手を広げたような葉っぱが特徴のカポック。室内でも育てやすく、初心者でも育てやすい定番のインテリアグリーンですね。
もし、ご自宅ですでにカポックを育てている場合、今ある株を利用して同じ株を簡単に増やせることをご存じですか?
今回は、カポックを挿し木で増やす方法を写真付きで分かりすく解説します。
カポックの挿し木はどこを切る?
茎に葉の付け根である節目が付いていれば、どこを切っても大丈夫
茎の長さ5cm~7cmくらいをカットします。
葉の付け根である節目があれば、どこを切っても構いません。
ただし、節目は最低でも2つほど茎に残るようにします。
葉と茎をつなぐ「葉柄」だけでは発根しても育たない
カポックを挿し木で増やすためには、節目のある茎が必要です。
カポックを挿し木で増やす際、茎ではなく葉と茎を繋ぐ部分「葉柄」だけでは、発根しても育ちません。
カポックの挿し木はどこを切る?手順を写真付きで解説します!
それではカポックの挿し木手順をみていきましょう。
「挿し木」というと、なんだかハードルが高く感じるかもしれませんが、基本は「切って挿す」だけです。
簡単なので、ご安心ください。
カポックの挿し木 手順①適期は5月~9月頃
カポックの挿し木に適しているのは生長期にあたる春から秋にかけてです。特に6月の梅雨時期は挿し木が失敗しにくいといわれています。
その理由が安定した気温と湿度。また、6月は生長期初期のあたるため、この時期に挿し木することで冬までの間にしっかりと根を張らせられます。
逆に冬場はカポックの生長が緩慢になっているため、挿し木の成功率は低めです。
あわせて読みたい「カポック 枯れる原因3つとは?管理のコツを分かりやすく解説」はこちら
カポックの挿し木 手順②10cm程の葉付きの茎をカットする
カポックの茎を10cm程カットします。葉が3~4枚程ついた茎です。
カポックは生長が早いため、伸びすぎた茎の剪定を兼ねて挿し木するのもおすすめですよ。
カポックの挿し木 手順③先端の葉を2枚程残し、それ以外は取る
次に、カットした茎の葉をあらかじめ減らしておきます。その理由は、葉の蒸散による乾燥を防ぐためです。
植物は葉がある限り光合成をします。光合成により葉から水分が蒸発するため、挿し木にした際に乾燥が原因となり失敗することが考えられます。
葉からの蒸発を抑え、発根を促すためにもあらかじめ葉を減らしておきましょう。大きすぎる葉は半分にカットしても構いません。
※ちなみに、すべての葉をカットしても発根するようですが、筆者の経験上、葉を1枚は残しておく方が失敗しにくいです。ご参考までに。
挿し木の断面は斜めにカットし、できるだけ水を吸い上げるための面積を広くとっておくのがコツです。
カポックの挿し木 手順④2~3時間程、吸水させる(水揚げ)
根っこを失った挿し木は乾燥しやすいです。
そのため、土に挿す前に十分水分を吸収させておきます。この作業を「水揚げ」といいます。
カポックの挿し木 手順⑤茎を土か水に差す
十分に水揚げした挿し木を土に挿しましょう。
水に差して発根を確認してから土に挿してもokです。発根するか不安な場合は水の方が安心かもしれません。
挿し木に適した土の条件3つ
- 清潔である
- 排水性に優れる
- 養分を含まない
例:赤玉土(小粒)、バーミキュライト、鹿沼土(細粒)、市販の挿し木用の土など
カポックの挿し木 手順⑥直射日光を避け、発根を待つ
土や水にさしたカポックは直射日光を避けた風通しの良い半日陰で管理します。
うまくいけば1週間~2週間程で発根するでしょう。
土挿しの場合は発根するまでは土が乾燥し過ぎないよう注意します。
水に差した場合は、なるべく毎日水を取り替えましょう。根が出たのをしっかりと確認できたら、挿し木に適した土とおなじものに植え付けます。
もちろん、そのまま水に挿して楽しむこともできますが、より大きく丈夫に育てたいのであれば土に植え替えるのがおすすめです。
発根したかどうかの確認方法
- 挿し穂に触れて抵抗を感じる
- 新しい葉が展開してきた、など
新しい茎が10cm程伸びたら観葉植物に適した土に定植し、通常の管理に移行しましょう。
ただ、根が張るまでは、直射日光を避けた半日陰で休ませます。
あわせて読みたい「カポック 植え替え方法と管理のコツ3つ!」はこちら
カポックの挿し木【経過記録】
「挿し木の手順は分かったけど、実際、挿し木で増やしたカポックはどんなふうに育っていくの?」
そこで、ここでは挿し木で増やしたカポックの経過を随時更新していきます。上記のような疑問をお持ちの方のご参考になれば幸いです。
カポックの挿し木を実施【2021/9/20】
挿し木スタート。今回は水に挿して発根させてみることにしました。
新芽が出てきたカポックの挿し木【2021/10/5】
よく見ると、小さな葉っぱが出てきました。小さな手のひらを頑張って広げているように見えますね。がんばれ!
根っこの方はどうでしょうか。
白い粒々が出てきました。根っこになりそうな雰囲気ですね。
毎日水を替え、室内の明るい場所で管理を続けます。直射日光には当てていません。
カポックの挿し木をハイドロカルチャーにする【2021/10/11】
10月だというのに30度近い日が続いています。そして、カポックからしっかりとした根が出始めました。
こちらの挿し穂は根はまだ出ていませんが、新しい葉がしっかりとてのひらを広げ始めました(下写真)。
土に植え付けようかこのまま水に挿した状態で生長を楽しもうか迷いましたが、今回はハイドロカルチャーで植えてみることにしました。
使用するのは「木炭」です。もちろん、ハイドロカルチャー用のものですね。
これに植え付けてみようと思います。容器はダイソーで購入したガラス瓶です。
ハイドロカルチャーは虫が湧きにくく室内でも清潔に管理できるのが魅力です。
とはいえ、土に比べると生長が遅め。
直射日光を避けて管理を続けます。まだかろうじて暖かい日が続いているので、もうすこし生長してほしいところですね。
あわせて読みたい「ハイドロカルチャーの植物が枯れる原因は?育て方のコツ3つ」
なんとか冬越しした挿し木で増やしたカポック【2022/2/16】
なんとか厳しい冬を乗り越えられそうです。
挿し木で増やしたカポックは、ハイドロカルチャーに植え付け後も少しずつ生長し、新しい葉が数枚展開しました。
水温の低下によって弱ってしまわないかと不安でしたが、室内管理で暖かい場所に置いていたため、根もしっかりと張っていますね。
こんな感じで根の生長がみられるのもハイドロカルチャーのメリットでしょう。
ただ、今後はできるだけ大きく育てていきたいので、もう少し暖かくなったら土に植え替えようと思います。
挿し木で増やしたカポックを土に植え替え【2022/2/26】
少し早いですが、暖かい日が続いているので思い切って土に植え替えることにしました。
すでに容器内で根っこが行き場を失い始め、新しい葉が変形する根詰まりの症状がでているためです。
とはいえ、植え替えようにも室内が植物だらけで置き場所が無い…。
ということで、すでにあるカポックの鉢の空きスペースに挿し木で発根させたカポックを無理やり植え付けることにしました。
左が鉢植えのカポックで、右が挿し木で増やしたハイドロカルチャーのカポックですね。
まずは、ガラス容器から挿し木で増やしたカポックを取り出しましょう。
秋から冬にかけての3か月ほどでしっかりと根が出ましたね。さすがカポック、強いです!
軽くハイドロカルチャー用土を落したら、鉢植えの空きスペースに植え付けます。
こんな感じですね。かなり無理やりですが、なんとか仲良く育って欲しいと思います。
植え替え完了です。同じ植物なのですんなり馴染んでいますね。
とはいえ、まだまだ気温が低い日も続くため、できるだけ暖かく風通しのよい場所に置いて管理を続けます。
挿し木スタートから約1年が経ちました【2023/9】
春先にハイドロカルチャーから土に移動したカポック。この夏でかなり大きく育ちました。
挿し木の部分だけだとこんな感じ。かなり生育旺盛です。
こんな感じで初心者でも簡単に挑戦できるのがカポックの挿し木。ぜひ挑戦してみてね。
カポックの挿し木はどこを切る?写真付きで解説【まとめ】
今回は、カポックを挿し木で増やす方法をくわしくご紹介しました。
暑さにも寒さにも比較的強く、室内でも旺盛に育つカポックは育て甲斐のある植物です。
ただ、「あまりにも大きく育ちすぎて、倒れてきてしまった…」ということも多いのではないでしょうか。
そんなときは、伸びすぎた部分をカットし、挿し木で増やしてみるのも楽しいですよ。
今回の記事をご参考に、ぜひ、カポックを挿し木で増やしてみてくださいね。
カポックを挿し木で増やす方法【手順】
- 適期は5月~9月頃
- 葉付きの茎を10cm程切る
- 先端のはを2枚程残してそれ以外を取り除く
- 2~3時間程水を吸わせる
- 土か水に差して発根をまつ
- 直射日光をさけた風通しの良い半日陰で管理
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