ぷっくりとした根元の芋が存在感溢れる「クワズイモ」。その名の通り、食べられない芋のクワズイモは葉よりも根元の芋が特徴的なグリーンです。
暑さに強く水も大好きなクワズイモは初心者でも失敗しにくい丈夫な植物ですが、「なんとなく元気がない…」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、クワズイモが枯れる主な原因と管理のポイントをご紹介します。
クワズイモの葉が枯れる原因は?可愛い芋を長持ちさせる方法
クワズイモは沖縄や東南アジア、台湾などに自生する熱帯性植物です。そのため、暑さには強い反面、寒さには弱いという特徴があります。
クワズイモが枯れる原因①冬の寒さ
クワズイモは比較的寒さに強く丈夫な観葉植物です。耐えられるのは5度程度まで。
ただし、これは枯れないための最低温度です。美しい葉、芋を保つためには、最低でも10度、できれば15度は確保しておくのが理想的でしょう。
夜になったら窓から1~2メートルは離して冷え込みを防ぐ
▲室内でも注意したいのが朝晩の窓際
「室内に置いているし寒さ対策は万全!」
そのような場合でも注意したいのが夜間の窓際です。冬場の窓際は、昼間は明るく暖かくても朝晩に急激に冷え込みます。
また、夜間に水やりをした場合は鉢内に残った水分が夜間の冷え込みで水温が低下し、根を冷やして株を弱らせてしまうことも。
冬場は夜になったら窓から最低でも1メートルは離して冷えを防ぎます。できればお部屋の中心近くまで移動しておくと安心です。
朝になって気温が上がってきたらまた元の明るい場所へ戻します。
クワズイモが枯れる原因②水のやり過ぎ
クワズイモの生育がさかんになるのは20度以上になる春から秋にかけてです。20度以下になると徐々に生育が鈍り、15度以下になると休眠に入ります。
休眠に入ると同時に弱まるのが根が水分を吸う力です。
春~秋(20度以上) | 土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと与える |
秋~冬(15度以下) | 土がしっかりと乾いてさらに2~3日ほどしてから常温の水を与える |
15度以下になったら土が乾いてさらに2~3日してから水やりする
天気予報をチェックし、最低気温が15度を下回るようになってきたら水やりを控え目にしましょう。
気温が下がると同時に根が水分を吸収する力も弱くなります。
そのため、暖かい時期と同じタイミングで水やりを続けていると、根が常に湿った状態となり、傷んで腐ってしまうことがあるのですね。これを「根腐れ(ねぐされ)」といいます。
根も呼吸しているのですね。一週間以上、土の表面が乾いた状態が続かないように管理するのがポイントです。
15度以下になったら、土が乾いてさらに2~3日してからの水やりがベストです。30度程度の常温の水を用意し、できるだけ気温の高い午前中に与えます。
とはいえ、冬場の水やりはなかなか難しいです。
そんなときは「水やりチェッカー」を使ってみると管理が楽になるだけでなく、水のやり過ぎ、やり忘れによる失敗を防ぐことができます。
▲冬場は「白」になってさらに2~3日してから水やり
クワズイモが枯れる原因③蒸れ
クワズイモは暖かく湿った空気を好みます。とはいえ、風通しの悪い場所に置き続けていると起こしやすいのが蒸れです。
特に、窓を閉め切りがちな真夏や真冬は、水やり後の蒸れを起こしやすくなります。
風通しが悪いと鉢内が蒸れ、根が腐ってそのまま腐敗が進むと芋まで柔らかく傷んでしまうとがあります。
また、鉢底から根がはみ出ていたり、2年以上植え替えていないという場合は、鉢の中が根でいっぱいになる「根詰まり(ねづまり)」を起こしている可能性が高いです。
根詰まりを放置していると根がスムーズに水分や養分を吸い上げられないだけでなく、水はけが悪くなることで鉢内で蒸れ、根腐れを引き起こす原因にもなります。
根詰まりが疑われる場合は、春から秋の暖かい時期(20度以上が目安)に今の鉢よりも直径プラス3cmほどの鉢へ植え替えましょう。
窓を閉め切る時期は扇風機やサーキュレーターをフル活用
とはいえ、エアコンを効かせた室内で頻繁に窓を開け閉めするのは現実的ではありません。
そんな時に活躍するのが扇風機やサーキュレーターです。窓を閉め切ったままだと湿気や冷気がどうしても一か所に停滞します。
風通しが悪いと鉢内が蒸れて根腐れを起こしたり、病害虫のリスクが高まったりします。
扇風機やサーキュレーターを使うことで、室内の停止した空気を動かし空気の流れを作ることができるのですね。
観葉植物を管理する上で、日光・水分と並んで欠かせないのが風です。
クワズイモが枯れる原因④光線不足
耐陰性があり、室内の少ない光でも育てられる観葉植物として人気のクワズイモですが、本来は日光が大好きな植物です。
沖縄や小笠原諸島などでは、一般住宅の軒先や庭先などに自生しています。そんなクワズイモなので、一年中室内に置いたままではどうしても日光不足に陥ります。
もちろん、日光不足に陥ったからといってすぐに枯れてしまうことはありません。しかし少しずつ弱っていきます。
株が弱ることでちょっとした環境の変化に耐える力が弱くなります。たとえば寒さや水のやり過ぎなど。
丈夫な株であれば耐えられる程度のストレスも、日光不足によって弱った状態の株にとっては致命傷となることもあるのです。
20度以上なら屋外の半日陰に置くと生育がよくなる
気温が20度以上なら屋外に置いてみましょう。もちろん、いきなり直射日光に当てると葉を傷めるため避けます。
まずは日陰からスタートし、一週間ほどしたら徐々に半日陰へ移動しましょう。
慣れたら日向へ移動しても構いませんが、葉が変色するようなら半日陰か遮光ネットを利用します。
30度以上の夏場は葉焼けしやすいので日陰に置くのが無難です。十分な日光と風通しを確保することで丈夫な株に育ちます。
クワズイモが枯れる原因⑤害虫
乾燥した場所や風通しの悪い場所に置いていると発生しやすいのが病害虫です。
クワズイモに付きやすいのが「カイガラムシ」「ハダニ」などの害虫になります。
▲カイガラムシは口針を植物に差し込み吸汁し続ける。そのため、足は退化しほとんど動かないことが多い。
これらの害虫がクワズイモに付くと、吸汁により樹液を吸われます。その結果、葉の色が悪くなり、さらに放置し続けると株自体を弱らせ枯らされてしまうことも。
さらに、近くに置いている他の観葉植物にまで被害が及ぶ可能性もあります。
葉の表や裏、付け根、茎や芋まわりに小さな粒々や白い粉のようなものが付着している場合はカイガラムシ、蜘蛛の巣のようなものが付着している場合はハダニの可能性があるため早目に取り除きます。
▲よく見ると楕円形をしていて、植物に張り付くようにして寄生している。指で軽く拭うだけでは取れないことも。ブラシや綿棒で確実にこそげ落す。
ときどき濡れた布で葉に蓄積した汚れを拭きつつ保湿
ときどき、濡らした布で葉の表裏、茎などに蓄積した汚れをやさしく拭います。
観察することで、植物の異変にいち早く気づくことができます。また、濡れた布が葉に触れることで保湿効果もあります。
霧吹きで株全体に水分を吹きかけてやるのも害虫予防に効果的です。
クワズイモの葉が枯れる原因は?可愛い芋を長持ちさせる方法【まとめ】
▲植え替えや剪定の際には樹液に触れないよう注意
今回はクワズイモが枯れる主な原因と管理のポイントをご紹介しました。
クワズイモの花言葉は「仲直り」。ぷっくりとした芋は見ているだけで癒されますね。
クワズイモは日光が大好きなので、できるだけ明るい場所、室内であれば南向きの窓際に置くことで株を丈夫に保つことできますよ。
春から秋にかけての生育がさかんな時期は、土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと水を与えましょう。
クワズイモが枯れる主な原因と管理のポイント
原因 | 管理のポイント |
寒さ | 最低でも10度、できれば15度は保つ。 |
水のやり過ぎ | 基本は土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと。15度以下なら土が乾いてさらに2~3日してから常温の水を与える。 |
蒸れ | 風通しのよい場所に置くことで根腐れ、病害虫を防ぐ。 |
光線不足 | 室内なら南向きの窓際。20度以上なら屋外の日陰~半日陰に置くのがおすすめ。 |
害虫 | 定期的に濡れた布で葉をやさしくふき取る。害虫が付いていたら早目に取り除く。 |