深い切れ込みの入った個性的な葉がエキゾチックなモンステラ。生育旺盛で初心者でも育てやすい人気のインドアグリーンです。
そんなモンステラですが、新芽(=新しい葉)がなかなか出なくなってしまってお悩みではありませんか?
モンステラの新芽が出ない場合、時期によって考えられる原因や対処の仕方が異なります。
今回は、春~秋の暖かい時期と、秋~冬の寒い時期に分けてみていきましょう。
モンステラの新芽が出ない原因と対処法【春~秋の場合】
モンステラの生育がさかんになるのが春から秋の暖かい時期です。
暖かいにも関わらずモンステラの新芽が出ない場合は、「根詰まり」「日光不足」「水不足」「根腐れ」「病害虫」などが考えられます。
まずは鉢底をチェック
モンステラを1年以上植え替えていないという場合、まずは鉢底を覗いてみましょう。
これでは根がスムーズに水分や養分を吸い上げられず、生育に悪影響を及ぼします。
根詰まりしている場合は、ひとまわり大きめの鉢(今の鉢よりも直径プラス3cm程度のもの)に植え替えましょう。
モンステラの植え替え方法についてはこちらの記事をご参考にされてください。
水やりの基本は土が乾いてからたっぷりと
また、暖かい時期におけるモンステラの水やりの基本は「土が乾いたタイミングでたっぷりと」です。
土が乾かないうちに次から次へと水やりしていると根が傷んで腐り、逆に、土が乾いているのに何週間も放置していると乾燥で弱ってしまいます。
置き場所は室内であれば南向きの窓際がベストです。モンステラは室内の少ない日光でも育つとはいえ、本来は明るい場所を好みます。
また、窓から離れている場所や、日当たりのあまり良くないお部屋でモンステラを育てている場合、植物育成ライトを使うのがおすすめです。
▲スタンドタイプの植物育成ライト
植物育成ライトは太陽光に近い光を照射することで植物の育成を助けるアイテムです。育成ライトを使用することで、観葉植物の日光不足を補ってくれます。
モンステラの場合、株が大きいのでクリップタイプがおすすめですよ。
▲植物育成ライト LED 4灯 クリップ led 植物育成 太陽光
クリップタイプなら場所を取らずにコンパクト、さらにアームが自在に動かせるタイプであれば、さまざまな角度から広範囲に光を照射できます。
使用の目安は1日8時間~12時間ほど。タイマー付きのライトだと、設定してしまえばあとは基本的に放置でokです。
▶植物育成ライトの照射時間はどれくらいがベスト?目に悪いって本当?
モンステラの新芽が出ない【秋~冬の場合】
モンステラは熱帯アメリカ原産の暖かい場所を好む植物です。気温が20度以下になると徐々に生育が鈍り始め、新芽も出にくくなってきます。
つまり、気温が低い秋~冬にかけてのモンステラは、どうしても新芽が出にくくなってくるのです。
そのため、秋から冬のモンステラは「生長(新芽を出す)」よりも、「冬越し(何とか寒さをしのぐこと)」に焦点を当てたお手入れがメインとなります。
慌てて肥料を与えるのは危険、まずは寒さに当たっていないか確認
気温が低くなる時期はモンステラの生長が鈍ります。生長が鈍ると同時に、根が水分を吸い上げる力も弱くなるのですね。
にもかかわらず、「新芽が出ない」と慌ててしまって、必要以上に水を与えたり、闇雲に肥料を使ったりすると、逆に根を傷めて弱らせてしまうことも。
生育が緩慢になる寒い時期は「現状維持」を目的としたお手入れが必要です。
ちなみに、上写真ような形状の商品は、肥料ではなく活力剤である場合が多いです(すべてではない)。
慣れるまでは水やりチェッカーがあると便利
天気予報をチェックし、最低気温が15度以下になったら水やりを控え目にシフトしましょう。
具体的には「土が乾いてさらに3~4日してからの水やり」です。ただ、慣れるまでは水やりのタイミングが難しいのが冬です。
そんな時にあると便利なのが水やりチェッカー。
使い方は簡単で、スティック状のチェッカーを土に差しておくだけ。これだけで、土の乾き具合を測定し、最適な水やりのタイミングを色でお知らせしてくれます。
土の乾き具合が可視化されることで、お手入れがグッと楽になりますよ。もちろん、水のやり忘れ・やり過ぎによる失敗も防げます。
水やりチェッカーを使った際の管理方法の目安は、下表を参考にしてみてください。
春~秋(最低気温が15度以上) | チェッカーが「白」になったタイミングで鉢底から水が流れ出てくるくらいにたっぷりと水を与える。2週間に1回程度、水で薄めた液体肥料(おすすめはハイポネックス)を与えるのも〇。 |
秋~冬(最低気温が15度以上) | チェッカーが「白」になってさらに3日ほど経ってから、土全体が湿る程度に常温の水を与える。できるだけ暖かい時間帯におこない、植え皿に溜まった水はこまめに捨てる。サーキュレーターをまわして風通し良く管理。 |
▶サスティーはあてにならない?青くならない時の対処法も解説!
モンステラの新芽が出なくて、葉がベタベタする場合
カイガラムシによって傷んだモンステラの葉…
葉の色が悪い、葉がベタベタとするなどという場合は、「屋外の直射日光に当たっていなかったか(特に夏は葉焼けしやすいため)」「葉や茎に害虫が湧いていないか」も合わせて確認してください。
特に、暖かい時期はハダニやカイガラムシが付きやすいです。見つけたらすぐに取り除いてください。
暖かく乾燥する時期はカイガラムシ、ハダニに注意!
カイガラムシが付くと葉がべとつくのが特徴です。べとつきの原因はカイガラムシの排泄物。糖分を多く含むためベタベタします。
カイガラムシはだいたいが1mm以下の楕円状の茶色い粒々で、ほとんど動きません。また、白い粉のような形状の「コナカイガラムシ」も観葉植物によく見られます。
カイガラムシは口針を植物に差し込み樹液を吸っています。そのため、足が退化していることが多いようです。その証拠に、虫でありながらほとんど動きません。
見つけたら早目に取り除くことが大切!
植物に張り付くように寄生しているため、霧吹きで少し水をかけたくらいでは取れないことが多いです。
取り除く際はティッシュやピンセット、綿棒などで、確実にぬぐい取ること。カイガラムシが多すぎて手に負えないなら殺虫剤の使用も検討します。
とにかく見つけたら早目に取り除くことで、被害を最小限に抑えられます。放置していると他の植物にまで被害が拡大する恐れもあるからです。
※ちなみにハダニが付くと、葉や茎に蜘蛛の巣のようなものが付着します。こちらも見つけたら早目に駆除してください。(下写真)
ハダニもカイガラムシと同じく物理的に取り除くか、増えすぎて駆除が難しければ殺虫剤の使用も検討します。
モンステラの新芽を促進する裏ワザは?
モンステラの成長が遅いと、「もっと早く新芽を出したい!」と思うことがありますよね。
そこでここでは、新芽をグングン伸ばす 「裏ワザ」 をご紹介します。
「切る」ことで新芽を促進する
剪定(せんてい) は、新芽を出すためにとても効果的です。
古い葉や茎が多すぎると、モンステラはそちらにエネルギーを使ってしまい、新芽が出にくくなります。
剪定のポイント
✅ 黄色くなった葉・傷んだ葉をカット → 不要な葉を減らし、新芽にエネルギーを集中!
✅ 茎の途中を切ると、そこから新芽が出やすくなる
✅ 節の近くで切るのがベスト(節から新芽が出やすい)
▶横に伸びるモンステラの対処方法を画像付きで分かりやすく解説!
「温度と湿度」をコントロール
モンステラの成長スイッチをONにするには、「温度」と「湿度」 が超重要!
🌞 温度 → 25℃前後が理想(最低でも20℃以上をキープ!)
💦 湿度 → 60%以上がベスト(乾燥すると成長が止まる)
湿度を上げる方法
✅ 葉水を1日1回スプレー(特に朝が効果的)
✅ 加湿器を使う(エアコンの乾燥対策にも!)
✅ 水を入れた皿を置く(自然な蒸発で湿度UP)
「植え替え」で根を活性化
根詰まりしていると、新芽が出にくくなります。
鉢の底から根がはみ出ていたら、一回り大きな鉢に植え替えましょう。
植え替えのポイント
✅ 適した時期:春~初夏(4月~6月)
✅ 新しい土を使う(観葉植物用の培養土がベスト)
✅ 鉢はひとまわり大きいものを選ぶ
▶モンステラ、植え替えしないとどうなる?根詰まりサインも解説
室内なら南~東向きの窓際に置く
日光不足だと、新芽がなかなか出ません。室内であれば、南~東向きの窓際に置くのが理想です。
おすすめの置き場所
✅ 明るい窓辺(南向きがベスト)
✅ 日が足りないなら「植物育成ライト」を使う
📌 ライトを使うなら?
- 1日 8~12時間 当てるのが効果的!
- 「フルスペクトルLEDライト」が成長を促しやすい
▶観葉植物の育成をサポート!失敗しない植物育成ライトの選び方とは?
モンステラの新芽が出ない時によくある質問(Q&A)
モンステラの新芽が出ない時によくある質問と、その対処法を分かりやすく解説します。
Q1. モンステラの新芽が出ない原因は何ですか?
A. モンステラの新芽が出ない原因はいくつか考えられます。主な原因は以下の5つです。
- 根詰まり(鉢の中が根でいっぱいになり、成長が止まる)
- 日光不足(明るい場所を好むため、暗いと成長が鈍る)
- 水不足・水のやりすぎ(乾燥しすぎても、根腐れしてもダメ)
- 気温が低い(20℃以下になると成長が遅くなる)
- 病害虫(カイガラムシやハダニの被害で弱っている)
まずは上記のどれに当てはまるかチェックし、それぞれの対処法を試してみましょう。
Q2. 新芽が出ないけど、根詰まりしていない場合は?
A. 根詰まりしていないのに新芽が出ない場合は、以下を確認してみてください。
- 日当たりが足りているか → 窓辺や植物育成ライトを活用する
- 肥料を与えすぎていないか → 肥料の過剰は逆効果。2週間に1回薄めた液肥がベスト
- 環境の変化がなかったか → 引っ越しや室内の移動でストレスを感じることも
- 葉が込み合っていないか → 古い葉を剪定すると新芽が出やすくなる
Q3. 水やりはどれくらいの頻度がいいの?
A. 季節によって適切な水やり頻度が変わります。
- 春~秋(成長期) → 土が乾いたらたっぷりと(鉢底から水が出るまで)
- 秋~冬(休眠期) → 土が乾いてさらに3~4日後に控えめに(土全体が軽く湿る程度)
Q4. 置き場所はどこがベスト?
A. モンステラは日光が大好きですが、直射日光は苦手です。
- 最適な場所 → 南~東向きの窓際。窓越しの光ならレースカーテンは基本不要
- 日光不足が心配なら? → 植物育成ライトを使うのも効果的
日当たりが悪い部屋では、LEDの植物育成ライトを1日8~12時間当てると、新芽が出やすくなります。
▶直射日光を避けた明るい場所って、どこ?モンステラに適した置き場所
Q5. 冬に新芽が出なくなったけど、大丈夫?
A. 冬はモンステラの成長が止まりやすい時期なので、新芽が出なくても問題ありません!
気温が15℃以下になると成長が鈍るので、この時期は「新芽を出すこと」よりも「冬越しを成功させること」を優先しましょう。
✅ 水やりは控えめに(土が乾いて3~4日後に軽く与える)
✅ 寒さ対策をする(室温15℃以上をキープ)
✅ 肥料はストップ!(冬の肥料は根を傷める原因に)
Q6. 新芽が出ても、途中で枯れてしまうのはなぜ?
A. 新芽が途中で枯れる原因は以下の4つが考えられます。
- 水不足or水のやりすぎ → 土の状態をチェックし、適切な水やりを
- 寒さでダメージを受けた → 気温15℃以下なら保温対策を
- 病害虫の影響 → ハダニやカイガラムシがいないか確認
- 肥料の過剰 → 肥料の与えすぎは新芽に負担をかけるため注意
Q7. 新芽が出たのに、葉が小さいまま成長しないのは?
A. 葉が小さいままの原因は「栄養不足」「日光不足」「根詰まり」が考えられます。
✅ 肥料を与えているか? → 2週間に1回、薄めた液体肥料(ハイポネックスなど)を与える
✅ 日光は足りているか? → もっと明るい場所へ移動するか、植物育成ライトを活用
✅ 根詰まりしていないか? → 鉢の底を確認し、根が出ていたら植え替えを検討
▶モンステラの葉はいつ割れる?割れない理由と割れた葉を出すコツ
Q8. 葉がベタベタするのはなぜ?
A. カイガラムシの排泄物が原因の可能性大!
カイガラムシは樹液を吸い取り、糖分を含んだベタベタした排泄物を出します。
✅ 綿棒やティッシュでこすり取る
✅ 殺虫剤を使う(被害がひどい場合)
✅ 風通しを良くする(サーキュレーターなど)
Q9. モンステラの葉が割れないのはなぜ?
A. モンステラの葉が割れない原因は、以下の3つが考えられます。
- 日光不足 → より明るい場所に移動、または植物育成ライトを使用
- まだ株が若い → ある程度成長しないと葉に切れ込みが入らない
- 湿度が足りない → 葉水をこまめに与えて湿度を保つ
▶モンステラの葉はいつ割れる?割れない理由と割れた葉を出すコツ
Q10. 新芽を早く出させるにはどうしたらいい?
A. 新芽を出しやすくするポイントは以下の4つです!
✅ 適度な水やり → 土が乾いたらたっぷり水をあげる
✅ 明るい場所で育てる → 日当たりの良い窓辺、または植物育成ライトを活用
✅ 肥料を適量与える → 2週間に1回、薄めた液体肥料を使用
✅ 古い葉を剪定する → 不要な葉を取り除くことで、新芽が出やすくなる
モンステラの新芽が出ない原因と対処法【まとめ】
ということで、今回はモンステラの新芽が出ない主な原因と、その対処法について時期別でご紹介しました。
気温が20度以下になる秋~冬であれば新芽が出なくても様子をみましょう。なぜなら、寒さによって生長が鈍るのは同然だからです。
問題は、暖かいにも関わらず新芽が出ない場合です。この場合はモンステラをよく観察し、これまでの管理方法を思い出してみてください。
考えられる原因が思い浮かんだら、それに対処する方法を試してみましょう。