切れ込みの入った個性的な葉が特徴のモンステラ。多くの観葉植物の中でも比較的に水を好むのが特徴です。
そんなモンステラは、水はけがよく風通しのよい暖かな場所を好む熱帯性の植物。
「水のやり過ぎ」「土の劣化」「蒸れ」などが続くと、鉢内の根っこが傷んで腐る「根腐れ」を起こすことも。
そこで今回は、モンステラが根腐れを起こした時の症状と、根腐れを防ぐための対策についてご紹介します。
モンステラが根腐れした?見分け方を画像付きで解説
まずは、モンステラが根腐れした時に見られる主な症状からみていきましょう。
新芽が枯れる
モンステラが根腐れを起こしている場合、根が水分や養分を取り込めなってきます。
すると、新しい葉が出てこなかったり、出てきても枯れてしまったり…といった症状が現われはじめます。
鉢底から根っこが出ていたら根詰まりのサイン
葉に異変を感じた場合、鉢底を覗いてみましょう。もし、鉢穴から根っこがはみ出ているなら根詰まりのサインです。
根詰まりとは、鉢の中が根っこでぎゅうぎゅう詰めになるトラブルのことで、放置していると鉢内が蒸れ、根腐れを引き起こしやすくなります。
葉の色が悪くなる
根腐れを起こすと根が水分や養分をスムーズに吸収できなくなります。すると、生育に悪影響を及ぼすため、葉が黄色や茶色に変色し始めます。
2年以上植え替えていない場合、鉢底から根が出ていたかったとしても、土の劣化によって鉢内の水はけがかなり悪くなってきているはずです。
経年によって土の粒は崩れ、団子状に固まります。植え替えは根詰まりを解消するためだけではなく、土を更新するためにも欠かせない作業です。
葉の色がまばらになる、ベタベタする…こんな時は害虫の可能性あり
葉の色がまばらになる・ベタベタする。このような症状がみられる場合、害虫による被害を受けている可能性もあります。
葉をよく観察してみましょう。もし、葉の表面や付け根、裏や葉柄の隙間等に、小さな虫が付いていたらすぐに取り除いてください。
モンステラにつきやすい害虫には、カイガラムシやハダニがあります。これらの害虫が付くと、吸汁によって葉を変色させ、排泄物によって葉をベタベタに汚します。
増えすぎて手に負えない・気持ち悪くて触れない…という場合は、殺虫剤の使用も検討します。
水やり後、7日以上経過しても土が濡れたまま
前回の水やりから7日以上経過しても土が濡れたまま…という場合、根が傷んで水を吸えなくなっている可能性があります。
このような場合、土が乾くまでは水やりを控え、できるだけ風通しのよい場所に置いて様子をみます。
暖かい時期(最低15度以上)であれば、鉢から株を取り出して根を確認します。黒く傷んだ根があればカットし、水はけの良い土に植え替えて様子をみます。
生育が鈍くなる冬は土が乾いてさらに3~4日してから水をやる
モンステラは熱帯アメリカ原産の植物です。生育適温は20度以上。15度以下になると生長が緩慢になり休眠に入ります。
天気予報を確認して、最低気温が15度を下回るようになってきたら水やりの間隔を空けましょう。
具体的には、土が乾いてさらに3~4日してからの水やりです。根を冷やすと株が弱ってしまうため、夜間の水やりは基本×です。
根元が柔らかい
すでに根元がぶよぶよと柔らかくなっている場合、腐敗が根から地上部まで進行していると考えられます。
この場合、環境の改善での復活は難しいでしょう。
ただ、諦めるのはまだ早いです。モンステラは非常に生育旺盛で丈夫な植物。
まだ硬い元気そうな茎があればカットし、挿し木で発根させて育て直すこともできます。
しばらく水やりを控えて様子見。まだ元気そうな茎があるなら挿し木にするのもよい
しばらく水やりを控えて風通しのよい場所で様子をみましょう。3~5日経過しても改善が見られない・弱っていく一方…という場合、まだ元気な茎があればカット。
挿し木で育て直してみましょう。モンステラの挿し木の手順はこちらの記事をご参考にされてください。
根が黒く変色、弾力がない
鉢から株を取り出して、根が黒く変色していたり、弾力が無い場合は根腐れがかなり進行している状態です。
ただ、まだ白く弾力のある根が残っているなら諦めずに管理を続けてみましょう。
下写真はハイドロカルチャーに植えられたマドカズラです。マドカズラはモンステラの小型種になります。
新芽が枯れ、全体的に葉の色が悪くなっています。ハイドロカルチャーで植え付けられている株を容器から取り出して見ると…、
やはり根が黒く傷んで腐っています。おそらく、多湿と寒さによって根が弱ってしまったのだと考えられます。
黒く傷んだ根は取り除き、水はけの良い土に植え替える
黒く傷んだ根は可能な限り取り除きます。ハサミでカットせずとも、すでに腐っている根はポロポロ落ちるはずです。
その後、水はけのよい清潔な土に植え付けたっぷりと水を与えます。水やり後はしっかりと水気を切ることが大切です。
できれば雑巾や折りたたんだキッチンペーパーなどの上に置き、鉢内の余分な水分を抜いておきましょう。
植え替え直後(12月末)
その後はできるだけ暖かく、風通しのよい場所に置いて様子を見ます。水やりは土が乾いてから。もちろん、水やり後はしっかりと水気を切ります。
窓を閉め切る時期ならサーキュレーターを稼働させて風通しよくしましょう。うまくいけば以下のように復活します。
植え替えから11か月後(翌年、11月)
根腐れに発展してからでは、復活させるのはかなり難しいです。とはいえ、手をかけてやればこのように復活することもあります。
モンステラの根腐れを防ぐための対策は?
では、モンステラの根腐れを防ぐためにはどのように管理すべきなのでしょうか?ここでは、モンステラの根腐れを防ぐための対策をご紹介します。
春から秋の水やりは、土が乾いたタイミングでたっぷりと与える
モンステラの生育がさかんになるのが、気温20度以上となる春~秋。この時期は根が水分を吸収するスピードも速いです。
暖かい時期の水やりは、「土の表面が乾いてきたタイミングで鉢底から水が流れ出るくらいにたっぷりと」が基本です。
10~14日に1回程度、水で薄めた肥料を与えるのも◎。筆者のおすすめは、植物の育成に欠かせない15種類の栄養素がバランスよく配合されたハイポネックス原液です。
定番のハイポネックス!やはり効果がしっかり実感できる。自信を持っておすすめできます。
使い方は簡単で、観葉植物の場合、約500倍に薄めて水やりとともに与えます。水1リットルにつき、キャップ約1/10を薄めます。
色はブルー。水で薄めると水色になります。これを、土がしっかりと乾いたタイミングで与えます。
目安は1週間に1回。筆者は10日~14日に1回で与えています。ハイポネックスを与えると生育がよくなることはもちろん、葉の色も鮮やかになります。
ただし、生育が緩慢になる秋以降は使用を控えてくださいね。不要な肥料は逆に根を傷ませる原因になります。いわゆる「肥料焼け」です。
モンステラには「室内向けの土」がおすすめ
モンステラの根腐れを防ぐために欠かせないのが「水はけの良い土」です。
その中でも、プロトリーフ 室内向け観葉・多肉の土 は虫が寄り付きにくいため、室内でも清潔に管理できます。
さらに、土が濡れている時と乾いている時の色の変化が分かりやすいのも、プロトリーフ 室内向け観葉・多肉の土の特徴です。
水やりの管理がしやすい上、コバエが湧きにくいので虫が苦手な方にもおすすめですよ。
根詰まりを防ぎ、土の排水性をキープするためにも、最低2年に1回植え替えを実施
植え替えは根詰まりを解消するためだけが目的ではありません。
もちろん、根詰まりを放置していると鉢内が蒸れやすくなり、根腐れのリスクが高くなります。
それだけではなく、何年も植え替えないままだと土の粒が崩れ、土が団子状に固まってしまうのです。
土に触れてカチコチになっている場合は要注意。最低でも2年に一度は植え替えで根詰まりを解消するとともに新しい土に更新しましょう。
鉢内の排水性・通気性を確保してやります。モンステラの植え替え方法についてはこちらの記事をご参考にされてください。
秋以降の水やりは、土が乾いてさらに3~4日してからやや控えめに与える
生育が緩慢になる秋以降は水やりを控え目にシフトしましょう。目安は、天気予報です。
最低気温が15度以下になってきたら、土が乾いてすぐの水やりは控えます。理由は、生長が緩慢になると同時に、根が水分を吸い上げる力も弱くなっているからです。
必要以上に水やりしていると、鉢が長時間濡れ続けることになり、根腐れにつながります。
土が乾いたかどうかの確認方法
- 鉢を持ち上げて軽い(普段から、水やり後の鉢の重さを把握しておくのがおすすめ)
- 土に指を2~3cmほど差し込んで水気を感じない
- 鉢底から見える土がカラカラに乾いている
- 葉が下向きに垂れていて、かつ土が乾燥している 等
水やりの失敗を防いで管理を楽にしてくれるアイテムを使うのもよい
とはいえ、慣れるまではどうしても難しいのが冬場の水やりです。また、育てている観葉植物が多ければ多いほど、いちいち土の乾き具合を確認するのは大変ですね。
そんな時に便利なのが水やりチェッカーです。
使い方は簡単で、スティック状のチェッカーを土に差しておくだけ。これだけで、土の乾き具合を測定し、最適な水やりのタイミングを色で確認できます。
春から秋(最低気温が15度以上) | チェッカーが「白」になったタイミングでたっぷりと水やり |
秋から冬(最低気温が15度以下) | チェッカーが「白」になってさらに3~4日してから常温の水を暖かい時間帯に与える |
モンステラが根腐れした?見分け方を画像付きで解説【まとめ】
ということで、今回はモンステラが根腐れした時に見られる主な症状と、根腐れを防ぐための対策についてご紹介しました。
やはり、基本は水やりです。水やりのタイミングは時期によって異なります。また、水やりの時間帯(冬は夜間の水やりに注意)にも注意しましょう。
気を付けるべきはやはり、秋から冬の寒い時期です。熱帯出身のモンステラにとって、日本の冬は間違いなく大きな試練となります。
また、冬は水やりを控え目にして乾燥気味に管理することで、樹液の濃度が高まり寒さに備えることもできるのです。