多くの観葉植物の中でもひと際目を引くカラテア・オルビフォリア。色鮮やかで美しい葉が魅力的な熱帯性の植物です。
ただ、そんなカラテア・オルビフォリアのエキゾチックな葉に惹かれて迎え入れたものの、
「どうにも他の観葉植物に比べてカラテア・オルビフォリアは管理が難しい…」と感じている方もまた多いのではないでしょうか?
そこで今回は、カラテア・オルビフォリアが難しいと言われがちな3つの理由とあわせて、それぞれの理由を克服するための管理のコツをご紹介します。
カラテア・オルビフォリアが難しいといわれる3つの理由とは?管理のコツも
寒さが超苦手
カラテアは熱帯アメリカが原産の植物です。そのため、暑さには強い反面、寒さがとっても苦手。
耐えられるのは12度程度までですが、できれば最低でも15度は確保しておくのが理想的です。
また、湿った環境を好むとはいえ、ずっと湿りっぱなしでは根腐れを起こしてしまいます。
カラテアの水遣り方法【目安】
気温が20度を下回ったら徐々に水やりの間隔を空けましょう。乾かし気味に管理することで樹液濃度が高まり、寒さに備えることができます。
春~秋(最低気温が20度以上) | 土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと灌水 |
秋(最低気温が20度~15度) | 土の表面が乾いてさらに1~2日ほどしてからたっぷりと灌水 |
秋~冬(最低気温が15度以下) | 土の表面が乾いてさらに3~4日ほどして、土がカラカラになっていたら常温の水を土全体が湿る程度に灌水。できるだけ暖かい時間帯に30度程度の水を与える。灌水後はしっかりと水気を切り、受け皿の水はこまめに捨てる。サーキュレーターをまわして風通し良く管理。 |
※灌水(かんすい)…水を与える行為のこと
土が湿り続けると根腐れを起こす
カラテアは暖かく湿った空気を好みます。
だからといって、土の表面が乾かないうちに次から次へと水を与えていると、根が呼吸できずに傷んで腐る「根腐れ」を起こしやすくなります。
カラテアは暖かく湿った空気、そして「風通しのよい状態」を好むのです。
特に、窓を閉め切ることの多い真夏や真冬は、風通しの悪さによって根腐れを起こしやすくなります。
窓を閉め切る時期はサーキュレーターをフル活用して
真夏や真冬などの窓を閉め切る時期は、扇風機やサーキュレーターを駆使して室内の空気を意識的に動かすことが大切です。
空気の流れを作ることで根腐れを防ぐことはもちろん、病害虫やカビ対策にもなります。
植物が光合成する上で欠かせないのが「日光」「水」「風」の3つです。
乾燥で葉が丸まりやすい
カラテアを育てていると悩みがちなのが「葉が丸まる」という症状です。
熱帯地方が原産の植物は、空気中の水分を葉から吸収する能力が高いといわれます。
カラテアは高湿を好む熱帯植物であることを忘れないで
カラテアが好む湿度は70%以上。とはいえ、これだけの高湿状態を一般家庭で再現するのは困難ですね。
何より人にとって不快な環境となってしまいます。カラテアにはこまめな葉水が欠かせません。
カラテアが好む湿度の目安 | 70%以上 |
人が快適と感じる湿度の目安 | 40%~60%程度 |
あわせて読みたい「カラテアの葉が茶色になるのはなぜ?湿度50%以下は乾燥に注意!」
冬越しが難しいカラテア・オルビフォリアの寒さ対策は?
天気予報をチェックし、最低気温が20度を下回るようになってきたら、徐々に水やりの間隔を空けて寒さに備えます。
カラテアは室内であっても油断は禁物
また、室内であっても油断は禁物です。昼間は暖かくても、暖房を消した後の朝晩は思っている以上に冷え込みます。
特に、戸建て住宅の場合は朝晩の冷え込みが顕著な傾向です。窓際に置いている場合は夜になったら窓からは離します。
冬の窓際は朝晩に急激に冷え込む。夜になったら窓から1~2m離して
できればお部屋の中心近くまで移動し冷えによるダメージを防ぎましょう。朝になって気温が上がってきたら元の明るい場所へもどしてやります。
カラテアの近くには温度計を置いて、ときどきチェックする習慣をつけるのがおすすめですよ。(下写真)
▲湿度もひと目で確認できるデジタルのものがおすすめ
冷気は下に溜まる。カラテアは少し高さのある場所に置くのがおすすめ
また、冷気は低い位置に溜まる性質があります。特に秋から冬にかけては床に直接置くのは避け、少し高さのある棚に置くことで冷え込みを防ぎます。
夜間に水やりすると土に溜まった水分が朝晩のうちに冷え、根を傷ませることもあるため注意してください。冬場の水やりはできるだけ暖かい時間帯におこないます。
カラテア・オルビフォリアの根腐れが疑われる時の対処法は?
土の表面が7日以上湿っている場合は要注意
土の表面が一週間以上、湿り気を帯びている場合は注意が必要です。
この場合、しばらくは水やりを控えてできるだけ風通しのよい場所に置きます。
天気予報をチェックして最低気温が20度以上ならば、屋外の日陰に置いて様子をみましょう。
すでに株元が腐敗している場合は復活が難しい…
ただし、すでに株元がぶよぶよと柔らかくなり腐敗している場合、残念ながら復活は難しいです。
まだ硬い部分があればカットして水に挿し、発根させて育てるという選択肢も残されています。
カラテア・オルビフォリアの葉が丸まった時の対処方法
空気の乾燥によってカラテアの葉が丸まった場合、まずは霧吹きで株全体に水分を吹きかける「葉水(はみず)」をおこないます。
葉水で空中湿度を高める
葉の表だけでなく裏までまんべんなく保湿しましょう。
その後、ビニール袋で株全体を覆い数時間そのままにしておきます。ひと晩でもok。
空気が乾燥しがちな秋から冬は1日に数回葉水をしてやると美しい葉がキープできます。
加湿器を使うのもよいですが、あくまでメインのお手入れは葉水にするのがおすすめです。
カラテア・オルビフォリアが難しいと言われる理由と美しい姿を保つコツ【まとめ】
今回は、カラテアが難しいと言われがちな3つの理由と、育て方のコツをご紹介しました。
カラテアの美しい姿をキープしつつ育てていく上で避けるべきなのが、「15度以下の寒さ」「空気の乾燥(湿度40%以下だとカラカラ)」「風通しの悪さ」の3つです。
それぞれの解決策をみていくと、
- 15度以下の寒さ⇒温度計を置いてときどきチェック。夜になったら窓から離し、部屋の中心へ移動。
- 空気の乾燥⇒1日に数回、葉水で保湿。特に秋から冬は乾燥に注意。
- 風通しの悪さ⇒窓を閉め切る時期は扇風機やサーキュレーターをフル活用!
という感じですね。ちょっとしたひと手間で、カラテアを長く楽しむことができます。ぜひ、日々のお手入れの参考にしてみてください。
カラテアが難しいと言われがちな3つの理由とその対処法
- 寒さに超弱い⇒12度~15度以下の寒さに当てないこと
- 土が湿り続けると根腐れを起こす⇒基本は土の表面が乾いてから水やりする(15度以下ならさらに間隔を空け乾かし気味に)
- 乾燥で葉が丸まりやすい⇒1日に数回、葉水する習慣をつけよう!
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