「購入時は色鮮やかだったはずの幸福の木の葉が最近、何となく悪い…これはまさか、不幸の兆しでは…?」
「幸福の木が枯れるなんて縁起が悪い…どうにかして復活させられないだろうか?」
幸福の木を育てている方の中には上記のようなお悩みやご不安を抱えている方も多いでしょう。
安心してください!万が一、幸福の木が枯れたとしても不幸になるということはありませんよ。
それよりも、まずは目の前の幸福の木をよく観察しましょう。これまでの管理方法を思い出すことが大切ですよ。
今回は、幸福の木の葉っぱが変色した時の主な原因と、その対処法を4パターンに分けてみていきましょう。
幸福の木(マッサンゲアナ)の葉っぱが変色する理由と対処法
ひとことで「葉っぱが変色している」と言ってもその状況は異なります。また、時期によっても対処方法は変わります。
ここでは、幸福の木の葉っぱが変色した際の状況を4パターンに分けてご紹介しますので、今の状態にもっとも近いパターンを選んで管理を見直しみてください。
※15度以下の基準は天気予報です。まずは天気予報をチェックし、最低気温が15度以下なら幸福の木の生長が緩慢になる休眠期とします。室内であっても一般家庭の場合、昼間は暖かくても暖房を消した後の夜間は想像以上に冷え込みやすいです。
幸福の木の葉っぱが変色 パターン①全体的に葉が変色【15度以下の秋~冬】
幸福の木の葉が全体的に変色している場合で、且つ、最低気温が15度以下の秋~冬の場合、寒さや根の冷えなどにより株が弱っていると考えられます。
幸福の木の生育に適しているのは20度~35度程度です。20度を下回ると徐々に生長が緩慢になり、さらに15度以下になると休眠に入ります。
成長が鈍ると同時に弱まるのが「根が水分を吸う力」です。そのため、暖かい時期と同じ頻度で水やりしていると、根が常に湿った状態となり傷んで最悪、腐るのですね。
なぜなら幸福の木に適した環境に整えるためには、温度だけでなく湿度や日照量、風通しも必要になるからです。
冬場は「元気よくする」のではなく、「現状維持もしくは枯れさせない」ことに集中したお手入れが必要になります。
プロが管理する温室でもない限り、一般的な家庭内で幸福の木を色つやよく冬越しさせるのは至難の業・・・!!
対処法
- 水やりは土がしっかりと乾いてさらに3~4日してから。30度程度の常温の水を土全体がしっとり湿る程度に与える(目安は月1~2回)。夜間の水やりは根を冷やしやすいため控える。葉水も日中までにおこなう。
- できるだけ日当たりのよい南向きの窓際に置くこと。ただし、夜になったら窓から離してできるだけお部屋の中心へ移動。冷え込みを防ぐため。
- 万が一、葉がすべて落ちてしまっても諦めない。幹が硬いようならまだ生きている可能性が高い。水は最低限にして、暖かくなるまで待つ。春になれば新芽を芽吹かせることも多い。
- 幹に触れてふかふかしていたり、ぶよぶよとしている場合は、残念ながら腐敗が進み復活は難しい。まだ硬い茎があればカットし水差しにしてみる。うまくいけば発根。発根後は水はけの良い清潔な土に植え付けて育てる。
- 葉の表裏や付け根、幹などに小さな虫が付いていないかくまなくチェック。付いていたら駆除。
ちなみに、「鉢が大きすぎていちいち移動するのは大変…」という場合、キャスター付きの鉢スタンドがあると便利ですよ。(下写真)
※葉がベタベタする場合、カイガラムシが付いている可能性が高い。見つけたら早目に取り除くこと。白い粉のようなものもカイガラムシの可能性が高い。(下写真)
カイガラムシが付くと吸汁によって葉が変色する。変色した部分は光合成ができなくなる。そして、カイガラムシの排泄物は糖分を含むためべとつくのが特徴。排泄物はカビの原因にもなるため注意!
あわせて読みたい「幸福の木 冬のお手入れ方法!15度以下になったら押さえておくべきポイント3つ」はこちら
幸福の木の葉っぱが変色 パターン②下の葉のみ変色【15度以下の秋~冬】
最低気温が15度以下で株の下の方の葉ばかりが変色している場合、寒さだけでなく新陳代謝も考えられます。
幸福の木はとにかく寒さに弱いです。今後は最低でも10度、できれば15度は確保してやるのが理想的です。
耐えられるのは8度程度といわれる幸福の木ではありますが、それは枯れないための最低温度ともいえます。美しい葉を保つのであれば最低15度は必要でしょう。
対処法
- 昼間は南向きの窓際に置いて日に当てる。夜になったら窓から離しできるだけお部屋の中心近くまで移動。冷え込みを防ぐ。
- 水やりは土が乾いてさらに3~4日してから。目安は月に1回、やっても2回ほど。肥料は不要。土全体が湿る程度の量でok。与えるのは日中までに。
- 風通しのよい場所におく。サーキュレーターは回しっぱなしがベスト。
- 葉の表裏や付け根、幹などに小さな虫が付いていないかくまなくチェック。付いていたら駆除。
白い粉のようなものが付着している場合は「コナカイガラムシ」である可能性が高い。見つけたらピンセットで掴み確実に駆除する。増えすぎて手に負えない場合は、殺虫剤の使用も検討。カイガラムシ専用のものがおすすめ。
水やりのタイミングが難しい冬場は水やりチェッカーを使うのもおすすめ。
スティック状のチェッカーを土に差しておくだけで、最適な水やりのタイミングを色で知ることができます。
春から秋ならチェッカーが白になったタイミングで水をたっぷりと与えます。
外に出て、半袖で「肌寒い…」と感じるようになったら水やりの頻度を少なくする時期です。
チェッカーが白になってからさらに3~4日してから水を与えましょう。
あわせて読みたい「幸福の木 葉先が茶色く枯れるのには意外な理由が…!」はこちら
幸福の木の葉っぱが変色 パターン③全体的に葉が変色【15度以上の春~秋】
最低気温が15度以上で暖かい時期は幸福の木の生長が盛んになる時期です。この時期に葉全体が変色する場合、根腐れだけでなく水切れ、葉焼けなどが考えられます。
また、冬の間の寒さによるダメージが少し遅れて表面化することもよくあります。
そんな時は幹に触れてみてください。ぶよぶよとしていたり、ふかふかになっていなければまだまだ復活の可能性があります。
できるだけ日の当たる暖かな場所に置いて新芽が出るのを待ちましょう。水やりは土がしっかりと乾いてからたっぷりと。
根腐れが怖いからといってちょこちょこと与えるのは逆効果です。土が湿り続けることで根が腐ります。
ただし、日当たりのよい場所へ移動する場合は少しずつ日光に慣らすことが大事。室内からいきなり屋外の日向に移動すると、葉が日光に対応しきれず焼け焦げたように変色する。これを「葉焼け」というんだ。
対処法
- まずは幹に触れてみる。ふかふかしていたりブヨブヨしていたりするなら復活は難しい
- 気温が上がってきたら少しずつ場所を移動して日光に慣らす
- 葉がすべて落ちているなら屋外の日当たりのよい場所へ出して新芽が出るのを待つ
- 水やりは土が乾いたタイミングでたっぷりと
- 葉焼けするようなら半日陰or日陰へ移動。特に夏場は葉焼けに注意。遮光ネットを被せておくのもよい。
- 鉢底を覗いて見て根がはみ出ているならひとまわり大きめの鉢へ植え替える。
- 葉の表裏や付け根、幹などに小さな虫が付いていないかくまなくチェック。付いていたら駆除。
幸福の木の葉っぱが変色 パターン④下の葉が変色【15度以上の春~秋】
天気予報をチェックし最低気温が安定して15度あるのであれば、幸福の木の生長が盛んな時期と言えます。
にもかかわらず下葉が変色する場合、日光不足や新陳代謝、過度の乾燥や蒸れなど様々な原因が考えられます。
また、古くなった葉はどうしても傷んできます。つまり、新陳代謝によるものとも考えられるのですね。
新しい葉が色つやよくハリもあるなら、そこまで心配せずとも大丈夫。幸福の木は生長は遅めだけどとっても丈夫だよ。でも、基本のお手入れはきっちり押さえておこうね。
対処法
- 水やりは土が乾いてからたっぷりと与える。
- 2週間に1回程、水で薄めた液体肥料(ハイポネックスがおすすめ)を与える
- できるだけ明るい場所に置くこと。室内であれば南向き窓際。屋外なら半日陰。ただし真夏は葉焼けしやすいため日陰への移動も検討。
- 風通しのよい場所に置くことで、根腐れを防ぐことはもちろん、スムーズに光合成ができるような環境に整える。15度以上なら屋外の半日陰へ置くのがよい。
- 午前中は霧吹きで葉の表や裏に水を吹きかけてやる。ただし、真夏の葉水は涼しい時間帯に。
- 鉢底を覗いて見て根がはみ出ているならひとまわり大きめの鉢へ植え替える。
- 葉の表裏や付け根、幹などに小さな虫が付いていないかくまなくチェック。付いていたら駆除。
葉水用のスプレー容器は100均の物でも構いませんが、沢山の観葉植物を育てている方には、少ないプッシュ数で連続噴射可能なものがおすすめ。
さらに、微細ミストが出るものだと手が疲れにくいだけでなく、ミストが霧状で細かいので、葉に付着した水滴が床に垂れにくいというメリットもあります。
ちなみに、筆者は黒を使っていますが白もありますよ。
※筆者はこれを葉水用のスプレー容器として使っていますが、本来は美容室などで使わているもののようです。肌にかかっても霧状のスプレーなので柔らかいのが特徴になります。手が疲れにくく設計されているのにも納得ですね。余談でした。
あわせて読みたい「幸福の木 枯れる原因3つと管理のコツとは?【マッサン】」はこちら
まとめ
ということで、今回は幸福の木の葉っぱが変色する時の主な原因と対処法を、状況別・時期別でそれぞれご紹介しました。
なんといっても幸福の木が弱りやすいのが秋から冬にかけてです。なぜなら、幸福の木はとにかく寒さが苦手な植物だから。
元々が熱帯地方原産なので無理もありませんね。ただ、室内に置いているから大丈夫…と油断するのは危険です。
暖房を消した後の朝晩の室内は、私たちが想像している以上に冷え込みます。特に戸建て住宅の場合はそれが顕著な傾向です。
天気予報をチェックし、15度を下回るようになってきたら寒さに備えましょう。具体的には、夜になったら窓から離すこと。これだけでもかなりの寒さ対策になるはずですよ。
ちなみに湿度は高い状態を好みます。理想は70%以上。ただ、一般家庭内でこれだけの高湿状態を維持するのは無理でしょう。
なにより人にとって不快な空間となってしまいます。そんなときに必要となるのが葉水です。(下写真)
冬の葉水は暖かい時間帯に。夜間に葉水すると、葉に残った水分が朝晩のうちに冷え、葉を傷めることがあるんだね。