コーヒーの木を小さな頃から長く育てている…という方も多いのではないでしょうか?
コーヒーの木が育つと同時に湧き上がってくるのが「なかなか花が咲かない…」「実が付くのはどれくらい時間が必要?」などという疑問でしょう。
そこで今回は、コーヒーの木に花が咲かない理由と、コーヒーの実がなるまでにはどれくらいかかるのかについてご紹介します。
コーヒーの木の花が咲かない理由は?
コーヒーの木は株が充実してくると、5月~6月頃に小さな白い花を咲かせます。この花は2日ほどで散り、うまくいけばコーヒーの実をつけます。
ただ、大きくなってきたはずなのになかなかコーヒーの木に花が咲かないという場合、以下の原因が考えられます。
コーヒーの木に花が咲かない理由①株が未熟である
コーヒーの木は発芽して花が咲くまで最低でも3年はかかります。発芽から順調に株が充実すれば、3年程度で花を咲かせてくれます。
ただし、観葉植物として室内でコーヒーの木を育てている場合、十分な日光と風通しを確保するのはなかなか難しいことです。
花を咲かせたい場合、時間の経過以上に「株が充実しているかどうか」が重要になります。
コーヒーの木を観葉植物として室内で育てている場合、発芽から3年以上経っても花が咲かないということは珍しくない。株を充実させるためには光合成がさかんにおこなえる環境が必要。そして、光合成に欠かせないのが「日光」「風」「水」の3つなんだね。
コーヒーの木に花が咲かない理由②根詰まりを起こしている
コーヒーの木は地上部の大きさの割に地中の根がよく育ちます。
そのため、1~2年以上コーヒーの木を植え替えていない場合、鉢の中が根っこでぎゅうぎゅう詰めになっていることが多いです。
根詰まりすると、水分や養分がスムーズに吸い上げられなくなります。
コーヒーの木の根詰まりを放置していると、株がなかなか充実しないどころか、根が蒸れやすくなることで根腐れを起こしやすくもなります。
ちなみに、コーヒーの葉先が茶色く枯れ込んでくるのは、根詰まりを起こしているサインであることが多いです。(下写真)
ちなみに、コーヒーの木は直根性。株が充実してくるとその根は約60cmにまで伸びるんだって。コーヒーの木を充実させたいなら、鉢の大きさというよりは「鉢の深さ」が必要になるってことだね。
※直根(ちょっこん)性とは?…太い根(主根)が枝分かれせずに地中深くまでまっすぐにびる性質を持つ植物のこと。大根やごぼうなども直根性。
コーヒーの木に花が咲かない理由③環境が整っていない
これは①、②にも共通するポイントですが、コーヒーの木は明るく風通しのよい環境を好む植物なのです。
観葉植物として人気が高まりつつあるものの、それはあくまで葉を楽しむ程度のもの。
「コーヒーの木に花を咲かせて実を付けたい!」のであれば、十分な日光と風通し、温度と水はけの良い土、深さのある鉢植えなどを用意してやる必要があります。
コーヒー農場(ブラジル)
また、コーヒーの木は多くの観葉植物の中でも寒さが大の苦手です。その上、根詰まりを起こしやすく、直射日光に当てると葉が傷みます。
灼熱の中で育てられているイメージの強いコーヒーの木。でも実際は、生育適温25度前後と意外に涼しい場所を好むんだ。
日本の夏は暑すぎる上、高温時の直射日光に晒されれば葉は一気に傷んでしまうよ。
コーヒーの花を咲かせたい場合に押さえておくべきポイント3つ
コーヒーチェリーとも呼ばれるコーヒーの実は赤い色をしている(ただし、黄色や緑色の実をつける品種もある)
コーヒーの花を咲かせたい場合に押さえておくべきポイント①室内なら南~東向きの窓際に置く
コーヒーの木を充実させるために欠かせないのが日当たり、風通しのよさです。特に、コーヒーの木を室内に置いて育てている場合、この2つがどうしても不足します。
室内でコーヒーの木を育てたい場合で、花を咲かせられるほど株を充実させたいのであれば、日光と風通しは不可欠です。
室内ならどこに置くのがよい?
室内なら南~東向きの窓際に置くのがよいでしょう。ひとことに「室内」といっても、南向きか北向きかで日照量は大きく異なります。
また、南向きであっても窓際に置くか壁際に置くかで、生長具合に大きな差が生じるはずです。
ちなみに、20度以上なら屋外の日陰~半日陰に置くと生育がよくなりますよ。(下写真)
春~秋はベランダの日陰、冬は室内で管理したコーヒーの木
ただし、長い間室内に置いていたコーヒーの木をいきなり屋外の日向に移動させるのは×。葉焼けを起こすためです。(下写真)
室内からいきなり屋外の日向に移動すると高確率で葉が焼ける
移動する場合は数日かけて少しずつ日光に慣らします。ただ、夏場は高温により葉焼けを起こしやすいため、日陰に置くのがおすすめです。
コーヒーの花を咲かせたい場合に押さえておくべきポイント②1~2年に一度の植え替えで根詰まりを解消
コーヒーの木は環境さえ合えばどんどん根を伸ばして生長します。そのため、1~2年以上植え替えていない場合は根詰まりを起こしている可能性が高いです。
以下のような症状がみられる場合、根詰まりや土の劣化により鉢内が蒸れている恐れがあります。
- 鉢底から根っこがはみ出ている
- 葉先が茶色く枯れる
- 1~2年以上植え替えていない
- 水やり後、土に水分が浸透するまで時間がかかるようになった
- 土がカチコチに固まって水はけが悪い
コーヒーの木の植え替えに適しているのは春から秋の暖かい時期です。とはいえ、コーヒーの木は寒さが大の苦手。
植え替えはコーヒーの木にとって大きな負担となります。特に、コーヒーの木は根がまっすぐ伸びる直根性植物のため、植え替えをあまり好まない傾向です。
そのため、コーヒーの木を植え替える時期はできるだけ負担の少ない、生育が旺盛な時期を選びましょう。おすすめは気温が上がり始める春。5月~6月頃です。
コーヒーの木におすすめの鉢は?
コーヒーの木に適しているのは深さのある鉢です。植え替えの際は、現在の鉢よりひとまわり大きめのものを選びましょう。
具体的には、直径プラス3cm程度、深さプラス約10cmのものがあれば最高です。
コーヒーの木は株が充実すると根が約60cmまで伸びます。とはいえ、深さ60cm以上の鉢はなかなか見つかりません。
何より、室内でコーヒーの木を育てている場合、そこまで大きく深い鉢を置くスペースは限られるのではないでしょうか。
その場合、最終的には深さ40~50cm程度の鉢に移行できるとよいでしょう。
●◎深さ33.5×幅24cmの木の質感が感じられるポリプロピレン製の鉢。鉢底穴が多めで通気性も抜群↓↓
●◎深さ42.3cm×直径44.7cmの大型プラスチック鉢。バラやコニファーなどにも適した深型タイプ↓↓
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コーヒーの花を咲かせたい場合に押さえておくべきポイント③冬は寒さと水のやり過ぎに注意する
コーヒーの木を育てていく上で大きな試練となるのが冬の寒さです。
暖かく風通しのよい場所を好むコーヒーの木ですから、日本の冬は寒い上に空気も乾燥するため、葉や根を傷めやすくなります。
室内とはいえ、冬場は寒さによって生長が緩慢になります。
天気予報をチェックして最低気温が15度以下になったら、水やりを控え目にして寒さに備えましょう。
具体的には、冬の水やりは土が乾いてさらに2~3日経ってから与えます。
水やりチェッカーを使って水のやり過ぎ、やり忘れを防ごう
慣れるまでは難しいのが冬の水やりです。寒さによって生長が緩慢になっている冬のコーヒーの木。
暖かい時期と同じ感覚で水やりを続けていると、根が常に湿った状態となり、根腐れを招いてしまいます。
そんな時にあると便利なのが水やりチェッカーです。
使い方は簡単で、スティック状のチェッカーを土に差しておくのみ。これだけで土の乾き具合を測定し、最適な水やりのタイミングを色で知ることができます。
管理が楽になることはもちろん、水のやり過ぎややり忘れによる失敗を防いでくれますよ。
- 春~秋(最低気温が15度以上)…チェッカーが白になったタイミングで鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与える
- 秋~冬(最低気温が15度以下)…チェッカーが白になってさらに2、3日してから常温の水を土の半分くらいが湿る程度に与える
コーヒーの木の花が咲かない!実がなるまでにはどれくらいかかる?【まとめ】
ということで、今回はコーヒーの木に花が咲かない主な理由と、花を咲かせるために押さえておくべきポイント3つをご紹介しました。
ちなみに、コーヒー豆の主な産地であるエチオピアの湿度は、10月~5月で60%前後、6月~9月で70~80%前後。一年を通して寒暖の差が少なく湿度も安定しています。
こまめな葉水で空中湿度を保とう
コーヒーの木を充実させたい場合、日当たり・風通しのよさも必要ですが、適度な湿度も必要になります。
特に、空気の乾燥しやすい冬の室内では、こまめな葉水で空中湿度を保つこともお忘れなく。
今回の記事を参考に、気長に育てて「幻の花」ともいわれるコーヒー木の花を咲かせてみてくださいね。
コーヒーの木の花が咲かない主な理由3つ
- 株が未熟である
- 根詰まりを起こしている(➡株が充実できない)
- 環境が整っていない(➡株が充実できない)
コーヒーの木に花を咲かせたい時に押さえておくべきポイント3つ
- 室内なら南~東向きの窓際に置く(➡日当たり、風通しの確保)
- 1~2年に一度の植え替えで土の劣化、根詰まりを解消
- 冬は寒さと水のやり過ぎに注意する