金平糖のような丸みのある可愛らしい桃色の花が人気のヒメツルソバ(ポリゴナム)。
ホームセンターや園芸店などで気軽に入手できるヒメツルソバは、グランドカバーとしても親しまれ「ポリゴナム」ともよばれます。
また、開花期間は4月から11月頃まで。花が楽しめる時期が長いというのもヒメツルソバの人気のひみつですね。
「ヒメツルソバって道端に生えてたりするけど、簡単に増えるの?」
「ヒメツルソバを自分で増やす方法を知りたい。」
今回は、ヒメツルソバの増やし方と管理のコツをご紹介します。
ヒメツルソバの増やし方を分かりやすく解説します!
それではヒメツルソバの増やし方をみていきましょう。
ヒメツルソバは、種や株分けで増やすこともできますが、今回はより手軽で簡単な「挿し芽(挿し木)」で増やす方法をご紹介します。
とても簡単なので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
ヒメツルソバの増やし方 手順①「適期におこなう」
ヒメツルソバを挿し木で増やすのに適している時期は5月~9月頃です。
ただ、ヒメツルソバは半野生化するほど丈夫で繁殖力の強い植物です。他の時期でも挿し木は可能ですが、成功率は適期が高いでしょう。
ヒメツルソバの増やし方 手順②「挿し穂を用意する」
ヒメツルソバの茎を5cm~10cm程度カットし、下葉を取りましょう。葉の付き根あたりの節部分から発根することが多いので、2~3か所の節がある茎が理想的です。
カットする際は鋭利な刃物を使用し切り口が潰れないようにします。
理由は、切り口が潰れているとうまく水分が吸えずにそのまま腐敗してしまう可能性があるからです。
この茎が、ヒメツルソバを増やすための「挿し穂」になります。
ヒメツルソバの増やし方 手順③「水揚げする」
用意した挿し穂はいきなり土に挿さず、まずは「水揚げ」して十分に水分を吸わせておきましょう。
清潔な容器に水を入れ、6~12時間ほど水を吸わせます。1時間程度でも構いません。できるだけしっかり吸水させましょう。
ヒメツルソバの増やし方 手順④「土を用意」
水揚げしているあいだ、挿し穂を挿すための土(挿し床)を用意します。
使用するのは水はけがよく清潔な土です。養分を含まない無機質なものが適しています。
(例:赤玉土やバーミキュライトなどで使い古しではないものがよい)
用意する土の深さは10cm前後です。小さめの鉢に入れておきましょう。養分を含まないものがベストです。
事前にしっかりと水やりして土を湿らせておきましょう。
※土に埋まる部分の葉が残っていると腐敗につながるため、下葉はカットしておきましょう。
ヒメツルソバの増やし方 手順⑤「挿し穂を土にさす」
水揚げ後の挿し穂を湿らせておいた土にピンセットで挿します。
割りばしやピンセットで土に深さ5m程度の下穴をあけ、そこへ挿し穂をそっと挿します。そのままピンセットで挿し穂を掴み土に差し込んでも構いません。
挿し穂は茎の2/3から半分程度が埋まるようにします。
根付くまでは風通しのよい半日陰で管理し、過度の乾燥に気を付け水切れさせないようにします。
挿し穂に触れて抵抗を感じるようになったら根が活着したサインです。少しずつ日当たりのよい場所へ移動させましょう。
水に浸けて発根させてから植え付けてもよい
「発根するか不安」という場合、挿し穂を水に浸けてから土に植え付けても構いません。うまくいけば3日程で小さな白い根が出てきますよ。(下写真)
繁殖力旺盛なヒメツルソバは横へ這うように広がりながらどんどん生長してくれます。
ヒメツルソバを挿し木で増やそう【経過レポ】
筆者がおこなったヒメツルソバの挿し木の経過レポートです。ぜひ、ご参考にされてくださいね。
ヒメツルソバの挿し木【当日】
地植えのヒメツルソバから挿し穂をとり、水揚げ後に土に挿しました。
そして、この挿し木を実施したのはヒメツルソバの挿しの適期ではない2月。はたして、成功するのでしょうか?
ヒメツルソバの挿し木【約1年後】
ヒメツルソバの挿し木から約一年経過しました。その後、プランターに植え替えてベランダで管理していますが、どんどんと横に這うように増えています。
上写真はプランターからはみ出たヒメツルソバの葉です。一年中、屋外に置きっぱなしですね。
冬になると葉を落として枯れたように見えますが、春になると少しずつ新しい葉を展開させました。
挿し木で増やしたヒメツルソバから新たに挿し穂を採りました。これでまた増やそうと思います。こんな感じで簡単に増やせるのがヒメツルソバです。
少しくらい踏まれてもへこたれないヒメツルソバは、グランドカバーにもぴったりですね。
ヒメツルソバの管理のコツ4つとは?
ヒメツルソバの管理は基本「放置」です。
特に、地植えにした場合、環境が合えば勝手に匍匐し横に広がっていくでしょう。ここでは、鉢植えにした場合の管理のコツ4つをご紹介します。
ヒメツルソバの管理のコツ①「日当たりのよい場所で育てる」
半日陰でも育ちますが、日当たりのよい場所の方が花つきがよくなります。ヒメツルソバが好むのは「日当たりのよい乾燥した場所」です。
このポイントをおさえればヒメツルソバは放っておいても元気に育ってくれるでしょう。
ヒメツルソバの管理のコツ②「土が完全に乾いてから水やり」
地植えにした場合、特に水やりの必要はありません。鉢植えの場合は「土が完全に乾ききってから」水をやります。
ヒメツルソバは乾燥気味を好むので、過度な水やりは控えましょう。
また、肥料の過多は花つきを悪くします。水同様に控え目にするくらいでちょうどよいでしょう。
ヒメツルソバの管理のコツ③「根詰まりしたら植え替え」
ヒメツルソバは繁殖力が強く生育も旺盛な植物です。
鉢底から根がはみ出ていたら、「根詰まり」のサイン。根詰まりすると葉が変色し弱ってくるので、ひとまわり大きめの鉢に植え替えてあげます。
これ以上大きくしたくない場合は、「株分け」するのもよいでしょう。
ヒメツルソバの管理のコツ④「マイナス5度以下なら屋内へ移動」
ヒメツルソバは暑さには強いですが、寒さにはあまり強くありません。とはいっても、マイナス5度までは耐えられます。十分に強いですね。
関東より以西であれば屋外でも余裕で冬越し可能です。地上はほぼ枯れても、地下茎が残っています。春になるとまた新しい葉を展開させてどんどん生長してくれますよ。
北海道や東北など、寒さが厳しい地域では冬場は屋内で管理します。移動できるよう鉢植えで楽しむのがおすすめです。
また、寒くなると見られるのがヒメツルソバの紅葉です。葉を真っ赤に染める姿も季節の移ろいを感じさせてくれます。
ヒメツルソバ 増やし方と管理のコツ【まとめ】
今回は、ヒメツルソバの簡単な増やし方をご紹介しました。
ヒメツルソバは簡単に増やせて管理の手間もほとんどかからない植物です。今回のブログを参考に、ぜひ、ヒメツルソバを増やしてみてくださいね。
ヒメツルソバ【丈夫に育てるコツ4つ】
①「日当たりのよい場所で育てる」
②「土が完全に乾いてから水やり」
③「根詰まりしたら植え替え」
④「マイナス5度以下なら屋内へ移動」