丸みを帯びた肉厚のぷっくりした葉がいかにも縁起がよさそうな多肉植物「福だるま」。
見ているだけで癒される多肉植物のひとつです。
今回は、そんな多肉植物・福だるまを挿し木で増やす方法を写真付きで紹介します。
多肉植物「福だるま」の増やし方!春か秋に茎をカットして挿すだけ
福だるまは挿し木で増やすのが最も簡単で失敗しにくいです。葉挿しは失敗しやすいのであまりおすすめしません。
挿し木の手順
適期は春または秋です。まず、頂点から5cm程度茎をカットします。
この茎が、挿し木するための「挿し穂」となります。挿し穂を土に挿して発根させ増やすのが「挿し木」です。
採った挿しはしばらく切り口を乾燥させて、発根したら土に植え付けます。
または、乾いた土に挿して水を与えず10日程風通しのよい日陰に置きます。
※上写真は、「玉つづり」の挿し穂を紙粘土で作ったペン差しに立てて乾燥させています。
切り口を乾燥させる際に、そのままコロンと倒しておくと茎が曲がって土に挿しにくいです。(上写真)
何か支えになるものを使って挿し穂を縦になるよう乾燥させると曲がらずに済みますよ。
発根が確認できたら乾いた土に挿して一週間程してから水を与えましょう。
生長が落ち着いてきたら少しずつ通常の管理方法に移行します。
多肉植物「福だるま」の育て方
福だるまの育て方をシーン別でご紹介します。まずは、基本の水やりの仕方からです。
多肉植物・福だるまの育て方【水やり】
福だるまは多湿を嫌います。水は土が乾いてから与えましょう。
福だるま【春・秋の水やり】
福だるまがよく生長する時期です。(と言ってもゆっくりペースの生長です)土が乾いたらたっぷりと与えます。
- 土が乾いて2日程してからたっぷりと与える
福だるま【真夏・冬の水やり】
▲夏場の福だるま(9月上旬)
生長が緩慢になる時期のため、水を吸い上げる力自体が低下しています。
水をあげすぎていると、鉢内の高湿状態が長く続き、「根腐れ」に発展する可能性も。一週間以上土が湿っていることのないようにします。
- 土が乾いて2~3日程してからやや控え目に水を与える(表土が湿る程度、月に1~2回)
多肉植物・福だるまの育て方【置き場所】
福だるまは風通しよく日当たりの良い場所を好みます。ただし、直射日光を当てると葉にダメージを受けやすいです(葉焼け)。半日陰がベスト。暑さにも寒さにもそこまで強くありません。
夏場は35度以上、冬場は0度以下になるようであれば気温が一定の屋内へ取り込むのが無難です。
福だるまの生育適温は、10度~25度程度の暑すぎず寒すぎない環境になります。
福だるまの置き場所【春・秋】
- 暖かく日当たりの良い場所に置く(半日陰が適している)
- 梅雨時期は雨ざらしにならないよう軒下や庇屋根のある
福だるまの置き場所【夏】
- 強い直射日光は葉焼けする可能性が高いため避ける。(西日も注意)
- 35度以上になるようなら涼しい場所へ移動させるのが無難。
福だるまの置き場所【冬】
- なるべく日当たりの良い暖かい場所。0度以下は避けた方が無難。
- 室内で管理する場合はサーキュレーターや扇風機を使用し風通しをよくすること。
あわせて読みたい「サーキュレーターと扇風機の違い【植物に適しているのは?】」はこちら
福だるまが好む「半日陰」とは?
- 日光の当たっている場所のすぐ隣の陰
- 木漏れ日のような日光が当たってたり当たってなかったりする場所
(ルクス値は、約10000~15000)
多肉植物・福だるまの育て方【土】
福だるまは多湿により根が傷みやすいです。そのため、土は水はけの良いものが適しています。
- 多肉植物、サボテン用の土
- 赤玉土小粒、鹿沼土細粒、パーライト、川砂、バーミキュライトなどを混ぜたもの
多肉植物・福だるまの育て方【肥料】
福だるまは基本的に肥料は必要としません。与える場合は緩効性の肥料を4月~7月頃に与えましょう。
「マグアンプ」は土に混ぜ込むだけでゆっくり長く効くので楽です。(一年くらい)
多肉植物・福だるまの育て方【害虫】
アブラムシやカイガラムシ等が新芽部分につきやすいです。特に、カイガラムシやハダニがつくと吸汁により株を傷ませ枯らせてしまいます。
オルトランDXを土に巻いておくと害虫予防に効果的です。しかし、すでに害虫が付いている場合は殺虫剤を利用するか、ピンセットで潰します。
多肉植物・福だるまの育て方【植え替え】
植え替えに適した時期は春か秋の生長が落ち着いている時期です。植え替え後は根が傷んでいるため、一週間程水やりを控えるのが無難です。
風通しのよい半日陰で休ませてあげます。
ただ、福だるまは生長スピードが遅めなのであまり頻繁に植え替える必要はないでしょう。鉢底から根が出ていたら植え替えのサインです。
白っぽい福だるまの葉の秘密とは?
白っぽく見える福だるまの葉についているのは、実は、白い粉。そのため、葉にベタベタ触ると粉が取れて見た目が汚くなるので、植え替えの際にはあまり触りすぎないよう気を付けましょう。
福だるまってどんな多肉植物?【主な特徴3つ】
ここでは、福だるまの特徴を3つご紹介します。
福だるまはコチレドン属の多肉植物
福だるまは「コチレドン属」という仲間の多肉植物です。コチレドン属には他にも「熊童子」「福娘」「猫の爪」「オルビキュラータ」「だるま福娘」などがあります。コチレドン属は、熊童子のように産毛で覆われているものもあれば、福だるまのように白い粉を帯びたものなどさまざまです。
福だるまは「ふっくら娘」としても流通している
福だるまは「ふっくら娘」としても流通しています。コチレドンの「娘」シリーズはやや気難しいようで、ちょっとした環境の変化で葉をポロポロと落しやすいようです。
福だるまは「嫁入り娘」と「福娘」の交配種
福だるま(ふっくら娘)は「嫁入り娘」と「福娘」の交配種です。
嫁入り娘
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福娘
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福だるまは花を咲かせることもある
株が充実してくると、夏頃にベル状をしたオレンジ色の花を咲かせることもあります。福だるまの葉に負けない目立つ花です。
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多肉植物「福だるま」の増やし方!春か秋に茎をカットして挿すだけ【まとめ】
今回は、癒しの多肉植物・福だるまの育て方をご紹介しました。
「暑すぎず寒すぎない場所を好む」という福だるま。寒暖の差が激しい日本では少し世話が焼ける品種かもしれませんね。
置き場所さえ気を付けていれば年中変わらぬ可愛らしい姿を保ってくれる福だるま。今回の記事をご参考にぜひ育ててみてください。
福だるまの育て方のポイント
- 水やりは土が乾いて2日程してから。多湿は避ける
- 10度~25度前後の風通し良く日当たりの良い場所に置く
- サボテン用の土や赤玉土などの水はけよい土に植え付ける
- 基本、肥料は必要ない。与えるなら4月~7月頃に緩効性肥料を施す
- アブラムシやカイガラムシがつくことがある。オルトラン等を使用し予防する。
- 生育速度が遅めなため、頻繁に植え替える必要はない。鉢底から根が出ていたら植え替える。
- 福だるまは挿し木で比較的に簡単に増やせる
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