光沢のある艶やかな葉が魅力的なコーヒーの木。耐陰性が強いとされる30cm以下の幼木が、観葉植物として特に多く出回っていますね。
そんなコーヒーの木の魅力といえば、なんといってもツヤ感のある濃いグリーンの葉です。
しかし、コーヒーの木を長く育てているうちに、いつの間にか鮮やかな緑色が薄くなって弱々しい見た目になってはいませんか?
そこで今回は、コーヒーの木の色が薄い主な原因をくわしくご紹介します。
コーヒーの木の色が薄い…!緑色が薄くなる理由とは?
それでは、コーヒーの木の色が薄いときに考えられる主な原因をみていきましょう。
コーヒーの木の色が薄い原因①直射日光による葉焼け(初期症状)
コーヒーの木は、直射日光で葉焼けを起こしやすいという特徴を持ちます。そして、一年の中でも特に葉焼けのリスクが高まるのが夏場の高温期です。
▲葉焼けしたコーヒーの葉
コーヒーの木の場合は25度以上になってくると葉の温度が上がり、さらに高温に晒され続けることによって蒸散が追い付かなくなります。
その結果、光合成がスムーズにおこなえず、細胞の一部が強光により破壊され葉焼けが起こるといわれています。葉焼けというと葉が茶色く変色した様子を思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし、葉焼けの初期症状としてみられるのが「葉の色が薄くなる」「葉の色が抜けたようになる」などです。
▲強光により葉の色が薄くなったウンベラータ
強光が原因で色が薄くなっている時の対処法は?
特に夏場、直射日光や西日が当たる場所にコーヒーの木を置いている場合、
遮光ネットやレースカーテン越しの窓際に移動させるなどして、早目に対処することで被害を最小限に抑えることができます。
▲ダイソーで200円でした
コーヒーの木の色が薄い原因②日光不足
直射日光で葉焼けを起こしやすいコーヒーの木ではありますが、あまりにも日当たりの悪い場所に置き続けていると徒長(とちょう)を起こします。
たとえば一年中、お部屋の中心や壁際、隅などにコーヒーの木を置きっぱなしにしている場合、どうしても日光が不足し株全体が弱々しい姿になりがちです。
徒長の症状としては、
- 葉と葉の間隔が空いて間延びしたような姿になる
- 光合成によって生成される養分量が少なくなるため葉の色が薄くなる
- 全体的に弱々しく色つやが悪くなる、ひょろひょろした見た目
- ちょっとした環境の変化(寒さや水のやり過ぎ等)で大きなダメージを受けやすくなる
などがあります。
日光不足が原因で色が薄くなっている時の対処法は?
▲寒さと日照不足で弱り気味のコーヒーの木…
徒長が疑われる場合は、できるだけ明るい場所へ移動することで株を丈夫に保つことができます。
ただし、いきなり日当たりの良すぎる場所へ移動するのは葉焼けの原因になります。移動する場合は数日かけて少しずつ日光に慣らしましょう。
コーヒーの木に適した置き場所は、気温15度以上の屋外であれば半日陰(夏場は日陰)、室内であれば明るい窓際(夏場はレースカーテンで調節)がおすすめです。
コーヒーの木の色が薄い原因③寒さ
▲寒さと葉焼けで落ちた葉…
コーヒーの木の色が薄くなったり、色つやが悪くなったりしているのが冬場の場合、寒さが原因のことが多いです。
特にコーヒーの木は寒さが苦手です。生育適温は約20度~30度未満まで。15度を下回ると生長がほぼ止まる休眠期に入ります。
そのため、暖かい時期に比べると光合成量も減るため、どうしても葉の色つやに栄養が出てきます。
寒さが原因で色が薄くなっている時の対処法は?
▲日中は明るく暖かな窓際は、朝晩になると急激に冷え込むことが多い
コーヒーの木は寒さが大の苦手。そのため、秋から冬にかけては「現状維持」が目標になるでしょう。
焦って肥料を与えたり、気温の安定しない屋外に出して日光に当てるのは避けた方が無難です。
まずは、「15度以下の寒さに当たっていなかったか?」「水をやり過ぎていなかったか?」「冷え込みのきつい朝から晩にかけて窓際に置いていないか?」等を確認します。
15度以下の時期は根が水分を吸う力も低下するため、水やりの基本は「土が乾いて3~4日ほど経ってから」です。
コーヒーの木の色が薄い原因④根詰まり
「温度管理も徹底し、水やりも適切におこなっている。それなのに、なんとなく葉の色が悪く元気がない…。」
このような場合、まずは根詰まりしていなかを確認してみましょう。コーヒーの木は春から秋の暖かい時期にかけて非常によく根を張ります。
地上部に比べて鉢内の根が想像以上に張っていることも多いです。(下写真)
▲植え替えから一年ほど経過したコーヒーの木
2年以上植え替えていない場合、根詰まりによって鉢内の水はけが悪くなり、根がスムーズに水分や養分を吸えなくなっている恐れもあります。
また、根詰まりしていなかったとしても、経年により土の粒が崩れることで、土が団子状に固まり、鉢内の水はけが悪くなっていることも考えられます。
▲根詰まりを放置することで根腐れを招くことも多い
これを放置し続けることで高まるのが根腐れのリスクです。
古くなった土を更新するためにも、最低でも2年に一度の植え替えがおすすめです。
ちなみに、葉の色が薄い原因のひとつに養分不足も考えられますが、根詰まりした状態で肥料を与えると、逆に根を傷めてしまうことも。
肥料を与える場合は、必ず根詰まりしていないかを確認してくださいね。
根詰まりが原因で色が薄くなっている時の対処法は?
- 鉢底から根がはみ出ている
- 水やり後、水分が土に入っていくまで時間を要するようになった
- 葉先が茶色く枯れている
- 新しい葉が綺麗に開かない、変形している
- 2年以上植え替えていない
上記のような症状がみられる場合は根詰まりしている可能性があります。鉢から株を取り出して根がぎゅうぎゅう詰めになっていないか見てみましょう。
根詰まりしている場合は、気温15度以上の暖かい時期にひとまわり大きめの鉢へ植え替えます。冬場の植え替えは避けてくださいね。株が植え替え後にそのまま弱ってしまう恐れがあるためです。
▲植え替え後のコーヒーの木
コーヒーの木の色が薄い原因⑤病害虫による被害
「なんとなく葉の色が悪い」「葉がベタベタする」「葉の付け根に蜘蛛の巣のようなものが付着している」
このような場合、ハダニやカイガラムシなどの害虫被害を受けていることも考えられます。
葉の表や裏、葉の付け根や茎などに小さな虫が付いていないかくまなく確認してみましょう。
害虫をそのままにしておくと、吸汁によって樹液を吸われ、最終的には枯らされてしまうこともあります。また、他の観葉植物にまで被害が及ぶことも考えれます。
病害虫が原因で色が薄くなっている時の対処法は?
とにかく害虫に気付いたら早目に取り除くのが大切です。
下写真は「カイガラムシ」と呼ばれるカメムシの仲間の害虫です。どこにいるか分かりますか?
新芽の先端部分に白い粉のようなものが付着していますね。これがカイガラムシです。正確には「コナカイガラムシ」といいます。
ちなみにカイガラムシは非常に種類が豊富で、白いふわふわした見た目のものや、茶色い粒々のものなどさまざまです。
▲ほとんど動きません。一見、何か汚れのようにも見えます…
しかし、カイガラムシを放置しておくと吸汁により樹液を吸われ、糖分を含んだ排泄物をまき散らされます。これがベタベタの原因ですね。
さらにこの排泄物が「すす病」という黒いカビを発生させる病気を招くこともあるのです。見つけたらピンセットや割りばしで早めに取り除き駆除します。
▲よく見るとダンゴムシのような姿…
※ちなみに、カイガラムシやアブラムシなどが出す排泄物は、糖分を多く含むため甘く「甘露」とも呼ばれるそうですよ…。
コーヒーの木の色が薄い原因⑥新しい葉のため
▲新しい葉は色が薄く見える
上写真は春先に撮影したコーヒーの木です。
株の頂上付近の葉が黄緑色に見えますね。これらは新しく開いた葉です。
そのため、まだ緑色が薄くみえます。しかし、葉には光沢があり張りもありますね。
新しい葉は生長するにつれて濃いグリーンになっていく
▲小さなコーヒーの木
暖かくなって気温が上がってくると、コーヒーの木の活動もさかんになります。
すると、枝先に新しい葉をどんどん展開してくれるはずですよ。新しい葉は光沢があり艶々としているのが特徴です。
はじめは薄い緑色ですが、生長とともに少しずつ濃いグリーンに変わっていきます。
まとめ
今回は、コーヒーの木の色が薄い主な原因6つをご紹介しました。
植物は話すことができませんね。そのため、ちょっとしたサインで体の不調を訴えてきます。
それらのサインを見逃して万が一、枯れてしまったとしても、植物は文句ひとつ言ってきません。
だからこそ、「色が薄いかも…」ということに気付けたら、できるだけ適切に対処してやりたいものですね。
コーヒーの木の色が薄い主な原因6つ
- 直射日光による葉焼けの初期症状
- 光線不足
- 寒さ
- 根詰まり
- 病害虫による被害
- 新しい葉のため、等