購入当初は色つやのよい葉が魅力的であったはずのコーヒーの木。
光沢のある濃いグリーンの葉が美しいコーヒーの木ですが、いつの間にか株が弱って枯れそうになってはいませんか?
そこで今回は、枯れそうなコーヒーの木を復活させた方法をご紹介します。
枯れかけのコーヒーの木を復活させた方法とは?
▲枯れそうなコーヒーの木(2020/12頃)
上写真は冬の寒さで弱ってしまったコーヒーの木です。下葉が落ちて弱々しく、枯れてしまいそうな見た目ですね。
今回は、この枯れそうなコーヒーの木を下写真のように復活させた方法をご紹介します。
▲復活したコーヒーの木(2021/9頃)
コーヒーの木が枯れそうなのが15度以下なら冬越しに焦点を当てる
「葉が落ちる」「色つやが悪い」「何となく元気がない」
コーヒーの木に上記のような症状がみられるのが秋や冬の場合、まずは寒さに当たっていないか確認します。
特に、コーヒーの木は多くの観葉植物の中でも寒さに弱いです。耐えられるのは8度程度までです。しかし、これは枯れないための最低温度ともいえます。
コーヒーの木の美しい葉を保ちつつ冬越しさせるためには、最低でも10度~15度は必要でしょう。
▲温度計を設置して寒くなりすぎていないかときどきチェックする習慣を!
寒さが苦手なコーヒーの木は、気温が15度以下になると生長が緩慢になります。そのため、生長が緩慢になるタイミングで水やりの間隔を空け、乾燥気味に管理する必要があります。
15度以下になったら、土が乾いてさらに2~3日してから常温の水を与えます。
冬場の水やりの目安は土に1~2回ほど。断水気味に管理することで樹液濃度を高め、耐寒性をつけるのが目的です。
また、寒い時期は根が水分を吸う力も弱まっているため、水やりの間隔を空けることで「根腐れ」や「水温低下による根へのダメージ」などを防ぎます。
また、枯れそうに弱っているとついつい肥料を与えたくなるかもしれません。しかし、生長が緩慢な時期の肥料は基本的に不要です。
必要以上の肥料を与えると、逆に根を傷めてしまうこともあります。
▲根がダメージを受けることで葉がしおれたり焼けたように変色する「肥料焼け」
夜になったら窓から離して寒さを防ぐ
▲日中は暖かい窓際ですが…
コーヒーの木は暖かく風通しのよい明るい場所を好みます。
とはいえ、冬場の窓際は注意が必要です。冬場の窓際は、日中は暖かくても朝晩に急激に冷え込むことが多いです。
夜になったら窓から1~2mほど離しましょう。できればお部屋の中心に移動し、朝になったら窓際へ戻すのが理想的です。
「室内だから寒さは大丈夫!」と思いがちですが、想像以上に冷え込むのが暖房を切った後の夜間です。特に、戸建て住宅は集合住宅に比べて朝晩の冷え込みが顕著な場合が多いため気を付けます。
15度以上になったら直射日光を避けた風通しのよい場所で管理
なんとか枯らさずに冬を越せたら、次は暖かい春になります。コーヒーの木の生長がさかんになる時期ですね。
最低気温が15度を超えるようになったら、徐々に屋外の日陰に置いて外の明るさに慣らしていきます。いきなり日向に出すと葉焼けを起こしやすいため注意です。
▲少しずつ新しい葉が展開し、株にボリュームが出てきました
コーヒーの木を屋外に移動する際には「葉焼け」に気を付けなければなりません。葉焼けとは、強光によって葉の一部が焼け焦げたようになるトラブルをいいます。
▲葉焼けを起こしたコーヒーの木の葉…
また、気温が上がる夏場は葉焼けリスクが高まります。
最低気温が15度以上最高気温が30度未満なら屋外の日陰~半日陰。30度を超えるようなら日陰か室内の窓際が置き場所の目安です。
「どうしても直射日光が差し込んでしまう」「遮光ネットをかけられる場所がない」という場合、日が暮れてから屋外に出し、朝になったら取り込むという方法もおすすめです。
できれば屋外の直射日光を避けた半日陰に置くと丈夫に育つ
植物が大きく、且つ丈夫に育つために欠かせないのが「水」「日光」そして「風」です。植物は風を受けることで気孔の開閉が活発になり、光合成もさかんになるといわれています。
室内に置きっぱなしでは、どうしても風通しの面で屋外には敵いません。そのため、気温が許す限りはできるだけ屋外に置くことが、コーヒーの木を丈夫にするコツといえます。
ただし、葉焼けには十分に気を付けます。
根詰まりしたらひとまわり大きめの鉢へ植え替える
葉焼けに気を付けつつ屋外での管理をメインにしたところ、春から秋にかけてかなり株が大きく育ちました。(下写真)
▲葉数が増えて大きくなった(2021/9頃)
しかし、ここにきて「葉先が茶色く枯れる」「水やり後、土に水が浸み込むまで時間を要するようになった」などの症状が出始めました。
根詰まりかと思い、鉢底を覗いてみましたが根がはみ出ている様子はありません。(下写真)
ただ、他に原因が見当たらなかったため、土の表面を少し掘ってみると…。
根がぎっしり。これは明らかな根詰まりですね。幸い、根詰まりに気付いたのが9月と、まだ暖かさが残る時期であったため、ひとまわり大きめの鉢へ植え替えることにしました。
コーヒーの木の傾向として、地上部の大きさに比べて、想像以上に根が広がっていることが多いようです。
分からなければ、鉢から株を取り出して確認してみるのが手っ取り早くおすすめです。その際に、「鉢からなかなか抜けない…」という場合は根詰まりしている可能性が高いですよ。
▲少し斜めになった植え替え後のコーヒーの木
植え替えから約半年後のコーヒーの木
その後は冬になり室内へ移動。寒さでかなりの葉が傷みましたが、暖かくなりまた新しい葉が増えてきました。(下写真)
▲春を迎えたコーヒーの木(2022/6頃)
コーヒーの木が枯れそうと感じるタイミングは、気温が低くなる秋から冬であることが多いです。
弱っている時期を把握し、さらに株の状態をよく観察した上で管理方法を見直すことが大切です(もしくは現状キープ)。
枯れかけのコーヒーの木を復活させた方法【まとめ】
▲春を迎えたコーヒーの木(2022/6頃)
今回は、枯れそうなコーヒーの木を復活させる方法をご紹介しました。
春から秋にかけての暖かい時期に枯れそうになっている場合、「根詰まり」「葉焼け」「水のやり過ぎor水のやり忘れ」「病害虫」などの原因が考えられます。
株をよく観察して原因を探り、それぞれに見合った対処方法を試してみてください。
しかし、枯れそうになっているのが冬場(15度以下)の場合、寒さによるものの場合が多いです。
この場合、焦らずにまずは温度管理を徹底します。また、「コーヒーの木は寒さで弱るのはある程度仕方がない」と認識しておくことも必要でしょう。
▲冬場に傷んだ大量の葉…
神経質になったところで一般家庭でできることには限界があります。プロが管理する温室のような環境を用意できるはずもありません。
「癒してくれるはずのグリーンが弱ることで逆にストレスが溜まる…(涙)」。これでは本末転倒ではないでしょうか。
とにかく、「枯らさずになんとか冬を越すこと」が、コーヒーの木を復活させる最大のポイントでしょう。
枯れそうなコーヒーの木を復活させる方法
- 枯れそうなのが秋から冬の場合、まずは冬越しさせることに集中
- 15度以上なら、屋外の風通しのよい半日陰に置いて株を丈夫に保つ(直射日光は×)
- 根詰まりしたらひとまわり大きめの鉢へ植え替える