「観葉植物をなぜか毎回のように枯らしてしまう…」
「まめにお手入れしているはずなのに、なぜ…?」
観葉植物を枯らせたことがある方の中には、上記のような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
そして、観葉植物が枯れる明確な原因が見つからないと、「観葉植物が枯れるのは悪い気を吸ってくれているからだ=身代わりになってくれた!」という答えにたどり着くかもしれません。
もちろん、「身代わりになって枯れてくれたんだ…」と思うことで罪悪感からも解放され楽でしょう。また、見えないものは確かめる術もなく妙に納得してしまいがちです。
しかし、原因が分からないまま放置していては、同じ失敗を何度も繰り返してしまいます。
そこで今回は、
「今後も観葉植物を室内に置いて楽しみたい、でも、できればもう枯らしたくない(身代わりになってほしくない)な…。」という方に向け、
観葉植物が枯れる人がしがちな5つの習慣と長持ちさせるコツをご紹介します。
観葉植物が枯れるのは身代わりになって負のパワーを吸ってくれたから?
結論:分からない!
まずはじめに、観葉植物が枯れるのは身代わりになって悪い気を吸ってくれたからかどうかは筆者には分かりません。
もしかしたら本当に悪い気を吸ってくれているかもしれません。植物は底知れぬパワーを持っています。
とはいえ、「どうせまた自分が発する負のオーラで観葉植物が身代わりになって枯れそうだし、自分には植物を育てるのは無理なのかな…」と思ってしまうのはもったいないです。
なぜなら、筆者もこれまで数えきれないほどの観葉植物を枯らしてきたから。でも、原因を探って試行錯誤すれば、確実に枯らしにくくなってきます。
なにより、観葉植物があることで室内はぱっと明るくおしゃれな空間になりますよ。もちろん、育てる楽しみも得られます。
▲室内にグリーンを取り入れることでリラックス効果、リフレッシュ効果、集中力の向上などが期待できる
少なくとも筆者がこれまで枯らしてしまった観葉植物たちは、枯死に至るさまざまな原因があった
ただ、筆者がこれまで枯らしてしまった観葉植物たちの場合、思い当たる原因が沢山ありました。
そして、思い当たる原因を突き止めそれらを改善することで、以前よりも観葉植物を長く育てられるようになったのです。
今回はその経験を踏まえて、「観葉植物を枯らしがちな人がしがちな5つの習慣」と「観葉植物を長持ちさせるコツ」をご紹介します。
▲身代わり?そんなの信じない。私は私のボタニカルライフを諦めない。日々試行錯誤。私は私の道をゆくのみ
「観葉植物が枯れるのは悪い気を吸って身代わりになってくれたからか?」が引き続き気になる方は、もう一度ググって他の記事をご参考にされてください。(ゴメンナサイ。)
観葉植物を枯らす人がしがちな5つの習慣とは?
観葉植物を枯らしがちな人の習慣には共通点があります。ここからは、観葉植物を枯らしがちな人がとりがちな5つの習慣と、それらを克服するためのコツをご紹介します。
観葉植物を枯らす人がしがちな習慣①こまめな水やり
観葉植物を大切に思うあまりこまめな水やりをしていませんか?
土が乾かないうちに次から次へと水やりし続けていると、鉢内が常に湿った状態となります。
その結果、根が呼吸できずに傷んで腐ってしまうのです。これを「根腐れ」といいます。
▲一週間以上、土が湿っていたら要注意…
一旦、腐敗した根は元に戻せません。また、根腐れに発展するとそのほとんどがそのまま枯れてしまいます。
観葉植物の水やりの基本は「土が乾いてからたっぷりと」です。ただし、冬場は土が乾いてさらに3日ほどしてからの水やりが必要になります。
克服のコツは「水やりチェッカーを使ってみる」こと
土が乾いたかどうかの確認方法は、「鉢を持ち上げて軽い(普段から水やり後の鉢の重さを把握しておくと◎)」「土に指を3cmほど差し込んで水気を感じない」などです。
とはいえ、いちいち土の乾き具合を確認するのはなかなか手間ですね。また、感覚頼りの確認方法では確実性も低いです。
そんなときは水やりチェッカーを使うのがおすすめ。(下写真)
使い方は簡単でスティック状のチェッカーを土に差すのみ。
土の乾き具合を色で知ることができるため、管理が楽になることはもちろん、水のやり過ぎによる「根腐れ」や水のやり忘れによる「枯死」を防ぐことも出来ます。
「これだけは枯らしたくない…!」というお気に入りのひと鉢に使うのもいいよね。
観葉植物を枯らす人がしがちな習慣②日光浴という名の炙り焼き
「いつも室内に置いたままで可哀そう…そうだ、今日は天気もいいし、ベランダで日光浴させよう!」
この思い付きが、観葉植物を逆に傷める原因になることも多いです。その理由は「植物はとにかく急激な環境の変化に弱い」から。
特に、多くの観葉植物の場合、もともとが直射日光ではなく、熱帯雨林の木陰のような場所を自生地としています。そのため、直射日光が苦手なものが多いのです。
その代表がサトイモ科の観葉植物。ポトスやモンステラ、スパティフィラム、クワズイモなどがサトイモ科の観葉植物です。
▲屋外の直射日光に当てて焼け焦げたポトスの葉…
上写真のように強光により葉が焼け焦げるトラブルを「葉焼け」といいます。葉焼けした部分は元に戻せません。
また、葉焼けした部分は光合成ができなくなります。つまり、葉焼け面積が増えることで、観賞価値を下げるだけでなく、植物自体をも弱らせ枯らす原因にもなりうるのです。
克服のコツは「その植物が好む日当たりを再確認する」こと
とはいえ、直射日光に強い観葉植物もあります。その代表が、サンスベリアやガジュマルなどです。
▲日光が大好きなサンスベリア
これらの観葉植物は、日光不足が続くことでひょろひょろと間延びしやすいのが特徴です。
▲日光不足によってひょろひょろに伸びたサンスベリア
まずは今育てている観葉植物の名前を確認し、その植物が好む日当たりを把握することが必要でしょう。
今育てている観葉植物の名前が分からない場合は「Picture This」というスマホアプリがおすすめだよ。写真を撮るだけで植物名を識別してくれる便利アプリ。的中率高め。基本は無料で使えるよ。(一部有料)
観葉植物を枯らす人がしがちな習慣③真冬も窓際に置き続ける
観葉植物といえども、本来は自然界に存在するものです。そのため、薄暗い場所に置き続けていると徐々に弱ってしまいます。
屋外であれば半日陰、室内であれば南向きの窓際がベストです。ただし、注意したいのが冬場の窓際です。
冬の窓際は、朝晩に想像以上に冷え込みます。そのまま置きっぱなしにしていると根が冷えて弱ってしまうことも多いのです。
熱帯地方が主な原産地である多くの観葉植物は寒さを苦手とします。生育適温は20度以上のものがほとんどです。15度以下になると生長が緩慢になります。
そのため、冬の窓際は暖かな場所を好む観葉植物たちにとって非常に大きなストレスとなるのです。最悪、そのまま弱って枯れてしまいます。
克服のコツは「夜になったら窓から最低1~2m離す」こと
天気予報をチェックし、最低気温が15度以下になったら室内であっても夜間の冷え込みに気を付けましょう。
観葉植物を窓際に置いている場合、夜になったら窓から最低でも1~2mは離します。できればお部屋の中心まで移動しておくと安心ですね。
鉢が大きすぎて移動が難しいという場合は、下写真のようなキャスター付きの鉢スタンドがあると便利です。
正直、なかなか面倒くさい…。でも、このひと手間が、観葉植物を冬の寒さから守ってくれる。
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観葉植物を枯らす人がしがちな習慣④弱ったらアンプル剤を挿す
「観葉植物が何となく元気がない…。そうだ、あれ買って挿そう!」
このように思い立ち、下写真のような緑色のアンプル剤を土に差して安心していませんか?
このようなアンプル剤は多くが肥料ではなく活力剤です。そして、肥料と活力剤は似て非なるもの。
肥料が主食なら、活力剤はサプリメント的存在といえます。そして、これらの養分は観葉植物が元気な時に与えるのが基本です。
観葉植物の元気がない時は、根も弱っている場合がほとんどです。そんな時に、吸いきれない程の養分を与えると、逆に根が傷んでしまう恐れがあります。
特に肥料は観葉植物が弱っている時に与えるのは避けた方が無難です。
※注意:中にはアンプル容器に入った肥料もあります。使用前によくご確認ください。また、活力剤は「植物が弱っている時も使ってok!」という考え方もあります。ご参考まで。
克服のコツは「弱ったら原因を探って対処する」こと
▲まずはググってみよう!
観葉植物に何となく元気がない場合、まずは原因を探ってみましょう。秋から冬にかけての時期は、基本的に元気が無くなります。
それは、観葉植物の多くが暖かい場所を好むからです。人は温度に合わせて長袖や長ズボンに着替えることができますが、植物は丸裸です。
観葉植物は自分で暖かい場所へ避難することもできません。与えられた場所でじっと耐えるしかないのですね。そして、限界がくると枯れます。
まずは温度計を置いて、ときどきチェックする習慣をつけましょう。昼間は暖かくても、暖房を消した後の室内は想像以上に冷え込むものです。
下表はあくまで目安。でも、参考にしてみてね。特に冬は空気の乾燥で葉が傷みやすいよ。暖かい時間に霧吹きで水を吹きかける「葉水(はみず)」を忘れずに。
温度 | 湿度 | |
人が快適と感じる環境の目安 | 18度~27度程度 | 40%~60% |
観葉植物が好む環境の目安 | 20度~ | 70%~ |
観葉植物を枯らす人がしがちな習慣⑤難易度の高い植物をチョイス
観葉植物を枯らしがちな人に多いのが「いきなり難易度高めの観葉植物をチョイス」しているということです。
▲煌めく葉が美しいジュエルオーキッドは難易度が高め…
まずは、寒さ暑さともに強く枯れにくい観葉植物を選びましょう。同じ観葉植物であっても、品種によっても難易度が異なります。
たとえば白い模様の入った斑入り種です。緑色の部分が少ない植物は一度弱ってしまうと回復が難しい傾向にあります。
▲ベンジャミン「スターライト」。斑入り種はなかなか繊細。でも美しい。
克服のコツは「丈夫で枯れにくい植物を選ぶ」こと
観葉植物を枯らしがちな人におすすめなのが、「最初から丈夫で枯れにくいものを選ぶ」ということです。筆者のイチ押しはモンステラ。(下写真)
エキゾチックな見た目で「育てるのが難しそう…」と感じる方も多いでしょう。しかし、実はとても丈夫で育てやすいのです。
寒さにもなかなか強く、水も比較的に好むため、少しくらい水をやり過ぎてもしまってもグッと耐えてくれますよ。
モンステラは「ザ・観葉植物」という感じで存在感のある見た目。慣れてきたら斑入り種に挑戦してみてもいいかも。カッコいい!
まとめ
今回は、「観葉植物が枯れるのは人間の身代わりとなって悪い気を吸ってくれているからなのか?」についてと、「観葉植物を枯らす人がしがちな5つの習慣」についてご紹介しました。
観葉植物が枯れた場合、まずは原因を探ってみましょう。置き場所や水やり方法に問題はなかったか?
寒い時期に植え替えたりしなかったか?根詰まりを放置していなかったか?など。
ただ、いくら考えても枯れた原因が分からないという場合、最終的には「きっと自分の身代わりとなって悪い気を吸ってくれたんだ…」という考えに着地するのもよいかもしれません。
癒しを求めて観葉植物を迎え入れたのに、最終的に枯れたことによって大きなストレスを感じてしまっては苦しみだけが残ってしまいます…。
今回の記事をご参考に、試行錯誤しつつ楽しみながら観葉植物をお手入れしてみてくださいね。
▲枯れても凹まないで。同じ植物でも弱い個体だったのかもしれない。それに、もともと弱っていたのかもしれない。のんびり楽しもう。
観葉植物が枯れるのは人間の身代わりとなって悪い気を吸ってくれているからなのか?
- 結論、筆者には分からない。もしかしたら、身代わりになってくれてるのかもしれない。そうだとしたら、これまで枯れていった植物たちに謝りたい。
- ただ、観葉植物が枯れる原因は身代わり以外にも沢山の理由が存在し、それらを改善することで、観葉植物を長生きさせられるようになることは確かである。
観葉植物を枯らす人がしがちな5つの習慣とは?
- こまめな水やり
- 日光浴という名の炙り焼き
- 真冬も窓際に置き続ける
- 弱ったらアンプル剤を挿す
- 難易度の高い植物をチョイス