丈夫で育てやすく、園芸初心者でも簡単に育てられるといわれるカポックですが、
- 何となく元気がない…
- 葉が変形する…
などといった様子にお悩みではありませんか?
原因によってはそのまま放っておくとどんどん弱って、最悪の場合は枯れてしまうこともあります。
「元気がない」とひとことで言ってもその症状はさまざまです。
今回は、カポックの元気がないときによく見られる症状別で、考えられる原因とそれぞれの対処法を紹介します。
カポックの元気がないときによくある症状①葉が変形する
カポックの葉が変形したり、茶色っぽく変色したりする場合、考えられる原因は「根腐れ」や「葉焼け」「根詰まり」などです。
特に、クリーム色の斑入り品種のカポックは夏場の直射日光(西日も含む)で葉焼けを起こしやすいです。
また、「茶色くなる」といっても、下写真のように葉の裏面に茶色の斑点が現れることもあります。
この場合、やはり疑われるのは根詰まりです。
カポックはメジャーな観葉植物の中でも特に生長が早く、その分根詰まりもしやすいです。
春先に植え替えても秋を迎える頃には根詰まりしてしまった、ということもカポックの場合は珍しくありません。
また、根詰まりが原因の場合は新しい葉がうまく開かなかったり、変形したりもします。
カポックの葉が変形する場合の原因と対処法
・30度以上の高温期や室内からいきなり屋外の日向に出した場合 ⇒直射日光による葉焼けが疑われる。葉焼けした箇所は元通りにはできない。置き場所を見直すか、少しずつ日光に慣らす。または、遮光ネットを活用して葉焼けを防ぐ。 ・根詰まりによって葉が変形、茶色の斑点が出る場合 ⇒春から秋の暖かい時期にひとまわり大きめの鉢に植え替える。目安は今の鉢よりも直径プラス3cmほどの鉢。
カポックの元気がないときによくある症状②葉がポロっと取れる
カポックの葉がパラパラと取れるときに考えられる主な原因は、「根詰まり」「根腐れ」などです。
特に、カポックは生長が非常に早く、2年以上植え替えていないという場合は根詰まりを起こしている可能性が高いです。
鉢底から根がはみ出ていないか確認してみましょう。
鉢穴から根がはみ出ていたり、植え替えから2年以上経過している場合は根詰まりしていることが多いです。
根詰まりは鉢の中が根でいっぱいになるトラブルのことです。
根詰まり状態を放置することで、根がスムーズに水分や養分を吸い上げられずに生育に影響を及ぼすことがあります。
また、根詰まりした状態は水はけが悪くなっています。そのため、根詰まりを放置することでそのまま根腐れを招くこともあるのです。
根腐れに発展してからでは復活させるのが難しくなってしまうため、根詰まりに気付いたらできるだけ早めにひとまわり大きめの鉢に植え替えるのが望ましいでしょう。
カポックの植え替え適期は春から秋の暖かい時期です。冬場の植え替えは株を弱らせる原因となるためできるだけ避けます。
カポックが落葉して元気がないときの主な原因と対処法
・根詰まりによって水分や養分がスムーズに吸い上げられていない ⇒春から秋の暖かい時期にひとまわり大きめの鉢に植え替える ・根腐れに発展している ⇒できるだけ風通しのよい場所(半日陰)に置いて様子をみる、肥料は与えない ・5度以下の寒さによるダメージ ⇒寒さがしのげる明るい場所に移動する
カポックの元気がないときによくある症状③色が薄い、黄色っぽい
上写真のように、カポックの葉の色が薄い場合は黄色っぽくなっている場合に考えられる主な原因は名詰まりや害虫などです。
特に、根詰まりによって株がスムーズに養分を吸収できなくなると、下葉(株の下の方の葉)が黄色っぽく変色してくることが多いです。
下写真は根詰まりしたカポックの鉢底です。鉢穴から行き場を失った根が苦しそうに伸びています。
これくらい根詰まりすると、下葉が変色してくるだけでなく、上の方の新しい葉が変形したりしてきれいに開かなかったりといった症状が出始めます。
また、全体的に緑色が薄くなる場合は寒さが影響していることが多いです。下写真は、冬場に屋外に置きっぱなしにされたカポックです。
全体的に緑が薄くなって黄緑色になっていますね。
寒さや日光が不足することで、光合成のはたらきが弱まると葉緑素を維持することが難しくなり、その結果、葉の色が薄く見えるといわれています。
関東より以西では屋外に出しっぱなしにされているカポックをよく見かけます。
カポックの色が薄い、黄色っぽくて元気がないときの主な原因と対処法
・根詰まりによるもの ⇒「鉢底から根が出ている」「水やり後、水分がなかなか土に浸み込んでいない」「2年以上植え替えないまま」などという場合、春から秋の暖かい時期に植え替えを検討する ・寒さによるもの ⇒屋外管理が基本となっている充実した株は5度~0度程度なら冬越しできる場合が多い。とはいえ、小さな株や植え替えて間もない株などは室内の暖かい場所に置いた方がよい。 ・害虫によるもの ⇒葉の色がまばらに変色している場合、害虫が付いていないかも確認しておく。吸汁によって株を枯らされてしまう前に、見つけたら早目に取り除き駆除する。
カポックの元気がないときによくある症状④間延びして弱々しい
カポックが間延びして弱々しい姿になっている場合、日光不足による「徒長(とちょう)」が考えられます。
徒長すると見た目が弱々しくなるだけでなく、ちょっとした環境の変化やストレスでダメージを受けやすくもなります。
カポックが間延びして弱々しく元気がないときの原因と対処法
・日光不足 ⇒日当たりの良い場所に少しずつ移動する。いきなり直射日光を当てると葉焼けを起こして葉が傷んでしまう恐れがあるため、数日かけながら少しずつ場所を移動させ日光に慣らせていくのが望ましい。 ただ、すでに間延びした部分は元に戻せない。その場合は切り戻して挿し木にするのもよい。
カポックの元気がないときによくある症状⑤ベタベタする
カポックの葉や茎がベタベタしたり、鉢の周りがベタベタとする場合、単純に汚れが付着した場合以外だとカイガラムシが付いている可能性があります。
下写真はカイガラムシがついた観葉植物の葉です。
一見、ただの葉の汚れのように見えますね。しかし、よく見るとカイガラムシがついています。
カイガラムシが付いた葉はカイガラムシの排泄物によりべとつきます。
カイガラムシは葉の樹液を吸い排泄物として排出するため、当分を含んだ排泄物はべとつくのですね。
葉がべとつく時の対処法
カイガラムシが付いている場合は吸汁によって株を弱らせられるため、被害を最小限に抑えるためには早目の駆除が必要です。
害虫被害がどうか判断つかない場合は、まず拭き取ることです。
拭き取って数日後、またべとつくようであれば、カイガラムシが潜んでいる可能性が高いです。
カポックの元気がない、葉が変形する時の原因と対処法【まとめ】
今回は、カポックの元気がない時の主な原因と対処法を症状別でくわしくご紹介しました。
カポックの元気がない場合、まずは株の様子をよく観察しましょう。一番に確認して欲しいのが「根詰まりしていないか」ということです。
まずは鉢底を覗いて根がはみ出ていないか見てみましょう。
その後、これまでの管理方法を思い出しながら、
- 水をやり過ぎていなかったか(土が乾ききらないうちの水やり)
- 5度以下の寒さにあたっていなかったか
- 害虫がついていないか
などの原因を探り、そのうえで適切な対処法を試してみてください。
カポックの元気がないときの原因と対処法
・葉が取れる、落葉する
⇒根詰まりや寒さ、水のやり過ぎによる根腐れ、害虫による被害など。株の観察だけでなく管理方法を思い出して原因を探る。
まずは根詰まりしていないかの確認から。根詰まりが疑われる場合は暖かい時期に植え替え。できるだけ風通しのよい明るい場所に置く。5度以下の寒さは避ける。また、落ちた葉が変色している場合は害虫が付いていないか、葉の裏面や付け根、茎などをくまなくチェック。
・色が薄い、黄色っぽい
⇒根詰まりや寒さが疑われる。根詰まりしている場合は春から秋の暖かい時期に植え替え。生育期は肥料を与えてみるのもよい。
ただし、根詰まりした状態で肥料を与えると根を傷めて根腐れを引き起こすことがあるため、まずは根詰まりを解消させることを優先する。
・枝ばかりが間延びして弱々しい
⇒日光不足が疑われる。特に春から秋の暖かい時期に室内置きっぱなしだと徒長しやすい。できるだけ日当たりの良い場所に置く。移動する場合は数日かけ少しずつ日光に慣らすことで葉焼けを防ぐ。
ただし、真夏は葉焼けリスクが高まるため半日陰が無難。
・ベタベタしている
⇒カイガラムシが付いている可能性あり。見つけたら早目に駆除する。
・葉が変形する
⇒葉焼けや根詰まり、根腐れが疑われる。葉焼けの場合は、置き場所の見直し。根詰まりの場合は植え替えを検討。