観葉植物を迎え入れる際に、通常の土に植えられたものとハイドロカルチャー、どちらにするかでお悩みの方も多いのではないでしょうか?
安価で管理が簡単そうな土と、少々お値段は張るものの清潔な管理が可能で見た目も涼し気なハイドロカルチャー。それぞれにメリットとデメリットがあります。
そこで今回は、ハイドロカルチャーと土のメリットデメリットを考慮した上で、どっちにするか迷ったときの判断の基準をご紹介します。
ハイドロカルチャーと土、どっちか迷ったときの判断基準
ハイドロカルチャーか土、どっちにするかで迷ったときは、観葉植物を育てる上で「これだけは譲れない」というポイントが何かを考えてみましょう。
とにかく虫が苦手!できるだけ清潔に室内で観葉植物を楽しみたい人
▲土を使わないハイドロカルチャーは食卓テーブルにも置きやすい
とにかく虫が苦手で、「できるだけ衛生的に観葉植物を楽しみたい」という方におすすめなのがハイドロカルチャーです。
ハイドロカルチャーは一見、土に見えますね。しかし、ハイドロカルチャーに使われるハイドロボールやハイドロコーンは、粘土を高温で焼き上げた人工的な石で、レンガに近い資材です。
ハイドロ用土は養分を含まず無機質なため、虫が湧きにくく室内でも清潔に植物を管理できます。
ハイドロカルチャーで観葉植物を育てるメリット
- 虫が湧きにくく室内でも清潔に植物が育てられる
- 生長がゆっくりなためコンパクトな姿をキープしやすい
- 見た目が涼し気でおしゃれ、インテリア性が高い
ハイドロカルチャーで観葉植物を育てるデメリット
- 土に比べると生長の勢いが劣る
- 徒長しやすく色つやもイマイチになりがち(日向を好む植物にはあまり向かない)
- 根腐れ防止のため、約半年~1年に1回の内部の洗浄・交換が必要
元気に長く育てていきたい!挿し木や株分けで増やしつつ生長の過程を楽しみたい人
▲大きく丈夫に、色つやよく育てたいなら断然、土!
観葉植物を「元気に色つやよく育てたい」「いずれは挿し木や株分けで増やしたい」「生長の過程を長く楽しみたい」。
このような方には断然、土での栽培をおすすめします。
土で観葉植物を育てるメリット
- 植物を丈夫に育てられる
- 気温によっては屋外に置いて十分な日光と風に当てられる
- 水やりの管理がしやすい
土で観葉植物を育てるデメリット
- 虫が湧くリスクが高い、衛生的にハイドロカルチャーには劣る
- 生長の速度がハイドロカルチャーよりも早く植え替えによって株が大きくなる(樹形が乱れやすい)
- 土を使用しているため置き場所に気を配る必要あり
ハイドロカルチャーと土、どっちか決められない!という人
ハイドロカルチャーと土、どっちにするかどうしても決められない場合、「室内向けの土」を使ってみるのも選択肢のひとつでしょう。
また、今ある植物をカットし水差しで発根させ、100円ショップで購入したハイドロボールに植え付けるだけでも簡単に可愛いハイドロカルチャーが作れますよ。
「室内向けの土」なら虫の発生を抑えつつ室内でも清潔・丈夫に植物を育てられる
上写真はプロトリーフさんの「室内向けの土」です。この土はコバエやキノコの原因のひとつとされる堆肥(たいひ)を含みません。
そのため、虫が湧きにくく室内でも清潔に観葉植物を育てることができます。
また、鹿沼土ベースとなっているため、濡れている時と乾いている時の土の色の変化が分かりやすいのも特徴です。
水やりのタイミングが分かりやすく、管理のしやすい土といえるでしょう。(下写真)
水差しで発根させた観葉植物をハイドロカルチャーにしてみるのも楽しい&可愛い
また、わざわざハイドカルチャーの植物を購入せずとも、現在、ご自宅で育てている元気な観葉植物があれば、伸びすぎた部分のカットしハイドロカルチャーにすることもできますよ。
上写真はフィロデンドロン(品種は「シルバーメタル」)という半日陰を好む観葉植物です。この植物は直射日光を当てると葉焼けを起こしやすいため、室内での管理に適しています。
ハイドロカルチャーにもぴったりですね。生長して樹形が乱れてきたら、伸びすぎた部分をカットし水差しにします。
一週間ほどすると、白い根っこが少しずつ伸びてくるはずです。
発根が確認できたら、100均やホームセンターで購入できるハイドロカルチャー用土で植え付けましょう。容器は調味料やジャムの空き瓶で十分ですよ。
▲三浦園芸さんの「ハイドロコーン」を使用。容器の底にはダイソーの「根腐れ防止ゼオライト」を敷いています。
これでハイドロカルチャーの完成です。簡単で手軽に可愛いハイドロカルチャーを作ることができました。
あとは容器の約1/5まで水を足して、室内の明るい場所に置いて飾るだけ。生長はゆっくりですが、清潔に楽しむことができますよ。
水位が底をついたら再度、容器の約1/5まで水を足しましょう。
両方購入して両者の生長具合を比較してみるのも面白い
どっちにするか迷ったら、そのまま両方育ててみるのも楽しいです。
また、どちらかが枯れてしまった場合でも、保険として片方を残しておけば、そこから挿し木で増やすこともできます。
また、土の方は「屋外管理」、ハイドロカルチャーは「室内で楽しむ用」と目的別で楽しむのもおすすめ。
ハイドロカルチャーがダメになったら、土で管理している丈夫な株を利用し、再度、ハイドロカルチャーを作ることもできます。
▲ハイドロボールは洗って何度でも使える
ハイドロカルチャー用土は洗って何度でも利用することができる、とってもエコな資材です。
ハイドロカルチャーと土、どっちか迷ったときの判断基準【まとめ】
今回は、ハイドロカルチャーか土、どっちにするかで迷った時の判断基準をご紹介しました。
ちなみに筆者は屋外管理メインのものは土、室内で楽しむ用はハイドロカルチャー、と割り切って楽しんでいます。
ハイドロカルチャーは室内に置きっぱなしのため、どうしても弱ってしまうことが多い印象です。
強い光に当てられないので徒長しやすかったり、色つやが悪くなったり…。
しかし、土で育てている鉢があれば、そこから増やしてハイドロカルチャー用土も再利用することができます。
また、斑入り品種は直射日光で葉焼けを起こしやすいため、ハイドロカルチャーにおすすめですよ。
▲ハイドロカルチャーにした斑入りポトス
ハイドロカルチャーと土、どっちにする?判断基準
とにかく虫が苦手、清潔に室内で観葉植物を管理したい人 | ハイドロカルチャーがおすすめ! |
生長の過程を楽しみつつ長く丈夫に育てていきたい人 | 土での栽培がおすすめ! |
どっちか決められない人へ | 室内向けの土を使ってみるのもよい。また、水差しで発根させた植物を100均のハイドロボールに植えてみるのもおすすめ。両方迎え入れて両者の生長具合を比べてみるのも面白い。 |