防ぐためのポイント
適切な時期に剪定を行う
先述の通り、モンステラの剪定に最適な時期は春から初夏にかけてです。
この時期に剪定を行うことで、植物の成長サイクルに合わせた回復が期待できます。
清潔な道具を使用する
剪定前には、はさみやナイフを消毒することを忘れないでください。
アルコールや漂白剤で道具を拭き取ることで、病原菌の侵入を防ぐことができます。
失敗しないモンステラの剪定方法【手順】
では、大きくなりすぎたモンステラをコンパクトに納めるため、もっとも簡単な剪定方法をご紹介します。
ちなみに、カットしたモンステラの茎は挿し木にして、もうひと株増やすこともできますよ。
モンステラの挿し木方法については後半でくわしくご紹介します。
モンステラの剪定 手順①「適期は5月~6月頃」
モンステラの剪定に適しているのは、生長が旺盛になる春から夏にかけての暖かい時期です。
特に、5月~6月頃は気温が安定しているうえ、湿度も一定に保たれやすいので、剪定後のモンステラの負担になりにくいです。
気温が低い冬場の剪定は、失敗する可能性が高いので避けた方が無難です。
☆★モンステラ 冬の管理のコツ3つ!【冬のお手入れ方法】↓↓
モンステラの剪定 手順②「葉を2~3枚程残して茎をカット」
モンステラの茎は太くてかたいので、清潔で切れ味のよい剪定ハサミを用意しましょう。
葉を2~3枚程残して伸びすぎた茎をカットします。
切る場所は葉と葉の間です。
葉を数枚残しておくことで、根腐れのリスクを減らし、見た目が寂しくなりすぎるのを防ぎます。
葉をすべて切り落とすと、どうしても水やりが難しくなるんだよ。
また、新しい葉が出てくるまではかなり時間がかかるので、見た目をある程度維持するためにも数枚の葉は残しておくのがおすすめです。
モンステラの剪定 手順③「風通しのよい半日陰で管理」
剪定後のモンステラは風通しの良い場所で管理を続けましょう。
葉が減った分、水の吸収も遅くなります。そのため、水やりは土がしっかりと乾いてからおこなうようにします。
このときに水をやりすぎると、吸いきれずに残った水が鉢内に長く停滞し、根腐れを引き起こしやすいので注意しましょう。
うまくいけば、1か月くらいで新しい生長点が出てきますよ(上写真)。この脇芽がどんどんと生長し、新しい葉を展開させてくれる生長点となります。
剪定から約一年経過したモンステラがこちらです
約一年でここまで回復しました。特に春から秋にかけてはさかんに葉を展開させどんどん茂ります。
2~3年に一度は剪定で株姿を整えてあげると、鉢とのバランスを保てるのではないでしょうか。
モンステラに剪定が必要な理由は?
では、なぜモンステラに剪定が必要なのでしょうか。ここでは、その主な理由を2つご紹介します。
モンステラに剪定が必要な理由①「倒れるのを防ぐ」
意外と知られていませんが、モンステラはつる性の植物です。そのため、生長するにつれてどんどん何かに絡みつくように横に這うように伸びていきます。
「モンステラが大きくなって鉢ごと倒れた」というのは、むしろ順調に育っている証拠なんだね!
ただし、鉢ごと倒れられては困ってしまいます。そのため、剪定で切り詰め、室内で楽しめる大きさにおさめることが必要になります。
モンステラに剪定が必要な理由②「仕立て直し」
モンステラは日照不足が続くことで、葉が割れ無くなったり、変色したりして見栄えが悪くなります。また、茎ばかりひょろひょろと伸びるのは、日照不足による「徒長(とちょう)」の症状です。
だからといって、いきなり強い光に当てると葉が焦げて傷む「葉焼け」を起こし、葉が茶色くなります。特に、モンステラは直射日光で葉焼けしやすいです。
「徒長や葉焼けで乱れた姿を仕立て直すために剪定をする」という選択肢もあります。
剪定することで新しい葉を出させ、乱れた姿を整えることができます。剪定後は、管理環境を見直して育てなおしましょう。
☆★モンステラの葉っぱが割れない!【原因は?割れるコツも】↓↓
モンステラを剪定して出た茎でもうひと鉢増やす方法
剪定で出た葉茎をそのまま捨ててしまうのはちょっともったいないですよね。
もちろん、これ以上増やしたくないという場合は捨ててしまってもいいのですが、この茎を使って、意外にも簡単にもう一株モンステラを増やすこともできるんです。
ここでは、剪定で出た茎を使ってモンステラを挿し木で増やす方法も合わせてご紹介します。
モンステラ 剪定で出た茎を使って増やす 手順①「葉数を調整」
剪定で出た茎についた葉を調整します。葉が多すぎると葉から水分が蒸散によって出ていくため、発根しにくくなります。
発根を促すためにも葉が多い場合は減らし、葉が大きすぎる場合は半分にカットします。カットした葉はもったいないので、水差しにして楽しんでもok!
また、気根(葉の付け根から出た太い根っこのこと)が長すぎる場合は少し短くカットしても大丈夫です。
ただ、気根から新しい白い根っこが出てくるため、すべて切り落とさずに残しておくのがおすすめ。
モンステラ 剪定で出た茎を使って増やす 手順②「水に差す」
葉数を調整した茎は水に差します。このときに、節と気根がしっかりと水に浸かるようにしましょう。
モンステラ 剪定で出た茎を使って増やす 手順③「風通しの良い半日陰で管理」
少し大きめの瓶に水を張り、モンステラの茎を挿します。風通しの良い半日陰で管理を続けましょう。水はできるだけ毎日替えてください。
うまくいけば、1か月程で新しい根っこが気根から出てくるはずです。(下写真)
根っこから根っこが出るとは、なんとも不思議な光景ですね。
モンステラ 剪定で出た茎を使って増やす 手順④「土に植える」
十分に発根したら、いよいよ鉢に植え付けます。モンステラの好む水はけの良い土を使いましょう。
根がしっかりと張るまでは、土が乾燥しすぎないように気を付けます。
風通しの良い場所で管理を続けましょう。直射日光は避けます。霧吹きで葉を保湿する「葉水」をすると、葉の乾燥を防げるのでおすすめです。
しっかりと土に根が活着したのが確認できたら、徐々に通常の管理に戻しましょう。
葉の向きが気になるかもしれませんが、育てているうちにモンステラ自身が最適な方向に葉を動かします。
植え付け直後はやや不格好に見えるかもしれませんが、段々と日光に向かって葉を向け始めるのでご安心ください。
剪定で出た茎を使って増やしたモンステラ、一年経ちました
挿し木後、順調に育ってどんどん葉数が増えました。
そして一年後、すでに根詰まりを起こしていたため(上写真)、ひとまわり大きな鉢に植え替えましたよ。(下写真)
剪定した元株ももちろん元気です。こちらのモンステラは幹立ちに仕立てるため、支柱を立てています。
こんな感じで剪定した枝を使って簡単に増やせるのも、モンステラを育てる楽しみですね。
☆★モンステラの増やし方!初心者でも簡単にできる方法↓↓
モンステラの剪定が失敗する原因は?切る場所や手順を画像付きで解説【まとめ】
今回は、モンステラの剪定方法をくわしくご紹介しました。
「モンステラが大きくなりすぎて困っている…」という方は、ぜひ、今回の記事をご参考に剪定に挑戦してみてはいかがでしょうか。
モンステラ剪定の成功のポイントは、ずばり「適期におこなう」ということです。
モンステラの剪定方法【手順】
- 適期は5月~6月頃
- 葉を2~3枚残し茎をカット
- 風通しのよい半日陰で管理
モンステラ 剪定で出た茎でもう一株増やす方法【手順】
- 葉数を調整
- 水に差す
- 風通しの良い半日陰で管理
- 土に植え付ける
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