切れ目の入った個性的な葉が魅力のモンステラ。
丈夫で育てやすいのが人気の秘密でもありますが、長く育てているうちに横へ横へと広がってはいませんか?
モンステラはつる性植物の特徴をもつため、そのまま育てているとどうしても這うように広がるのが特徴です。
でも、鉢植えで育てていると広がった姿はあまり見栄えが良くないですよね。
そこで今回は、広がるモンステラを「幹立ち」に仕立てる方法を徹底解説します。
幹立ちとは、横に広がるモンステラを自立させ、上へ向かって生長するように仕立てることだよ。「幹上がり」「根上がり」とも呼ばれる。
モンステラの幹立ち・一本立ちの作り方を写真付きで解説
それでは、広がるモンステラを幹立ちさせる方法を詳しく見ていきましょう。
広がるモンステラを幹立ちさせる 手順①「適期は4月~9月頃」
モンステラを幹立ちさせるということは、横向きの株を縦向きに育つように仕立て直す必要があるということです。
横向きに育っている株を縦向きにするには長い時間と手間が必要になる。剪定、植え替えなどが必要な場合もあるよ。
支柱や植え替え、剪定などを駆使して縦方向に生長するよう調整する
モンステラを幹立ちさせたい場合、株の状態によっては植え替えが必要になることもあります。
本来はつる性の植物を縦方向に自立させるのは容易ではありません。プロであっても長い時間と手間暇のかかる作業なのです。
手間暇かけて作られる幹立ちモンステラ。通常のモンステラよりも希少で流通量が少ないのが特徴だよ。
広がるモンステラを幹立ちさせる 手順②「縦向きに植え替える」
では、既存のモンステラを縦向きに植え替えます。
横向きのモンステラを縦向きに植え替えるのはなかなか大変ですが、支柱やワイヤーをうまく使いながらなんとか縦に仕立てます。
生長期初期にあたる5月~6月頃に植え替えるのがもっとも失敗しにくいよ。生長期初期に植え替えることで、冬越しまでの期間をより長く確保できる。結果、冬に備えて根を張らせられるんだね。
手順
- 鉢からモンステラを取り出す。
- 既存の鉢に新しい鉢底石を入れ、用土を鉢の1/3程入れる
- 根鉢を軽く崩したモンステラを鉢植えの中に配置する。茎が縦になるよう支柱と園芸用ワイヤーを駆使して植え付ける
- その際、茎が長すぎる場合は好みの長さに剪定。頂点の葉を2枚ほど残してそれ以外の下葉はカットしておくとよい
- 株と鉢の隙間に残りの用土を入れる。根と土に隙間ができるとうまく生長できないので、割りばしや棒状のものを使いながら土を軽くつついて用土を詰める
- 最後に水やりして、しばらくは風通しの良い半日陰で管理する
横向きの株を無理やり縦にしているため、植え替え直後は葉の向きが不格好にみえるよ。ただ、ある程度の日に当たることでモンステラ自身が葉の向きを変えてくれる。無理に曲げたりせず、時間をかけて様子を見守ってね。
支柱は一般的な緑色のものがおすすめ。モンステラと自然に馴染むよ。100均のものでok!伸縮できるタイプの支柱なら不要時でも邪魔になりにくいよ。
広がるモンステラを幹立ちさせる 手順③「自立するまで支柱とソフトワイヤーで支える」
モンステラが自立できるようになるまでは、少々不格好ですが支柱とワイヤーで支えておきます。うまくいけば、茎から気根(きこん)が出てきて株自体を支えてくれます。
自立できれば支柱とワイヤーは卒業です。
茎から土に向かって伸びている茶色いものが「気根」。気根がモンステラを支えるようにして自立すれば幹立ち成功だよ。
広がるモンステラを幹立ちさせる 手順④「風通しの良い半日陰で管理」
植え替え後のモンステラは大きなストレスがかかった状態です。いきなり強い日差しの下に置くととたんに弱ってしまうこともあります。
しばらくは風通しの良い半日陰で休ませましょう。株に触れて抵抗を感じるようになったら根が活着したサインです。
モンステラは直射日光が苦手。室内なら南~東向きの窓際がベスト。屋外なら半日陰に置こう。ただし真夏は日陰に移動するのが安心。肥料を使うと生育がよくなるよ(春~秋のみ)。
モンステラはそのままでは幹立ちになりにくい理由
そもそも、なぜモンステラは横に広がるのでしょうか。調査してみました。
モンステラは大木に絡みつきながら生長する 「半つる性」
モンステラの主な原産地は熱帯アメリカです。サトイモ科の植物でモンステラは「モンスター」が語源となっています。
そんなモンステラ、実は、つる性植物の特徴をもつ「半つる性」の植物です。そのため、何かに絡みつきながら這うように育つという性質をもっています。
ときにはバランスを崩し、鉢ごと倒れてしまうこともあるでしょう。
モンステラを鉢植えで育てていると、生長とともにどうしても横へ横へと這うように広がりがちになるんだ。
モンステラが広がるのは、元気に育っているから
つまり、「モンステラが広がってしまう」のではなく、モンステラは元々つる性の性質を持つ植物のため、「広がるように育つのは自然なこと」といえるでしょう。
むしろ、「モンステラが広がるのは元気に育っている証拠」といってもいいかもしれません。
ただ、室内で育てていると、葉の大きなモンステラを自然な形で育てるのはなかなか難しいですよね(室内がジャングルになる…)。
幹立ちに仕立てることで、モンステラの株姿を整え見栄えをよくするだけではなく、風通しを良くすることで病害虫の予防にもつながるんだ。
幹立ちモンステラを維持するための管理方法
幹立ちに仕立てたモンステラを維持するために、日々の管理にも注意しましょう。
明るい場所に置く
せっかくカッコよく仕立てた幹立ちモンステラも、日光不足が続くとあっという間に茎が間延びしてしまいます。
室内なら南~東向きの窓際に置くことで、徒長を防いでカッコいい樹形を保つことができます。
風通しも重要
幹立ちさせたかっこいい樹形を保つためには、適度な風も欠かせません。
ただ、室内管理の場合はどうしても風通しが制限されます。
窓を閉め切る時期はサーキュレーターをフル活用し、気温が許す限りは窓を開け、風を通すことで丈夫な株に育ちます。
1~2年に一度の植え替え
幹立ちにしたモンステラも、1~2年に1回は植え替えが必要です。
根詰まりが起こると幹の成長が鈍くなるため、成長に合わせた大きな鉢に植え替えることを忘れずに行いましょう。
幹立ちモンステラを育てる上でよくある疑問と解決法
幹が倒れそうになってしまうのはどうすればいい?
幹が倒れる原因は、支柱がしっかり固定されていないか、根が十分に張っていない場合が多いです。
支柱を増やす、あるいは長めの支柱に替えてしっかりと支えましょう。
また、植え替え時に根の健康状態を確認し、しっかりと張るように整えると良いでしょう。
幹立ちに仕立てたのに幹が細いまま…
幹の太さを出すためには、十分な光と栄養が必要です。
日光が不足している場合は明るい窓辺に移動し、肥料も成長期には月に1回与えましょう。
また、下葉を剪定することで養分が幹に集中し、太くなりやすくなります。
植物全体の形が崩れてきたと感じる
支柱に沿わせて誘導することに加え、伸びすぎた葉や枝を剪定しバランスを整えると良いでしょう。
剪定の際には切り戻しすぎないよう注意し、自然な樹形を意識して整えてください。
モンステラの幹立ち・一本立ちの作り方を写真付きで解説【まとめ】
今回は、広がるモンステラを幹立ちさせる方法についてくわしくご紹介しました。
ホームセンターや園芸店で見かけるモンステラはほとんどが自然な形の横向きですよね。
ただ、生長するにつれて横に広がる性質をもつのがモンステラ。
途中で剪定するのもひとつの選択肢ではありますが、あえて「幹立ち」に仕立てることで、よりすっきりとしたおしゃれな佇まいに演出することもできます。
何より、幹立ちのモンステラはなかなか入手しにくく、通常のモンステラよりも高価である場合も多いです。
自分で幹立ちさせたモンステラは愛情もひとしお!
今回の記事をご参考に、広がるモンステラの幹立ちに挑戦してみてはいかがでしょうか。
広がるモンステラを幹立ちにする方法【手順】
- 適期は4月~9月頃の生長が旺盛な時期
- 横向きの株を縦向きに植え替える
- 自立するまでは支柱とワイヤーで支える
- 風通しの良い半日陰で管理
モンステラが広がる理由【そもそもなぜ広がる?】
- モンステラは何かに絡みつきながら這うように育つ「半ツル性」の植物であるため
- 広がるように育つのは、むしろモンステラが元気に育っている証拠ともいえる