艶感のある肉厚の葉が美しいフィロデンドロン。直立性のセロームからつる性のシルバーメタルまで、意外にも種類豊富な観葉植物です。
そんなフィロデンドロンは、切って挿すだけの「挿し木(さしき)」で簡単に増やすことができるんですよ。
そこで今回は、フィロデンドロンを挿し木で増やす方法を画像付きで分かりやすく解説します。
伸びすぎたフィロデンドロンをどうしていいか分からない…という方。剪定ついでに挿し木にもチャレンジしてみると案外楽しいよ!
フィロデンドロンを挿し木で増やす!水差しで発根させる方法
フィロデンドロンの挿し木をするのに適しているのは、春から秋の暖かい時期です。
適期におこなうことで発根後の生育もスムーズに進みますよ。
フィロデンドロンの挿し木 手順①カット
切れ味のよい清潔なハサミで葉の付いた茎をカットします。
この時、葉の付け根である「節(ふし)」は2つほど残すのがおすすめです。(下写真)
最低でも節は2つ残すのがおすすめ
節を残す理由は、この節あたりから発根するためです。節が無いと発根が見込めないので注意してください。
フィロデンドロンの挿し木 手順②葉数の調整
葉っぱ3枚、節が2つ付いた茎をカットしました。
ただ、このままでは葉が少し多いです。葉が多いと、土や水に差す際に邪魔になるだけでなく、「蒸散」により葉から水分が放出されます。
葉数を減らす理由は?
現状、根を失った状態の茎は乾燥しやすいのです。発根する前に枯死してしまうのを防ぐためにも、葉数が多い場合はあらかじめカットし、減らしておくのがおすすめです。
葉は頂点から1~2枚ほどあればokです。葉が大きいと感じる場合は、上写真のように半分にカットしても構いません。
フィロデンドロンの挿し木 手順③水または土に差す
葉数を減らした茎は、「水はけのよい土」または「水道水」に挿して発根を待ちます。
今回は、水道水に挿して発根させてみましょう。
水替えは5日に1回程度でokです。暖かい時期は3日に1回でも構いません。
できれば透明の容器よりも色付きのガラス容器がおすすめです。(下写真)
※無ければ上から濃い色の紙を巻いてもokです。透明のままよりは少し暗くした方が発根しやすい気がします。筆者は柄付きの折り紙を透明容器の上から巻きました。(下写真)
こんな感じ。
うまくいけば一週間ほどで発根します
うまくいけば一週間ほどで節あたりから白い根っこが出てきますよ。
この根が5cmほど伸びたら土に植え付けましょう。土で発根させたものはそのまま育てることができます。
植え付けのストレスを与えずに済むという点では、水差しよりも土に差す方がいいかもしれません。
ただ、水差しの場合、発根したかどうかをしっかりと確認することができる、というメリットもあります。
フィロデンドロンの挿し木 手順④土に植え付ける
水差しで発根させたフィロデンドロンの挿し木を土に植え付けます。
容器は小さめのもので、土は水はけよく清潔な、養分を含まないものがベストです。この時はまだ仮の容器にします。
まずは土に適応した根を発根させる必要があります。今ある根はあくまで水に適応した根だからです。あとでちゃんとした鉢に植え替えます。
使いまわしの土は、害虫や細菌が潜んでいる恐れがあるため、できるだけ避けた方が無難です。
そのまま水耕栽培で育ててもよい。ただし、大きく育てたいなら土が◎
植え替え完了です。今回、筆者は「ハイドロカルチャー」と呼ばれる人口用土に植え付けました。これは水耕栽培の一種です。
ただ、「大きく生長させて充実した株に育てたい」という場合、水耕栽培はおすすめしません。土をチョイスすることをおすすめします。
しっかりと根が張るまでは土が乾きすぎないように気を付けてください。
フィロデンドロンの挿し木 手順⑤根が活着したら観葉植物用の土に植え替える
挿し木に触れて抵抗を感じるようになったら、根が活着したサインです。
次は、お好みの鉢と「観葉植物用の土」を使って植え替えします。今後は土が乾いたタイミングでたっぷりと水を与えましょう。
水やりチェッカーがあると管理が楽に!
観葉植物を枯らす原因として一番多いと言われるのが「水やりの失敗」です。
特に、土が乾ききらないうちに水を与えていると、根が呼吸できずに腐る「根腐れ」を引き起こします。
とはいえ、慣れるまでは水やりのタイミングがイマイチ分からない…という方も多いでしょう。そんな時に便利なのが、水やりチェッカーです。
使い方は簡単で、スティック状のチェッカーを土に差すだけ。特に、冬場の水やりは難しいです。
水やりチェッカーがあれば、土の乾き具合を可視化できるため、管理が楽になると同時に水やりの失敗を防ぐこともできます。
フィロデンドロンを挿し木で増やす!水差しで発根させる方法【まとめ】
今回は、フィロデンドロンを挿し木で増やす方法を画像付きでくわしくご紹介しました。
想像以上に簡単に増やすことができるのがフィロデンドロンです。
ぜひ、伸びすぎた茎を使って挿し木に挑戦してみてくださいね。育てる楽しみはもちろんですが、増やすのもなかなか面白いものです。