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フィロデンドロンがぐらぐらする時の原因と対処法

ぐらぐらと不安定なフィロデンドロン その他の観葉植物

美しい葉と育てやすさが人気のインドアグリーン「フィロデンドロン」。

熱帯アメリカが主な原産地であるフィロデンドロンは、暖かく湿った空気をこのむ熱帯植物です。

意外と寒さにも強く丈夫なため、初心者でも育てやすい植物として人気があるフィロデンドロンですが、

「いつまで経っても株が安定せずぐらぐらとしている」というお悩みをお持ちではありませんか?

そこで今回は、フィロデンドロンがぐらぐらと不安定な原因と、株がぐらつく時の対処法をご紹介しましょう。

農業高校卒業。園芸を専門に3年間学ぶ。現在は、熱帯原産の観葉植物を中心に自宅で100種類ほど植物を栽培中。植物ヲタク。初心者でも観葉植物を枯らさず、長く育てるコツを発信中!

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フィロデンドロンがぐらぐらする時の原因と対処法

フィロデンドロンがぐらぐらする場合、まずは株元をチェック!

フィロデンドロンがぐらぐらとする場合、まずは株元が柔らかくなっていないか確認してみましょう。

すでに株元がふにゃふにゃしている場合、残念ながら「根腐れ」によって腐敗が進んだ状態です。

ただし、まだ硬い茎が残っているならカットして水差しにしてみてください。うまくいけば発根し、そのまま土に植え付けて育て直すこともできますよ。

仕立て直しの際に出たフィロデンドロンの茎を水差しに  ▲水差しで発根させる場合、葉の付け根にある節が最低2つあるようにする

フィロデンドロンの水やり方法【目安】

春~秋(20度以上) 土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと与える。20度を下回るようになってきたら、徐々に水やりの間隔を空け始める。
秋~冬(15度以下) 土の表面が乾いてさらに3日~4日経ち、しっかりと土が乾いてから常温の水を与える。量は土全体が湿る程度で。

つる性タイプのフィロデンドロンは気根を張ることで自立する

根腐れ以外で株がぐらぐらとする原因はひとつで、「根がしっかりと張れていない」ということに尽きます。

実は、フィロデンドロンは直立タイプ、つる性タイプに分けられるのです。直立タイプで代表的なのが「セローム」でしょう。(下写真)

セロームの根元 ▲セロームの根元は直立している

つる性タイプでは「オキシカルディウム」や「グリーンプリンセス」「シルバーメタル」などがあります。(下写真)

フィロデンドロン・インベ(シルバーメタル) ▲シルバーメタル

これらつるタイプのフィロデンドロンの場合、セロームのように直立しません。自生地では大木に絡みつきながら育つのが、これらつる性フィロデンドロンなのです。

そのため、つるタイプのフィロデンドロンは、支柱に絡ませるようにすると見栄えよく育ちます。

このように、本来は気根を手足のように伸ばして大木に抱きつくようにして育ちます。

樹木に抱きつくようにして気根を絡ませ生長することから、「フィロ(=愛する)デンドロン(=木)」と名付けられたそうですよ。

抱き枕に抱きつく男 ▲フィロデンドロンのイメージ

また、葉に厚みがあり重量感のある品種の場合は、気根がしっかりと張るまでは株がどうしてもぐらつきがちです。

他には、

  • 「株に対して土に浅く植えすぎている(浅植えで気根が土になかなか根付けない)」
  • 「土が合っていない(種類や粒の大きさなど)」
  • 「容器のサイズが合っていない(小さすぎる・浅すぎる)」

などの原因もあげられますが、結局は「根の量が足りない(気根がしっかり張っていない)+絡みつく対象のものがない⇒株がぐらぐらと不安定」と考えらえます。

根腐れの心配無しなら土を足したり、支柱を立ててみる

フィロデンドロンの場合、根元付近から「気根」と呼ばれる太い根っこが出てきます。

気根が土にしっかりと根付くことで、重い体をしっかりと支えることができるのですね。

シンゴニウムの株元から出た気根

ただ、浅く植えすぎている場合や植え替え直後は、根元付近から出る気根が土にしっかり根付いていない状態です。

そのため、鉢の上部にスペースが残っていれば、水はけのよい土を足してやるのがおすすめです。安定するまで支柱で支えてみるもよいでしょう。

植え替え適期であれば一旦株を鉢から取り出し、今までよりもやや深めに植えこんでみます。

コンパクトに楽しみたいなら切り戻しで樹形を整える

とはいえ、支柱を立てるとどうしても鉢に高さが出てきます。コンパクトに楽しみたい方にとってはなかなか難しい選択肢ではないでしょうか。

このような場合は切り戻しで樹形を整えることもできます。伸びすぎた部分の茎を清潔なハサミでカットしましょう。

カットしたフィロデンドロンの茎

切り戻しの適期は春~秋の暖かい時期です。適期におこなうことでその後の回復が早くなります。(下写真)

切り戻しから約2か月後に伸びた脇芽 ▲切り戻した部分の約2か月後。断面の脇から新しい茎が伸びて葉が3枚開きました。

カットした茎は発根させて育て直すこともできる

切り戻しで出た茎はそのまま水や土に差して発根させ育て直すこともできます。余分な下葉をカットし水に差しておくと、約1週間で白い根っこがでてくるはずです。(下写真)

フィロデンドロンを水差しにして出た根っこ

そのまま水差しとしてそだててもよし、ハイドロカルチャーにしてもよし。ただ、株を大きく生長させたいなら土に植え付けるのがよいでしょう。

挿し木から約2か月後のフィロデンドロンシルバーメタル ▲ハイドロカルチャーにしたフィロデンドロンの挿し木

 

フィロデンドロンがぐらぐらする時の原因と対処法【まとめ】

斜めになってきたフィロデンドロン

今回は、フィロデンドロンがぐらぐらと不安定になる原因と、ぐらつく時の対処法をご紹介しました。

フィロデンドロンは種類にもよりますが、本来は熱帯雨林の下草的存在です。そのため、気根を樹木に絡ませながら、上へ上へと上っていく植物なのですね。

もちろん、「根がしっかりと張っていない=ぐらぐらする」のが主な原因ですが、株の生長とともに鉢からはみ出し、だらしのない姿になるのは自然の姿ということです。

まずは、土を少し足しつつ支柱を立てて安定させるのがよいでしょう。その後は、

  • 支柱に絡ませて高さを出すか?
  • 鉢から枝垂れさせて吊り鉢にするか?
  • はたまた、切り戻して樹形を整えるか?
  • カットした茎を挿し木や水差しで発根させ育て直すか?

フィロデンドロンをどんな風に育てていきたいかによって対処の仕方は異なります。

フィロデンドロンがぐらぐらする原因、対処法

  1. まずは、株元が腐敗していないか確認
  2. つる性フィロデンドロンの場合は気根を絡ませることで自立するため、支柱を立てて仕立てる。または、株元が安定するまで支柱で支えるのもよい。
  3. コンパクトに楽しみたいなら、適期に切り戻して樹形を整える。

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農業高校卒業。園芸を専門に3年間学ぶ。現在は、熱帯原産の観葉植物を中心に自宅で100種類ほど植物を栽培中。植物ヲタク。初心者でも観葉植物を枯らさず、長く育てるコツを発信中!

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