光沢のある子葉が可愛くて元気いっぱいのカポック(シェフレラ・ホンコンカポック)。とにかく丈夫で生育旺盛なため、初心者でも失敗しにくいグリーンとして人気です。
そんなカポックですが、先端に出始めている新芽(新しい葉)が枯れてしまう症状にお困りではありませんか?
今回は、カポックの新芽が枯れる原因と対処法をくわしくご紹介しましょう。
カポックの新芽が黒い…新芽が枯れるときの原因と対処法
カポックの新芽が枯れてしまう場合、「根詰まり」「根腐れ」「寒さ」「葉焼け」「害虫被害」など、様々な原因が考えられます。
まずは、鉢内の排水性が保たれているか確認してみましょう。鉢の中が湿りっぱなしになっていると根が傷んで腐り、水分をスムーズに吸い上げられません。
カポックの新芽が枯れるなら、まずは鉢内の水はけが悪くなっていないか確認する
カポックの新芽が枯れる場合、鉢内の水はけが悪くなり根が傷んで、水分がうまく吸収できなくなっており恐れがあります。
たとえば「水のやり過ぎ」や「根詰まり」です。土が乾ききらないうちに、次から次へと水を与えた場合、根が呼吸できずに傷んで腐ります。
また、長い間、植え替えをしてないと鉢の中が根でいっぱいになり、水はけが悪くなることで根が傷みやすくなります。
下写真のように、鉢底から根が出ていたら根詰まりのサインです。
▲生長の早いカポックは根詰まりしやすい
この場合、春~秋の暖かい時期にひとまわり大きめの鉢に植え替えます。
また、鉢底から根が出ていなくても、1~2年以上植え替えていなかったり、土がカチコチに固まっている場合は根詰まりしていないか確認してみましょう。
あわせて読みたい「カポックの葉が垂れる原因は?生長の早いカポックは根詰まりに注意」はこちら
慌てて肥料を与えるのはちょっと待って・・・
元気がないとついつい肥料を与えたくなる方も多いのではないでしょうか?しかし、ちょっと待ってください!
成長が緩慢になっていたり株が弱っていたりする場合、根が水分や養分を吸う力も低下している可能性が高いです。
そのため、この時期に肥料を与えると、逆に根を傷める恐れがあります。活力剤という選択肢もありますが、個人的には冬場や弱っている時期に肥料や活力剤を与えるのはあまりおすすめしません。
肥料と活力剤の違いについてはこちらの記事をご参考にされてください。
▲肥料と活力剤は別物です
さらにくわしく「カポックの葉が落ちる原因と対処法をくわしく解説します」はこちら
次に、寒さや強光に当たっていなかったかを確認する
カポックは観葉植物の中でも寒さに強く、5度程度までは耐えられるといわれます。しかし、本来は暖かい場所を好む熱帯性の植物です。
気温が15度以下になると徐々に生長が鈍ります。また、株が小さかったり弱っていたりすると、寒さに耐えられず新芽を枯らしてそのまま弱ってしまうこともあります。
さらにくわしく「カポックを冬越しさせる3つのポイントとは?【徹底解説】」はこちら
夏場の高温期は直射日光に注意!
また、夏場の高温期は直射日光による葉焼けにも注意が必要です。(下写真)
▲直射日光が当たった場所は茶色く変色している(8月)
特に新芽が色がまだ薄く、強光に耐えられずに葉が焼け焦げたように傷み、そのまま枯れ落ちてしまうこともあります。
夏場の夕方に差し込む強烈な西日には要注意です。
▲うっかり西日に当たって葉が焼けることも多い
あわせて読みたい「カポックの元気がないときの原因と対処法を徹底解説!」はこちら
さらに、害虫がついていないかをくまなくチェック
カポックの新芽が枯れる場合、もうひとつ確認すべきなのが「害虫がついていないか」ということです。
カポックにつきやすいのはカイガラムシやハダニです。これらの害虫がカポックに付くと、吸汁により樹液を吸われ葉が変色します。特に、柔らかい新芽まわりに付きやすい傾向です。
葉がベタベタする場合はカイガラムシが付いている可能性大
カポックの新芽が枯れることの他、葉の表面がベタベタする場合や白い粉のようなものが付着している場合、カイガラムシが付いている恐れがあります。
カポックの場合、葉の表面よりも葉の付け根付近にカイガラムシが潜んでいることが多いです。(下写真)
放置しているとどんどん葉を弱らされます。吸汁により変色した部分は元に戻らないだけでなく、光合成ができなくなります。
また、ベタベタとするのはカイガラムシの排泄物です。これも放置しているとカビの原因になります。
見つけたら早目に取り除いてください。カイガラムシの場合、口針を植物に差し込み足が退化していることが多いです。そのため、ほとんど動きません。
その分、軽く拭っただけでは取れにくいことも。取り除く場合はピンセットやブラシ、綿棒などを使って確実にこそげ落します。
あわせて読みたい「カポックがベタベタする時の原因と対処法とは?」はこちら
気温20度以上なら明るく風通しのよい場所に置く
根詰まり、根腐れ、寒さ、葉焼け、害虫被害。これらの可能性を一つずつ潰していきます。
その上で、20度以上の暖かい時期はできるだけ明るく風通しのよい場所に置きましょう。そうすることで生育がよくなります。
水やりは土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと!ちょこちょこ与えるのは×
十分な日光と風通しを確保することで丈夫な株に育ちます。暖かい時期の水やりは土の表面が乾いたタイミングでたっぷりとが基本です。
根腐れを気にするあまり、ちょこちょこと水を与えるのは×です。「土が乾いている時」と「土が濡れている時」のメリハリが大切なのですね。
土の乾き具合がイマイチ分からないという場合は水やりチェッカーを使うのもおすすめです。使い方は簡単で、スティック状のチェッカーを土に差して置くだけ。
土の乾き具合を色で視覚化してくれるため、水やりの管理が一気に楽になることはもちろん、水のやり忘れややり過ぎによる根腐れを防ぐことができます。
カポックの新芽が黒い…新芽が枯れるときの原因と対処法【まとめ】
今回は、カポックの新芽が枯れる原因と対処法をご紹介しました。
カポックの新芽が枯れる場合、いくつかの原因が考えられます。
今回ご紹介した通り、まずは植物をよく観察してみましょう。現状とこれまでの管理方法を考慮した上で、ひとつひとつの原因を探っていくことが大切です。
▲観察するときは上からだけでなく下から見上げるようにすると害虫や葉の異変に気付きやすい
カポックの新芽が枯れる原因と対処法
- 根詰まり、根腐れなどにより根が傷んでいる可能性➡根詰まりが疑われる場合は春から秋の暖かい時期に植え替え。水やりは土が乾いてからたっぷりと、メリハリをつけて。
- 寒さによりダメージを受けている可能性(秋~冬)➡15度以下になったら水やりを控え目にシフト。土が乾いてさらに3~4日してから常温の水を与える。夜になったら窓から離して冷え込みを防ぐ。
- 直射日光により葉焼けを起こしている可能性(主に夏)➡特に夏場の直射日光には要注意。葉が変色するなら日陰へ移動するか遮光ネットを利用する。
- 害虫被害を受けている可能性➡葉の付け根や枝回りに小さな虫が付いている場合は確実に取り除く。
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