生育旺盛なカポックの枝は、切って水に差しておくだけで簡単に発根させることができます。
涼し気な水差しはインテリアにぴったり。
とはいえ、カポックの水差しがなかなかうまくいかずにお悩みではありませんか?
今回は、カポックを水差しで発根させる方法を画像付きで分かりやすく解説します。
切る場所が分からない、水に差しても根が出ない…という方は、ぜひ参考にされてくださいね。
カポックを水差しで発根させる場合、切る場所はどこ?
カポックを水差しで発根させるためには、節のついた茎が必要です。葉柄※を切っても発根しません。
※葉柄(ようへい)とは、葉と茎を繋ぐ部分のことです。
葉の付け根の付いた茎であれば切る場所はどこでもok
葉の付いた茎を5cm~7cmほどカットして水に差しておけば、2週間~1ヵ月ほどで根が出てきます。
ただ、寒い時期は根が出にくいです。
春先、伸びすぎたカポックの枝を剪定したついでに、水差しで発根させると失敗が少なく済みます。
頂点の葉を1~2枚ほど残し、下葉は取っておく
カットしたカポックの茎は、頂点の新しい葉っぱのみを1枚ほど残し、水に差す部分の葉は取っておきます。
葉が多すぎると蒸散によって水分が出て行ってしまうため、根が出る前に茎が傷んでしまうのを防いでおきます。
カポックを水差しで発根させる方法【手順】
では、さっそくカポックを水差しで育ててみましょう。用意するのはカポックの鉢植えと水を入れる容器だけです。
適期は4月~9月
カポックを水差しで発根させるのに適しているのは、4月~9月頃の暖かい時期です。
冬でも伸びすぎた茎を水差しで楽しめますが、株への負担を抑えて、かつ発根しやすいのは生長期である4月~9月頃です。
伸びすぎた葉付きの茎を5~7cm程切る
既存のカポックから伸びすぎている茎を剪定ついでにカットしましょう。
太くしっかりとした茎の方が発根しやすいです。
茎の断面は斜めにカットすることで、より多くの水分を吸い上げられます。
余分な葉を切り落とす
水に差す前に、余分な葉を切り落としておきましょう。
頂点の葉を2枚程残し、茎の下半分程度の葉は落としておきます。
事前に葉を減らす理由は、蒸散による茎の乾燥を防いでより発根しやすくするためです。
植物は葉がある限り、光合成によって葉から水分を蒸発させるため、大きすぎる葉は面積を減らしておきます。
※すべての葉をカットしても発根するようですが、あくまで筆者の経験上では1枚でも葉を残しておいた方が発根しやすかったです。
水を入れた容器に差す
いよいよ水差しにします。透明の容器だと発根の様子が観察できるためおすすめです。
直射日光を避けた明るい場所に置いて管理します。
直射日光に当てると水温が上昇し、茎が傷んでしまうため注意しましょう。
5日に1回ほど水を替える
腐敗を防ぐためにも、水はときどき替えます。
うまくいけば14日~1ヵ月ほどで白い根っこが出てきます。(下写真)
茎に白いポツポツが現れ始めたら発根の予兆です。気長に発根を待ちましょう。
毎朝の観察も楽しみになりますよ。
カポックの水差し、根が出ないときの対処法は?
手順通り水差しにしてみたものの、1か月以上経っても発根しない…
そんな時は、以下の方法を試してみてください。
気温が足りているか確認
手順通りに作業しても、肝心の気温が足りていないとなかなか根が出ないものです。
カポックの根を出すためには、最低でも15度くらいは必要です。
気温が足りない場合は暖かくなるまで気長に待ちます。
切り口が腐っているなら切り戻して更新
なかなか根が出ない状態で、茎の切り口がぶよぶよと腐っているなら、切り戻して切り口を更新しましょう。
腐敗を放っておくとそのまま傷んでしまうだけです。切り口を更新すれば、根が出るかもしれません。
メネデールを使ってみる
なかなか根が出ないなら発根促進剤を使ってみるのもおすすめです。
水差しの場合は「メネデール」が便利。
メネデールを使うことで、根が出るのをサポートしてくれます。
メネデールは活力剤なので、他の観葉植物の栄養補給として使うことも可能です。
水差しで発根させたカポックはハイドロカルチャーにしてもおしゃれ!
水差しで発根させたカポックの茎は、ハイドロカルチャーにしても涼し気でおしゃれです。
ハイドロカルチャーは水耕栽培のことで、人口の土を使って植物を育てる方法です。
主なハイドロカルチャー用土は、実際は「土」ではなく人口の「石」になります。
粘土を高温で焼き上げた石を「ハイドロコーン」や「ハイドロボール」とよびます。
この石は多孔質で、無数の穴に空気や水分を蓄えられるため植物の生長を助けてくれます。
ハイドロカルチャー用土にはこれらのハイドロボールやハイドロコーン以外にも、ジェルタイプや炭タイプ、カラーサンドなどさまざまです。
「植物は育てたいけど虫が苦手…」「室内でできるだけ清潔に植物を育てたい」「見た目もおしゃれな育て方がいい」
このような方にはハイドロカルチャーもおすすめです。
ハイドロカルチャーに植え付けて約半年経過したカポック
ハイドロカルチャーに植え付けて約半年経過したカポックです。(上写真)
新しい葉が展開して樹形が整いましたね。
ハイドロカルチャーは基本的に容器に穴が無いため、内部の汚れを取り除くためにも半年に1回程度の植え替え(入れ替え)が必要になります。
時期的にちょうどいい季節であれば(暖かい時期)、より大きく生長させるためにこのタイミングで土へ植え替えるのもおすすめですよ。
カポックを水差しで育てるメリット、デメリットは?
次に、カポックを水差しで育てるメリットとデメリットです。
「カポックをより大きく丈夫に、長年にわたり長く育てていきたい」という場合、土を使用した栽培方法がおすすめになります。
カポックを水差しで育てるメリット
- 土を使用しないため、室内でも虫が湧きにくく清潔に植物を管理できる
- 見た目が涼し気でインテリア性が高い
- 透明の容器を使用した場合、根の生長を楽しめる
カポックを水差しで育てるデメリット
- 土に比べるとどうしても生長の勢いが劣る
- 植物を大きく丈夫に育てたい場合にはあまり向かない
- 3日に1回は水を替える必要がある
カポックを水差しで発根させる方法!切る場所や根が出ない時の対処法【まとめ】
今回はカポックを水差しで育てる方法をご紹介しました。
生育が旺盛なカポックは、伸びすぎた茎にお困りの方も多いかもしれません。そんなときは、水差しやハイドロカルチャーに挑戦してみるのもおすすめです。
土を使うとどうしてもコバエやカビの心配があります。水差しであれば、その心配はほとんどいりません。
清潔に植物を楽しみたい方はぜひ、カポックを水差しで育ててみてください。
カポックを水差しで育てる方法【手順】
①適期は4月~9月【最高気温が約20度以上の時期が発根しやすい】
②葉の付いた茎を約10cmカット
③発根しやすくなるよう葉数を減らす
④水を入れた容器に茎を挿す
⑤直射日光を避けて発根を待つ(水は基本、毎日替えよう!)