キセログラフィカを育て始めたものの、水やりの頻度や量がイマイチわからない。とりあえず、たまに霧吹きで軽くシュシュっとしておけばok?
キセログラフィカを含むエアプランツは、空気中の水分を葉から取り込むから水やりの手間が少なく済む。
このように思われていませんか?
もちろん間違いではないのですが、空中から水分を取り込むから水やりが要らないというのは自生地での話なのです。
日本の一般家庭内でキセログラフィカを育てる場合、しっかり水やりをしないと高確率で弱ってしまいます…。
そこで今回は、キセログラフィカの水やり頻度や量、時間帯について時期・場所別でまとめてみました。
キセログラフィカの水やり頻度は?量と時間帯の目安
水やり方法には「霧吹き(ミスティング)」と「ソーキング(水を張った容器に株ごと浸ける)」があるけど、基本はより株に負担の少ないミスティングでの水やりがおすすめ。
室内管理の場合
- 春~秋(20度~30度)…週3~4回ほどが目安。水やりは葉の色が緑色に変わるくらいたっぷりと与える。時間帯は夕方以降に与えるのが基本。
- 冬(15度以下)…週1~2回程が目安。水やりは暖かい時期の半分くらいにしておくのが無難。日中に済ませておく。
➡水やり後は風通しの良い場所に吊るし、3時間ほどで全体が乾いているのが理想!
梅雨時期はキセログラフィカにとって好条件。湿度の高い環境を好むから、屋外に吊るしておくと良く育つよ。梅雨時期は自生地のように、空気中の水分を取り込むことができるから基本放置でok。ただし、直射日光は避けて。
屋外管理の場合
- 春・秋(20度~30度)…半日陰で雨ざらし。2日以上雨が続くようなら軒下へ。15度以下30度以上なら室内(南~東向きの窓際)へ移動しておくのがおすすめ。
- 夏(30度以上)…直射日光を避けて雨ざらし。濡れた状態で高温に当たると根元が腐りやすい。30度を超えるようなら室内(南~東向きの窓際)へ移動しておくと安心。
- 冬(15度以下)…15度以下なら室内管理が基本。冬の室内は空気が乾燥しがち。湿度は最低でも50%ほどになるよう加湿器を使って管理。
水やり頻度はあくまで目安です。気温や風通し、湿度や日当たりなどによっても異なります。
大事なのは「水やり後、3時間ほどで全体が乾くくらいの環境」です。
いつまでもジメジメ湿ったままだと蒸れて傷んでしまうから注意。
室内管理の場合、水やり後は株元に溜まった水を切っておこう
室内管理の場合、付け根に水を貯めていると腐りやすい
キセログラフィカは葉の付け根に水を貯めて吸水する「タンクタイプ」のエアプランツです。
とはいえ、風通しが制限される室内で株元に水を貯めておくと、蒸れて株元が腐ってしまう恐れがあります。
室内管理の場合、水やり後は株を逆さに持って付け根に溜まった水を切っておく
風通しが制限される室内管理の場合、水やり後は付け根に溜まった水を切っておくのが安心です。
株を逆さに持ち、株元に溜まった水気を軽く切っておきましょう。
室内管理でよくある失敗が蒸れによる根腐れ。基部が茶色く腐ると葉がスポッと抜けてしまうんだ。こうなってからでは手遅れだよ。
水やり以上に大事なのは「湿度管理」
キセログラフィカは本来、湿度の高い環境を好みます。どんなに気を付けて水やりしていても、肝心の空気が乾燥していると葉が傷みやすいです。
自生地では朝方に霧が発生し、株全体がびしょびしょに濡れる
キセログラフィカの主な自生地はアメリカ北部~南部。自生地では樹木の枝や幹に張り付くようにして育ちます。
朝方には霧が発生するほど湿度の高い雲霧林で自生しています。
キセログラフィカの葉には「トリコーム」と呼ばれる白い産毛状の器官が発達しているよ。トリコームによって空気中の水分を取り込んでいるんだ。
昼前には全体がカラっと乾く。湿度80%以上の風通しの良い場所で葉を四方に広げて成長
本来は上写真のように、葉を四方に広げて成長するのがキセログラフィカです。
キセログラフィカというとコロンと丸みのあるフォルムを想像しますが、実は葉が丸まっているのは乾燥に耐えている状態です。
よく見かける丸いキセログラフィカは、これ以上水を逃さないために、葉を丸めて乾燥に耐えている状態なんだ。
室内管理の場合、最低でも湿度50%は保ちたい。湿度計と過湿器で湿度管理しよう
とはいえ、一般家庭で高い湿度を保つのは現実的ではありません。
ですが、キセログラフィカの美しい葉を保つのであれば、最低でも湿度50%は欲しいところです。
気温の目安 | 湿度の目安 | |
人が快適に感じる環境 | 18度~27度くらい | 湿度40%~60%くらい |
キセログラフィカに適した環境 | 20度~30度くらい | 湿度70%以上 |
※風通し、日当たりも重要。室内なら南~東向きの窓際。窓を閉め切りがちな時期はサーキュレーター必須。
湿度計を置いてときどきチェックしよう。特に冬の室内は乾燥しやすい。過湿器の近くで管理するのもおすすめだよ。
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キセログラフィカが水不足に陥ったときのサインは?
葉が丸まる
キセログラフィカは水不足に陥ると葉が内側にくるんと丸まります。
ただ、このコロンとした姿に惹かれる方が多いのも事実です。
持ち上げて軽い
キセログラフィカを持ち上げて、明らかに軽い、水気を全く感じない、カサカサしているという場合は水不足に陥っている可能性が高いです。
付け根がカラカラに乾いている
キセログラフィカの付け根に触れて、水気を全く感じないなら水不足のサインです。
葉っぱ全体が濃い緑色になるまでたっぷりと水を与え、その後は明るく風通しの良い場所で乾かします。
水やり後は3時間ほどで全体が乾くのが理想だよ。
重要なのは水やり後の「風」と「置き場所」にアリ!
水やり後は3時間ほどで全体がカラっと乾くのが理想
キセログラフィカは水やり後、3時間ほどで全体が乾くくらいが理想です。
いつまでも全体がジメジメと湿っていたり、株元に水が溜まったままだったりすると腐敗の原因になります。
置き場所は風通しの良い場所。まわりに障害物がない場所に吊るすのがおすすめ
キセログラフィカは風通しの良い場所を好みます。
室内で育てるならワイヤーで吊るすか、通気性に優れるハンギングバスケットに入れておくと蒸れにくいです。
100均でできる!簡単コイルハンガーの作り方
筆者はダイソーの自在ワイヤーを使って、コイル状に巻いたワイヤーにキセログラフィカを乗せて窓際に吊るしています。
作り方は以下の通りです。
①100均で買った自在ワイヤー(直径2mm)をめん棒に巻き付けます。
②コイルができたら円状にし、3か所に麻紐をくくりつけます。
③コイルの上にキセログラフィカをちょこんと乗せれば100円でできるコイルハンガーの出来上がり。
コイルに株を乗せるときは、付け根が真下にくるようにします。
葉を広げるように整え、ときどき回転させると、まんべんなく光が当たって綺麗な形を保てます。
水やりするときはそのままキッチンに移動し、たっぷり霧吹きしてね。
キセログラフィカの水やりに関するよくある質問
水やりは毎日すべき?
十分な風通しと適度な日光、気温が確保できる環境であれば毎日水やりしても構いません。
ただ、室内管理の場合はキセログラフィカに適した環境に整えることが難しいです。
十分な風通しや日光、気温が揃っていない状態で毎日水やりした場合、株元が蒸れて腐敗を招く恐れがあります。
冬の水やりで気を付けるべきことは?
- 水やりは暖かい時間帯に済ませておくのが無難
- 水の量は暖かい時期の半分くらいを意識して与える
- 株を冷やさないよう30度くらいの常温の水を与える
- 湿った状態で15度以下の寒さに晒さない
寒さからキセログラフィカを守るためにも、上記のポイントに気を付けて管理してみてください。
冬は寒さによって生育が緩慢になります。室内といえども、暖房を消した後の室内は想像以上に冷え込むものです。
水をあげすぎたらどうなる?
水をあげすぎたと感じても、十分な風通しと適度な光、気温が確保された環境であれば問題無く育ちます。
ただし、長時間(6時間以上)のソーキングや濡れた状態で蒸れたり冷えると、株元が傷んでしまうので注意です。
株が弱った状態で長時間水に浸けるのは、経験上あまりおすすめしない。弱った状態で水を一気飲みさせるより、少量から少しずつ水を飲ませてあげる方が株への負担が少なく済むことが多い。
雨ざらしでも大丈夫?
春・梅雨・秋(15度以上)なら雨ざらしにすると良く育ちます。ただし、長雨には注意。
2日以上雨が続くようなら雨の当たらない軒下へ移動します。
雨が降っている時は湿度も高まっているので、直接雨に当たらずとも葉から水分を取り込むことができます。
夏は雨ざらしは避けた方が無難。濡れた状態で高温に晒されると、株元が腐ってしまうよ。
キセログラフィカの水やり頻度は?量と時間帯の目安、水切れサイン【まとめ】
- キセログラフィカの水やり頻度、量、時間帯は時期や場所、気温や湿度、風通しなどによって異なる
- 春~秋の室内なら、週3~4回が目安。量は葉っぱ全体が緑色になるくらいたっぷりと。時間は夕方以降~夜が基本。
- 冬は暖かい時期の半分くらいの量と頻度で水やり。空気が乾燥する時期は湿度管理も忘れずに(最低でも湿度50%葉欲しい)。水やりは暖かい日中までに済ませる。
- 15度以上30度未満の屋外なら雨ざらしでok。ただし直射日光を避ける。2日以上雨が続くようなら軒下へ移動しておく。
- 濡れた状態で高温に晒すと株元が傷みやすいので注意。寒さも同じ。15度以下なら室内へ移動しておく
- 葉がくるんと内側に丸まっているのは水不足のサイン。乾燥に耐えている状態。元気な株は葉が四方に広がっている。
- 水やり後は3時間ほどで全体が乾いているのが理想。じめじめしたまま長時間経過すると蒸れて傷む。
- 水やり方法は基本霧吹きで。水に浸けるソーキングは株を弱らせる恐れがあるため個人的にはあまりおすすめしない。