ぷっくりとした株元の芋が可愛くて癒されるクワズイモ(喰わず芋)。その名の通り、毒を持っているため食べられない芋として知られます。
そんなクワズイモは観葉植物の中でも比較的寒さに強く、乾燥にもよく耐えるため、初心者でも育てやすい人気のグリーンです。
にも関わらず、葉がしおれてなんとなく元気がない様子にお困りではありませんか?
そこで今回は、クワズイモの葉がしおれる原因と葉がしおれた時の対処法をご紹介します。
クワズイモの葉がシワシワ、ふにゃふにゃになる原因は?
クワズイモの葉がしおれて何となく元気がない…という場合、まずは根元の芋を観察してみましょう。
クワズイモがしおれたら、まずは芋をチェックしよう
クワズイモがしおれて元気がないと感じる場合、まずは、根元の芋である根茎(こんけい)を触ってみましょう。
ぶよぶよと柔らかくなっていませんか?
根茎が柔らかい場合、すでに腐敗が進んでいる可能性が高い
根茎が柔らかくなっている場合、水のやり過ぎによる「多湿」や風通しの悪さによる「蒸れ」によって根が腐敗している可能性大です。
芋全体が柔らかい場合は復活は難しいでしょう。柔らかいのが部分的な場合、腐敗している箇所のみカットしペースト状の癒合剤を塗布します。
癒合剤とは植物の傷口を早く癒すために塗布する薬剤です。早目に対処すれば新しい葉が出てくる可能性も残されています。
根茎が硬い場合は次の項目へ進みましょう。
次に、水やりの方法が正しかったか確認してみよう
クワズイモの水やり方法は時期によって異なります。本来は、暖かく湿った明るい場所を好むクワズイモですが、冬場はそうはいきませんね。
そのため、気温が下がる冬は水やりを控え、土を乾かし気味にすることで寒さに備える必要があります。
クワズイモの生育適温は20度以上です。20度以下になると徐々に生長が鈍り、15度以下になると休眠に入ります。
成長が緩慢になると同時に、根が水分を吸い上げる速度も落ちるのです。
そのため、気温が下がっているのにも関わらず、暖かい時期と同じ感覚で水やりを続けた場合、根が常に湿った状態となり傷んで腐る「根腐れ(ねぐされ)」のリスクが高まります。
15度以下なら土が乾いてさらに3~4日してから水やり
▲土が乾いてからの水やりが基本!でも冬は違う
天気予報をチェックし、最低気温が20度以下になってきたら徐々に水やりの間隔を空けます。
具体的には、
- 20度以下⇒土が乾いて1~2日ほどしてから水やり
- 15度以下⇒土が乾いてさらに3~4日ほどしてから水やり
こんな感じです。
気温に合わせて徐々に水やりの間隔を空けます。土が乾くのがどんどん遅くなってくるはずなので、土の乾き具合を見つつ水やりの判断をしてください。
水やりを「3日に1回」のように決めてしまうと、どうしても水を与え過ぎてしまいます。暖かい時期はそれでも問題なく育つことが多いですが、冬場はそうはいきません。
また、水やりの失敗を防ぐ便利アイテムもあります。使い方はスティック状のチェッカーを土に差しておくだけ。
このようなアイテムを活用することで、水やりの失敗を防ぎ管理を楽にすることができます。
置き場所は?直射日光や冷気に晒されていなかったか
暑さには強い反面、寒さには弱いクワズイモ。とはいえ、5度程度までは耐えられるといわれます。
ただしそれは株が丈夫な場合。植え替えたばかりだったり、株がまだ小さい場合は最低でも10度は確保しておきたいところです。
クワズイモの生育適温は20度~35度程度までといわれます。
とはいえ、冬であっても「室内に置いていれば問題ない」と思われている方も多いでしょう。しかし、私たちが想像している以上に冷え込むのが、夜間から早朝にかけての窓際です。
クワズイモを窓際に置いている場合、夜になったら窓から最低1~2mは離します。これだけでも寒さ対策としては効果的です。
できればお部屋の中心近くまで移動し、朝になって気温が上がってきたら明るい窓際へ戻してあげると安心ですね。
真夏は水やり後の蒸れと夕方の西日に注意!
30度以上になると蒸れや直射日光により株が傷みやすいため、置き場所と水やりの時間帯には気を付けてください。
真夏は屋外なら日陰、室内なら南向きの窓際がよいでしょう。直射日光(特に、西日)で葉が傷む場合は遮光ネットやレースカーテンを用います。
クワズイモは少ない日光でも育てられる観葉植物として人気ですが、本来は日光が大好きな植物です。
あまりにも日当たりの悪い場所に置き続けていると、葉が小さくなったりしおれたりして弱々しい姿になってしまいます。
クワズイモが好むのは、「暖かく(20度以上)」「湿った(湿度70%以上)」「風通しのよい場所(窓を閉め切った室内は×)」です。
湿度に関しては葉水や加湿器で対処し、風通しに関してはサーキュレーターや扇風機を活用します。
根詰まりは?害虫が付いていないかもチェック!
ここまでで、クワズイモの葉がしおれた原因が思い当たらないという場合、鉢内が根でいっぱいになる「根詰まり」を起こしている可能性もあります。
根詰まりすると、根がスムーズに水分や養分を吸えずに葉がしおれたり、変色したりして成長に悪影響を及ぼします。また、根詰まりにより鉢内の水はけが悪くなることで根腐れを引き起こすことも。
鉢底を覗いて見て、鉢穴から根がはみ出ていないかチェックしましょう。
根詰まりが疑われる場合、気温20度以上の春~秋にひとまわり大きめの鉢に植え替えます。
「ひとまわり」とは、今の鉢よりも直径プラス3cmほどのものをさします。
クワズイモは寒さが苦手なため、気温の低い時期に植え替えるとそのまま弱ってしまうこともあります。
冬場は植え替えなくとも成長が鈍っているためそこまで影響はないでしょう。冬に根詰まりに気付いた場合、暖かくなる春まで待つのが無難です。
目安は最低気温が15度以上になったタイミングになります。
葉がベタ付いたり白い粉が付いたりしている場合、カイガラムシの可能性
さらに、害虫がついていないかも確認しましょう。下写真はカイガラムシがついている観葉植物の葉です。
葉の表面にベタベタとしてものが付着しています。これはカイガラムシの排泄物です。
クワズイモにも付くことの多いカイガラムシは、植物の樹液を吸う害虫です。樹液を吸われた部分は変色し、光合成ができなくなります。
その結果、株自体を枯らされてしまうこともあるのですね。さらに、他の植物にまで被害が拡がる恐れもあります。
見つけたら必ず取り除いてください。虫といってもほとんど動かないことが多いです。口針を植物に挿したままだと足が退化するため動けなくなるといわれます。
クワズイモの葉の付け根や表裏、茎回りに茶色の粒々や、白い粉のようなものが付いていたらカイガラムシのことが多いです。
また、蜘蛛の巣のようなものが付着している場合はハダニという害虫の可能性があります。
ハダニもカイガラムシと同じく、吸汁によりクワズイモを弱らせる害虫です。
クワズイモの葉がシワシワ、ふにゃふにゃになる原因は?【まとめ】
今回は、クワズイモの葉がしおれる原因とその対処法をくわしくご紹介しました。
葉がしおれると驚いて肥料を与えたくなる方も多いのではないでしょうか?
しかし、弱っている状態のクワズイモに肥料を与えると、逆に根が傷んでダメージを与えてしまう恐れがあります。
まずは目の前のクワズイモをよく観察しましょう。現状を把握したところで、これまでのお手入れ方法が正しかったかを思い出します。
原因は一つとは限りません。今回の記事を参考に、それぞれの株に応じた原因と対処法を導き出してみてくださいね。
クワズイモのはがしおれる原因と状況別の対処法
幹がやわらかい場合 | 寒さや水のやり過ぎ、風通しの悪さが主な原因。すでに腐って柔らかい部分は切り取り癒合剤を塗布。全体が腐敗している場合は復活が困難。 |
しおれたのが生長期(20度以上)の場合 | 土が乾いているなら水やりをして風通しのよい場所に置き様子を見る。土が濡れている場合は水やりを控え、風通しのよい半日陰に置いて経過観察。水やりの基本は土が乾いてからたっぷりと。ちょこちょこと与え続けるのも×。 |
しおれたのが休眠期(15度以下)の場合 | 寒さに当たっていなかったか確認。冬の窓際は朝晩に冷え込みやすい。夜になったら部屋の中心へ移動すると安心。朝になって気温が上がってきたら戻の場所へ。水やりは控え目にして樹液濃度を高め寒さに備えるのがポイント。弱っている時の肥料は基本不要。 |