光沢のあるグリーンの葉が美しいコーヒーの木(コーヒーノキ)。
コーヒー豆が実る木として知られるコーヒーの木ですが、その葉と樹形の美しさから観葉植物としても人気が高まっています。
コーヒーの木は肥料を与えずとも用土に含まれる養分で十分に育つことができますが、
「コーヒーの花を咲かせてみたい」「コーヒーの実を実らせてみたい」「株を充実させて大きく育てたい」などという場合、適期に肥料を与えることが必要です。
今回は、そんなコーヒーの木におすすめの肥料と与え方をくわしくご紹介します。
- 土の上に置くだけで簡単。効果は約2か月持続➡プロミックがおすすめ
- 水で薄めて使う。効果が実感しやすい➡ハイポネックス原液がおすすめ
- 一度土に混ぜ込めば効果は約1年持続➡マグァンプKがおすすめ
- 土に撒くor混ぜるだけで肥料効果と殺虫・防虫効果が一度に得られる➡マグァンプD
コーヒーの木におすすめの肥料、3つの条件とは?
コーヒーの木は適期に肥料を与えることで葉の色つやがよくなったり、株が充実したりといった効果が期待できます。
今回は室内でコーヒーの木を育てている方におすすめの肥料と、その使い方・注意点までをご紹介しましょう。
室内でコーヒーの木を育てている場合、その肥料に求められるポイントは3つ!
- 清潔に管理できること(虫が寄り付きにくい)
- においが少ないこと
- もちろん、肥料効果もしっかりと実感できること
今回は、これら3つのポイントを押さえたコーヒーの木におすすめの肥料をご紹介します。
コーヒーの木におすすめの液体肥料「ハイポネックス」
水で薄めて使うタイプの肥料です
こちらは水で薄めて使うタイプの肥料です。園芸店はもちろん、ホームセンターにも必ずと言っていいほど置いてある定番の肥料ですね。
1978年に登場したハイポネックスは、効果が実感しやすい即効性肥料です。
15種類の栄養分をバランスよく配合しているため、与えてから2~3日で葉が青々としてくるのを実感できるでしょう。
気になるにおいも少なく、室内でも安心して清潔に使えるおすすめの肥料。効果もばっちり!僕は毎年、春にハイポネックス(800ml)を1本購入してる。秋までには使い切ることが多いよ。
ハイポネックス原液の使い方
春から秋の暖かい時期に土が乾いたタイミングで与えます。観葉植物の場合は約500倍に薄めて使います。目安は10日に1回程度です。
500倍水溶液は、水1リットルに対してキャップ約1/10を薄めて使います。
土が乾いたタイミングで水やりとともに与えましょう。
植物に水分がかからないように与えるのがコツ
水やり後、受け皿に溜まった水をそのままにしておくと、コバエや根腐れの原因になります。ちょっぴり面倒でもこまめに捨ててくださいね。
ここで注意点。
冬(天気予報をチェックして最低気温が15度以下)の肥料は基本不要です。不要な肥料やりは根を傷める原因になります。これを肥料焼けといいます。(下写真)
「とにかく虫が苦手!」という方には、殺虫成分入りのハイポネックスがおすすめですよ。
こちらは肥料効果と殺虫効果が同時に得られる優れもので、もちろん観葉植物に使うこともできます。
「とにかく虫が苦手」という方はこちらのハイポネックスがおすすめ。殺虫成分入りハイポネックスは約250倍に薄めて使おう。
- 水500mlの場合⇒カップ2目盛りを水で薄める
- 水1Lの場合⇒カップ4目盛りを水で薄める
コーヒーの木をハイポネックス(液体肥料)で4年間育ててみた結果
最後に、筆者が100均で購入した小さなコーヒーの木の生長記録をご紹介します。
お気に入りの肥料で4年間、コーヒーの木を育ててみた【ビフォーアフター】
お気に入りの肥料を使って4年間育てた小さなコーヒーの木。まずはビフォーアフターからどうぞ。
購入時は直径3cmほどの小さな鉢に植えられていたコーヒーの木。
適期に肥料を与えつつ徐々に鉢増しして、約4年後には直径30cmほどの鉢にまで大きくなりました。
どんな肥料を使った?使用頻度は?
この4年で使用した肥料は以下2つです。
- 土に混ぜ込んだ肥料がマグァンプK 中粒(250g)➡ゆっくり長く効果を発揮するタイプの肥料。効果は約1年!
- 春~秋に1か月に2回程度、水で薄めて与えた肥料がハイポネックス原液➡水で薄める手間はかかるものの慣れれば朝飯前。とにかく効果が分かりやすい!
色々な肥料を試したけど、筆者はこの2種に落ち着いた。最近は殺虫成分入りの肥料「マグアンプD」も併用してる。ニオイもほぼ無く虫も湧きにくいおすすめの肥料だよ。
コーヒーの木におすすめの置き型肥料「プロミック」
コーヒーの木を植えている土の表面に「ポン」と置くだけ。とっても手軽に使えるのが「プロミック」という錠剤タイプの肥料です。いわゆる「置き肥」ですね。
園芸店やホームセンターにはさまざまな置き肥が売られているでしょう。中でもプロミックはニオイが少なく室内でも安心して使えるのが特徴です。
このタイプの肥料は水やりの度に成分が溶け出し、約2か月にわたって効果を発揮します。
あくまで個人的な感想だけど、①で紹介した液体肥料に比べると、置き肥は即効性の面で劣るかも。でも、手軽さはNo.1!
置き肥はゆっくり長く穏やかに効く漢方のようなイメージ。慣れてきたら様子をみつつ、①と②を併用してもよい。
プロミックの使い方
植物に直接触れない位置に置くだけ。とっても手軽ですね。
効果は約2か月持続するので、2か月経ったら新しいものと交換しましょう。
使用の際は、錠剤を割ったり砕いたりするのは×。肥料がゆっくり溶けだすのを待ってね。植え替えの際は1か月後から使用を開始しよう。
コーヒーの木におすすめの混ぜ込み方肥料「マグァンプk」
手軽度は★ひとつにしましたが、個人的には一番おすすめの肥料が「マグァンプk」です。こちらは1966年から発売されているロングセラー商品になります。
マグァンプkは土の混ぜ込むタイプの肥料で、効果はなんと約一年持続します。土に混ぜ込んでしまえば、あとは基本何もしなくてokなんです。
もちろん、嫌なにおいもほぼ無し。室内でも安心して使えます。
個人的にはこれが超おすすめ。植え替え時に混ぜ込んでしまえば、あとは基本放置でok!忙しい人にもぴったりの肥料だよ。
リンサン効果で植物の根を丈夫にしてくれる。観葉植物以外にも野菜、草花にも使用可能。花、実付きをよくしてくれるよ。
マグァンプkの使い方
植え替え時に使用する土に規定量を混ぜ込みます。あとは通常通り、鉢底石を敷いた鉢に用土を敷き、株の高さを調整しつつ植え付けてください。
植え替え後はたっぷりと水を与え、受け皿に溜まった水はこまめに捨てます。
- 土500gの場合⇒1~4gくらい(ティースプーン約1杯弱~2杯程度)を混ぜる
- 土1kgの場合⇒2~8gくらい(ティースプーン約1杯~4杯程度)を混ぜる
コーヒーの木に肥料を与えるタイミングはいつ?
コーヒーの木の肥料は適切な時期とベストな状態のときに与える必要があります。
タイミングが悪いと肥料によって根を傷めてしまう恐れもあるため注意が必要です。
コーヒーの木に肥料を与えるベストタイミングは、春~秋の暖かい時期
コーヒーの木の生育が旺盛になるのが春~秋の暖かい時期です。
この時期は地上部、根っこ部分ともにどんどん生長していきます。肥料を与えることで葉の色つやも良くなるでしょう。
ただし、真夏は肥料を控えた方が無難
コーヒーの木は暑いのが得意そうに見えますが、実は極端な暑さは苦手です。
生育適温は20度前後と穏やかで過ごしやすい気候を好みます。
極端な暑さに晒される真夏はコーヒーの木の生育が緩慢になっていることも多い。心配な場合は念のため、暑さが落ち着くまでは肥料を控えた方がいいかも。吸いきれないほどの肥料分は根を傷める原因になるよ。
気温の下がる秋~冬は生育が緩慢な休眠期。肥料を与えることで根に負担をかけることも
冬に肥料を与えたことで葉が焼けたように変色。肥料焼けの症状。
コーヒーの木は寒さが大の苦手。
気温が下がるとともに生育が鈍り、同時に根が水分を吸い上げる力も弱まります。
寒い時期の肥料は基本不要。吸いきれない程の肥料を与えると根を傷めて「肥料焼け」を起こす原因にもなるよ。
天気予報をチェック。最低気温が15度以下になってきたら肥料は一旦ストップ
元気がないとついつい肥料をあげたくなるけど…
肥料を一旦ストップするタイミングの目安となるのが、天気予報の最低気温です。
最低気温が15度以下になってきたら肥料は一旦ストップします。
冬はどうしても葉の色が悪くなったり元気がなくなったりしやすい。でも肥料を与えるのは控えて。吸いきれないほどの肥料分は根腐れを招く原因になるよ。暖かくなる春までは冬越しに集中!
コーヒーの木に肥料を与える前に必ず確認しておくべきこと
コーヒーの木に肥料を与える前には以下のポイントを必ず確認しておきましょう。
コーヒーの木に肥料を与える前に確認すべきこと①根詰まりを起こしていないか?
コーヒーの木に肥料を与える前は必ず根詰まりしていないかを確認します。
根詰まりしている鉢の中は根っこでぎゅうぎゅう詰めの状態です。
このような状態で肥料を与えると、根がスムーズに肥料分を吸収できず、逆に根にダメージを与えてしまう恐れがあります。
コーヒーの木は想像以上に生長が早い植物。肥料を与える前は根詰まりチェックを忘れずに。ちなみに、植え替え後は1ヶ月ほど肥料を控えて。1ヶ月ほど経って根が回復したタイミングで肥料を与えよう。
コーヒーの木に肥料を与える前に確認すべきこと②株が弱っていないか?
株が弱っている状態で肥料を与えるのは控えましょう。
コーヒーの木が弱っている状態で肥料を与えると、根がスムーズに肥料分を吸収できずに残った養分によってさらに根を傷めてしまう恐れがあります。
弱った状態で肥料を与えることは、病気で弱っている人に無理やり焼肉定食を食べさせるようなもの。まずは回復させることを優先しよう。
コーヒーの木に肥料を与える前に確認すべきこと③使用環境に合っているか?
肥料は沢山の種類があります。中には独特のニオイを放つものや計量が必要なものなどもあるでしょう。
特に室内で栽培しているコーヒーの木の肥料を選ぶ場合は「ニオイがほぼしないこと」と「継続して使用できそうか」を確認します。
コーヒーの木に肥料を与えないとどうなる?
コーヒーの木を色つや良く丈夫に育てたいなら肥料は与えるべきでしょう。
コーヒーの木を肥料を与えずに栽培した場合、以下のような状況になる可能性があります。
コーヒーの木を肥料を与えずに育てたら起こりうること①生育が遅くなる
肥料を与えない場合、コーヒーの木は栄養が不足し生育が遅くなることがあります。
観葉植物として楽しむ場合はそこまで重要ではありませんが、コーヒーの実を収穫したいという場合は肥料は与えるべきでしょう。
コーヒーの木を肥料を与えずに育てたら起こりうること②葉が黄色くなる
コーヒーの木は栄養不足に陥ると葉が黄色く変色することがあります。
葉が黄色くなることは光合成が減少し、栄養の吸収が損なわれている兆候です。
コーヒーの木を肥料を与えずに育てたら起こりうること③株が弱ることで病害虫の被害を受けやすくなる恐れ
健康なコーヒーの木は通常、病気や害虫に対する抵抗力を持っています。
しかし、肥料をまったく与えない状態で栽培したコーヒーの木は抵抗力が低下している可能性が高いです。
抵抗力が低下することで病害虫による被害を受けやすくなることも考えられます。
コーヒーの木を観葉植物として楽しむなら必要最低限の肥料で十分。今回紹介した肥料ならどれか1種類をチョイスしておけば特に問題なく育つはずだよ。
【追記】肥料と殺虫・防虫が一度にできる!室内栽培のコーヒーの木におすすめ「マグアンプD」とは?
追記です。コーヒーの木の肥料をお探し中の方で虫が苦手という方。
殺虫・防虫と肥料効果が得られる「マグァンプD」が登場したのをご存じですか?
今回、マグァンプDを実際に使ってみて非常に気に入ったので、虫が苦手な方向けに紹介するよ!
虫が苦手だけどコーヒーの木を元気に育てたい!そんな人におすすめの肥料が「マグアンプD」
冒頭でご紹介した「マグアンプk」に殺虫効果をプラスしたのが「マグァンプD」。
肥料と殺虫、さらに虫の予防までできちゃう優れものです。
まさに一石二鳥だね!
使い方は簡単。土に撒くor土に混ぜるだけ
使い方はとっても簡単。観葉植物1株に対して付属のスプーンひとさじ分を土に撒くor土に混ぜるだけ。
肥料と虫予防が一度に済ませられるので手間が少なく済みます。
↑パッケージも可愛いくて良い感じ。植物の肥料や殺虫剤ってパッケージが可愛くないものが多いので、これは地味に嬉しいポイントです(*^^*)
とっても簡単なのに、肥料・殺虫・虫予防が一気にできちゃう。効果は1か月ほど。土の上の白い粒は水やりを繰り返すうちに目立ちにくくなっていくよ。
肥料と活力剤って同じ?
肥料と活力剤。そっくりな両者ですが、実は全くの別物です。
肥料か活力剤かは「窒素」「カリウム」「リン酸」がどのくらい含まれているかで決まる
実は、肥料であるか活力剤であるかは「肥料取締法」によってきちんと決められています。
肥料は肥料取締法と言う法律により、製品に含まれる肥料成分の含有量が定められていて、その基準に満たない製品は「肥料」という名称では販売できません。そのため、低濃度の製品は「活力剤」として販売されます。
- 肥料…窒素・リン酸・カリなどの植物が大きくなるための栄養素を、法律で定められた数値以上含むものをさす
- 活力剤…少量(肥料に満たない量)の窒素・リン酸・カリなどの養分と微量要素(ビタミン、アミノ酸など)を含むもの。または、微量要素のみを含むものなどをさす
人の食事に例えると、肥料は主食で活力剤はサプリメントって感じ。サプリメントだけ摂っていても栄養が追い付かないよ。
よくある緑色のアンプル剤は肥料?活力剤?どっち??
100均でよく見かけるのが上写真のような緑色のアンプル剤ではないでしょうか?
実は、このタイプのアンプル剤は活力剤である場合が多いです。
もちろん「アンプル剤=活力剤(肥料でない)」というわけではありません。中にはアンプル型の肥料もあります。
大切なのは、購入時に肥料なのか活力剤なのかをしっかり確認すること。肥料と思い込んで活力剤を使っている場合、十分な効果が得られないよ。
コーヒーの木におすすめの肥料は?4年間ハイポネックスを使ってみた結果【まとめ】
ということで、今回はコーヒーの木におすすめの肥料とその使い方までをくわしくご紹介しました。
肥料は正しく使うことで効果を発揮します。ただ、肥料を使う際に気を付けたいのが「元気がない」「弱っている」などという場合。
このような状況で、「栄養分が足りてないのかな?そうだ、元気を出させるために肥料あげてみよう!」と考えるのは危険です。
なぜなら、根が弱っている状態で肥料を与えた場合、逆に根を傷めて「肥料焼け」を起こす恐れがあるからです。(下画像)
冬に肥料を与えたところ、葉が焼けたように変色し変形してしまった…(肥料焼け)
もちろん、さまざまな考え方がありますが、個人的には弱っている状態での施肥(肥料を与えること)はおすすめしません。
コーヒーの木に元気がない…という場合、まずはよく観察すること。そして、これまでの管理方法を思い出し、原因を探ることが大切です。
特に、コーヒーの木は寒さが大の苦手…。冬はどうしても元気がないなぁ…と感じることが増えるはず。
コーヒーの木に元気がない時に考えられる原因や対処方法ついては、以下記事も参考にしてみてね。
コーヒーの木におすすめの肥料【厳選3つ】
- 水に薄めて使う液体タイプの肥料➡ハイポネックス原液【お手軽度★★☆】
- 土の上に置くだけ。錠剤タイプの肥料➡プロミック 観葉植物用【お手軽度★★★】
- 土に混ぜるor土の表面に撒くタイプの肥料➡マグァンプK 中粒(250g)【お手軽度★☆☆】