虫が湧きにくく室内でも清潔に観葉植物を育てられると人気のハイドロカルチャー。
見た目も涼し気でおしゃれなハイドロカルチャーは、インテリアとしても高い人気を誇ります。
そんなハイドロカルチャーですが、肝心の植物の元気がない様子にお困りではありませんか?
そこで今回は、ハイドロカルチャーで育てている観葉植物の元気がない主な原因と、ハイドロカルチャーで観葉植物を育てる際のコツを解説します。
ハイドロカルチャーには限界がある?元気がない理由と管理のコツ
まずはじめに、ハイドロカルチャーで観葉植物を育てる場合、土での栽培に比べるとどうしても生長に限界があります。
「丈夫に育ててどんどん大きくしたい」「挿し木や株分けで増やしたい」
このような方には、ハイドロカルチャーでの栽培をあまりおすすめできません。
「今のままコンパクトな姿で、とにかく清潔に観葉植物を楽しみたい」
このような方に適しているのがハイドロカルチャーです。
ハイドロカルチャーの元気がない理由①根腐れ
「水位が底をつかないうちに水を足していた」
「容器の半分以上まで水を足している」
「購入して一年以上経過した」
「根腐れ防止剤(ゼオライトやミリオンA)を使用していない」
上記のような場合に考えられるのが根腐れです。
▲根が黒く傷んでいたら根腐れを起こしていることが多い
ハイドロカルチャーで植物を育てる場合、容器内に水を張って栽培します。しかし、根全体が水に浸かった状態が続くと、根が呼吸できずに腐ってしまうことも。
また、根腐れ防止剤を使用していない場合は、容器内に汚れが蓄積することで根腐れを招いている恐れもあります。
そして、根腐れ防止剤を使用している場合でも、一年程度で内部の洗浄・交換が必要になります。
▲容器の底に入れた根腐れ防止剤「ゼオライト」
※ミリオンAは不純物を吸着して水を清潔に保つ。ハイドロカルチャーや水耕栽培に使用することで植え替えや水替えの回数を減らせる。
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水位が底をついてから容器の約1/5まで水を足す
▲水やりの基本は水位が底をついてから
ハイドロカルチャーの場合、水やりは水位が底をついてから容器の約1/5まで水を足すだけです。
水位が底をつかなうちに次から次へと水を足していると、根腐れを招く原因となります。
また、冬場は生長が緩慢になるため、水位が底をついてさらに2~3日してからの水やりします。
水を足すタイミング【目安】 | 肥料【目安】 | |
春から秋 | 水位が底をついたら容器の約1/5まで水を足す | 14日に1回程度、ハイドロカルチャー専用肥料を与える。または、イオン交換樹脂栄養剤を撒いて水で落とし込む(3か月に1回でok)。 |
冬(15度以下) | 水位が底をついてさらに2~3日したら容器の約1/5まで水を足す | 肥料は基本的に不要 |
※イオン交換樹脂栄養剤は園芸店やホームセンター、ネットで購入できます。栄養剤と根腐れ防止剤の2役を担ってくれる資材で、効果は約3か月。直径4.5cmの容器なら1/3袋を撒いて水で落とし込むだけ。
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ハイドロカルチャーの元気がない理由②直射日光
ハイドロカルチャーは直射日光を当てると内部の水温が上昇し、根が傷んでしまうこともあります。
また、冬場は急激な水温の低下に注意が必要です。
理想的な水温は15度~25度程度
▲窓際に置く場合はレースカーテンを使用して直射日光を避けると安心(特に夏)
ハイドロカルチャーの理想的な水温は15度~25度程度です。
夏場は直射日光による水温上昇、冬場は朝晩の冷え込みによる水温低下に気を付けます。
春から秋 | 直射日光を避けた室内の明るい場所 | 直射日光が当たる場合はレースカーテンで調節する |
冬(15度以下) | 室内のできるだけ明るい場所 | 夜になったら窓からできるだけ離し寒さに備える |
※日当たりのよい風通しの悪い場所に置いていると容器内に藻が生えやすい。つまり、室内管理が中心のハイドロカルチャーの場合、どうしても容器内に藻が生えやすい。半年から1年に1度の洗浄・交換時に洗う。
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ハイドロカルチャーの元気がない理由③植物が水耕栽培に向いていない
そして、失敗を防ぐ一番の方法が「ハイドロカルチャーでも育てやすい植物を選ぶ」ということです。
たくさんの日光を必要とする植物は、そもそも室内管理が中心となるハイドロカルチャーに向いていません。
光線不足になるからと言って、ハイドロカルチャーを直射日光に当てると水温上昇によって根が傷み、根腐れを招きます。
ハイドロカルチャーに適しているのは半日陰を好む植物
▲多肉植物は乾燥と日光を好むためハイドロカルチャーでの管理は難しい
「直射日光を避けた室内の明るい場所で水を張って栽培する」
この条件にできるだけ合う植物をチョイスすることで失敗の可能性を少なくすることができます。
観葉植物であればだいたいが半日陰を好むため、ハイドロカルチャーに適しているといえます。
ただ、その中でも個人的におすすめなのがサトイモ科の観葉植物です。
▲シンゴニウム【サトイモ科の観葉植物】
ポトスやシンゴニウム、アンスリウムやフィロデンドロンなどのサトイモ科の観葉植物は、半日陰を好む上、比較的水を好む性質を持ちます。
そのため、サトイモ科の観葉植物はハイドロカルチャーでの管理が非常にしやすいです。特に、管理に慣れないうちはどうしても水を与えすぎてしまうことが多いでしょう。
そのような場合でも、比較的水を好むサトイモ科の観葉植物であれば失敗を防ぐことができます。
特に斑入り種は強光を嫌う上、生長がゆっくりなのでハイドロカルチャーにおすすめですよ。(下写真)
▲斑入りポトス(マーブルクイーン)
ハイドロカルチャーには限界がある?元気がない理由と管理のコツ【まとめ】
▲水位が見えないカラーサンドはハイドロカルチャーの中でも管理が特に難しい
今回は、ハイドロカルチャーの元気がない時に考えられる主な原因と管理のコツをご紹介しました。
容器の底に白い資材が入っておらず、ハイドロボールやその他のハイドロ用土のみで植物が植えられている場合、根腐れ防止剤が入っていないことが多いです。(下写真)
▲根腐れ防止剤を入れていないもの
▲根腐れ防止剤を入れているもの
あくまで個人的な実験の結果ですが、「根腐れ防止剤を入れた物」と「根腐れ防止剤入れていない物(ハイドロボールのみ)」で育ててみたところ、
根腐れ防止剤を入れていない方は半年を過ぎたあたりで根腐れの症状が出始めました。
新しく植え替える際には事前に根腐れ防止剤を入れることがおすすめです。
▲ダイソーの根腐れ防止ゼオライト500g(100円)
そして、根腐れ防止剤を入れ忘れた場合は「イオン交換樹脂栄養剤」を撒いて、水で落とし込むことで根腐れ防止剤効果が期待できます。
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ハイドロカルチャーの元気がない主な原因
- 根腐れ⇒水の足しすぎ、根腐れ防止剤を使っていない、植え込みから半年以上経過している等。
- 直射日光⇒水温が上昇することによる根へのダメージ。葉焼けも懸念される。冬場は水温の低下に注意。
- 光線不足⇒日光を多く必要とする植物はハイドロカルチャーにあまり向いていない。枯れずとも徒長して徐々に弱りやすい。
ハイドロカルチャーで観葉植物を育てるコツ
- 根腐れ防止剤を使うこと
- 水温の上昇、低下に注意すること
- 半日陰を好む植物をチョイスすること
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