光沢のある葉としなやかな幹が人気のインドアグリーン・ゴムの木。室内に置いて育てている方が多いのではないでしょうか。
そんなゴムの木ですが、
「なかなか幹が太くならない」「なんとなく購入当初よりも幹がひょろひょろになった」
とお悩みの方も多いかもしれません。
そこで今回は、ゴムの木の幹を太くしたい場合の簡単な方法をご紹介します。
ゴムの木の幹を太くしたい!幹を太くする方法を画像付きで解説
それでは、ゴムの木の幹を太く丈夫に育てる方法をみてきましょう。
今回は、ゴムの木の仲間である「フィカス・ウンベラータ」を例にして手順をご紹介します。
ゴムの木の幹を太くしたい時の方法 手順①株を用意
上写真は購入したばかりのゴムの木(フィカス・ウンベラータ)です。
まだ幹も緑色ですね。幹というよりかは「茎」という感じです。
今回は、このゴムの木を切り戻しで幹を太く育てていきましょう。
幹を太らせるのは簡単だけど時間がかかる
簡単ではありますが、幹を太く丈夫に育てるためには時間がかかるので、気長に育てていきましょう。
幹を太くするためには光・水・風の3つが不可欠だよ。もちろん時間も必要。
ゴムの木の幹を太くしたい時の方法 手順②適期は5月~6月頃
切り戻しの適期は気温が20度~25度くらいの暖かい時期です。中でも生育期初期にあたる春先がおすすめですよ。地域にもよりますが、5月~6月上旬頃まででしょうか。
枝分かれさせたい箇所から清潔なハサミで茎をカットします。(下写真)
断面からは白い樹液が滲み出てきました。これは、ゴムの原料でもあるラテックスを含む樹液です。皮膚がかぶれる恐れがあるので触れないように気を付けましょう。
カットしたゴムの木の茎は挿し木に使える
切り取った茎は捨ててしまわずに「挿し木」で発根させ増やすこともできます。
切り口の樹液を水でサッと洗い流し、水や土に差しておくと、うまくいけば3週間ほどで発根しますよ。(下写真)
あわせて読みたい「アルテシマを挿し木で増やす方法を分かりやすく解説!」はこちら
ゴムの木の幹を太くしたい時の方法 手順③春~秋は屋外に置く
ゴムの木の生育が旺盛になるのは、気温が25度前後の暖かい時期です。この時期はできるだけ屋外に置くのが理想的でしょう。
ただ、いきなり日向に移動すると強光によって葉が傷む「葉焼け」を起こす恐れがあります。
鉢を移動する場合は、数日かけてすこしずつ日光に慣らしましょう。ただ、真夏は葉焼けを起こしやすいため、半日陰に置きます。
室内の明るい場所じゃだめなの?
もちろん、室内の日当たりのよい場所に置くのもよいでしょう。しかし、屋外に置く理由は日光だけではありません。
植物が生長する上で欠かせないのが「光」「水」そして「風」です。
植物は風を受けることで葉の裏にある気孔の開閉が活発になり、光合成もさかんになるといわれています。
室内ではどうしても風通しの面で屋外には敵いません。
もちろん室内の窓際でもよいですが、より幹を太く丈夫に育てたい場合は屋外が理想的です。
ただし、真夏の葉焼けには十分に気を付けます。遮光ネットを利用するのもよいでしょう。
ゴムの木の幹を太くしたい時の方法 手順④生長期の施肥
ゴムの木の生長が盛んな20度~30度程度の暖かい時期は肥料を与えてみましょう。
個人的なおすすめは効果が実感しやすい「ハイポネックス」です。ホームセンターや園芸店で購入できる液体肥料になります。(下写真)
土が乾いたら水に薄めたハイポネックスを水やりとして月に1,2回与える
ゴムの木は多湿を嫌います。そのため、ゴムの木の水やりは「土が乾いてからたっぷりと」が基本です。
ハイポネックスをゴムの木に与える場合、約500倍に薄めて水やりとして与えます。受け皿に溜まった水はこまめに捨てましょう。
汚れた水を受け皿に溜まったままにしておくと、根腐れや病害虫の原因になることがあるからです。
ゴムの木の幹を太くしたい時の方法 手順⑤根詰まりしたら植え替える
ゴムの木は春から秋の暖かい時期にかけて非常によく育ちます。そのため、鉢内で根がいっぱいになると根詰まりを起こします。
上写真のように、鉢底から根がはみ出ていたら植え替えのタイミングです。
根詰まりを放置していると、根がスムーズに水分や養分を吸収できなくなり、葉が変色したり落ちたりと生育に影響を及ぼし始めます。
ゴムの木の植え替えは春から秋の暖かい時期に済ませよう
ゴムの木の植え替えは気温が最低でも15度以上ある暖かな時期に済ませます。冬場の植え替えは株を弱らせてしまう恐れがあります。
今の鉢よりもひとまわり大きめの鉢を用意しましょう。「ひとまわり」とは、鉢の直径がプラス3cmほどのことをいいます。
ゴムの木は非常に生育旺盛です。良い環境の下で育てている場合、少なくとも2年に1回は植え替え、根詰まりを解消するとともに、古くなった土を新しくしてあげます。
ゴムの木の幹を太くしたい時の方法 手順⑥経過
さて、ゴムの木を育て始めて約10か月経過しました。ひとまわり太くなった幹をご覧ください。
約一年でこれくらいなので、もっと太くするならさらに時間がかかります。
ただ、「幹を太くする」ということは「株を丈夫に育てる」ことでもあります。株を丈夫に育てていれば、それだけ長い期間をともに過ごすことになりますね。
幹を太くするのはもちろん、生長の経過も楽しみつつ、ゴムの木を気長に育ててみてはいかがでしょうか。
ゴムの木を太く丈夫に育てたいなら、水やりの管理を楽にしてくれるアイテムを活用するのもおすすめ!
ゴムの木を長く育てていく上で高い壁となるのが寒さの厳しい冬場です。
暖かい気候を好むゴムの木にとって、日本の冬は株を弱らせやすい時期なのですね。
冬場の水やりは土が乾いて3~4日してからおこなう
冬場のゴムの木は寒さによって生長が緩慢になります。そのため、暖かい時期に比べて、根が水分を吸い上げる力が弱くなるのですね。
この状態で暖かい時期と同じように水やりした場合、根が常に濡れている状態となり「根腐れ」を起こしやすくなります。
土が乾いたサインには、「鉢を持ち上げて軽い」「鉢底からみえる土が乾いている」「土に指を3cmくらい挿してみて湿気を感じない」などがあります。
とはいえ、いちいち土の乾き具合を確認するのは大変ですね。そんな時に重宝するのが家庭用水分計です。
土が濡れていれば「青」、乾けば「白」と一目瞭然!
スティック状のチェッカーを土に差しておくだけでプロ並みの管理が可能になるのが「サスティー」です。
冬場の場合はチェッカーが「白」になってからさらに3~4日してからの水やりが理想的ですね。
「できるだけ枯らしたくない」という植物のみに使うのもおすすめですよ。
あわせて読みたい「ゴムの木の冬のお手入れ方法!冬越しのポイント3つとは?」
ゴムの木の幹を太くしたいけど…なかなか幹が太くならない原因
ゴムの木の幹を太くしたいけどなかなか太くなってくれない…。
そんな時に考えられる原因は以下の通りです。
ゴムの木の幹が太くならない理由①光線不足
日光は植物が光合成を行うために不可欠です。
日光不足によって光合成が不足すると、植物は十分なエネルギーと栄養を得ることができず、これが成長の制約となります。
幹が太くなるためには光合成によって生成された糖が必要です。
ゴムの木の幹が太くならない理由②風通しが悪い
風通しが悪い状態が続くと植物は風にさらされないため、風への適応が十分に行われません。
風にさらされることで植物は幹や茎を強化し、風に抗う力をつけます。
また、植物は風を受けることで呼吸し光合成ができるようになるのです。
ゴムの木の幹が太くならない理由③根詰まり
根詰まりが発生すると根が制約されてしまいます。
新しい根が十分に成長できないため、根が元々ある範囲でしか養分や水分を吸収できません。
根詰まりを放置することで成長が制限され、特に幹が太くなることが難しくなります。
あわせて読みたい「枯れない観葉植物が欲しい人へ!絶対枯れない&消臭効果を持つ優秀グリーン」
ゴムの木の幹を太くしたいならとりあえず肥料を与えておけば良い?
ゴムの木の幹を太くしたい場合、とりあえず肥料を与えておけば良いとお考えの方は多いかもしれません。
もちろん、肥料を与えることが悪いわけではないけど、株の状態によっては肥料を与えることで根を傷めてしまうこともあるんだ。
ゴムの木の幹を太くしたいなら、まずは管理方法の見直してみて
ゴムの木の幹を太くしたい場合、まずは管理方法の見直しから始めてみましょう。
現状、細く弱々しい幹にお悩みなら「光線不足」が疑われます。
この場合、闇雲に肥料を与えたところで幹が太くならないどころか根を傷めてしまう恐れもあるのです。
ゴムの木の幹を太くしたい時の肥料の与え方
ゴムの木の幹を太くするために肥料を与える場合、まずは以下4つをすべてクリアしているか確認してください。
- 明らかに株が弱っていないこと
- 春~秋にかけての暖かい時期であること
- 根詰まりを起こしていないこと
- 植え替えから1か月以上経っていること
これら4つの1つでもクリアしていない場合、肥料を与えることは控えた方が無難です。
あわせて読みたい「ゴムの木におすすめの肥料はコレ!使い方、注意点などをくわしく解説」
ゴムの木の幹を太くしたい!ホムセンで買った小さなゴムの木の幹を2年かけて太くしてみた【経過レポート】
ここからは、実際に筆者がゴムの木の幹を太くした経過を綴ってみたいと思います。
ゴムの木の幹を太くしたい方は、ぜひご参考にされてくださいね。
ホムセンで小さなゴムの木(398円)を購入【2021/10】
ホームセンターで見つけたゴムの木「アルテシマ」です。
アルテシマはライムグリーンの斑が美しいゴムの木。まずはひとまわり大きめの鉢に植え替えます。
古い土を落して水はけのよい清潔な土に植え替えます。すでに10月なので、念のためあまり根をいじりすぎないようにしました。
幹を太くしたいので、時期的には微妙ですが切り戻してみました。
こんな感じ。今後は寒くなるので置き場所に気を付けて管理を続けます。
切り戻すことで枝分かれさせ、よりボリューミーな樹形に仕立てていきたい!
春を迎えて生長に勢いが出てきました【2022/4】
切り戻し後、新しい芽がすぐに出てきて葉数が増えました。
が、枝分かれはしませんでした。やはり時期が少し遅すぎたようです。
5月~6月頃に切り戻せば新芽が複数出て、うまく枝分かれすることが多いです。
曲げ木に挑戦【2022/7】
しばらくはこのまま育てていこうと思います。
が、ただ育てるだけだとちょっとつまらないので「曲げ木」してみました。
ゴムの木は幹に柔軟性があり、初心者でも比較的簡単に幹を曲げられるんですよ。
あわせて読みたい「初心者でも簡単!ゴムの木の曲げ方を写真付きで分かりやすく解説」
順調に生育中。ひとまわり大きめの鉢に植え替え、完了【2022/8】
無理やり横向きに曲げたので曲げ木直後は不格好でしたが、1か月ほど経って葉が光の方向に向きを変えてくれました。
このタイミングでひとまわり大きめの鉢に植え替え。
今後は冬に室内管理に移行することを見据え、虫の湧きにくい「室内向けの土」を使用してます。
室内でも虫が湧きにくくて清潔に管理できるのが「室内向けの土」だよ。筆者は室内管理の植物にはこの土しか使わない!超おすすめ。
あわせて読みたい「虫がわかない土のおすすめは?清潔に観葉植物を楽しむなら土選びが超重要」
幹は太くなった?
さて、ホムセンで購入してから約一年経ったゴムの木。
幹はひとまわりほど太くなった感じです。とはいえ、まだまだ幹というより「枝」のような太さですね。
もっともっと幹を太くしたい!時間をかけてのんびり育てていくよ。
切り戻しで樹形を整えます【2023/8】
かなり葉数が増えて樹高も高くなりましたね。
ただ、できれば幹をもっと太くしたいし、枝分かれさせてボリュームを出したい。
ってことで、ここらで再度切り戻し剪定を実施します。
カットした幹の断面からは白い樹液が滲み出てきました。元気いっぱいの証拠ですね。
こんな感じ。寂しくなりましたがまだまだ暖かい気温が続きます。
うまくいけば複数の芽が出て枝分かれし、幹ももっと太くなるはずです。
幹を太くするために欠かせないのが「風」。筆者の場合、気温が許す限りはベランダの半日陰に置いてるよ。風に当たることで幹が太く丈夫に育つ!
新芽が3つ見えてきた【2023/9】
剪定してから約2週間後。
古い葉の付け根あたりからぴょこっと新芽が出始めました。
3つ出てきてくれました!枝分かれしてくれるかな?
購入から2年経過。幹がかなり太くなりました【2023/10】
ホムセンで購入してから丸2年。購入当初よりも幹が太くなりましたね。
切り戻し後に出てきた新芽は3つ。それぞれ新しい葉を展開してくれています。
まずはひと安心。
ここで2年前の幹と太さを比べてみましょう。↓↓
2年前は幹というより茎のような感じですね。
こうして比較すると、購入時の2年前に比べてかなり幹が太くなりました。
剪定から3か月経過。寒さで生長がゆっくりになってきた【2023/11】
寒くなってきて生長が緩やかになってきました。春まではこのまま室内管理です。
今後の生長も楽しみ!
とはいえ、もっともっと幹を太くしたい!今の3倍は太くしたいと思ってるよ。
ゴムの木の幹を太くしたい!幹を太くする方法【まとめ】
今回は、ゴムの木の幹を太くしたい場合の簡単な方法をご紹介しました。
方法というよりは基本の育て方のような解説になってしまいましたが、いかがでしたか。
ゴムの木の幹を太く育てたい場合、「観葉植物=室内で育てるもの」という概念を一度取っ払わなければならないかもしれません。
プロが管理する温室でもない限り、短期間で幹を太くするというのはなかなか困難です。
特にゴムの木の場合、他の観葉植物に比べてそこまで耐陰性が強くありません。
そのため、室内に置きっぱなしでは、どうしてもスカスカのひょろひょろになり、弱々しい見た目になりがちですね。
今回の記事がゴムの木を大切に育てている方のお役に立てば幸いです。
ゴムの木の幹を太くしたい場合の手順
- 株を用意
- 5月~6月頃の生長期初期に切り戻す
- 暖かい時期は基本、屋外で管理(真夏は特に葉焼けに注意する)
- 生育期は肥料を適切に利用してみる
- 根詰まりしたらひとまわり大きめの鉢に植え替え(冬は避ける)
ゴムの木のその他topics
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