ロゼット状に広がる多肉質な葉が可愛らしい多肉植物「エケベリア」。
購入当初は花びらのような姿だったはずのエケベリアが、いつの間にか茎が伸びすぎて姿が乱れてしまっていませんか?
そこで今回は、伸びすぎて姿の乱れたエケベリアを胴切りで仕立て直す方法をご紹介します。とっても簡単なので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
エケベリアの胴切りする時期は春が最適!手順を画像で解説
光線不足や下葉の枯死で間延びしたエケベリアは、「胴切り」で仕立て直すことが可能です。
胴切りとは、エケベリアやセダムの胴部分を思い切ってカットする作業をいいます。
手順①適期は春先
茎が伸びすぎて姿が乱れたエケベリア
エケベリアの胴切りに適しているのは気温が上がり始める春先です。この時期は生長がさかんになり始める時期のため、胴切り後の回復もスムーズに進みます。
梅雨時期は蒸れによって株が弱りやすいため胴切りは避ける
避けたいのが梅雨時期です。梅雨時期は蒸れによってエケベリアが弱りやすくなります。また、極端な暑さや寒さに晒される夏と冬も避けてください。
筆者の経験上(近畿地方)では、少しずつ気温が上がり始める3月中旬頃が失敗しにくくおすすめです。
手順②カット
株元の葉を5~6枚ほど残して頂上部分をカットします。葉と葉の隙間にハサミを入れましょう。
葉が密集してハサミが入らない時はテグスや糸を使ってもok!
葉が密集してハサミが入らない場合、テグスや糸を使ってカットするのがおすすめです。カットしたい部分にテグスを巻き付け、クロスさせて胴を切り取ります。
または、カットしたい部分の葉を数枚取り、ハサミが入るスペースを確保する方法もあります。(下画像)
葉を左右に揺らすようにすると取れやすい
手順③下葉を取る
カットした頂点部分の下葉をカットし、土に挿しやすくします。葉数を減らしておくことは土に挿しやすくするためだけではありません。
葉数を減らして無駄な蒸散を抑えることで、発根のためのエネルギーを確保することができます。
元株からは子株が出てくる
カット後の元株もそのまま管理を続けましょう。2週間ほどすれば葉の付け根から子株が出てくるはずです。
子株は1つとは限らず、2~3つ程出てくることもあります。子株が出るまでは水のやり過ぎに気を付けてください。
大幅に葉が減ったことで土が乾きにくくなっているからです。
手順④乾いた土を用意
鉢は小さめの素焼き鉢がおすすめ
下葉を取り除いた頂点部分を発根させるための土と鉢を用意します。
挿し木で利用する土のことを「挿し床(さしどこ)」といいます。挿し床に適した土の条件は3つ。
- 清潔である(使いまわしではない)
- 養分を含まない
- 水はけが良い
挿し床に適した土とは?
これら3つの条件を満たしているのが「挿し芽・種まきの土」です。
もしなければ、「赤玉土(小粒)」や「バーミキュライト」「川砂」などで代用できます。
手順⑤土に挿す
準備した土にカットしておいた頂点部分を挿し込み植え付けます。茎が折れないよう、割りばしやピンセットなどで穴を開け、そっと挿し込みます。
水は10日ほど与えない
植え付け後はすぐに水を与えないでください。
切り口が乾いていない状態で水を与えると、断面から腐敗が進んでしまう恐れがあります。
水やりは土に挿して10日ほど経ってからおこないます。
胴切り後のエケベリア、経過は?
胴切り後のエケベリアが、どのように経過していくかをご紹介します。
14日ほどで発根、子株の発生
うまくいけば、14日程で発根し始めます。
土に挿した株に触れて抵抗を感じるようになれば発根したサインです。元株からは子株が発生するでしょう。
14日以上経つと、挿した方の株に触れるとやや抵抗を感じるようになってきます。
そして、元株の方からは子株が3つほど発生しています。
このように、エケベリアは適期に胴切りすることで簡単に仕立て直すことが可能です。
おまけに子株で増やすこともできます。
1年ほどで元株は子だくさんに
左が挿し木にした方で、右が元株です。
元株から吹いていた複数の子株が成長し、こんもりした姿に育ちました。
さらに増やしたい場合は、これらの子株をカットして挿し芽で増やすことができます。
まさに無限多肉…!
エケベリアの胴切りする時期は春が最適!手順を画像で解説【まとめ】
ということで、今回は伸びすぎて姿の乱れたエケベリアを胴切りで仕立て直す方法をご紹介しました。
カットするだけで簡単に仕立て直すことができるエケベリア。元株から発生した子株で増やすのも簡単です。
失敗を防ぐ最大のポイントは「適期におこなうこと」「水をやり過ぎないこと」の2つです。ぜひ、挑戦してみてくださいね。
エケベリアの胴切り【手順】
- 適期は春先
- カット
- 下葉を取る
- 乾いた土を準備
- 土に挿す
- 発根、子株の発生