葉の付け根にあるぷっくりとした芋がとっても可愛いクワズイモ。耐陰性があるため室内でも長く育てられる人気の観葉植物です。
そんなクワズイモですが、2年以上植え替えないままだと中の土が古くなったり、根が詰まったりして根腐れを起こしてしまうことも。
そこで今回は、クワズイモの植え替え手順を画像付きで分かりやすく解説します。
植え替えの手順とあわせて、失敗を防ぐためのちょっとしたコツもお届けしちゃいます。
クワズイモの植え替え、失敗する原因は?
クワズイモが植え替え後、弱ってしまう原因には以下のようなものが挙げられます。
寒い時期(寒くなる直前)に植え替えた
植え替えの時期は超重要です。
回復力の高い春~初夏にかけての時期に植え替えると、新しい環境に適応しやすいですが、
寒い時期、または寒くなるタイミングに植え替えると、株が十分に回復しきれず弱ってしまいます。
対処法
- 植え替えは成長期(通常春~初夏)に行うのがベスト
- 冬や休眠期の植え替えは基本避ける
直射日光に晒す
植え替え後は根がまだ新しい土壌に適応していない状態です。
この時期に直射日光に晒すと根が乾燥しやすくなり、植物が水分不足に陥る可能性があります。
対処法
- 屋外なら日陰~半日陰か遮光ネットの下で休ませる
強風に晒す
強風は植え替え直後の植物にとって過剰なストレスとなります。
根がしっかり定着する前に株が揺さぶられたり、倒れたりする可能性があります。
対処法
- しっかり根が張るまでは強い風に当てない
1ヵ月経たないうちに肥料を与えた
植物は植え替えによって少なからず根にダメージを受けています。
根が傷ついた状態で肥料を与えると、肥料成分が根に過剰なストレスを与え、ダメージを与えてしまいます。
対処法
- 肥料は植え替え後、1ヵ月ほど経ってから再開する
土が乾き過ぎた
植え替え直後は、根がしっかりと土に定着するまで、土は乾燥し過ぎない方が良いです。
乾燥しすぎると根が回復しきれず、そのまま弱ってしまう原因になります。
対処法
- 植え替え直後~14日くらいは、土の表面が乾いたタイミングで水やりをする
- 直射日光を避けた明るく風通しの良い場所で休ませる
元々株が弱っていた
株が弱っている場合、植え替えによって環境が急激に変わると、ストレスを受けて枯れることがあります。
元気なクワズイモであれば、植え替えたからといってそう簡単に枯れません。
対処法
- 植え替え後は、できるだけ以前と同じ環境に置く
- 明らかに弱っている場合、植え替えでストレスを与えるよりは休ませるほうが良い
失敗回避!クワズイモの植え替え、正しい手順を画像で解説
- 2年以上植え替えていない
- 水やり後、水分が土に浸透するまで時間がかかるようになってきた
- 鉢底から根っこがはみ出ている
このような場合、春から秋にかけての暖かい時期にひとまわり大きめの鉢に植え替えましょう。
天気予報をチェックし、最低気温が20度以上であることが目安です。クワズイモは寒さに弱いため、気温が低い時期の植え替えは控えましょう。
ちなみに、植え替え前は水やりを控えて土を乾かしておくと作業しやすいですよ。
クワズイモの植え替え 手順①新しい鉢を準備しておく
まずは植え替え後に使用する鉢を用意し、事前に土を1/3ほど入れておきましょう。新しい鉢は今の鉢よりもひとまわり(直径プラス3cm程度)大きめのものにします。
鉢底石を入れ、上から新しい土を鉢の1/3程度まで入れておきます。
植え替えは植物にとって大きな負担となります。植物への負担をできるだけ少なく済ませるためにも、植え替え先の鉢は事前に準備しておくと作業もスムーズに進みます。
虫の湧きにくい「室内向けの土」がおすすめ
クワズイモは水はけの良い土を好みます。市販の「観葉植物用土」を使うのもいいですが、おすすめは「室内向けの土」です。
室内向けの土は虫が寄り付きにくいため、室内でも清潔にクワズイモを育てることができますよ。
さらに、植物の生育を助ける肥料入りなので管理も楽。
また、水で濡れている時と乾いている時の色の違いがはっきりとしているので、水やりのタイミングが分かりやすいという特徴もあります。
クワズイモの植え替え 手順②鉢から取り出す
植え替え先の鉢の準備ができたら、いよいよ今の鉢からクワズイモを取り出しましょう。
ビニールポットの場合は側面を軽く押すようにすると抜けやすいです。
根が詰まり過ぎてなかなか取り出せない…という場合は、鉢底から太めの棒を差し込んで押し上げるようにすると取り出せることもあります。
割りばしや使い古しの箸で根鉢を軽くつつき、古い土を落そう
鉢から取り出せたら、使い古しの箸や割りばしなどを使って、根鉢を軽くつつきながら古い土を落しましょう。
明らかに黒く傷んでいる根があればあらかじめ取っておきます。根をカットする際、そのまま無理に引っ張ると根を傷めてしまうので、切れ味の良いハサミを使いましょう。
古い土は完璧に落とせなくても構いません。ある程度落せればok。
クワズイモの植え替え 手順③植え付ける
土を落したクワズイモは、あらかじめ準備しておいた新しい鉢に植え付けましょう。
土の量を調節し、植え付ける高さや位置を決めたら、残りの土を隙間に入れ込みます。
内部に隙間(空間)が残らないよう、鉢を床にたたきつけるようにして作業すると振動で余計な空気が抜けますよ。
割りばしでつつきながら作業してもokです。
鉢が深すぎるかも…と感じる場合は、鉢底石を少し多めに入れておくとよい
「鉢がちょっと深すぎるかも…でも直径はちょうどいいんだよな…」
こんな時は、鉢底石を少し多めに入れておくのがおすすめです。鉢底石を多めに入れることで、鉢内の水はけがよくなり通気性を確保できます。
土は経年により粒が崩れ、団子状に固まってしまいますが、鉢底石はそう簡単に崩れません。
クワズイモは蒸れに弱い。鉢内の排水性をキープすることで根腐れを起こしにくくなるんだね。
クワズイモの植え替え 手順④たっぷりと水を与える
植え替え後はたっぷりと水を与えましょう。
鉢底から流れ出てくる水が透明近くなるまで与えると、土の含まれる汚れや粉塵を排出することができます。
このようにすることで、水やりの度に受け皿が汚れるのを防ぐことが出来ます。
水やりチェッカーがあると管理が楽になる
クワズイモは観葉植物の中でも比較的に水を好みます。とはいえ、根が蒸れるととたんに弱ってしまうことも。
水やりの基本は「土が乾いてからたっぷりと」です。とはいえ、慣れるまではなかなか難しいのが観葉植物の水やりですね。
また、土の乾き具合をいちいち確認するのもなかなか大変です。そんな時にあると便利なのが水やりチェッカー。
スティック状のチェッカーを土に差しておくだけで土の乾き具合を測定し、最適な水やりのタイミングを色でお知らせしてくれる便利アイテムです。
- 春~秋(最低気温が15度以上)…「白」になったタイミングでたっぷりと水やり
- 秋~冬(最低気温が15度以下)…「白」になってさらに2~3日ほどしてから常温の水を暖かい時間帯に与える
特に気を付けたいのが冬場の水やり。冬場のクワズイモは、寒さによって生長が緩慢になっているため水を吸い上げる力も弱くなっている。そんな時に、水をやり過ぎると一気に弱ってしまうんだ。冬の水やりは土が乾いてさらに2~3日程してからが基本だよ。
クワズイモの植え替え、失敗する原因は?正しい手順を画像で解説【まとめ】
ということで、今回はクワズイモの植え替え手順を写真付きで分かりやすく解説いたしましたがいかがでしたか?
ひとことで「植え替える」と言っても、ひとつひとつの作業には意味があり、また、ちょっとしたコツで管理も楽になることがお分かりいただけたかと思います。
「植え替え後に弱ってしまった…」というトラブルを避ける最大のコツは「適期におこなうこと」。これに尽きるでしょう。
クワズイモは東南アジアや沖縄に自生する熱帯性植物です。一年を通して暖かく風通しのよい湿った空気を好むのですね。
植え替えは植物にとって少なからずストレスになります。できるだけ元気で回復力の高い時期に実施することで、植え替え後の枯死を防ぐことができますよ。