鉢からこぼれ落ちるように垂れ下がる、ぷっくりとした葉がとっても可愛いディスキディア。
東南アジアやオーストラリアなどの亜熱帯が主な原産地のガガイモ科ディスキディア属の植物です。
生育適温は20度以上。乾燥に強く、暖かい場所を好むという特徴を持ちます。
今回は、そんなディスキディアが枯れる主な原因と、長く育てるコツをご紹介しましょう。
ディスキディア・ミリオンハートが枯れる原因
一年を通して暖かく湿った風通しのよい空気を好むディスキディア。強光よりも半日陰を好むため、室内でも育てやすい人気の観葉植物です。
ただし蒸れには弱いため、水のやり過ぎには気を付けなくてはなりません。
水のやり過ぎ、蒸れ
ディスキディアは着床植物です。本来はジャングルの樹木に張り付くようにして生育しています。
そのため、空気中の水分を葉から吸収する力も備えています。湿度が高い状態を好むのもこのためでしょう。葉水も好みます。
ただ、根が蒸れると傷みやすいです。土が乾かないうちに次から次へと水を与えていると、根が呼吸できずに傷んで腐ります。
ディスキディアの水やりは土がしっかりと乾いてからが基本!
ディスキディアの水やりは土がしっかりと乾いたのを確認してからおこなうのが基本です。
土が乾いたかどうかの確認方法は、
- 鉢を持ち上げて軽い(普段から水やり後の鉢の重さを把握しておく必要あり)
- 土に指を2~3cmほど差して水気を感じない
- 鉢底から見える土が乾いている
などがあります。ただ、いちいち土の乾き具合を確認するのはなかなか面倒ですよね。
感覚頼りの確認方法では確実性にも不安が残ります。そんな時にあると便利なのが水やりチェッカーです。
スティック状のチェッカーを土に差しておくだけで最適な水やりのタイミングを色で教えてくれますよ。
- 春~秋(15度以上が目安)…チェッカーが白になったタイミングでたっぷりと水やり
- 冬(15度以下)…チェッカーが白になってさらに3~4日してから常温の水を土が湿る程度に与える(月一が目安)
直射日光
ディスキディアは明るい場所を好みます。とはいえ、屋外の直射日光は葉を傷める可能性が高いため避けた方がよいでしょう。
自生地でのディスキディアはジャングルの中の木漏れ日のような場所に生育しています。
強すぎる日光は逆に葉を傷める原因になることもあるのです。また、水やり後の鉢を直射日光に当てると鉢内が蒸れ、根腐れの原因になることも考えられます。
室内なら南向きの窓際がベスト、屋外なら日向よりも半日陰
ディスキディアは、室内であれば明るい窓際に置くのがよいでしょう。レースカーテンは基本不要ですが、葉が強光で変色するのであれば使うことをおすすめします。
ちなみに、窓を通すことで日光は約30%遮光されるといわれています。
これとは逆に、日当たりが悪くてお悩みなら植物育成ライトを使うのもよいでしょう。植物育成ライトを使うことで、光線不足をサポートしてくれます。
寒さ(5度以下)
ディスキディアが耐えられる寒さは5度程度までといわれます。とはいえ、本来は暖かい場所が大好き。
ディスキディアの魅力である美しい葉を保つのであれば、最低でも10度は欲しいところです。
夜になったら窓から1~2m離すだけでも寒さ対策になる
本来は暖かい場所を好むディスキディア。とはいえ、「室内に置いていれば大丈夫」と思われるでしょう。
ただ、注意が必要な場所があります。それが、冬の窓際です。日中は日当たりよく暖かい窓際も、夜から朝にかけては想像以上に冷え込みます。
窓際に置いている場合、夜になったら窓から1~2m離してやりましょう。できればお部屋の中心近くまで移動しておくと安心です。
朝になって暖かくなってきたら、また元の明るい場所に戻してやります。
病害虫
ディスキディアが枯れる原因になりうるのが病気や害虫などです。特に、空気が乾燥した暖かい場所に置いていると発生しやすいのがカイガラムシです。
ディスキディアに発生したカイガラムシを放置していると吸汁によって葉が傷みます。
さらに、カイガラムシの排泄物によってカビが発生し、「すす病」という病気を引き起こすこともあるのです。
害虫は見つけ次第、駆除する必要があります。
葉がベタついたり、白い粉が吹く場合は要注意
ディスキディアがべたべたしたり、葉や茎に白い粉のようなものが付着している場合、カイガラムシが発生している可能性大です。
下写真はコーヒーノキの葉です。白い粉のようなものが付いていますね。
実は、これもカイガラムシの一種で「コナカイガラムシ」といいます。同じくそのまま放置していると吸汁され葉が傷んでしまいます。
よく見ると楕円形をしているのが分かりますか?
カイガラムシは口にある針を植物に差し込み寄生します。その際、足が退化するためほとんど動かなくなることが多いです。
見つけたら早目に取り除くことで被害を最小限に抑えられます。ただ、取っても取っても再発する場合は殺虫剤の使用も検討してみてください。
カイガラムシエアゾールの特徴
- 今、発生しているカイガラムシを駆除できる
- 使用から約1か月効果が持続するため、噴射後に発生したカイガラムシにも効果を発揮する
枯れそうなディスキディア・ミリオンハートを復活させる方法
ディスキディアが枯れそうな場合、以下の方法を試してみてください。
水やりの調整
ディスキディアは多肉植物の一種で、水のやり過ぎが根腐れの原因になります。
土が完全に乾いたときにのみ水をやるようにしましょう。
また、水やりの際には鉢底から水が流れるまでたっぷりと与え、余分な水はしっかりと切っておきます。
日当たりの調整
ディスキディアは明るい場所を好みますが、直射日光に当てすぎると葉が焼けてしまいます。
間接光やフィルター越しの光が当たる場所に置くと良いでしょう。
温度と湿度の管理
ディスキディアは高温多湿を好みますが、極端に湿度が高すぎると病気の原因になります。
室温は20〜25℃が適しています。また、冬場は最低でも10℃以上を保つようにしましょう。
適切な土の使用
ディスキディアには排水性の良い土が必要です。
多肉植物用の培養土や、軽石を混ぜた土を使用すると良いでしょう。
市販の観葉植物用の土に軽石やパーライトを混ぜても良いです。
剪定と植え替え
傷んだ葉や茎を取り除くことで、新しい成長を促すことができます。
また、根詰まりが原因で枯れそうな場合は、ひと回り大きな鉢に植え替えることを検討してください。
害虫対策
ディスキディアが害虫にやられている場合は、すぐに対処してください。
特にアブラムシやカイガラムシがつきやすいので、見つけ次第取り除くか、適切な殺虫剤を使用しましょう。
ディスキディア・ミリオンハートが枯れる原因【まとめ】
ということで、今回はディスキディアが枯れる主な原因と育て方のコツをご紹介しました。
ディスキディアを長く育てるためには、水やりは最低限にとどめ、明るく風通しのよい場所に置くことが重要です。
また、夏場は葉焼けを起こしやすいので直射日光には十分に注意してください。水やり後の鉢を、熱くなった床面に直接置くことも避けてください(根が煮えて傷むから)。