清潔な上見た目もおしゃれなハイドロカルチャー。室内で衛生的に観葉植物を管理したいという方に人気の栽培方法ですね。
しかし、ハイドロカルチャーは土での栽培とは異なり、半年に1回程度の植え替えが必要になります。
その理由は、ハイドローカルチャーで育てる場合、基本的に容器に穴が開いていないため、どうしても内部に老廃物が蓄積するためです。
ただ、これを機に「ハイドロカルチャーから土に植え替えてみようかな?」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ハイドロカルチャーから土に植え替える方法と、ハイドロカルチャーから土に植え替えるメリット・デメリットについてくわしくご紹介します。
ハイドロカルチャーから土に植え替える方法
それでは、ハイドロカルチャーから土への植え替え手順をくわしく見ていきましょう。失敗を防ぐ最大のポイントは「適期におこなう」ということです。
ハイドロカルチャーから土に植え替え 手順①適期は春から秋の暖かい時期
ハイドロカルチャーの植物を土に植え替えるのに適しているのは、春から秋にかけての暖かい時期です。
冬場の植え替えは植物に大きな負担となるため避けましょう。寒い時期は熱帯地方が原産の多くの観葉植物にとって生育が緩慢になる休眠期です。
植え替え後、そのまま株が弱ってしまうことも多いため、冬場の植え替えはできるだけ避けます。
目安は最高気温が15度以上になったらです。
ハイドロカルチャーから土に植え替え 手順②新しい鉢に用土を1/3ほど入れる
新しい鉢に鉢底石と用土を鉢の1/3ほど入れておきます。
鉢はこれまでと同じくらいの大きさの物がベストです。大きすぎると吸収しきれずに残った水分によって根腐れを起こす可能性があります。
ハイドロカルチャーから土に植え替え 手順③容器から植物を取り出す
新しい鉢の用意ができたらハイドロカルチャーの植物をやさしく取り出します。根を傷つけないようそっと取り出します。
ハイドロカルチャーから土に植え替え 手順④鉢に株を配置する
取り出した植物を新しい鉢に置いてみましょう。土の量を調整しつつ株の高さを合わせます。
ハイドロカルチャーから土に植え替え 手順⑤残りの用土を詰める
植え付ける高さと位置が決まったら、株と鉢の間に残りの用土を入れ込みます。
内部に空間ができないよう、細い棒で軽くつつきながら土を詰め込むと作業がスムーズです。根と土の間に空間があると根がしっかりと生長できないためです。
ハイドロカルチャーから土に植え替え 手順⑥たっぷりと水を与えて半日陰で管理
最後に水をたっぷりと与えます。鉢底から流れ出てくる水が透明に近くなるまで与えましょう。
このようにすることで、水やりの度に受け皿が汚れるのを防ぐことができますよ。受け皿に溜まった汚れた水はこまめに捨てましょう。
根が張るまでは直射日光を避け、風通しのよい半日陰で管理し休ませます。植物に触れて抵抗を感じるようになれば根が活着したサインです。
それぞれの植物に合わせた管理方法に移行しましょう。
使い終わったハイドロカルチャー用土はどうすべき?
使用済みのハイドロカルチャー用土は商品にもよりますが、基本的に洗って何度でも使うことができます。
ボール状態のハイドロカルチャー用土なら洗って再利用しやすいですね。ただ、ジェル状や炭チップなどは再利用しにくいかもしれません。
その場合はそれぞれの自治体のルールに従って分別し、処分しましょう。
あわせて読みたい「100均のハイドロカルチャーってどうなの?使い方のコツも」はこちら
ハイドロカルチャーから土に植え替えるメリット・デメリットは?
では、ハイドロカルチャーから土に植え替える上でのメリット・デメリットを見ていきましょう。
ハイドロカルチャーから土に植え替えるメリット
ハイドロカルチャーから土に植え替えるメリット①生育がよくなる
ハイドロカルチャーは水耕栽培です。土に比べると生育がどうしても劣ります。
ハイドロカルチャーから土に植え替えることで、これまでよりも植物の生長が良くなることが期待できます。
ハイドロカルチャーから土に植え替えるメリット②水やりのタイミングが分かりやすい
ハイドロカルチャーに比べて土に植えている場合は水やりのタイミングが分かりやすいです。
「鉢を持ち上げて軽い」「土の色が乾燥している」など、土の方が水やりのタイミングが分かりやすく水やりによる失敗が少ないと考えられます。
あわせて読みたい「ハイドロカルチャーに向いている植物5選【初心者におすすめ】」はこちら
ハイドロカルチャーから土に植え替えるデメリット
ハイドロカルチャーから土に植え替えるデメリット①植え替えのストレスを与える
ハイドロカルチャーで育った根っこはあくまで「水耕栽培に適応した根」といえます。そのため、土に植え替えた後は生長が落ち着くまで不安定になることが予想されます。
土から土への植え替えも植物にとって大きなストレスになりますが、それが水耕栽培から土となると植物にかかる負担は大きくなります。
ハイドロカルチャーから土に植え替えるデメリット②これまでよりかは清潔な管理が難しい
ハイドロカルチャーは土を使わないため、衛生的に植物を管理することができます。土を使うとどうしてもコバエやきのこなどのトラブルが発生しやすいです。
とはいえ、工夫次第でこれらのトラブルを最小限に抑えることもできます。
あわせて読みたい「観葉植物のコバエ対策 効果的な方法とは?【徹底解説】」はこちら
まとめ
今回は、ハイドロカルチャーから土に植え替える方法と、ハイドロカルチャーから土に植え替えるメリットとデメリットについて詳しくご紹介しました。
ハイドロカルチャーは清潔に管理できるのが一番の魅力といえるでしょう。ただ、「もう少し植物の生長を楽しみたい!」という場合、やはり土に植え替えるのがおすすめです。
メリットやデメリットを把握した上で、ハイドロカルチャーから土に植え替えることも検討してみてはいかがでしょうか。
ハイドロカルチャーから土に植え替える方法【手順】
1.適期は春から秋にかけての暖かい時期(目安は最高気温が15以上になったら)
2.新しい鉢に鉢底石、用土を鉢の1/3ほど入れておく
3.容器から植物を優しく取り出す
4.根に付着したハイドロカルチャー用土を軽く落とし、新しい鉢に植物を配置する
5.高さと位置を調整したら残りの用土を入れ込む
6.水やり後、直射日光を避けた風通しのよい半日陰で発根をまつ
ハイドロカルチャーから土に植え替えるメリット・デメリット
・ハイドロカルチャーから土に植え替えるメリット
「生育が良くなることが期待できる」「水やりのタイミングが比較的に分かりやすい」など
・ハイドロカルチャーから土に植え替えるデメリット
「植え替えによるストレスを与えることになる」「ハイドロカルチャーに比べると衛生的な管理が難しくなる」など
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