光沢のある濃いグリーンの葉が美しいコーヒーの木。ご存じのとおり、コーヒー豆を実らせる木で、特に幼木は耐陰性も強く観葉植物として人気があります。
そんなコーヒーの木の魅力といえばなんといってもツヤのある美しい葉です。が、いつの間にか葉がカラカラに傷んでお困りではありませんか?
そこで今回は、コーヒーの木の葉がカラカラになる主な原因と、葉がカラカラに傷んだ時の対処法をご紹介しましょう。
コーヒーの木の葉がカラカラになる原因は?
観葉植物としても人気の高いコーヒーの木。
しかし、多くの観葉植物の中でも寒さが大の苦手なコーヒーの木は、本来は明るく風通しのよい暖かな場所を好みます。
また、明るく暖かい場所を好むとはいえ、注意すべきなのが「直射日光」です。コーヒーの木は強光によって葉が茶色く傷みやすいという特徴も持ちます。
くわしくみていきましょう。
コーヒーの木の葉がカラカラになる原因①寒さ
コーヒーの木は何といっても寒さが大の苦手です。
耐えられるのは8度程度までといわれますが、20度を下回ると徐々に生育が鈍り始め、15度以下になると休眠に入り生長がほぼ止まります。
10度はキープしたいところですが、それは「枯れないための最低限の温度」ともいえます。
灼熱の中育てられているイメージの強いコーヒーの木だけど、実は、生育適温は25度前後と意外に涼しい場所。暖かく風通しのよい場所を好むんだね。
日本の夏は暑すぎる上、高温時の直射日光に晒されれば葉は一気に傷んでしまう…。
10度以下になると葉の色ツヤが悪くなり、落ちてしまうことも
コーヒーの木の美しい葉を保つのであれば、最低でも15度は欲しいところです。
室内には温度計を置いて、ときどき寒くなりすぎていないかチェックする習慣をつけましょう。
最低でも15度以上、湿度は最低40%以上(理想は20度以上、湿度約60%)
また、天気予報で最低気温が15度以下になってきたら、水やりは控え目にシフトします。
具体的には、土が乾いてさらに3~4日してからの水やりです。水やりチェッカーがあると管理が楽になりますよ。
使い方は簡単で、スティック状のチェッカーを土に差しておくだけ。土の乾き具合を測定し、最適な水やりのタイミングを色でお知らせしてくれるアイテムです。
- 春~秋(最低気温が15度以上)・・・「白」になったタイミングでたっぷりと水やり
- 秋~冬(最低気温が15度以下)・・・「白」になってさらに3~4日してから常温の水を土全体が湿る程度に与える
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コーヒーの木の葉がカラカラになる原因②直射日光
コーヒーの木の葉がカラカラになる時に考えられる2つ目の原因が「直射日光による葉焼け」です。
葉焼けとは、強光によって葉の一部が焼け焦げたように変色する生理障害をいいます。
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暗い場所からいきなり明るい場所へ移動するのは避けよう
「たまにはベランダで日光浴させてあげよう!」
このように思い立ち、コーヒーの木を室内からいきなり屋外の日向に移動すると、高確率で葉焼けします。
コーヒーの木は明るい場所を好む植物です。しかし、明るいといっても強すぎる日光は×。
原産地では、コーヒーの木を直射日光から守るため「シェードツリー(日陰用の高木)」が一緒に植えられているよ。
シェードツリーに守られて育ったコーヒーチェリー(コーヒーの実)は粒が大きく、熟成具合も均一なんだって。
コーヒーは日光を好む植物であるにもかかわらず、日当たりが強すぎると元気がなくなってしまいます。そのためコーヒーの産地では、コーヒーの木のそばに少し背の高い木を植えて、日差しを和らげているそう。コーヒー木のために日陰を作ってくれる、この背の高い木のことはシェイドツリーと呼ばれています。
コーヒーの木におすすめの置き場所は以下のとおり。あくまで目安にはなりますが、参考にしてみてください。
- 春~秋(最低気温15以上)・・・南向きの窓際。窓を通すことで約30%遮光されるといわれるため。葉焼けするようならレースカーテンで調整。20度以上なら屋外の日陰~半日陰に置くと生育がよくなるのでおすすめ。ただし直射日光は×。
- 冬(最低気温15度以下)・・・夜になったら窓からできるだけ離す。寒さを防ぐため。
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本来は日光を好むコーヒーの木。あまりにも日当たりの悪い場所に置いていると、葉と葉の間隔が伸びてひょろひょろになったり、葉が落ちたりして徐々に弱ってしまいます。
日当たりの悪いお部屋や、窓際に置き場所が無い…などという場合、植物育成ライトを使うのもおすすめです。
▲植物育成ライト LED 4灯 クリップ led 植物育成 太陽光
クリップタイプなら場所を取らずにコンパクト、さらにアームが自在に動かせるタイプであれば、さまざまな角度から広範囲に光を照射できて便利ですよ。
使用の基本は1日8時間~12時間。タイマー機能が付いているものだと最初に設定してしまえば、あとは基本放置でok。
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コーヒーの木の葉がカラカラになる原因③根詰まり
コーヒーの木は春から秋にかけての暖かい時期に生育が旺盛になります。
地上部が生長しているということは、もちろん鉢の中の根っこも生長しているのです。
そのため、何年も植え替えないままでいると、鉢内の根がぎゅうぎゅう詰めになり、水分や養分をスムーズに吸収できなくなります。
その結果、葉が茶色く傷んでしまったり、根腐れを起こす原因となってしまったりするのです。
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根詰まりを解消することはもちろん、土を更新するためにも1~2年に1回の植え替えが必要
植え替えは根詰まりを解消するためだけにおこなうものではありません。
コーヒーの木は水はけのよい土を好みますが、土は経年とともに粒が崩れて団子状に固まってしまいます。
すると、鉢内が蒸れやすくなり根が傷む原因となるのです。根が傷めば地上部も弱ってしまいます。
粒が崩れて水はけの悪くなった土を新しい土に更新するためにも、1~2年に1回の植え替えが理想的です。
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コーヒーの木の葉がカラカラになる原因④空気の乾燥
コーヒーの木が好む湿度をご存じですか?
コーヒーの産地であるエチオピアの湿度は、10月~5月で60%前後、6月~9月で70~80%前後となります。
日本の場合、寒さが苦手なコーヒーの木を屋外に置いていると枯れてしまうでしょう。そのため、冬は室内管理がメインとなります。
ただ、寒さの厳しい冬。エアコンや暖房器具を使っていると陥りがちなのが「空気の乾燥」です。
また、エアコンや冷暖房の風が直接コーヒーに当たっていると葉がカラカラに傷みます。
こまめな葉水で空気の乾燥を防ごう
まずは、温湿度計を用意し室内の湿度を確認してみましょう。
湿度が50%以下なら要注意。空気が乾燥することで葉が傷みやすくなっています。
理想は60%以上ですが、それだと人にとって不快な環境となるでしょう。最低でも50%はキープしておきたいところです。
空中湿度を高めるために必要となるのが「葉水(はみず)」です。
もちろん、加湿器を使用するのもokですが、あくまでメインのお手入れは葉水にします。
その際、霧吹きは微細ミストが連続噴射できる容器があると便利です。
微細ミストだと水滴が細かいため、葉に付着した水分が床にボタボタと落ちにくくなります。
「葉水の度に床が濡れるのがストレス」という方には特におすすめですよ。
室内でたくさんの観葉植物を育てているなら1本は持っていきたいアイテム!
元々は美容室等で使うために作られたスプレー容器。肌当たりのよいふんわりした霧状のミストが特徴。
※筆者は黒を使っていますが、白もあったので張っておきます。↓↓
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コーヒーの木の葉がカラカラになった時の対処法は?
では、すでにカラカラになってしまったコーヒーの木はどうすべきなのでしょうか。次に、葉がカラカラに傷んだ時の対処法をみていきましょう。
残念ながら、すでにカラカラになった葉を元に戻すことは出来ない
上記のとおりで、残念ながら一度カラカラに傷んでしまった葉は元通りにできません。
葉にまだ緑色の部分があるならそのまま残しておくか、カラカラに傷んだ部分のみをハサミでカットするか、あるいは葉の根元からカットするか。
株の状態を見て判断してください。判断の目安は以下のとおりです。
そのままにしておくか、茶色い部分のみカットするか。株の状態を見て判断
- 全体的に葉が多く元気な場合⇒カラカラに傷んだ葉が数枚であればカットしてもok。暖かい時期であれば新芽が展開するはずなので、徐々に新しい葉に隠れて傷んだ葉は気にならなくなることもある。
- 葉数が少なくいまいち元気がない場合⇒もともとの葉数が少ないなら残しておくのが無難。ただし、葉がすべて茶色くカラカラに傷んでいるならカット。葉に緑色が残っているなら光合成はまだできる。なので、心配なら残しておくのがおすすめ(特に秋から冬)。どうしても見栄えが気になるならカットしてもよいが、葉が少なすぎるならやめておいた方がよい。
傷んだ葉は自然と落ちる。無理にカットせず落ちるのも待つのもよい
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まとめ
ということで、今回はコーヒーの木の葉がカラカラになる原因とその対処法をご紹介しました。
暑すぎても寒すぎてもだめ。強光や空気の乾燥で葉が傷みやすいコーヒーの木は、観葉植物の中でも育てるのが難しいといわれます。
ただ、葉を傷めないために気を付けておくべきポイントは3つ。それが、
- 寒さに当てない(できれば15度以上)
- いきなり日向に移動しない(明るい場所に移動する場合は少しずつ慣らす、とはいえ直射日光は避けた方がよい)
- 根詰まりを起こしやすいため1~2年に1回はひとまわり大きめの鉢に植え替える
です。また、高さ30cmを超えるとより多くの日光を欲しがるようになってきます。
さらに日本は四季がはっきりしていて温度変化が極端。美しい姿をキープしつつ、コーヒーの木を大きく育てるのはなかなか難しいでしょう。
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