一年中花を咲かせてくれる健気な鉢花「ハナキリン(花麒麟)」。茎がサボテンに似ているため、多肉植物としても分類される人気の植物です。
冬場であっても最低限の環境さえ整えば花を咲かせてくれることの多いハナキリンですが、ある原因がきっかけで葉が落ちることもあります。
そこで今回は、ハナキリンの葉が落ちる主な原因3つと対処法を徹底解説いたします。
この記事を読めば、
- ハナキリンの葉が落ちる原因と対処法
- それをやると葉が落ちるかも?ハナキリンにやってはいけない3つのこと
- 葉が落ちるのを未然に防ぐ!ハナキリンにおすすめの便利アイテムはこれ
- ハナキリンの葉が落ちてひょろひょろになる時の対処法
- ハナキリンの葉が落ちるときによくある質問【Q&A】
- ホームセンターでかったハナキリン(198円)を4年間育ててみた
が分かるよ!
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ハナキリンの葉が落ちる主な原因3つとは?
まずは、ハナキリンの葉が落ちる主な原因からみていきましょう。
ハナキリンの葉が落ちる原因①5度以下の寒さ
ハナキリンが耐えられる寒さは5度程度までです。5度以下になると徐々に葉が黄色っぽく変色して落ちることが多いです。
ベランダや軒下などの屋外でハナキリンを育てている場合、冬の寒さは葉が落ちる原因となります。
ハナキリンの葉が落ちる原因②水の遣りすぎによる根腐れ
ハナキリンは多湿を嫌うため、水のやり過ぎは根腐れの原因になることも。
土が乾いたタイミングでの水やりが基本です。土が乾いていない状態で次から次へと水やりするのは控えます。
冬場であれば乾燥気味に管理することで、耐寒性を高めることができます。
ハナキリンの葉が落ちる原因③生長期における過度の乾燥
ハナキリンは春から秋にかけての暖かい時期によく育ちます。
そのため、この時期に水やりをうっかり忘れたまま土が乾燥し過ぎると葉が落ちる原因になりえます。
ハナキリンの葉が落ちる原因④新陳代謝によるもの
ハナキリンの株元近くの葉が黄色っぽくなって落ちるのは新陳代謝による場合が多いです。
ただ、株元以外の葉がどんどんと落ちるという場合は、上記であげた「寒さ」や「乾燥」などが原因のことが多くなります。
あわせて読みたい「ハナキリンの育て方を解説します【水やりのタイミングなど】」
ハナキリンの葉が落ちるときの対処法
では、ハナキリンの葉が落ちるときの対処法をみていきましょう。
ハナキリンの葉が落ちるときの対処法①冬でも15度程度は保つ
ハナキリンの葉が落ちる原因として一番に挙げられるのが冬場の寒さです。
そのため、冬場はできるだけ暖かい場所で管理します。最低でも10度~15度程度は確保したいところです。
とはいえ、ハナキリンは丈夫なため葉が落ちてしまっても暖かくなれば新しい葉を展開してくれることも多いです。
葉が落ちてしまっても、春までは諦めずに管理を続けてみてください。
ハナキリンの葉が落ちるときの対処法②生育期は土が乾いたら水やり
切り戻しても、10日程すれば脇芽をだして枝分かれしてくれることも多いです。
だからこそ、生育期は過度の乾燥に気を付ける必要があります。
ただ、そこまで神経質に水やりのタイミングを見計らう必要はないよ。鉢を持ち上げて軽ければ、鉢底から流れ出るくらい水を与えよう。
ハナキリンの水遣り【目安】
・春から秋の生長期 →土が乾いたタイミングでたっぷりと水を与える(鉢底から流れ出るくらい) ・冬場(最高気温15度以下) →土が乾いて3日程してからやや控えめに水を与える(鉢底から流れ出ない程度に)
ハナキリンは蒸れが苦手。水遣り後はできるだけしっかり水気を切って。受け皿に溜まった水は捨てよう。
あわせて読みたい 「ハナキリン 挿し木のやり方をくわしく解説します【花麒麟】」
ハナキリンの葉が落ちるときの対処法③少しずつ日当たりの良い場所に移動
ハナキリンは日当たりの良い場所を好みます。特に、最高気温が15度以上になれば屋外で管理すると丈夫に育てられます。
ただし、真夏の直射日光は葉焼けを起こしやすいため注意が必要です。
様子を見ながら数日かけて少しずつ場所を移動することで、葉焼けを防ぐことができます。
光線不足によって徒長するとストレスに弱くなる
日光不足が続くことで起こるのが「徒長(とちょう)」です。
徒長した株は日光を求めて茎ばかりがひょろひょろと細長く伸び続けます。ただ、徒長は見た目を悪くさせるだけではありません。
徒長によって株自体が弱々しくなり、ちょっとした環境の変化やストレスで葉が落ちたり、株自体が弱ったりしやすくなります。
特にハナキリンは暖かく乾燥した場所を好むため、冬でもできるだけ暖かく日当たりの良い場所に置いてあげると次々と花を咲かせてくれるでしょう。
あわせて読みたい「日光なしでも観葉植物は育つ?日光がなくても枯れずに長持ちするグリーンも」
葉が落ちるのを未然に防ぐ!ハナキリンにおすすめの便利アイテムはこれ
ハナキリンの葉が落ちるのを未然に防ぐなら、ハナキリンが好む環境に整えなくてはなりません。
とはいえ、室内管理だとなかなか難しい…。
そんなお悩みを軽減してくれる便利な園芸アイテムをご紹介します。
葉が落ちるのを未然に防ぐ!ハナキリンにおすすめの便利アイテム①水やりチェッカー
ハナキリンは水の遣り過ぎを嫌います。とはいえ難しいのが冬の水遣りです。
水やりチェッカーを差しておけば、土の乾き具合を色で知ることが出来ます。
水遣りの管理が楽になるだけでなく、水の遣り過ぎ・やり忘れによって葉が落ちるのを防ぐことができるよ。
葉が落ちるのを未然に防ぐ!ハナキリンにおすすめの便利アイテム②ポットフィート
ハナキリンは多肉植物の一種です。
そのため、鉢内が蒸れることを嫌います。とはいえ、室内で管理している以上どうしても蒸れやすくなります。
そんな時に便利なのが鉢を浮かせて通気性・排水性を確保してくれる「ポットフィート」です。
鉢を浮かせることで根が蒸れにくくなる。受け皿に溜まった水はこまめに捨ててね。
葉が落ちるのを未然に防ぐ!ハナキリンにおすすめの便利アイテム③サーキュレーター
窓を閉め切りがちになる夏、冬の管理に欠かせないのがサーキュレーターです。
風通しを確保することで根腐れ、カビ、害虫などのトラブルを防ぐことができます。
光合成に欠かせないのが風。植物は風を受けることでスムーズに呼吸できるようになるんだ。光合成がうまくできないと徐々に株が弱って葉が落ちることにもつながるよ。
あわせて読みたい「観葉植物好きなら必ず持っておくべき!優秀すぎる園芸アイテム【厳選】」
それをやると葉が落ちるかも?ハナキリンにやってはいけない3つのこと
良かれと思ってやっていることも、ハナキリンにとっては有難迷惑になっているかもしれません。
葉が落ちて株が弱るのを防ぐためにも、まずはハナキリンにやってはいけない3つのことを把握しておきましょう。
葉が落ちるかも?ハナキリンにやってはいけないこと①〇日に1回と決めて水遣りする
ハナキリンの水遣りは「〇日に1回」などと決めず、時期と土の状態を確認した上でおこないます。
とくに気を付けたいのが冬場の水遣りです。
ハナキリンの冬の水やり
・冬(最高気温15度以下)…土が乾いてさらに3~4日してから与える。肥料は不要。 冬場は乾燥気味に管理することで樹液の濃度が高まり、耐寒性を確保することができます
葉が落ちるかも?ハナキリンにやってはいけないこと②2年以上植え替えないまま放置
ハナキリンを2年以上植え替えていない場合、鉢の中が根っこでいっぱいになっている可能性が高いです。
根詰まりを放置していると根がスムーズに水分や養分を取り込めず、徐々に葉が落ちて弱ってしまいます。
根詰まりしていなくても植え替えは必要?
根詰まりしていなくても2年に1回は植え替えるべきです。
その理由は「土の劣化」。土が経年により粒が崩れて団子状に固まります。
カチコチに固まった土は水はけが悪く、根に負担を掛けやすくなるよ。
葉が落ちるかも?ハナキリンにやってはいけないこと③窓を閉め切った室内に置きっぱなし
ハナキリンを窓を閉め切った室内に置きっぱなしにしている場合、風通しの悪さによって徐々に弱りやすいです。
植物にとって光と水と並んで不可欠なのが風。風通しが悪いとうまく呼吸ができず、土はなかなか乾きません。
植物は風を受けることで呼吸し光合成をおこなう
植物は風を受けることで呼吸し光合成をおこないます。
風通しが悪いと水やり後、なかなか土が乾かず根腐れやカビを引き起こす原因にもなります。
室内でハナキリンを育てるなら南~東向きの窓際に置くのがベストです。
窓を閉め切る時期はサーキュレーターをフル活用して。できるだけ風通し良く管理することでハナキリンを長く楽しめるよ。
あわせて読みたい「窓のない部屋でも楽しめるおすすめの観葉植物とは?」
ハナキリンの葉が落ちてひょろひょろになる時の対処法
茎ばかりがひょろひょろ伸びて徐々に葉が落ちるのは光線不足による徒長の症状
ハナキリンの茎ばかりが伸びて弱々しくなったり、徐々に葉が落ちて茎ばかりが目立ってくるのは日光不足による徒長の症状です。
ハナキリンは日光が大好きで耐陰性があまりありません。
適期に剪定。置き場所の見直しを実施すること
すでに間延びした茎を元通りにはできません。
茎が間延びしたり葉が落ちて茎が悪目立ちしているなら、春~初夏にかけての時期に剪定で樹形を整えましょう。
ハナキリンの剪定については以下記事を参考にしてみてください。
あわせて読みたい「ハナキリンの剪定方法【タイミングと手順を解説します】」
ハナキリンの葉が落ちるときによくある質問【Q&A】
ハナキリンの葉が落ちるときによくある質問をまとめてみました。
ハナキリンの葉が落ちるときによくある質問①肥料は与えたほうがいい?
ハナキリンの葉が落ちるときに初心者がやりがちなのが「肥料を与えて栄養を付けさせたい」ということ。
しかし、葉が落ちるからといって闇雲に肥料を与えるのはおすすめできません。
葉が落ちる=根も弱っている状態。
肥料を与えることでさらに根に負担を掛けてしまう恐れがあります。
ハナキリンの葉が落ちるときによくある質問②冬でも植え替えて大丈夫?
ハナキリンの葉が落ちるときに「そういえば2年以上植え替えてない!」と気づいて冬でも植え替えようとしていませんか?
ハナキリンは寒さが苦手な植物です。
寒い時期は回復力も弱るため、植え替え後にそのまま弱ってしまう恐れがあります。
葉が落ちるということは少なからず株が弱っている可能性が高いです。
そんな時に植え替えるのはおすすめできません。
ハナキリンの葉が落ちるときによくある質問③ときどき日光浴させるべき?
ハナキリンの葉が落ちるときに思いがちなのが「日光浴させてあげよう」ということ。
しかし、室内管理のハナキリンをいきなり屋外の日向に出すのは控えるべきです。
植物は何といっても「急激な環境の変化」に弱いです。
日当たりの良い場所に移動するなら数日かけて少しずつ日光に慣れさせる必要があります。
ハナキリンの葉が落ちるときによくある質問④床暖房の上に鉢を置くのはok?
冬にハナキリンの葉が落ちるときにやりがちなのが「床暖房の上に鉢を置く」などの対策です。
もちろん温度が適切であれば良いですが、奥の場合は鉢の中が蒸れて根を傷めてしまうことが多いです。
冬に葉が落ちる場合はまず温度管理、水遣り管理から見直してみましょう。
あわせて読みたい「観葉植物がすぐ枯れる人がやりがちな間違ったお手入れ3つ」
ホームセンターで見つけたハナキリン(198円)を3年間育ててみた
ホームセンターで見つけたハナキリン(198円)。
3年間育ててみた経過を綴ってみます。管理の参考にされてください。
4年近くハナキリンを育ててきて花が途切れたことは一度もなかったよ!室内なら一年を通して可愛い花を咲かせてくれるハナキリン。とっても丈夫で初心者にもおすすめの植物だよ。
ホムセンで購入した小さなハナキリン【2020/1】
真冬のホームセンターで見つけた198円の小さなハナキリン。
1月にも関わらず赤い花を付けてくれていました。その姿に惚れて衝動買い。
購入当初は黒いビニールポットに植えられていましたが、自宅にあった素焼き鉢に植え替えています。
ハナキリンは日光が大好き。とりあえず窓際に置いてみたけど北向きの部屋だったからか素焼き鉢にカビが…。このあと、南向きの窓際に移動したよ。
2度の冬を越して花数が増えたハナキリン。剪定&挿し木に挑戦【2021/5】
購入から1年が過ぎました。花数が増えて株にボリュームが出てきましたね。
ここからで挿し木に挑戦してみることに。
伸びている茎を1本だけカット。断面から白い樹液が滲み出てきます。
肌に触れるとかぶれる恐れがあるようなので気を付けます。
カットしたハナキリンの茎は乾いた土に挿します。
水遣りは10日くらい経ってから。すぐ水遣りすると断面から腐りやすいので気を付けます。
切った部分から枝分かれするように生長してくれれば、さらに株にボリュームがでるはずです。
果たしてどんな感じで育ってくれるでしょうか?
葉が茂り始めた挿し木のハナキリン【2022/1】
土に挿して半年ほど経ったハナキリンの挿し木です。
半年前よりも葉数が増えてきましたね。花が付くまではまだ時間がかかりそうです。
ホムセンで購入してから約2年経過。元株も挿し木も順調に生長中【2022/4】
ホムセンで購入した小さなハナキリン。約2年でこんもりした樹形に育ってきました。
1年程前に挿し木で増やした方も花が咲きましたよ。↓↓
春~秋にかけてはベランダの軒下に置き、冬は室内の窓際に置いて育てています。
この方法が合っているようで、弱ってしまうことなくどんどん株が充実してきました。
購入から約3年経過。かなりボリューミーに生長しました【2023/4】
ホームセンターで購入して約3年が経ちました。
ちなみに購入当初のハナキリンはこんな感じでした↓↓
そして現在はこんな感じ↓↓
花の数がかなり増えて存在感がありますね。
198円の小さなハナキリンでも、管理のポイントさえ押さえていればここまで大きく育てられます。
茎が伸びすぎてきたので剪定で樹形を整えます【2023/5】
新陳代謝により下葉が落ち、ひょろりとした茎が目立ってきました。
ここらで剪定し樹形を整えることに。
はさみで枝分かれさせたいあたりをカット。
ハナキリンの茎はチクチクするので剪定の際は怪我に気を付けてください。
剪定完了。寂しくなりましたがここからどんどん枝分かれしてくれると思います。
どんな感じで育ってくれるか楽しみです!
元株と挿し木を再び同じ鉢に植え替えます【2023/10】
春に剪定してから半年ほど経ち、こんもりいい感じのフォルムに育ったハナキリンです。
そして挿し木で増やした方のハナキリンも順調に育っています。
ということで、ここらで元株と挿し木を再び同じ鉢に植え替えることにしました。
鉢から取り出してみたハナキリンの根鉢はこんな感じ。↓↓
しっかり根を張っていますね。古い土を落して傷んだ根は切っておきます。
新しい土に植え替えれば作業完了!
うん。いい感じ!
今後は寒くなるので室内管理に移行します。それを見越して室内でも清潔に管理できる「室内向けの土」を使用しました。
虫が湧きにくいので室内でも安心してハナキリンを楽しめますよ。
筆者は室内に置く植物にはすべて「室内向けの土」を使っています。
あわせて読みたい「虫がわかない土のおすすめは?清潔に観葉植物を楽しむなら土選びが超重要」
さらに花数が増えました。寒くなってきたので室内に移動します【2023/11】
植え替えから約1か月経過。
以前よりもさらに花数が増え、こんもりボリュームのある樹形に育ちました。
気温が下がってきたので再び室内管理に移行します。
天気予報で最低気温が15度を下回るようになってきたら、室内管理に移行するタイミングだよ。
ハナキリンの葉が落ちる原因と対処法を徹底解説【まとめ】
今回は、ハナキリンの葉が落ちる原因と対処法をくわしくご紹介しました。
ハナキリンはとても丈夫で初心者でも次々と花を咲かせられる人気の植物です。ただ、日本の冬は高い壁となりそうですね。
それもそのはずで、ハナキリンの原産地はマダガスカル島。それでも5度まで耐えられるとは、ハナキリンは本当に強健ですね。
今回の記事をご参考に、葉が落ちるハナキリンの対処法を試してみてください。
ハナキリンの葉が落ちる主な原因と対処法 1.寒さ(5度以下) →冬でも10度は確保したい 2.生長期における過度の乾燥 →鉢を持ち上げて軽くなったら水をたっぷりと与える。ただし冬は乾燥気味に。
3.水の遣り過ぎによる根腐れ
→水遣りは土が乾いてから。冬は土が乾いてさらに3~4日経ってから与える
4.新陳代謝によるもの →株元の葉が落ちる分には様子を見る。全体的に葉が落ちるなら、「寒さ」や「過度の乾燥」「根腐れ」「根詰まり」「病害虫」などを疑う。